2019年10月15日

天気が回復しても深層崩壊に注意が必要

先日の台風19号は、全国各地に甚大な被害をもたらしました。激しい雨が降ったあと、たとえば天気が回復しても、とくに近くに山がある地域の方は、数日間は「深層崩壊」に注意が必要です。

河川や治水に詳しい、「リバーフロント研究所」の、土屋信行さんにお話を伺いました。


■「深層崩壊」について
「いま山の方ではたくさんの木が生えていて、緑の山に見えるので、この緑の山はなんとなく安全なように見えるんですけれども、山のふもと、山の中に入ってみると、じつは緑に覆われた木の下の方は、ほとんどが下草も生えない、いわゆる石ころや土のまんまになっています。こういうところに台風でたくさんの水がしみこむと、薄い地表面、いわゆる腐葉土っていいますけど、土の部分にたっぷり水が入ってしまって、さらにその下の岩の層にも水が入ってしまって、大きな雨が降り続くと。今度下のほうのですね「山体崩壊」とか「山崩れ」って言いますけど、地表面の土砂崩れでは無くて、山全体が崩れていく、「深層崩壊」ということが起こる可能性があります。いったん台風が通り過ぎたあとの雨は十分に気をつけて頂きたいと思います。」



大雨で水を蓄えたことによって地盤が緩み、その後[たとえ小雨でも]山崩れなどが起きてしまうのが、この「深層崩壊」。

崖の表面から2メートルあたりまでが崩れてしまうのが「表層崩壊」。「深層崩壊」は、それよりも大きな被害が出ること場合があります。深層崩壊は、地震の際に起きたりすることもありますが、集中的な雨が降った数日後に起きることが多いとされていています。とくに山間部や背後に山を抱える住宅地の方は、警戒が必要です。じっさいに平成21年の台風8号や、平成23年の台風12号の時には、この「深層崩壊」が起こって、多くの被害が出ました。

前兆としては、崖が割れたり、小石が落ちてきたり、木が傾いていたり。水が噴き出している場合もありますが、前兆がほとんどわからない場合も多いといいます。雨の量が400ミリ超えた場合は危険と言われています。先日の台風19号では、多くの地点で400ミリを超えました。

天気が回復すれば、なるべく早く家の片付けをしに行きたくなると思いますが、住んでいる地域にこの「深層崩壊」のリスクがある場合は、自治体の避難情報が解除されるまでは家には戻らないなど、十分な注意をするよう心がけてください。

パーソナリティ 鈴村健一

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