〜幕張メッセ ('06/1/29)〜
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2006年、年明けのZEPP SAPPORO 2daysを皮切りにスタートした BUMP OF CHICKENツアー『RUN RABBIT RUN』。
札幌〜仙台〜新潟と、1000人〜2000人規模のライブハウスでお客さんとともに白熱のライブを繰り広げてきたメンバー。各地のライブで、この規模のライブハウスならではの、お客さんの息づかいを身近に感じ共鳴しあいながら一人一人と向き合い繋がり合うことができる最高の瞬間を創りだしてきたのです。そして、その感動の余韻もさめやらぬまま、1/28、29の2日間、「千葉幕張メッセ展示場 9.10.11」にて、2日間で3万人を動員するライブに臨んだメンバー。一気に規模を拡大した幕張メッセでのライブではありましたが、それまでの1000〜2000人規模のライブと何ら変わりのない、「お客さん一人一人と向き合い繋がり創りあげるライブ」を見せてくれました!

いつものようにライブ一日目の模様は、我等が「BIG ISSUE JAPAN」のスタッフ香取さんのレポートをチェック!! 今回の幕張メッセでの2日間、「BIG ISSUE JAPAN」はスタッフを総動員して会場の周辺にて販売を敢行してくれました。会場へ向かうお客さんの長蛇の列の要所要所で、「BIG ISSUE JAPAN」を掲げて、BUMP OF CHICKENのインタビューが掲載されている号 (その他のバックナンバーも扱ってましたよ) をプレゼンしている販売員の方々の姿は、一様に凛々しく雄々しく見えました。
そして、この2日間で売り上げた「BIG ISSUE JAPAN」の総数は何と2500冊以上!! いよいよ "バンプ" ファンにとって「BIG ISSUE JAPAN」が見過ごせない存在になってきた証のように思われる今回の販売実績でした!
まだ、「BIG ISSUE JAPAN」の存在を知らない方々、今後の販売予定のライブ会場でチェックするか、「BIG ISSUE JAPAN」のホームページからゲットしてみて下さいね!

前日の27日からゲネプロ (通しリハーサルのことですね) の為、約1年ぶりに幕張メッセ入りしたメンバー。2004年12月以来の幕張メッセでのライブということもあり、音作りから立ち位置の確認まで入念なチェックが行われました。この幕張メッセでのライブを起点に、この後のツアー行程は全てアリーナクラスの会場でのライブが続くということもあり、今回の2日間でまずは最高のライブを創りあげたいと!という意気込みがひしひしと伝わってくるゲネプロした。そして、その日は会場近くのホテルに戻ってゆっくりと休息をとったメンバーでした。

年明けのツアー行程が極寒の地域が続いたことや、幕張メッセという会場自体、非常に誇りがたまり易い環境であるってこともあって、喉を発端に体調を崩し気味だったメンバー。特に"チャマ"は一日目の朝に発熱してしまい、その日のステージは話題の(?)タミフルを注射してのパフォーマンスになったのでした。ライブ前日まで風邪に悩まされマスクを常備していた"増川"がみるみる復活していくのに反比例して衰弱していく"チャマ"。その関連性は定かでないものの、なるほど一蓮托生(?)を常に実践するバンドなんだなぁ〜と、強引な意味付けをしたくなるような二人だったのです。

写真幕張メッセでのライブ2日目。一日目同様、開場の数時間も前から物販でのグッズ購入目的のお客さんが長蛇の列を成して詰めかけています。もちろん要所要所には「BIG ISSUE JAPAN」の販売員の方々の雄姿も!メンバーとの対面、最高のライブをともに創りあげるんだ!という決意と希望に満ちたお客さんの表情は皆一様に嬉々として輝いて見えました。会場前に、ホントに多くのお客さんがひしめき合い歓喜と熱気でざわめきたった午後5時半過ぎ、会場の扉が開かれると一斉に、濁流の如くお客さんが会場になだれ込みます。さすがに1万人以上の人の流れは強烈です!みるみる会場ロビー部分を埋め尽くす人・人・人・・・。仮設のロッカーを確保する人、臨時のクロークはみるみる人だかり、果ては数百にのぼるゴミ袋の山 (クロークに預けた荷物はゴミ袋みたいな袋に入れられて並べられていくんですね) が現れます。そしてロビースペースにもすぐに、巨大パテーションを隔てたライブ会場内に入る為の長蛇の列ができました。オールスタンディングでおこなわれる大規模ライブならではの光景です。高ぶる気持ちを持て余しながらも整然と入場の列を成すお客さんのマナーの素晴らしさにも改めて感心する光景だったのです。

写真午後6時半過ぎ、約1時間半もの時間を要して入場しきった約15,000人のお客さんがひしめき合いざわめきたつ場内が暗転、いつもより光量が多く見受けられるオレンジ色のライトがステージ上を照らします。そして、いつも通り、THE WHOの「クイック・ワン」のSEが爆音で鳴り響く中、シルエットのメンバーがステージに登場すると、まさに地なりのような歓声が場内に響き渡ります。これまでの数倍の広さのステージを渡り所定の位置につくメンバー。各々の楽器を準備し、白熱のライブ突入への身支度を整えていきます。いつもより長く鳴り響く「クイック・ワン」のSEが会場全体の高揚感を程よく演出しきった頃、ステージセンターのシルエットが大きくそのギターを掲げた瞬間、より一層の怒濤のような大歓声が沸き起こり、BUMP OF CHICKEN 2006ツアー『RUN RABBIT RUN』、幕張メッセ展示場9.10.11での2日目のライブ開始の火蓋がきっておとされたのでした!一曲目から、会場を突き抜けるようなアップテンポのナンバーが繰り出されます。場内は開始早々から興奮の坩堝に!会場を埋め尽くす15,000人全てのお客さんの情熱の矢がステージ目掛けて降り注ぎ、その情熱の矢を一身に受け止め、その数百倍もの音の熱放射をお客さんに浴びせかけるメンバー。この熱と熱との気高き交換は、信頼し理解し合うもの同士のみが繰り広げられる、BUMP OF CHICKENのライブならではの感極まるコミュニケーションのように思うのです。

途中、"藤原"がMCします。「ホントに気持ち良く歌わせてもらってます!有り難う!どんどん歌うんで聴いて下さい!」。会場全体にみなぎる「"藤原"の歌に聴き入り受け止めよう!」とするお客さんの真摯な想いの数々が、この"藤原"の感極まるMCを引き出したように思います。『太陽』『embrace』など深淵な表情を有する楽曲も見事にその世界観を演出/演奏しきり、会場全体を一変、 "静の熱" 空間へといざないます。
写真そして、曲間のインターバルに"増川""藤原"のいざないのもとにMCします。「今日はホントに有難う!マジで気持ちいいよ。有り難う・・・」。言葉にならない想いがほとばしる"増川"。悪戯っけたっぷりに"藤原"がフォローします。「よし。"増川"頑張った。台本通りだよな。昨日原稿書いて自分でワープロ打って俺に見せた通りのMCだった (笑)」「有り難う!ホントに気持ちいいよ。どんどん歌うよ。聴いて下さい!」。そして、ギターのフィードバックがけたたましく鳴り響き、水色に照らされた会場全体に聴き馴染みのギターイントロが響き渡ります!「静の熱」はまたもや一変「動の熱」へ!! そう、会場にいた全ての人々の心を一つにし高揚させ歓喜を促すことができるパワーとポピュラリティーを有する曲、大ヒットナンバー『天体観測』の演奏です!! 待ってました!!の大ヒットナンバーの演奏に、再び会場全体が荒れ狂う大海の海面の如く大きく波打ちます。そして、間髪入れずに演奏された『ダイヤモンド』。立て続けに演奏されたこの大ヒットシングル2曲は、この日のクライマックスの一幕を見事に演出した立役者だったように思います。

その後も、"静" と "動" の熱を絶妙に演出し、それぞれの楽曲が持つメッセージとアイデンティティーを余すこと無くお客さんに投げかけコミュニケーションしきったメンバー。本編終了後、暗転して誰も居なくなったステージに向けて、15,000人のお客さんからの「アンコール!アンコール!」の大歓声が投げ掛けられます。メンバーが再び登場するまで永遠に鳴り止むことがないのでは!?と思う程永久(トワ) に響くような「アンコール!」の大合唱。その声に後押しされてメンバーが再びステージに姿を現します。

写真こだましていた「アンコール!」の大合唱は、歓喜の声援へと変わります。「アンコール有難う!まだ歌ってもいいの!? 歌うよ!!」。"藤原"が叫びます。そして、もちろんこの日のライブも口を開くこと無く頑に、しっかりと自分のキャラ演出とドラミングを遂行している"升"のもとに近寄る"藤原"。そして、"升"からのメッセージを携えて再びMCします。「"升"からのメッセージです。"升"が言ってます。このへんで、冬ならではの曲でも演奏しようかなって・・・」。この心憎いまでに壷をついた"升"の伝言MCに場内はざわめき色めき立ちます。そう、灼熱の幕張を、切なく美しく彩る名曲『スノースマイル』の演奏です。アコースティックギターを爪弾きながら切々と歌う"藤原"のボーカルに、誰もが引き込まれ聴き入った瞬間でした。

写真そして演奏終了後、思い立ったように"チャマ"がMCしました。「今日はね、みんなに、会場のみんなに相談があるんだよ。聞いてくれるかい!?今日ね、この会場に俺のお父さんが来てんだよ。ほら、俺等の地元千葉ってこともあってね。そんでね、おとうさんが楽屋で言うんだよ。 "俺が一番好きなお前等の初期のナンバーを演奏してくれ!" って。今日はね、俺、その親父のリクエストに是非応えたいって思ってる。でもね、これは俺等だけじゃ判断できないことだとも思ってる。だって、みんなと一緒に創りあげるライブだからさ。だから、みんなに聞きたいんだ。俺等の初期の傑作を演奏してもいいかい!? 『ダニー』を演奏してもいいかい!!??」。
写真この突然の"チャマ"の赤裸々なMCと、ライブでしか聴くことのできないレア曲『ダニー』演奏のフリに、場内には歓喜と賛同の歓声がにわかに沸き起こります。その歓声という名の "バトルクライ"=鬨の声を合図に、"藤原"がブルージーなギターリフをかき鳴らし始めます。そして、振り絞るような土着的なボーカルが奏でられ、ライブならではの珠玉のレア曲『ダニー』が演奏されると、完全に明転し明るくなった場内の照明は、歓喜の渦と化したお客さんが掲げる無数の拳の数々を煌々と照らし出していました。そしてその光景は、まさにこの日の成功と感動の“証”を照らし出すかの如く見事な輝きを放っていたのでした!!

Report: 吹野史斉 (TOY'S FACTORY)
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