2019年10月21日

避難所運営のポイント「平等性と公平性」

今日は「避難所での生活や運営のアドバイス」です。お話を伺ったのは、岩手県陸前高田市の佐藤一男さん。佐藤さんは、2011年の東日本大震災で被災しておよそ2カ月間、避難所で暮らしその運営にも携わりました。そのときの知恵やノウハウを生かして、現在は防災士、また避難所運営アドバイザーとして活動しています。

避難所運営のポイント、今日のキーワードは「平等性と公平性」です。

◆避難所運営のポイント「平等性と公平性」
避難所に物資が来たときに、早いもの勝ちには絶対にしないでください。早いもの勝ちにすると、家の片づけに行くと物資をもらえなくなる、そういう不公平感を作り出すと、避難所運営自体が成り立たなくなります。必ず物資はまとめておいて、夕方の決まった時間に毎日配布する、ということを心がけてください。
避難所の中はどうしても強弱が発生してしまいやすいです。声の大きな人、大人しい人。いろんなものを持ってきた人、着の身着のままなにも持たずにきた人。いろんなものを貸してください、分けてくださいという立場の人はどんどん弱くなってしまい、なにか思ったことがあっても言えなくなってしまいます。そうならないように、お互い知恵や意見を出し合える、避難所運営をしてほしいと思います。例えばわたしたちのところだと、携帯の充電器を持ってきた人と、持ってこなかった人がいました。携帯の充電器を持ってきてない人は、どうしても持ってきた人に「貸してください」と頭を下げざるを得ない。そうそうると避難所内の強弱に繋がってきてしまうので、避難所の運営事務局側で、避難者全員の充電器をお預かりして、全ての方の充電を順番でする、そのようにしてできるだけ強弱が発生しないように心掛けました。


普段の生活でも「声の大きい人、大人しい人」、「ものを貸す人、借りる人」で、多少の力関係がありますよね。でも被災して、避難所でぎりぎりの体力、ぎりぎりの精神状態で生活すると、それがより鮮明になってしまうとのこと。「平等性と公平性」。ラグビーと同じ、「ワンフォーオール、オールフォーワン」の気持ちを持てたらいいなと感じました。


パーソナリティ 鈴村健一

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