2020年1月15日

福島県の新成人 佐藤勇樹 ?

今朝は引き続き、今年の新成人のひとりで、福島県富岡町出身、現在、福島大学2年生の、佐藤勇樹さんのインタビューお届けします。



小学5年の時に東日本大震災に遭い、原発事故の影響で一家は茨城県に避難。その後“少しでも故郷の近くに戻りたい”と、佐藤さんは福島県広野町の「ふたば未来学園」に進学。

高校時代は、避難指示解除から間もない富岡町へ原付バイクで通い、お年寄りの世話をするなど交流を重ねました。高2の時には、広野町で農産物直売会の「ファーマーズマーケット」も開催。大学生なった今は、郡山市に住みながら福島市のキャンパスへ通い、“いつかは故郷へ戻る”という思いを胸に富岡町へ足を運び続けています。

2017年に一部が避難指示解除になった富岡町。今年3月には帰還困難区域の一部地域も解除となる見込みで、富岡駅周辺などは新しい建物も増えて来て街並みが徐々に整備されつつあります。

高校、大学という時期に、故郷の変貌を見てきた佐藤さんにとって、いまの富岡町はどう映っているんでしょうか。


◆「嬉しさ半分、寂しさ半分」

「個人的に、本当に個人的なところだと、その震災の時、小学校5年生。その時ってあんまり覚えて・・・10年目に入るから色々忘れてるところがあって、ちょっと少ない思い出、田んぼでホタルを採りに行ったとかイナゴ採りに行ったとか、そういう覚えてるような思いでの場所が、太陽光パネルが設置されて田んぼじゃなくなっちゃったとか、よく行ってたお店がなくなっちゃったとか、なんかそこら辺て新しくどんどんいろんなものが変わっていくのがいいなって思う反面、なんかその自分が覚えてる思い出が少しずつなくなってく、変わってくってのは、ちょっと寂しい部分もあったりはするんでなんか複雑ではありますね。 」



一時は住む人がいなくなった富岡町。新しく生まれ変わるその途上に今もあるわけですが、その変化の中で、佐藤さんも大人への階段をのぼってきました。

震災から間もなく9年。この月日を振り返って思うこと、佐藤さんに聞いてみました。


◆「故郷を見つめ直す、出会うはずのない人と出会う機会を与えてくれた」

「なんか震災があったことで自分がいた富岡を改めてなんか見つめ直すきっかけになったのかなっていうふうに思ってて、その小学校、震災前って富岡がすごい田舎だと思ってて、もうすぐに都会に出たいっていう風に思ってたんですね。こんなところ出ていきたいみたいなことを思っていて、ただなんか避難をしてその避難先とかと比べると、富岡めっちゃいいところだったんだなっていうのとか、なんか離れたからわかることとかもあったりしたので、でその今、高校生の時からずっと関わってる方とかとも、たぶん震災がなかったら話きっかけもなかったかなっていうのが正直なところだったりするので、そういった意味でもいろんな人と話すきっかけだったりとか、改めて富岡を考えるっていうきっかけだったのが、あの震災だったのかなっていうふうに思います。」



津波に加えて原発事故の影響がこれからも続く福島の浜通り。長くかかる地域の復興には若い力が欠かせません。佐藤さんの活動やこうした地域へ思いは希望の光となるのではないでしょうか。

『LOVE & HOPE』、今日までの3日間は、福島県の新成人、佐藤勇樹さんのインタビューをお届けしました。

パーソナリティ 鈴村健一

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