2019年7月12日

江戸川区ハザードマップに学ぶ 土屋信行さん(5)

今週は大雨や台風による水害対策について、街づくりや河川事業のスペシャリスト「リバーフロント研究所」土屋信行さんに伺っています。

今年5月、東京都江戸川区が発表した「水害ハザードマップ」。「台風や大雨の際は、ここにいてはダメ」と、区の外への避難を呼びかける画期的なハザードマップとして注目を集めています。

でも「ここにいてはダメ」と言われても、困ってしまいますよね。江戸川区の皆さんは、いったいどこに避難したらいいんでしょうか??

◆西は武蔵野台地、東は下総台地へ
江戸川区のハザードマップは24時間前までに、もう危ないぞというときは広域避難を呼びかけています。西は、上野の西郷隆盛像、あそこが武蔵野台地の東の端なので、あそこの大地より西側に行くことを促しています。東は江戸川の向こうに国府台(こうのだい)という台地があって、市川市、下総台地という大きな台地があります。その二つの台地どちらかに逃げてくれということになっています。

武蔵野台地のほうは23区の防災協定を結んでいて、災害時は助け合おうという防災協定が結ばれています。江戸川区と市川市も、やはり防災協定が結ばれていて、いくつかの大学のキャンパスに逃げられるようになっています。それでも逃げきれない場合は、江戸川区内にスーパー堤防という大変広い大島小松川公園(24ヘクタールの公園)があり、ゼロメートル地帯だからこそ高い盛り土をした「命山(いのちやま)」をつくりました。そこに20万人逃げ込めます。

しかし、災害発生の9時間前には遠くに逃げるのは危ないので、垂直避難(高い場所に逃げる)に切り替えます。防災拠点や近くの鉄筋コンクリートの高層マンションなどに逃げるなどの計画になっています。


葛飾区、墨田区、江東区、足立区、そして江戸川区。これらの「江東5区」は、海抜ゼロメートル地帯を抱える地域として2015年から、大規模な水害に対する避難対応を広域で検討してきました。江戸川区の水害ハザードマップは、その先陣を切ったものだそう。怖がるだけじゃなく、自分が住んでいるのがどんな地域か知る。そして準備と避難について、家族で考えておくことが大事。まずはお住まいの地域のハザードマップを確認していただきたい。

江戸川区ハザードマップ、詳しくはこちらからダウンロードできます。

「LOVE&HOPE」来週も引き続き土屋さんのお話です。

パーソナリティ 鈴村健一

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