12/14 「特別授業! 小出祐介×漫画家・中村光」

Base Ball Bear


今夜は、ベボベLOCKS!の特別授業、"ベボベ×荒川アンダー ザ ブリッジ第二弾!" ということで、小出先生も大好きな、『荒川アンダー ザ ブリッジ』や『聖☆おにいさん』などの作者、漫画家の中村光先生が、特別講師として来校!!

ミュージシャンとして音楽で表現する事を選んだ小出祐介、そして漫画で表現する中村光先生。ミュージシャンになりたい生徒も、漫画家を目指してる生徒も必聴の、スペシャル授業が開講です!!

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小 出:こんばんは、よろしくお願いします!
中 村:よろしくお願いします。漫画家の中村光です。
小 出:どうも初めまして。この間の11月の僕らのツアーファイナル、見にきて頂いたりしたんですが、直接お会いするのは今日が初めてでございまして。
中 村:そうですよね。
小 出:緊張もしてるんですけども、今日は楽しくお喋りできたらなと思います (笑)
中 村:こちらこそ (笑)

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小 出:以前、SCHOOL OF LOCK!の職員皆さんが、コスプレ祭りをして、ラジオなんで全く見えないんですけども、それを着たテンションで放送するっていう回がありまして・・・ (ベボベLOCKS!のコスプレはコチラ)
中 村:はい、写真を拝見しました (笑)
小 出:それを見て頂いたらしくて、僕もそこに乗っかりたいと思っていた矢先に、渋谷のパルコでやっていた『荒川アンダー ザ ブリッジ展』に行って、ちょうどコスパの星のかぶり物が売ってて・・・即買って、あとTシャツもセットで買って。大好きで、楽屋でずっとかぶってました (笑)
中 村:えー、ありがとうございます!

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小 出:実は、中村先生と僕ら、同世代というか同い年だと。そんな同い年の2人が、現在、「漫画家」と「ミュージシャン」という肩書きになっているわけなんですけど、どういうきっかけで「漫画家」と「ミュージシャン」になっていったかっていうのを、同世代というところから探ってみたいと思っています。中村先生は、漫画が好きになったきっかけとかは・・・
中 村:小学生ぐらいのときに、うちの家に漫画部屋みたいのがあって、父が毎週スピリッツとサンデーとマガジンとジャンプを買って、そこに置いているんですよ。はじめ、読み方も分からなかったんですけど、そこにいつも入って読んでて好きになってきて。で、自分で買うようになったり、クリスマスに『ドラゴンボール』全巻買ってもらったりとかして。
小 出:おー、豪勢な。
中 村:全巻っていっても、当時の全巻なんで、10巻までなんですけど (笑)

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小 出:かなり初期ですね (笑) 当時、すごい読んでた漫画って何だったんですか?
中 村:ちっちゃいときにすごく読んでたのは、『うしおととら』っていう漫画で・・・
小 出:お、それはもう、うちの堀之内さんですね。小学館は堀之内さんの管轄なんで (笑) 僕は、集英社と講談社を担当しています (笑)
中 村:集英社でいうと・・・、マサルさん(『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』)ですね。
小 出:あ、僕もそうです。
中 村:本当ですか?衝撃じゃなかったですか?
小 出:衝撃だったんです。
中 村:すごいびっくりしましたよね。
小 出:びっくりしました。ドラゴンボール10巻から読んでたってことは、ジャンプもその時期から読んでました?
中 村:ジャンプは、近くにいた女の子の家に遊びに行って見てたんですよ。なので、ちょいちょい抜けてますけど、その辺り読んでました。
小 出:じゃあ『マサルさん』も、連載で読んでました?
中 村:第1話を、その子に強引に見せられてそっから通い詰めてたんで、連載で見てました。
小 出:あーじゃあ、ハマった感じ、同じかもしれないですね。僕もあの第1話見て、"何だこれ!! " っていう。
中 村"変な、今まで見たことない漫画が始まったぞ! " みたいになって。

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小 出:カルチャーショックでしたよね?
中 村:はい、あれだけ漫画じゃない気がして (笑)
小 出: (笑) ギャグ漫画が急に面白くなってきた気がしたのが、ちょうど小学校5・6年のときなんですよ。
中 村:あの辺から確かに、ギャグ漫画が面白くて、カッコいいみたいなイメージになってきたような気がします、私の中で。
小 出:それまでのギャグ漫画と、一線を画したものがありますよね。
中 村:箸休め的なものじゃなかったので。"マサル読むぞ! " みたいな感じで (笑)
小 出: (笑)

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小 出:でも、漫画さんに・・・漫画さんになっちゃった (笑)
中 村: (笑)
小 出"漫画家さんになっちゃえ! " っていう風に (笑) 思われた、きっかけというのはあるんですかね?
中 村:やっぱり中学3年のときだと思うんですけど、すっごい長い漫画をずっと書いてて。でも、原稿用紙に直接ネームを描いちゃったりとかしてて、すごい適当で、長すぎるし絶対ボツになるような漫画なんですけど。高校生になるので受験が始まるじゃないですか?でも、すごい漫画描きたくて。そのときに "進路を決めろ" って言われて、"これは、漫画家になりたいんじゃないかな? " って思って (笑)
小 出: (笑)
中 村:それで、"1作、作ってみれたら、頑張ってみよう" と思ったんですけど、描いてたら楽しかったっていうのもあって、そこで、"じゃあ" っていう感じで、漠然とふわ〜っと入ってったんですけど。"いけるんじゃないかな?" って思ったのは、小学6年ぐらいのときに、知り合いのすごく有名な漫画家さんがいて、その人の仕事場に遊びに行ったら、すごく漫画に憧れてたけど、普通の部屋で普通のお兄さんが漫画を描いてたりとかしてて、アシスタントも1人しかいないし。何か、"普通に人間が描いてるんだなぁ" と思って、"私も漫画家になるか! " みたいな感じに思えたのがあったりします (笑)

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小 出:へー、なるほど。それを例えば、出版社の方に送ったりとか・・・?
中 村:そうですね。投稿作で、スクウェア・エニックスさんの方に送らせて頂いて、それで、佳作を頂いて。ただ、"絵が下手過ぎて載せられない" って言われて (笑)
小 出: (笑)
中 村:最近、改めて見たんですけど、やばいです・・・ (笑) 本当は、出す前から漫画家になりたいと思ってたので、"じゃあずっと漫画を描いてればなれるんじゃないか" と思って、"30歳までに漫画家になる" っていうスケジュール表を自分で作って、これで駄目だったらやめようと思ってたんですけど。
小 出『中村工房』が、最初の連載だったんですか?
中 村:そうです。
小 出:それまでは・・・
中 村:読み切りを描いていました。
小 出:どこからが、いわゆる「プロの漫画家さん」っていうんですか?
中 村:多分、単行本が出て、いうと思うんですけど。読み切りのときは、載っても漫画家とは言えないけど、「漫画家志望」っていう感じで、一応、「漫画家デビュー」とはいうみたいです。

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小 出:じゃあその、「漫画家デビュー」は何歳だったんですか?
中 村デビューは、16歳です。
小 出:でも、『中村工房』が始まったのが・・・
中 村:16歳の終わり頃です。
小 出:が、16歳??・・・すごいなー。そんな早くに作家デビューする・・・
中 村:いますいます。漫画家さんは、結構早いです。
小 出:あ、そうなんだ。じゃあもう、作家生活10年?
中 村:はい、この前10年です。
小 出:すごいっすねぇ。いや、おめでとうございます。
中 村:ありがとうございます。同じぐらいですよね?
小 出:そうですね。僕らは、逆に来年が10周年。僕らも高校2年でバンド結成なんで。高校3年でライブハウスとかでやるようになって、2003年、19歳の年に、最初のインディーズのアルバム出して。メジャーデビューは、21歳とかなんで、そう思うと16歳ってかなり若いっすよね。
中 村:いやー、漫画は1人でできるので、小回りがきくというか (笑)
小 出:でも、さっき仰ってた、"漫画家さんも人" じゃないですけど、やっぱり、ミュージシャンも人なんですよね。
中 村:そうですよね。
小 出:一番最初、いろんな曲の作り方はあるんですけど、実は創作の元っていうのは、漫画家もミュージシャンも、自分の部屋で1人とか、ノートに何となく描いてたとか。僕もだって、"これはいける! " みたいなメロディーとか歌詞とかは、もう本当に紙の端っこに、"あ・・・!" ってこう書いたのが膨らんでいくっていう感じなんで。やっぱり発想の元だったりとか創作の源泉は、1人なんですね。ただ、僕らの場合は、それを表現するのがバンドであったっていうだけであって、中村先生の場合は・・・
中 村:1人で描くしかないと (笑)
小 出: (笑)

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小 出:今後なんですけど、漫画で表現していきたいこととか、目標っていうのはありますか?
中 村:目標は昔から変わらなくて、大きいか分からないんですけどやっぱり、私のキャラクターをすごい好きになってくれるっていう人がいるのがすごく・・・私が二次元のキャラクターをすごい大好きになってしまうタイプなので、同じテンションで想ってくれる、"誰かの初恋の人を作りたい" みたいなのはありますね。
小 出:あーでも、いい話だなぁ。分かる!
中 村:本当ですか? (笑)
小 出:ミュージシャンからして一番嬉しいのは、例えば、"車で彼女とドライブしてるときに車のステレオで聴いたら、景色が一段と特別なものになりました" って言われたときにもの凄い感動して。僕にとっての音楽ってそういうものであったし、何かこう風景が変わるものっていうエフェクターだったんですよね。それを今度自分が作って、そういうのを人に与えられてるっていうのは、すごい嬉しいなって。
中 村:素敵ですね。

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小 出:今後もですね、荒川中毒の方々を、日本全国にどんどん増やしていってほしいと思ってる次第でございます。
中 村:あ、ありがとうございます! (笑)
小 出: (笑)


なんと来週も、中村光先生に来校して頂けることとなりました!
今度は、メンバー全員でのお出迎えです! みんなから届いた、たくさんの中村先生宛てのメッセージや質問も、来週ドドっと紹介していきますよー!





ちなみに、今回のベボベLOCKS!に収まりきらなかった2人のお話しも、特別にWebサイト限定で公開しちゃいます!!


小 出:僕は一方的に中村先生の作品が好きで、ツイッターのフォローをさせて頂いて、で、フォローして頂いて、で、リプライのやりとりがあって・・・
中 村:ん?私が先にフォローしたんですけどね。
小 出:え!?そうでしたっけ!?
中 村:そうですよ。
小 出:え、本当ですか!?俺、逆だと思ってました。
中 村:いやいやいや。普通にやってたら、フォロワーの皆さんが、"小出さんが今、荒川読んでます!" みたいなことを、逐一、報告してきて。"今ハマったから!" って (笑)
小 出: (笑)
中 村:それで、"小出さんって誰だ? "って、始め思ってたんですけど、"あ、Base Ball Bearのね!"ってなって、先にフォローさせてもらってて。
小 出:じゃあ逆だ、すれ違いの片想いだ・・・! (笑)
中 村: (笑)

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小 出:でも、同級生だと思うと不思議ですよね。
中 村:不思議ですよねー、一生懸命、今、同級生だと思おうとして見てるんですけど、難しい・・・ (笑)
小 出:僕も正直、"同級生だよなぁ?" ってずっと思ってる (笑) 何でなんですかねぇ?
中 村:え・・・何が!? (笑)
小 出:僕どっちに見えます? 年上か年下か。
中 村:私、みんな年上に見えちゃうんですよ。20歳過ぎた頃から、周りがしっかりした大人に見えて、自分はすごい下だと思って見ちゃってて、それで年を聞くと、年下だったりすることもあるし、みんなしっかりしてるじゃないですか。
小 出:してますよね。僕も、"年上に見えちゃう病" なんですよ。それで大体、年上だし、実際。あんまいないですよね、同世代。
中 村:初めて会ったかもしれない。漫画家さんでもいないし。
小 出:僕も、ミュージシャンでタメ、全然いないんですよ。
中 村:あ、本当ですか?? 84年いないんじゃないかな?
小 出:僕も、"84年いないんじゃないかな疑惑" が本当にあって。
中 村:ありますよね。
小 出:83年と85年、86年はいるんですよ。84年がぽっかり空いてて、不安になりますよね (笑)
中 村:なります!何かを間違えてるような・・・ (笑)

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小 出:誰でも、一度は絶対、自分で漫画描こうと思うじゃないですか?
中 村:そうですか? 描きましたか? 小出さん。
小 出:僕は殺人的に画力がないので、全然描けずじまいで。でも本気で "漫画家いきたい! " って思いかけた時期があって、中学生になってた頃だとは思うんですけど。『名探偵コナンの漫画の描き方』みたいな本があって、それを真面目に読みながら練習してたんですけど、○描いて×描いて、輪郭をなんか・・・
中 村:アタリをとってみたいな。
小 出:それが出来ずに、やめてしまったんです。Gペン買ったのに。使わずに終わっちゃったんですよ。
中 村:Gペン買いますよね (笑) ほしいですよね。
小 出:でも、使い方がわからないまま終わっちゃって。
中 村:わかります。私も初めてGペン買ったときに、買ったインクを間違えてたみたいで、セピア色のインクを買っちゃってて (笑)
小 出: (笑)
中 村:ベタが、何かメモリアルな感じになっちゃって (笑)
小 出:しっとりした仕上がりに (笑)
中 村:ずっと悩んでましたけど・・・ (笑)

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小 出:ややシュールなギャグ漫画を、一気にオーバーグラウンドに持ち上げたのも『マサルさん』だったじゃないですか。
中 村:そうだと思います。
小 出:『マサルさん』以降、ものすごいギャグ漫画が増えてくるんですよね。
中 村:そうなんですよね。だから、"マサルに似ちゃうのはしょうがない! " って思ってたんですけど (笑)
小 出:でも、マサルを意識することってありますか? (笑)
中 村:始めの頃はギャグ漫画を描く気があんまりなかったんで、マサルに似ちゃっても気にしてなかったんですけど、ギャグ漫画でやっていくらしいみたいになったときに、似ちゃうけど、"やだな〜" って。逆に読むのやめようかなみたいな時期はありました (笑)
小 出:そうですか! でも、中村先生の漫画読んでて、僕なりにちょっと分析したんですけど、つっこみのテンポ感とかが、実は女性的なんじゃないかなと思っていて。マサルさんのつっこみのかぶせ方だったりっていうのと、ちょっとテンポが違うんですよね。"マサルさんだったら、ここで思い切り変なのかぶせてくる" っていうところで、荒川だと、リクがスッとして終わるとか。
中 村: (笑) そうですね、あんまワイワイしてると、みんなが心に残らないんじゃないかと思って、だから、ちょっと静かにしてるときに言わないと、意味わかんないよねっていうのはあって、ちょっと間空けたり。あと、毎回叫んでると、みんな "リクちゃん、はいはい" みたいになっちゃうかなと思って、そういうのにしてるんですけど (笑)

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小 出:あーなるほど。あの、"つっこみのこだわり" ってあるんですか?
中 村:"つっこみのこだわり"? (笑) そうですね、"なんでだよ! " って言えば全部済むんですけど、せっかく漫画で時間をかけて作れるし、読む側も自分のペースで読めるので、一応、その人の中で消化されて、面白いなって思えるぐらい長くてもいいかなっていう風にはしてます。
小 出:"なんでだよ!" で終わりそうなところを、ワンフレーズで終わったりっていうパターンが、僕、すごい良くて、あの言葉のチョイスもすごい好きなんです。
中 村:ありがとうございます!
小 出「心に傷 (トラウマ) を負った海洋生物」っていうのが、ものすごい面白くて。
中 村:えー本当ですか? (笑)
小 出:多分、カタカナで書いちゃったらそうでもないんですけど、あれを敢えてルビで処理したっていうのが、すごいなーと思って (笑)
中 村:えーー (笑) ありがとうございます。
小 出:そこがまず、すごい刺さったんですよね。
中 村:あんなところが、小出さんの心に・・・ (笑)
小 出"悲しいな、こいつ" ってすごい思っちゃって (笑) もう、字面で。川で流されてくじゃないですか。あの瞬間、すごい星も好きになったし。
中 村:それからこんな感じに (笑) 星に対する愛情が、ひしひしと伝わってくるので。
小 出:すげえいいやつだな!って (笑)

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小 出:あのリクに対する、荒川の住人の方々のコントラストがちょっとぶっ飛びすぎてて、凄まじいなと思うんですけど、でもそこは不思議と自然に受け入れちゃっているというか。
中 村:あ、そうしてほしいです。マサルみたいに "関わりたくないな" っていうよりかは、"仲良くなりたいな" っていう方向でギリギリいたいなとは・・・いちいちマサルを出して、超意識してるみたいな感じなんですけど (笑) つい同年代なもんで、マサルを出してしまう・・・ (笑)
小 出:でもマサル始まりだと、いろいろ話しやすいですよね (笑)

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小 出:『荒川アンダー ザ ブリッジ』の前に連載していた、『中村工房』で、既に荒川の住人たちの原型になる人たちが出てくるじゃないですか? 彼らを使ったまま、もう1回『荒川アンダー ザ ブリッジ』っていう漫画にしようっていう風になったのは、どういうところからなんですかね?
中 村:もともとは、『中村工房』のキャラは出すつもりはなくて、ラブコメ描いてくれって言われてて、まずニノとリクのラブコメを・・・
小 出:あ、ラブコメ始まりなんですね!?
中 村:はい、始めはもっとラブコメした違うものを描いてたんですけど、私が無理で描けなくて、ギリギリになって違うやつにしようと思って、荒川の舞台を考えてニノとリクがいて、ロマンチックな感じの話をやろうかなと思っていたんですよ。で、1話目でやってて、そしたらコミュニティにしてったらいいんじゃないかみたいな話を担当さんとしてて、みんなが住みたくなるようなコミュニティを作れたらいいなって。私も "キャラクターと友達になりたいな" とか、"仲良くなりたいな" って思ってもらえるのが夢だったので、そこ目指して頑張ろうと思ってキャラクターを何人か考えてて、『中村工房』のキャラも混ぜてみたりして。そしたら大概、選ばれたのは『中村工房』のキャラでって感じですね。キャラクター候補はめちゃめちゃいたし、今も出すか出さないか迷ったりもするんですけど、私の愛着の差だと思うんですけど、『中村工房』のキャラはかわいいなと思ってしまうので、ついこう、もう1回一緒にやれるのかなって (笑)

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小 出:なるほどねー、でも愛着ってすごい作家さんにとって大事だと思うし、ミュージシャンにとっても、愛着のあるフレーズだったり、好きなコードとか、好きな押さえ方とか、好きなメロディーの通り道とかがあって。歌詞でも、僕の場合、繰り返し同じ言葉が出てくるんですよ。何だったら、あの曲とこの曲の主人公は同じ人っていう。
中 村:あーでも、すごいドラマチックですよね、歌詞が。すごい設定があったりとかして、話が気になるなっていうのが多い。
小 出:設定を作っちゃうんですよね。それが特殊っちゃ特殊らしいんですけど。松本隆先生っていう作詞家の先生は、「風街」っていう架空の街があるんですよ、世界観として。いろんな人に提供してるし、いろんなタイプの歌詞があるんですけど、でも何か「風街」のなかで起きていて、同じ風が吹いてる気がするんですよね。っていうのに、僕すごい憧れていて。自分の世界観、同じ街のなかで起きていること、同じ風景が浮かぶような歌詞、同じ主人公が出てきそうな歌詞っていうのを、ずっと書きたいと思って書いてたんですよ。荒川の世界観も少し近いなと思っていて、愛着があって、あのキャラクターたちがいてっていう。もう、そこにある気がするって思わせる空気感が、すごい素敵だなと。そこが多分、みなさん好きだと思うんですよ。
中 村:ありがとうございます!



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