2019年6月17日

秋保ワイナリー(1)

今週は、震災後に東北各地に誕生した“ワイナリー”についてお伝えします。

近年、日本各地でワイン造りが盛んになってきていますが、東日本大震災で被災した東北3県でもブドウ畑が生まれ、ワインの醸造がおこなわれています。その中、いち早くワイン造りに乗り出したのが、2015年にオープンした「秋保(あきう)ワイナリー」。オーナーの毛利親房さんは、ぶどう栽培に適した気候風土を求めて、「秋保温泉郷」をブドウ畑の地に選びました。「奥州三名湯のひとつ」とも言われる「秋保温泉」から歩いて来られる高台に、ブドウ畑が広がっています。

◆『ブドウの涙』がブドウ畑のスタートの合図
僕らが最初にブドウを植えたのが2014年なので、一番古いブドウは今年6年目を迎えます。今は16品種、合計7000本植えている。主力品種は赤はメルロー、カベルネソーヴィニヨン、ピノタージュ。白はピノグリ、ゲブルツ、マルアジア。もともとこの辺りは耕作放棄地で藪になっていたのを開墾してブドウ畑にしていったんです。そこの石が「秋保石」という凝灰岩なんですけど、凝灰岩のある畑というのはミネラル感があるブドウができるといわれていて、ミネラル感のあるワインは魚介類にも合うのでそういったワイン作りができればいいなと思っています。あとこの風が、南と北に山があって真ん中に延びる渓谷を風が抜けて、夜になるとまた山の方から涼しい風が吹いてきて、日中と夜間の温度差もしっかりあるのでブドウの糖度が上がりやすいんです。5月ぐらいから新芽が出て「水が上がる」という表現を僕らするんですけど水を吸って、枝の切り口から水がポタポタ落ちてくるんですね。これを『ブドウの涙』と言うんですけど、これが今年の畑のスタートだという合図なんです。この頃はたくさんの虫たちも出てくるので僕らも春を感じるというか、僕らも元気になるというかソワソワする感じですかね。


2015年にオープンした「秋保ワイナリー」、新芽が芽吹いて緑の小さな葉が表れている頃でしょうか。
秋保ワイナリーでは、地元のチーズや生ハムを味わいながらワインを楽しめるダイニングも併設されています。目の前の秋保温泉に泊まって、徒歩でここに来るのがオススメ!

そしてオーナーの毛利さんは震災前、建築の仕事をされていたんだとか。毛利さんのワインづくりにかける想い・・・続きは明日、お伝えします。

パーソナリティ 鈴村健一

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