2019年3月20日

相馬市原釜漁港の漁師、菊地基文さんに聞く

今週は先週に続き、福島県相馬市からのレポートをお届けします。

2011年、震災の年から中西さんが欠かさず訪ねている相馬市。今回は、相馬の基幹産業でもある漁業にフォーカス。原釜港の漁師、菊地基文さんにお話を伺いました。



今なお原発事故の影響による「試験操業」を余儀なくされながらも、操業対象の魚種は主要魚種すべてにまで広がり、価格も概ね回復してきているという相馬の漁業。お話を伺った原釜港のあたりも、蔵のデザインの真新しい建物が並び、
去年再開した海水浴場など、海辺の風景はきれいに一変しています。

そんな中で、今日は菊地さんが一漁師として感じている“課題”について聞いてみました。


◆信頼関係が無いとそういう話って進まない

「菊)震災後、建屋とかそういったものって復旧事業でぼんぼんぼんぼん出来てきてはいるんですけど、まぁ将来的にはランニングコストだったり維持費っていうのが乗っかってくると思うので、だからそれまでにちゃんと自走してやってけるような形にはしておかないとダメなのかなと思ってます。
哲)あとは気になるのは汚染水をどうするかっていうが出てますけど・・・
菊)まあ当初言ってたのは、トリチウムのみが除去できない、そのトリチウムの放水をどうするかっていうのが問題だったと思うんですけど、それがいつのまにかトリチウムだけじゃないぞという話になり、そんな水はもう放出できないからじゃあどうすんだっていう話に変わってきて、やっぱお互い漁業者も電力事業者もこの先何年何十年の付き合いのあるかわかんないですけど、信頼関係が無いとそういう話ってホントに遅くなると思うんです。進まないっていう風になると思うんですよね。」



福島第一原発の汚染水については、当初、“除去できない放射性物質「トリチウム」を含む水を規準以下に薄めて海に放出する”という方向で話し合いが持たれていました。

トリチウムを含む水を規準以下に薄めて海へ流す処分は、じつは日本や海外の多くの原発で行われている処分方法です。むしろそれをどう周知してどう風評被害を防ぐか?の方が課題でした。

ところが去年夏の公聴会直前に、“トリチウム以外の放射性物質の残留”が発覚しました。

原子力規制委員会は、トリチウム以外についても、“希釈して法令規準濃度を下回れば海洋放出は問題ない”として、問題を公表しなかった理由を明らかにしたうえで、“海洋放出を容認する”としましたが、こうした政府、東電の隠ぺい体質への不信や、「長期保管も検討すべき」と反発が相次いで、処分方法を巡っては足踏み状態が続いています。去年の暮を最後に処分方法を検討する小委員会も開かれていません。

今後どのような処分方法が示されるのか、これは福島の海ではなく、日本の海のこととして、我々一人ひとりが考えなければならない問題です。完全にトリチウムだけになるまで再度浄化したうえで希釈して海洋放出する、出来ないのであれば長期保管の方法を考えるなど、漁師を、住民を、海の未来を守る賢明な判断が下されることを願っています。

『LOVE & HOPE』、明日も菊地基文さんのお話し、お届けします。

パーソナリティ 鈴村健一

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