2019年5月17日

水本匡起さん?

今週は、今週は、東北学院大学、中央学院大学講師、東北福祉大学では 防災士の養成研修講座の講師をしている、理学博士の水本匡起さんのインタビューをお届けしています。



活断層など「地球の活動」の研究者である水本さんに、自然災害との向き合い方を今週はいろいろと伺ってきましたが、最後は、自然と切り離された「都市部」に暮らす人たちへのメッセージを頂きました。


●「自然災害から命を守るために必要なこと」

「例えば日本海側の地域。毎年毎年雪が降る。それが災害になっていない。例えば東京なんかでたくさん雪が降ると大災害、10センチでも騒いでしまうわけですから、でもそれが災害になっていないのは、生活の一部に取り込んでいるからということなんです。青森県の津軽地方の地ふぶき、鹿児島の火山灰、沖縄地方の台風。ものすごく強い台風はじゅうぶん自然災害になり得る自然現象なんですけれども、日常生活に違和感なく取り入れている。すなわちその土地で生きている生活の工夫がたくさんあるからこそ、それぞれの地域で深刻な災害になっていないんですよね。そう考えると日常生活の中に違和感なくその自然災害を取り入れることができれば、それは自然災害にならないという考えもあると思うんです。すでに対応できている人たちはプライドを持って良いことだと思うんです。昔の人たち、あるいは山村に住んでいる人たちにすごくヒントがあると思います。そういう人たちは地域をよく知っているんですよね。山に住んでいる人は山のことを全て知らないとそこで生活ができないから、山のことを知ることが「防災」になっている。住んでいる地域をよく知る、そして自分の地域に愛着を持つ、そしてこの地域で生きていく意思ですね。孫の代までずっと生きていく意思をずっと共有している、これって防災に一番大事なことなんですね。都市、人口密集地に住む人が一番足りない部分は実はそういう部分。だから都市は災害に一番弱い。まずそういうことを自覚した上で防災の知恵をたくさん学ぶことが必要なんじゃないかなと思います。」


大雨、大雪のたびに混乱する東京などの都市は、確かに自然災害にとりわけ弱いと言えます。反対に、農業や林業、漁業などに関わる人達が暮らす自然豊かな地域は、日々自然と向き合って生活していて、空模様や匂い、先祖から伝わる方法で、天気や気候の変動を予測しています。そして雪の多い地域の建物、台風の多い地域の建物は、それに対応した作りになっていて、だいたいの場合、それは大きな自然災害とはなりません。こうしたことに自然災害を自然災害にしないヒントがあるのではないでしょうか。

パーソナリティ 鈴村健一

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