2019年10月11日

台風接近時の避難行動について

大型で猛烈な勢力の台風19号が近づいています。今回は、いざという時の避難行動について、防災士で、東京エフエム防災キャスターの古賀涼子さんに伝えて頂きます。

[東京エフエム防災キャスター:古賀涼子]
台風が接近する地域にお住いの方は、早めに避難することが何よりも大切です。千葉県を中心に大きな被害が出た台風15号の際も、避難指示が出たエリアで、実際に避難した住民はごくわずかでした。「自分だけは大丈夫」と思い込む心理状態「正常性バイアス」が災害時における逃げ遅れの大きな要因となっていて、過去の災害でも多くの命が失われました。避難の空振りを恐れない、早めの避難行動が大切です。

特に古い木造の家屋に住んでいる方や台風15号ですでに家屋に被害が出ている方は、雨や風が強くなる前に、遠方の家族や知り合いの家も含めて早めに避難をするよう心掛けてください。

山や川、海の近くなどに住んでいる場合は、頑丈な建物でも早めに避難。土砂崩れや洪水、浸水、高潮の恐れがあります。それぞれの自治体がHPなどで発表しているハザードマップで、自分の住んでいる場所がどれくらいの危険があるのか、必ず確認を。

台風には適さない避難所もあります。避難するべき場所はどこか、そこに行くまでに大きな川や低い土地、がけなどはないか、
道順も含めてハザードマップでチェックする。自治体からの避難勧告や避難指示を待たず、少しでも危険だと思ったら先がけて避難してください。

避難する際には、ガスの元栓を締めて、電気のブレーカーを落とし、戸締まりを確認する。特にブレーカーは重要。台風15号では、停電が解消された際、壊れた家電などから火が出る「通電火災」が実際に起きました。

一方、台風が接近して雨風が激しく、避難所に行くのが危険な状態であれば、近くの頑丈な建物か、家の中で身の安全を守ってください。その際は、崖からもっとも遠く、より高い場所にある部屋で過ごす。できるだけ窓のない部屋の方が安全です。

用水路や海岸の見回りは、絶対にしない。雨風が強い中での屋外作業も控えましょう。

車での避難にも注意。雨でワイパーが効かなくなるほか、ブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こることもあります。飛び散った瓦礫でタイヤがパンクしたり、道路が冠水しているので側溝や川、アンダーパスだと気が付かずに突っ込んでしまうこともあります。水深50センチ以上だと、車は浮いて流される。水圧でドアは開きません。

地下は外の様子が分かりにくいので、早めに避難を。水が一気に流れ込み、逃げられなくなる恐れがあります。

停電でテレビが点かない、携帯の電波も届かない時のために、ラジオを用意しておく。電池のチェックも。

さらに安否確認の方法を家族で共有しておくことも重要です。連絡が取れなくなった時に備えて、集合場所などを決めておくのはもちろん、「災害用伝言ダイヤル」や「災害用伝言板WEB171」、「Facebook災害支援ハブ」「Google パーソンファインダー」などを活用してください。



台風19号の進路にあたる方、どうぞ十分に注意をして、早めの避難行動を心がけてください。

パーソナリティ 鈴村健一

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