福岡空港に降り立った時の、偽らざる感想は「こんな炎天下でやるのかよ!?」であった。
その日BUMP OF CHICKENがステージに立つHIGHER GROUND 2007の会場:海ノ中道海浜公園に僕は数回訪れているのだが、木陰と呼べそうな場所がほとんどないのである。オーディエンスの体調も気掛かりだ。海浜公園の西口に着き、荷物を持ってステージ裏に歩いて行く30分の道すがらで、テニスの1試合分くらいの汗が出た (笑)。
BUMP OF CHICKENはトリに出演だから、さすがに陽は落ちているだろうが、余熱で藤原さんがマイってしまわないか、少し心配。スタッフ・テントに増川さんがカレーを食べに来た時、すかさずその心配をぶつけてみる。
「じゃ、佐伯さん、俺らの楽屋に来てみてくださいよ」と増川さんが言うので、のこのこと楽屋に移動。直井さんはベースの運指練習をし、藤原さんは自己流ノドのチェックをしていた。今回のグッズ:Tシャツの絵を描いた直井さんと、その絵のことについて話す。升さんは楽屋の外で練習をしていた。
そして、青空はいつしか夏の夜空になり、BUMPの4人がステージに上がった。観客からの歓声がひときわ大きい。「涙のふるさと」を初めてライヴで聴けたことも嬉しかったけれど、個人的には「embrace」での2本のギターの絡みと強靭なリズム隊、そして拡がりを持つに至ったコーラスに驚いた。蝉が羽化するように、BUMPも再び羽ばたいたのだと思った。
Report: 佐伯明
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