3/22 「Love Letter」 ![]() 小 出:こんばんは。Base Ball Bear、ボーカル&ギターの小出祐介です。 アキコ:こんばんは。チャットモンチー、ベースの福岡晃子です。 小 出:まずは、この度の東日本大震災で被害に遭われた皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。 アキコ:お見舞い申し上げます。 小 出:今、被災地や避難所でこのラジオをお聴きの方もたくさんいらっしゃると思うんですけども、今、ラジオで必要な情報を伝えることも大切だと思うので、先週のチャボベLOCKS!は休講とさせてもらったんですけども、音楽と言葉で、また少しでも笑顔や元気を届けたいなと思って、今週は開講させて頂くことにしました。 アキコ:2人ですけどもね。 小 出:頑張りましょう、2人で。 アキコ:頑張りましょうかね。なんかもう、そろそろね。そろそろだね。 小 出:そろそろです。 アキコ:何か日々感情が右往左往し過ぎて、正直、日付の感覚、この2週間なかった。 小 出:俺もなかった。まあ、実際この1週間とちょっと、ずっとグルグルグルグル考えてたんですよ。何て言うの? "個人としての小出祐介"と、"アーティストとしての小出祐介"っていうのがいて。個人でやれることっていうのは何でもあるし、自分に出来る限りのことは微力ながらやってきましたけど、アーティストとして、"世に名前を出している小出祐介"としてやれることとかって何だろうなって、ずっと考えてたんですよ。それで迷ってたというか、悩んでた。 正直言うと、本当に悔しいんだけど、もっと名前の知れた人というか、もっと大きいアーティストの人だったら、自分の名前を窓口にしてというかいろいろ行動もできるけど、僕らぐらいのアーティストだと、例えば何かの窓口を作ったとしても、それで逆に他の方に迷惑かけてもしょうがないなというか。ちっちゃい窓口いっぱい作ってもしょうがないんじゃないかなと思っちゃって。たくさんの人から、"是非Base Ball Bearでも、そういう募金とかやってください! "とかって言われて、そういう気持ちもすごいありがたいんですけど、でもその気持ちを持って、もっと赤十字とか大きい窓口に募金してもらいたいなって思ったりもしたし。で、ずっと"何かやれないかな、何かやれないかな"と思って、最終的に辿り着いたのが、今は、"何もしないってことをやろう"っていう風に思ったんですよね。悔しいんだけど、本当は。 ![]() アキコ:今回、私もすごい考えたんやけど、誰も間違ったことはしてないんよな。 小 出:それは、本当にそうです。 アキコ:正しいことを、いろんな人が自分なりの方法でやってるんだと思うけど、自分のことを振り返ったときに、やっぱりバンドとして出来ることと、自分として出来ることっていうのが・・・ 小 出:そこが一致しないのがね、またつらいよね。 アキコ:自分が動いてしまうことで迷惑になることとかもやっぱりあって。かといってやっぱりバンドは、みんなが動き出せたときに、一緒に背中押してあげるような存在じゃん。ベボベもチャットもさ。一番先頭に立って、みんなを誘導するほどの有名な人はやっぱりすごいなって思うし、そうでありたいけど、私たちはやっぱりそうなんじゃないかなって自分でも思ったし。そうなると、もうちょっと時間も必要だし。 自分が震災後3日4日、音楽聴けなかったっていうのが、正直びっくりした。めっちゃ好きなのにね、音楽。今、必要なのってやっぱり、みんなは、生きることなんだろうなとか思って。でも、バンドで出来ることって、多分めっちゃでかいから、それに備えて私は力を蓄えるしかないと思ったの。ただ、何もしてないのは本当につらかったから、Twitterとか出来るだけのことで、迷惑にならないことをいろいろ考えたけどね。 小 出:僕ら、ツアー3ヵ月分は延期と中止させてもらったんだけど、本当だったら"こういうときこそ現地に!"とか思うんだけど、そこはグッと堪えていたんですけど、今日が僕らの小さな第一歩というか・・・もういいじゃないですか、しんみりしたのは! アキコ:そうだよ。だって、みんなでしんみりしたらダメだよ! 小 出:日本国中、今、しんみりしちゃいがちですから! アキコ:しんみりは、1人でできますから。大勢でせっかくいるんだったら、元気にいきましょうよ! 小 出:電波に乗せるんだったら、元気にいきましょう!せっかくなら、あったたかいやつを・・・ アキコ:アッタタカイやつ?(笑) 小 出:アッタカイやつをやりましょうよ!(笑) そんな中、アッコが3月14日ホワイトデーに、Twitterで、『こんなときだからこそ、みんなでLove Letterを書こう』と呼びかけました。 アキコ:何かホワイトデーに大切な人のことを考えるだけでも、ちょっと気持ちだけでも温まるんじゃないかなって思って。それは被災地の人も、他の被災地じゃない人も。考えることで、ちょっとほっこりしたり、こういうときやからこそ、大切な人がどういう存在なんかっていうのを、改めて考えてほしいというか。それで、「Love Letter書こうぜ」っていう企画を、私が個人的に呼びかけたんですよ。本当、何の気なしに。 ![]() Twitter上でもすごい反響だったらしく、このチャボベLOCKS!でも、生徒のみんなに送ってもらおうと募集を開始したところ、ものすごい数のLove Letterが届きました。 小 出:実際、書いたことないって人もたくさんいるでしょ。 アキコ:あなた、あるんですか? 小 出:ないっす!え、あるんですか? アキコ:ありますあります!・・・あ、でもね、一時期でやめましたけどね。 小 出:いや、その事情は知らないけど(笑) ![]() では、届いたLove Letterを紹介していきましょう! まずは・・・
小 出:素晴らしいな! アキコ:なんか、Love Letterっていいね! 小 出:ちょっと、泣けてくるな。 アキコ:元気に読まないと、泣いちゃいそうだった、ちょっと(笑) 小 出:なんか、代わりに読ませて頂くのがありがたいね。 アキコ:そうだね。
アキコ:"心が影響されて"って言葉がいいですね。 小 出:いいですな! アキコ:何かこういうときって、みんな素直な気持ちが出ますね。 ![]()
アキコ:こういうときじゃないと、言えないよね。 小 出:いや、言えないよ。 アキコ:私さ、Love Letterではないけど、デビューして上京する直前に、お母さんに言ったことがある。直接会ったときに言えなくて、家出るときに車で出たんだけど、途中で車止めて電話して、"ありがとう"って言って・・・(涙) ごめん。思い出しちゃったそれ。いいね、Love Letter。 小 出:いいよ。君らしくて、いい企画を出したよ。
アキコ:いいなー。何か、自分に言われてるみたいになっちゃった(笑) 小 出:本当だね(笑) いや、自分でこれを読もうと思って、ここに来てるんですけども、やっぱり、いざ読むとなるとすごい責任感を感じるよね。 アキコ:そうだね。すごいわ・・・1個1個。 小 出:大切に読みましょう。 ![]() ![]()
小 出:福島県ですよ。 アキコ:すごいリアルな声だね。なんか元気づけようと思ったのに、被災地の人に勇気をもらいますね。 小 出:自分の孤独感とか、小さいなぁと思ったね。くだらないなぁと思ったね。 アキコ:思った。めちゃ思った。 小 出:これから先、僕もアッコも、曲や歌を作っていくっていうことで、何か影響はあるだろうね。 アキコ:あるね。もう、前の通りではいられない。 小 出:いられないよな。 アキコ:変わった、全然。でも、みんながそうだから。前よりもっと前向きに。 小 出:よりたくましくね。前向きにいきましょう! ![]() 小 出:まあ、今日、こういう企画なんですけども、やっぱり僕ら一応、ミュージシャンじゃないですか。さっきも言いましたけど、ここがそういう場だと思いましたんで、僕らの小さな一歩ですけども、それを皆さんに是非見届けてもらいたいなと。 アキコ:何か、"今からストリートライブ一緒にやります! "みたいな感じですけど(笑) 小 出:そんなノリですよ(笑) アキコ:何か、新ユニットみたいになっちゃった(笑) 小 出:まあ、皆さんから届いたLove Letterを曲にしようじゃないかと。僕たちの音楽リハビリですから、今日は。 アキコ:本当、本当。ありがとうございます。 小 出:こういう場を与えて頂いてね。逆にみんなにありがとうです。僕らなんて、みんながいるからこその僕らなんだなって、改めて思いますよ。 アキコ:こいちゃんがそんなこと言うなんて、お母さん嬉しい! 小 出:うるさいわ。 アキコ:(笑) アッコ先生が選んだLove Letterはこれ。 ![]()
ギター、小出先生。 歌+ギター、アッコ先生。 ギターを鳴らしながら、どんな曲にするか軽く話し合う2人。 しょにのが書いたお父さんへのLove Letterに、2人がメロディーを加えていく。 ![]() 一度、お試し演奏をした後の2テイク目。 ほぼ即興での生演奏。 アキコ:お・・・! 小 出:ハマッた! アキコ:ハマッた!全然ピッチが合わなかったけど、ごめんね(笑) 小 出:いやでも、気持ちは入りましたよ。 アキコ:うん、即興感出てたね。 小 出:良かったです。 アキコ:だって今、歌ったんだもん、私!(笑) そして、次に選んだLove Letterはこれ。 ![]()
今度は、 歌+ギター、小出先生。 ギター、アッコ先生。 今回も、2人で探り探り、音を付けていく。 アッコ先生いわく、"オシャレ"なメロディー。 そして、小出先生が、優しく歌い出す。 ![]() アキコ:ちょっと、ミュージシャン・リハビリになった(笑) 小 出:なったね(笑) やっぱ楽しいね。 アキコ:楽しい。 小 出:僕らにとって、やっぱりこれが生業(なりわい)なんだなと思いました。 アキコ:そうですね。 小 出:そして、これが生きがいだと。"生業!そして、生きがい!Yeah!" (笑) アキコ:うるせえよ!(笑) ![]() いよいよ、来週でチャボベLOCKS!最終回! 来週も、生徒のみんなから届いたLove Letterを曲にします。 なかなか言い出せなかったり言葉にできなかったり。くしゃくしゃに丸めてしまう想いは、きっとたくさんある。 こんなときだからこそ、Love Letter書いてみませんか? M-1 お父さんへ(生演奏) / 小出祐介+福岡晃子 M-2 親友へ(生演奏) / 小出祐介+福岡晃子 |