2019年6月13日

ラーメンディレクターが行く東北海鮮ラーメン五番勝負?

じつは東北沿岸の港町は美味しいラーメン屋さんが居並ぶラーメンパラダイスでもある!ということを知ってもらいたくて、今週は「ラーメンディレクターが行く東北海鮮ラーメン五番勝負!」、お届けしています。しかも今回は「海鮮系ラーメン」に絞って。

今日ご紹介するのは、岩手県大船渡市の「黒船」というお店の看板メニュー「秋刀魚だしラーメン」です。



現在、大船渡では7つのお店がそれぞれオリジナルの「サンマラーメン」を提供して町おこしをしています。揚げたり煮たり焼いたり、いろんな方法でサンマを使ったラーメンを作っているのですが、「黒船」はそうした他のお店とまったく違った「秋刀魚だしラーメン」を町おこしの前から提供しています。サンマ節を出汁に使ったラーメンで人気が高く、開店前から行列のできる店です。ご主人の岩瀬龍三さんに伺いました。


◆「最初は店をたたもうかというくらい不人気だった

「きっかけは、いろいろラーメンを食べ歩いている中で、当時「麺屋武蔵」と言う新宿にあるお店がサンマ節を使っていたんです。それで大船渡はさんまの町だしなと。ホタテとかいろんな具材を当たったんですけれども、さんまに行き着いたんですね。イメージ的に生臭いんでしょうと見られていたんでしょうね。最初は。今月だめだったらお店をたたもうかなという所まで来ました。でも次の年が売り上げが上がったんです。不思議と。そこから上がっていきましたね」




店主の岩瀬さんは兵庫県明石市出身。奥様の故郷・大船渡で2002年にこのお店を開業しました。震災時は炊き出しも経験し、いまはすっかり地域の一員です。そんな岩瀬さんが手掛ける「秋刀魚だしラーメン」への思いを伺いました。


◆「大船渡でしか食べられないラーメンを」

「サンマだからというこだわりはないんです。さんまを使うことによって地元感を出そうという考えは当初ありましたけれども、おいしいし、風味が良いし、いろんな意味があってのサンマ。武器にしようと言うのは特にない。結果的にこうなっていますけど。正直言うと東京のラーメン屋さんのほうがおいしいと思いますよ。全国の食材を使えるんですよね。でもほら、例えば、うちでナゴヤコーチンとか秋田比内地鶏を使ってラーメンを出したところで、私はそこに意味を感じないんですよ。だったら多少は落ちるかもしれないけれども、地元の南部鶏を使いたいなと思っているので、本当のラーメンのマニアの方からすると、東京のラーメンには勝てないねと言われちゃうかもしれないです。そのかわりうちのラーメンは東京では食べられないよという」




こちらが黒船の「特製醤油」です。写真からも丁寧なつくりと豊かな味わいが伝わると思います。南部鶏と秋刀魚節のスープは旨み・甘味があり、かつすっきり。蒸し鶏、バラ、ロース、3種のチャーシューもそれぞれに別に味付けされている手のかけよう。しかも麺は、のど越し・香りが抜群の自家製麺です。“東京にはかなわない”と岩瀬さんは謙遜しますが、いやいや東京に黒船があったら連日売り切れ間違いなしです。地元食材の味を最大限に生かして丁寧なつくりをしているからこその味わいだと思います。取材させて頂いた日も他府県ナンバーの車が停まっていましたが、遠方からでもわざわざ食べに行く人の気持ちがよーく分かりました。また食べに行きたい・・・

「ラーメンディレクターが行く東北海鮮ラーメン五番勝負!」、明日は岩手県宮古市の「わかめラーメン」です。

パーソナリティ 鈴村健一

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