〜広島サンプラザホール ('06/2/3)〜
update : 2/7

最寄の駅からライブ会場へと向かう途中、ショッピングモールを通った。そこの広場にある大きなテレビからは、ちょうど「カルマ」のミュージックビデオが流れていた。当たり前だけど、ここにもバンプの音楽はちゃんと届いている。けど、同じ空間で同じ時間を共有するライブは、やはり特別だ。普段会うはずのないみんなが、ライブのお陰で広島の地でめぐり合う。そんな奇跡のような瞬間がまたやって来る。
バックライトの中、4人の影がステージに現れる。小雪が舞う、とても寒い一日だったことを忘れさせる、熱が会場内に充満する。低い位置からの赤い光によって、炎のようにステージが照らし出され、この日もライブが幕を開けた。

「Stage Of The Ground」では、大地を揺るがすようなドラムのリズムに合わせ、会場中から手拍子が巻き起こり、地響きにも似たグルーブが出現。スケールの大きなメロディーに導かれ、会場中が一瞬にして大地のど真ん中に連れて行かれてしまった。
随所で炸裂する升くんの高速ドラムや、どこまでも澄みきった増川くんの奏でるアルペジオや、静寂からエモーショナルなサウンドへと表情を一変させる「太陽」での直井くんのベースなど、ダイレクトに僕らの心に飛び込んでくる迫心の演奏が繰り広げられていく。

この日も会場からはたくさんの声援が贈られていたが、それに対し4人は、あくまでも音楽で応えようと、声援のすべてを自分たちのパフォーマンスに集中させていた。あるいは純粋に会場が大きくてステージまでは聞こえなかっただけかもしれない、しかし、それだけでは説明できないぐらいの緊張感が感じられた。それは音楽だけで全てを伝えきろうとする、ドキっとさせるほどのテンションだった。「天体観測」や「アルエ」みたいな疾走系ナンバーにしろ、「ギルド」のようなミドルテンポの曲にしろ、その圧力はスゴかった。それに応えるように、みんなもスゴイ盛り上がってたね。見ていて鳥肌の立つ瞬間が何度もありました。もちろん、MCからもバンプの気持ちは十分伝わってきたし、それは広島サンプラザホールにいたみんなも感じられたんじゃないでしょうか。 

今回のツアーで気付いたこと、それは「supernova」が始まるとき、いつも会場から温かい拍手が沸き起こるということ。本当に温かくて大きな拍手。足を踏み鳴らしたくなる大きなリズムも、気持ちをアゲてくれるし、やっぱりこの曲はとてつもなく懐が広い。これがこの曲の持つ力なんだと、改めて気付かされました。そして、3拍子のリズムが独特のスピード感を生み出している「銀河鉄道」も、すごく印象に残ってる。"進んでいるようで、止まっている" "止まっているようで、進んでいる" そんな歌詞のとおり、不思議な感覚に浸っていました。これはハマりますね。

今回も会場の周辺でみんなに話を聞かせてもらったんだけど、岡山から来ていたヒロミ&カツキのように、フェスでバンプを観たことがあるっていう人が結構多かったです("SET STOCK"だよね?)。あと、じつはこの日、急きょ「ビッグイシュー」を200冊限定で販売しました。雪が降る中、足を止めて買ってくれた人たち、そしてこのツアレポを読んでくれていると声を掛けてくれた人たち、どうもありがとう!最後は売り切れてしまったので、買えなかった人もいたんだけど、また機会があったらヨロシクです。次の大阪城ホールでも「ビッグイシュー」を販売させてもらうので、お楽しみに!

Report: 香取 剛 (THE BIG ISUUE)