LIVE REPORT

放送日時:2017年7月22日[土]
ゲスト:中村天平

Information

中村天平(なかむらてんぺい) 作曲家・ピアニスト
神戸出身。中学時代に阪神大震災で自宅が全壊。高校は半年で中退。家を出て解体業に従事しながら生計を立てる。
中学から完全にピアノと離れていたが、音楽専門学校から大阪芸術大学演奏学科ピアノコースに進学、同コースを首席で卒業。国際的な音楽家を目指し、2006年よりニューヨークヘ留学。2008年にEMIよりCDデビュー。
2010年にはニューヨークのカーネギーホール(ワイルリサイタル)でのデビューを果たす。毎年ヨーロッパ・ツアーも行っており、オランダのコンセルトヘボウ、パリ日本文化会館、ベルリン日独センター、などで演奏のほか、スペイン、ベルギー、ポルトガル、イタリア、オーストリア、ルクセンブルグ、エストニア、スロバキア、ウクライナ、ベラルーシなどの欧州各都市でも演奏し、ニューヨークと東京を拠点に世界を股にかけ活動中。
2012年より、東日本震災復興支援として、被災地にピアノと音楽を届けるプロジェクト「ライジングサン」を続けており、兵庫県芸術家協会から奨励賞を授与された。
2017年 自分のプレイの限界を更に超えるための新超絶プロジェクト「天平&真央樹」を結成し7月にビクターより1stアルバム「kaleidoscope」をリリース。

“「kaleidoscope」”
「kaleidoscope」
¥2,700+税


■LIVE
「全国行脚ピアノコンサートツアー2017」
8/18(金)茨城県稲敷市, あずま生涯学習センター ~ 10/22(日)神奈川県横浜市, Sala MASAKA

※その他、詳しい日程・情報はオフィシャルページをご確認ください。

「中村天平Official Web Site」
http://tempei.com/

中村天平 写真

LIVEレポート

ライブの様子

今週は
JET STREAM50周年の特別会場、東京ミッドタウンのアトリウムから公開収録でお届けしました。

とっても素敵な会場でしたよー。
ガラス張りの壁の向こうには緑の芝生。
そして、3階まで吹き抜けの開放感。
目の前に、そして2階、3階もたくさんのお客さんが詰めかけてくださいました。

その中で奏でられる中村さんの音色は
空間に、溶け込むように、時に渦を巻くように、表情を変えて耳に届いてきました。

「音の旅を楽しんでください」と中村さんが一言言うと

中村さんの表情から笑顔が消えて
鍵盤に触れた瞬間、音の旅へ出発です。


ライブパート1

一曲目は「龍の涙」。
中村さんの奏でる音色が動き出し、ステージから舞い上がっていくようにふわっと軽やかな美しい音色。
少しの沈黙のあと、その音は強さに変わり、
今にも動きだすような躍動感で溢れました。
体が持っていかれるような不思議な感覚です。

静かになった会場に響く「夜行列車」。
真っ暗な中を列車が進んでいく静けさから始まり、
そこから平坦な道、ぼこぼこの道、それを乗り越えた先に見える景色。
静寂の音から、強い音まで本当に表現豊かなピアノに引き込まれました。

最後は暗闇の中に、私の心の中には光のようなきらめきが見えました。
そして「栄光のファンファーレ」。
1つ1つの音が強く背中を押してくれるよう。
眉間にしわをよせながら強さと繊細さを織り交ぜて、
中村さんの音が紡ぐ景色がどんどん続いていきました。
最後は上を見上げて、目をつむりながら何かを考えるように弾いていました。

ライブの様子

ライブパート2は
「Mr.Lonely」
JET STREAMのテーマソングでスタートです。

中村さんのアレンジで、楽しいテンポチェンジと多彩なメロディー。
繊細さと力強さがMIXされたドラマチックな一曲でした。

さらに雰囲気が変わってケルティックウーマンの「You raise me up」
水面に水滴がひとしずく落ちて広がっていくような神秘的で美しい音の広がり。
中村さんの表情も繊細に、そして鍵盤に触れる手も丸く優しく。まるで儚いものにふれるような柔らかい弾き方です。
会場のみなさんも、通りかかった人も思わず足を止めて聞き惚れていらっしゃいました。
そして美しい水面が激しい流れに変わった「モルダウ」。
岩の間を激しく流れるような水の表情。

ライブパート3は
旅の中で景色や人に出会えたことの喜びを表現するような「一期一会」。
どこまでも美しい音色と
今日、中村さんのピアノの音色に出会えたことに感謝したくなる、心がじわっと温かくなる一曲。

そしてラストは「火の鳥」。
中村さんの体や手が何度もキーボードから飛び出して、アクロバティックな
圧巻のパフォーマンス。
鳴り止まない拍手に包まれました。

中村さんのピアノの音色に身を任せたら、
頭の中に色んな景色が広がっていきました。
私は曲の中に一瞬光が見えてくるような不思議な感覚になりました。
1曲1曲が終わるごとに心が強くなっていって、旅の終わりには自分の心がすっかりと入れ替わっていました。
繊細さとダイナミックさ。

素敵な音の旅をありがとうございました。

ライブの様子

Set List

  • 1.龍の涙
  • 2.夜行列車
  • 3.栄光へのファンファーレ
  • 4.You raise me up
  • 5.Mr.Lonely
  • 6.モルダウ
  • 7.一期一会
  • 8.火の鳥
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