2019年10月23日

避難所の運営「乳幼児や高齢者のケア」

今週は「避難所での生活や運営のアドバイス」をお届けしています。
お話を伺ったのは、岩手県陸前高田市の佐藤一男さん。佐藤さんは、2011年の東日本大震災で被災しておよそ2カ月間、避難所で暮らしその運営にも携わりました。そのときの知恵やノウハウを生かして、現在は防災士、また避難所運営アドバイザーとして活動しています。

今日は、「乳幼児や高齢者のケア」についてのお話です。

◆乳幼児や高齢者の方をそれぞれ集めた、別の部屋をつくる
避難所は多くの人が集まる場所。乳幼児から寝たきりのお年寄りまでみんなが集まります。みんなが集まるからルールを決めようというときに、夜9時過ぎに電気を消そうとか、寝ようという話になってきますが、乳幼児がいたり高齢の方がいたりすると、介護やおむつ、ミルクで夜音を立てざるを得ない。それが周りにはストレスだし、お父さんお母さんも、周りに気を使って子どもを連れて外に飛び出すとか、そういうストレスにもつながります。そういう人たちが居づらくない避難所にしてほしいと思います。
例えば、(学校など部屋数に余裕がある避難所であれば)乳幼児や高齢者の方たちを集めた部屋をつくってほしいと思います。そうすることで、赤ちゃんが泣いていれば、となりの子育て中のお母さんが「はい、オムツですよね、ミルクですよね」と手助けしてあげたり、同じ立場だからこそ支え会うことができます。高齢者の方は寝たきりの方が特にそうですが、夜のおむつ交換や痰の吸引で音を立てたり、灯りを付けたりするケースがでてきます。そういう人たちも、一部屋用意していただいて、介護をしたことがある人通しが一つの空間にいられるように。被災者の中に介護士さんがいれば、サポートについていただければと思います。


ストレスという点では、ペット世帯も同じです。飼い主にとって、ペットは大切な家族の一員ですが、人によっては動物アレルギーがある方もいます。部屋数に余裕があれば、動物ごと、犬種ごとの、部屋分けを行ってください。

また佐藤さんによると、避難所で暮らす方が減ってきたら、「避難所の統合」や「部屋割りの再編成」も検討してほしい、とのこと。効率的な避難所運営を行って、学校や行政の負担を減らすことが、地域の復興のスピードアップにつながる、と話してくれました。

パーソナリティ 鈴村健一

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