去る、9/1、9/2に「山中湖交流プラザ きらら」にて開催された今年の「SWEET LOVE SHOWER 2007」。一日目の9/1のトリをつとめたBUMP OF CHICKEN。当日の山中湖周辺の天気は何ともドンヨリと曇っていて、その上濃~い霧に覆われた会場は、一時はステージ上も霞んで見えるくらいの視界になった程でした。山中湖の湖畔に位置するこの会場は、本来晴れたならば、美しい山中湖の景色をすぐ側に、そして、ステージの背景には富士山がバッチリ見えるということで、スタッフの間でも「残念・・・、せっかくの絶景が台無しだねぇ・・・」なんて落胆の声も漏れつつ、でも、ステージで繰広げられているライブは、どのアーティストも最高のパフォーマンスを響かせていて、気温とか景色とか、充実してるに越した事はないけれど、やっぱりフェスで肝心なのはライブ自体なんだなぁと、改めて実感させられた今年の「SWEET LOVE SHOWER 2007」だったのです。
"バンプ"のメンバーが会場入りしたのは午後3時過ぎ。ちょうどその頃は、霧がマックスで立ち込めていた時間帯で、会場までの山道をマネージャーが運転するメンバー車で来る道中は、それはそれは不安だったそうな。そして、メンバーか会場入りしたその頃、ステージではDRAGON ASHの白熱のステージが行われていて、濃霧の中でも、クッキリと浮かび上がって責め立ててくるような熱~いビートに、それこそ後ろの方のお客さんはステージ上が霞んで見えなかったんじゃないか?って具合の環境の中でも、会場全体が嬉々として身を投げ出して踊り狂っています。さすがD.A!! 環境のハンデキャップをモノともしない最高のパフォーマンスだったのです。
会場入りしたメンバーを、待ってました!とばかりに出迎えたのは、主催者のスペース・シャワーの方々、そして、"チャマ"のご家族一行だったのです。ご両親、そして80歳を超えるオバァちゃんが、それこそ当日のお昼頃には会場入りしてメンバーの到着を今や遅しと待ち焦がれていてくれたのです。幼馴染みのメンバーにとっては、これは嬉しいお出迎えです。"チャマ"のご両親、そして何と言っても80歳超の年齢ながらこのフェスに参加してくれたオバァちゃんと暫しの歓談を楽しみました。
会場を覆っていた霧も少しづつ晴れてきて、何となくうっすらと山中湖の水面が見え隠れし始めて、トリをつとめさせて頂く"バンプ"の出番まで、雨で中止!!っていう心配が無くなってきた事にスタッフ一同胸を撫で下ろしつつある中、いよいよ"バンプ"のステージの時間が近付いてきます。辺りもすっかりと日が暮れて、そうなると美しい湖も、荘厳な富士山も関係無くて、見えるのはBUMP OF CHICKENの立つ渾身のステージと、お客さんが波打つ会場と、ライブを創るのに必要不可欠なその2つの絶景が、この「SWEET LOVE SHOWER 2007」でも輝いていたのでした。
既に小雨も降り始めた中いよいよ会場が暗転、メンバーの登場です。メンバーも「北海道の "R.S.R" の時よりも寒かった!」と言うくらい、気温もグ~ンと下がった会場が、一気に熱を帯びていきます。1曲目の『乗車権』、続く『涙のふるさと』を歌い終えた"藤原"が早くもMCします。「僕たちはこの夏、色んなフェスでホントにお客さんに感動させられてきて、そんで、今日も最高に感動してます。皆ホントにカッコいいよ!」。感極まったMCに会場が沸き立ちます。ライブヴァージョンとして"藤原"の声と"増川"のギターのみから始まる『真っ赤な空を見ただろうか』、そして名曲『ギルド』と演奏されます。2007年、今年の夏フェスでは、ライブでの初披露の『涙のふるさと』『真っ赤な空を見ただろうか』の2曲が演奏されました。この2曲も他の曲と同様、この後、お客さんとともにライブを通して育まれていくのでしょう。
そして、雨の中で演奏された『天体観測』。その光景を見ていて、『天体観測』のリリース当時のインタビューで"藤原"が、「この曲で、結局、星は見えないんです。それどころか雨が降ってる・・・」って答えてたのを、その相反する光景を見ながら思い出したりしました。そして間髪入れずに『ガラスのブルース』のイントロが!BUMP OF CHICKENの始まりの曲が本編最後で演奏され、会場は、降りしきる雨をはじき返すかのようなお客さんの大合唱に包まれていたのでした。そしてアンコールで出てきたメンバーは、いつもよりも長く時間をかけて、雨の中残ってくれているお客さんに到底伝えきれない感謝の意を込めて手を振っています。そして、「湿っぽい話だけど、そんなんじゃないからここで話ます。俺等の大切な人が最近亡くなって、そんで、今の俺等がこうやってこのステージに立てるのはその人のおかげもあって。なので、今日はその人に届くように歌います」という"藤原"のMCの後に演奏された『supernova』は、決して共有はできないであろう個人的な想いを、精一杯"バンプ"が奏でる音楽を共有するって想いで実感し合う、そんな空間が生まれた瞬間だったように思います。
ステージ終了後、雨に濡れて冷えてしまった体を暖めるべく、ケータリングで用意された暖か~い "ほうとう" を堪能したメンバー。最高のステージの後に食べる絶品の "ほうとう" はまた格別の味だったに違いありません!
Report: フッキー (TOY'S FACTORY)
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