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矢沢永吉、キャリア50年で初のレギュラーラジオ『YAZAWA LOCKS!』がついにスタートしました。

このページはSCHOOL OF LOCK!では “放送後記” と呼ばれているもので、放送された内容の文字起こしを収録中の写真を交えてお届けしています。

また「AuDee」にて、実際に放送されたナレーションも毎月アーカイブします!
コチラからいつでも好きな時に聴くことができます!

では、記念すべき第1回OAの放送後記、お楽しみ下さい!!!



とーやま「…まず、なんとお呼びしたらよろしいでしょうか?」

矢沢「もう、“永ちゃん”でも…」

とーやま「さすがに……(笑)」

矢沢「まあ初対面だからね!“矢沢さん”でいいんじゃないですか?」

とーやま「“矢沢さん”。」

矢沢「全然、全然。“YAZAWA!”でいいですよ!」

とーやま「いや、僕、まだ年齢42歳…ですから、ちょうど30下で…」

矢沢「30歳違うんだね。」

とーやま「で、さらにその永ちゃんに……“永ちゃんに”って言っちゃいましたけど(笑)…(永ちゃん)に対して、さすがに恐れ多くて…!」

矢沢「でもね、僕は72ですから、もう20歳〜30歳違う人たち、いっぱいいますよ。新しいファンで。そういう人たちが『なんてお呼びしたらいいです?』『“永ちゃん”と呼ばさせてください!』と、ハナから自分で決めてるんだよね(笑)逆に、『30くらい違う人から“永ちゃん”と呼んでいいですか!』って言われたら、嬉しいじゃないですか。」

とーやま「えー…!あ、でもファンの皆さんからしたら、その呼び方がたぶんしっくりきてるでしょうし。」

矢沢「このラジオ聴いてる人って、歳いくつくらいの人ですか?」

とーやま「10代、20代、30代がメインだと思うんですけども、1年この番組をやっておりまして、50代の方と直接電話でお話しさせてもらったり、ということもあるので。」

矢沢「へぇ。」

とーやま「結構幅広く、だと思います!」

矢沢「いいですね!」

とーやま「一応、僕的には、いままでのお話からさらに親しみも込めて、“ボス” という呼び方でいかがでしょう?」

矢沢「(笑)全然問題ありません!僕も会社やっていますが、うちの社員の皆さん、それからツアー行くとクルーから監督から舞台から、みんな“ボス”と呼んでますね。」

とーやま「ボス!お聴きいただいている皆さんに一言、もう言わずもがなですけど…改めてお名前をいただいてもよろしいでしょうか!」

矢沢「こんばんは、矢沢永吉です。ヨロシク!


M ワンナイトショー / 矢沢永吉


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とーやま「SCHOOL OF LOCK!教育委員会のとーやまです!」

矢沢「こんばんは!初めてお世話になることになりました、矢沢永吉です。ヨロシク!

とーやま「こちらこそ宜しくお願いします!ボス!今日から “SCHOOL OF LOCK!教育委員会のボス” として…」

矢沢「(笑)」

とーやま「なかなか強い言葉ですけども(笑)毎月第4金曜日にお越しいただいて、お話をお聞かせ願いたいなと思います。」

矢沢「宜しくお願いします!」

とーやま「これ、ラジオ番組ですけれども、レギュラーのラジオ番組というのが初めて、ってことですか?」

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矢沢「レギュラーは…初めてですかね?覚えてないんですよ!」

とーやま「(笑)」

矢沢「今年、キャロルデビューして、50年くらいになるのかな。」

とーやま「そのとき、ボスはおいくつぐらいですか?」

矢沢「23の終わりぐらいじゃなかったですか、24に入るか入らないか。で、今日まで。50年もやってるんですよ。僕はね、正直言うけど、こんなに長くやるとは思わなかった!だから僕30くらいのときに、ステージの上から言ってましたもん。『俺さ、50歳までやるからさ』。で、50になったときに、万単位の野外で『アイ・ラヴ・ユー, OK』を歌う。『これだよ、これ!』って言ったと思うんですよ。

とーやま「みんなも『うわー!そこまでやってくれんのか、永ちゃん!』と!」

矢沢「50になったときに、万単位の野外で、矢沢の代表曲『アイ・ラヴ・ユー, OK』を歌う。『それだよ、俺の人生は』って。言ってることもかっこいいから!」

とーやま「(笑)」

矢沢「で、言ってる僕も、その言葉にちょっと酔ってる(笑)聴いてる方も『かっこつけちゃって〜!』って言いながら、みんなお互いに感動しちゃってる…そういう30代だったね!

それがあっという間に、横浜の国際の、5〜6万入るところ。あそこで僕が50歳かなんかのときに、『アイ・ラヴ・ユー, OK』を歌うわけですよ。そのときに、セカンドバースのときにグッと詰まっちゃって。本当に歌えなかった。どうしてか、って言ったら、セカンドバースが “I love you, OK 振り返れば 長くつらい道も お前だけをささえに歩いた” ってあるんですけど、そのときになんか、くるよね。やっぱり。俺あのとき、ケツたたく意味で、自分をちょっとかっこよく見せる意味で、『50まで俺は歌うよ』って言ってたら、本当に今日その日だよ…と思った時に、なんかこう、泣けてきたっていうのかな。それを覚えてますね。」

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とーやま「ボスは、ライブのときとかでも、どこか“いまの自分とてもかっこいいな”って、客観視してる自分もいらっしゃる、ってことなんですか?」

矢沢「いや、それはあるかもしれないよ。僕らみたいなこの仕事やってる人って、やっぱりナルシストの部分で”俺を見てくれよ!”、“Look at me!!!”っていうのが、ない人は歌を歌ってないんじゃない?“私を見て!”とか“俺の歌を聴いてくれ!”とか、ある種のナルシストだよね。いい意味でのナルシスト。”そういうの(ナルシストの部分)はないんですよ!でも芸能人やってます”って人は、あまりいねえんじゃねえかなぁ。」

とーやま「僕、音楽が好きで、いろいろライブとか音楽聴かせてもらったり、ライブを観させてもらったりするんですけど。時代なのか、“いや、僕なんて者が…”とか、そういう感じの表現者が多くなってきたな、と。僕も含めてだと思うんですけれども。」

矢沢「時代はあるんじゃない?“それ結構、いまの時代だよね〜”ってところあるじゃない。“僕なんか…”とか、“いやいや、とんでもないです…”とか。日本のまた美しきそういうハート、みたいな。その辺、絵になるって時代かもしれない。でも、僕は基本的に“俺。俺を見てくれ”っていうものがないと、ちょっと上にはいけないんじゃない?と思う。職業歌手でございます、ってそれはいくらでもいるよね。でも、“俺、いい車乗れるくらいひと山当ててやるぜ…絶対売れてみせるぞ”っていうのが、もし心の奥にあるんだったら。“俺を見てくれ”っていうのがないと、それがないままに人を感動させられるくらいいくのかな、ってちょっと不思議ですね。

ただ、それはマナーとエチケットなのか、言い方として日本人特有の綺麗な感じで、本当は中ではメラメラ燃えてるんだけれども、“いや!とんでもございません!僕なんか!”って、ちょっと美しさあるじゃないですか。」

とーやま「奥ゆかしさ、とか。」

矢沢「奥ゆかしさ!本当は内面ではメラメラ燃えてる、っていうのかもしれない。」

とーやま「ちなみに、ボスが“ここでこのライブ決めてやる!”とか、そういうイメージとかは普段からずっとされてるんですか?」

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矢沢「いや、ツアー始まったら皆さんと一緒で、初日は(ステージ)出る前に震えてるし。」

とーやま「いまでもですか!?」

矢沢「いまでも!震えてる、っていうのはちょっと極端ですけど。楽屋で…“ボス!いよいよ(開演)30分前です!”と。“わかってるよ…言われなくても”って言いながら、やたらと小便行きたがるんだよ!(笑)」

とーやま「ええ!(笑)」

矢沢「必ず僕は、ルーティーンじゃないけど、(舞台に)出る2、3分前。“はーい、そろそろいきまーす!”って言われたら“はい!ちょっと待って!”って言って必ず僕は小便しに行く(笑)それで、出ないの!」

とーやま「さっき行ったばっかりですもんね!」

矢沢「さっき行ったばっかりだよ!で、ちょっと出るわけ。でもその“チョロ〜”を確認すると、“よし、行こう!”って気になるんだよ。もう形。決まりごと!」

とーやま「ボス、ちょっとこの話…(笑)」

矢沢「僕、この間『情熱大陸』に出たときにカメラが回ってて。で、うちのスタッフが車の中でもカメラを回してるわけ。」

(スタッフ)ボス!武道館の改装終わりました!

(矢沢)どこがどう改装されたの?

(スタッフ)すごく綺麗になりました!

矢沢「…と言ったときに、僕はピンときたから…」

(矢沢)ねえ、俺のいつもの部屋、トイレ付いたんじゃない?

とーやま「(笑)」

(スタッフ)そうなんです!トイレがつきました…!

(矢沢)それマジかよ!サイコー!

とーやま「(笑)」

矢沢「ラジオ聴いてる人は、トイレがどうしたわけ??って言うけど、俺たちステージ立つ人は、1発の、瞬間の小便がどれだけ大事か、ってことなんですよね。」

とーやま「となると、その改装後、武道館に立たれるアーティストの皆さんも、そこにトイレが付いてるわけで。」

矢沢「僕がいつも使わせていただいてる部屋は、例えばバンドの部屋、コーラスの部屋、ってあったらたぶんメインの、歌を歌う人の部屋ですね。あの部屋にトイレが付いたんです。」

とーやま「となるとこれを聴いているアーティストの皆さん!ボスに感謝しましょう!(ライブ)直前に行けるってことですもんね!」

矢沢「そういうことですよ!あれね、前までは部屋から出て、ぐるーっと回った裏側にトイレがあった。そしたらそこに警備員が立ってて、必ず敬礼するわけ、ビッと!そしたらしょうがないから俺も、“どうも!ご苦労さん”って(手を上げる)するけど、3回目くらいになると、“こいつしょっちゅうトイレ行ってるな”と思うんじゃない?」

とーやま「それは、3回別のところに行こう、とかならないんですか?」

矢沢「いやだって、そこが一番近いもん。」

とーやま「(笑)」

矢沢「それが、今度は部屋の中にできた、という…まあある種、画期的なことですね。」


M JEALOUSY -CONCERT TOUR 2021「I’m back!! 〜ROCKは止まらない〜」/ 矢沢永吉


とーやま「ボス、この『I’m back!!』のとき、去年はお手洗いはまだ付いてなかった頃ってことなんですか?」

矢沢「あ、去年は付いてました!去年の一個前に改装したんじゃないんですか?去年の『I’m back!!』武道館、あれも3、4年ぶりに武道館に帰ったんじゃないんですか。僕は毎年武道館やってますよね。いま武道館の最多使用記録を矢沢は持ってますね。」

とーやま「146、とお伺いしていますけども。」

矢沢「で、今回やったら150回。」

とーやま「ぶっちぎりですよね…!」

矢沢「おかげさまで。いつの間にか武道館はロックやってる連中たちからみたら、聖なる場所になりましたね。」

とーやま「どういう場所になるんですか?ボスにとって日本武道館という場所は。」

矢沢「もともと武道館で収容人数は1万人だからね。たいしたことない、って言ったら怒られちゃうけど。だけど武道館の1万は、なんとも言えない、いいんですよ!円形で全部が手にとるようにわかる。」

とーやま「客席の僕らから見ても、めちゃくちゃ近くにいらっしゃるな、って感じです!」

矢沢「1万も本当に入ってるわけ?っていうくらい近いんですよね。それと、なんと言っても、あそこは武道のためにつくったのに、ビートルズがやったところ。そしたらもう世界のロックバンドは、“JAPAN!” “武道館でやらなきゃ!”みたいなことがポピュラーになったわけですよね。それから、いつの間にかバンドやってる連中たちも“俺たちもいつか武道館でやりたいね!”ってなったんじゃないですか?そういったことも含めて、歴史ですよね。

僕はそういうことで、たまたま東京ドームやったり、他の場所でやる年が重なってきて、去年がちょうど3年、4年ぶりに帰ってきたんじゃないですか。去年はコロナ禍でしょう。で、ご存知のように、これは裏の話になりますけど、“集客は動員の50%しか入れちゃダメです”。それはそうだよな、と。そしたらどんどん去年の10月、11月、12月って、本当にコロナが止まったですよ。あのときだけ。そしたら(集客)70%くらいいいよ、と。で、100%もう許す!っていうのがきたんですよ。でも、100%許すって急に言われても、お客さんの都合もあるし。そんな戦いとか探りを、僕だけじゃなくて全アーティストはみんな戦ったんじゃないですか。

だけど僕は不思議なことに、去年『I’m back!!』で武道館に戻りました。やりました。すごかったですよ。で、最後は横浜アリーナだったんですよ。もう横浜アリーナ、パツパツです。あのコロナ禍のなかで。(横浜アリーナ公演が)終わったら、オミクロン株が、ぶわーーっと、また始まったんですよ。だからあの2ヶ月半〜3ヶ月、あれはなんだったの?って。なんかあそこだけばこっとなくなったんですよ。でもまた来たじゃない。いま、また大事になってきた。だから、あの3ヶ月はなんだったんだ、と今でも振り返って思うときありますね。」

とーやま「ボスから出ている波動というか流れとかが、ファンの皆さんから何からを巻き込んでいる……これはすごく非科学的な話ですけれども。でも確実に人から出ているものっていうのは、存在するじゃないですか。」

矢沢「まあ普通はね、そんなの酒の席で“そんなことねーよ!”と言いながらも、“うれしいよね!よかったよね!”っていう話になるんだけど、いまでも僕は不思議だと思ってるから。

あと、いま2022年になりました。まだあります。どこまで続くのか。いまみんな努力してますよね。早く終わってほしいんだけど。どのアーティストも、どの事務所も、お客さんもみんな。早く、元に戻りたいと思ってますよね。」


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とーやま「ボス、話は変わりますけど、このYAZAWA LOCKS!のなかでは、ボスへのメッセージを募集したいと思っているんですけれども…これ、どんなメッセージでもよろしいですか?」

矢沢「これ、そういうコーナーがあるってことでしょ?」

とーやま「そうですね、ボスへ伝えたいこと、ボスにききたいこと。そういったものを募集したいと思うんですけれども。」

矢沢「話合うか、合わないか、自信ないんですけれども、こんな僕でよかったら、答えられることはなんでも答えます!」

とーやま「じゃあ特に“これ系の質問がダメだ”ということも…」

矢沢「いや、なんでも大丈夫だと思います!」

とーやま「じゃあみなさん、ボスがそうやっておっしゃってくださったので、来月までにまず、たくさんのメッセージを募集したいと思います。」

矢沢「これ結構くるんでしょ?」

とーやま「全国ネットで、北海道から沖縄まで聴けますので、しかもボスがこたえて下さるってことで、めちゃくちゃくると思います。」

矢沢「世代もかなり違ってて、ハマるかどうかわかりませんけど、でも…言葉悪いんですけど、周りどうでもいいの。僕のやり方はね。ちょっと生意気なんですけれども。僕は振り返ってみたら周りがどうの、ってことは、どうでもいいっていう言い方は失礼なんだけど…それよりも自分はどうしたいのか、っていうことを思いながら走ってきたこの50年だったかな、と思ったりします。」

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とーやま「今のそのボスの言葉を目の当たりにして、自分は結構気にしちゃうようになっちゃってですね。周りの目とか、こう言ったらこう思われるんじゃないか、とか。」

矢沢「人はみんなそう。“周りはどう思ってんのかな” “俺はよく思われてるのかな”ってみんな思うから、書き込みで変なことを書かれて自殺する人とか増えて、っていうのがあるんじゃないの?それで、腹立つことなんだけれども。どうでもいいようなことで、自殺までしちゃったんだろう、俺のマブダチは、と。でも、人ってそういう意味じゃ、弱いんだろうな。」

とーやま「ボスは、ネットとか見ることあるんですか?」

矢沢「ネットとか…というか、世界の情勢とか見たりするじゃないですか。ニュースは気になるね。世界のニュースっていうのはすごく気になりますね。」

とーやま「そこで感じたことだったりとかが、創作物につながることがあるかもしれないし。」

矢沢「どうかなー、創作物につながるかどうかは、わからん。わからないけど、やっぱり“世界ってなんか嫌だね”とか、“なんでみんなこんな揉めるんだ”とか、っていうのは思いますね。」

とーやま「スマートフォンはお持ちなんですか?」

矢沢「持ってますよ!スマートフォン持たなかったらいま生きていけないんじゃないの?(笑)」

とーやま「でも、なかには持たずに…」

矢沢「スマホは持たないっていう人いるじゃないですか。拘束されるのが嫌だ、とか、気にすることが嫌だから、っていうのを見たときに…そう言ってた!俺も若い頃“冗談じゃねえよ、携帯電話に縛られることはごめんだ”とか言ってたけど、僕仕事やってるからね。会社のスタッフとのやりとりだ、なんだかんだで、スマホでやっとくと早いわけだよ!」

とーやま「基本、電話ですか?」

矢沢「電話、メール、ショートメール。LINEも…」

とーやま「LINEもやられてるんですね!?」

矢沢「当然やってますよ!ただ、仕事でほとんどやってるから。うちの身内、会社のスタッフ、社員、そしてマブダチというか、本当に近い友達何人か。それだけです!それ以外は、やらない。知らないメールだ、なんだかんだきた時は、読みも何もしないで消す!そこだけは徹底してるね。」

とーやま「改めて、ボスへのメッセージ、YAZAWA LOCKS!公式サイトのメールフォームでも、メッセージをお待ちしています!そしてTwitterでもつぶやくことができます。ハッシュタグは『#SOL教育委員会』をつけて、感想等々お待ちしております!」


とーやま「そして、ボスは今年で活動50周年。“こんなに続くとは思っていなかった”というお言葉もありましたけれども。」

矢沢「もうここまできたら、逆に記録つくってやろうかな、とは思ってます。だけど、ここに来るまでの間は、まさか50周年なんて考えてなかったよね。」

とーやま「世界で見ても、ローリング・ストーンズ、ミック・ジャガーとかもそれくらい…」

矢沢「やってますよ!ポール・マッカートニーなんかもっとやってますよ!」

とーやま「僕、3年くらい前に東京ドーム観に行ったんですけども、3時間くらいやられていて。僕が見る限り、水一滴も飲まなかったんですよ。なんでなんだろう、と思ったんですけど。」

矢沢「素晴らしい。多少、若いときよりは声がひび割れてるところがあったにせよ、歌にしてもぴしっと歌ってるし、すごいよね。」

とーやま「でも、ポール・マッカートニーの方がたぶん先輩…“先輩”っていう言い方はおかしいですか(笑)」

矢沢「 “神様” です(笑)もう、はっきりいうけどね、ビートルズのあの雷が起こったようなものを、僕が中3か高1に感じなかったら。たぶん俺、矢沢永吉やってなかったんじゃないかな。だから、 “神様” です。」

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とーやま「お会いしたことはあるんですか?」

矢沢「ないんですけど、プロデューサーには、ロンドンで会うことができましたね。ジョージ・マーティン。ロンドンのあるスタジオで…」

“今日ジョージ・マーティン来てるよ!“

“ジョージ・マーティンって、どの?”

“あのビートルズの。”

“マジー!?紹介してー!!!”

矢沢「って言ったよ!で、」

“日本から矢沢っていうのがレコーディングに来てるよ”

“ぜひ握手だけでもしてください!”

矢沢「って。もうミーハーだよね。そしたらもう背の高い人ですよ!190センチくらいあんじゃねえの?スラッとした人でね。やっぱり、ビートルズのレノン、マッカートニーのあのメロディとあのコード進行に、プラス、クラッスィな世界もね。だいたいジョージ・マーティンのアイデアも入ってるからね!クラシック畑の要素も相当持ってるから、ただ単にポップバンドってだけじゃなくなったんだよね。どこまでレノン、マッカートニーの世界って広いわけ?というのに、ジョージ・マーティンの要素も入ってきてるよね。」

とーやま「中期以降くらいってことですかね?ビートルズの。」

矢沢「で、(ジョージに)会って。“Nice to meet you…!!!”って握手してもらって。かーっ…すげえな……と思って。ロンドン来てよかった、って。世界にはすごい人がいるからね。」

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とーやま「それもボスにとって興奮された瞬間だったと思いますけれども、ボスが一番興奮した瞬間っていうのは…いくつもあると思いますけれども。」

矢沢「いっぱいあるね!一番っていうのは、ないです!あれも、それも、これも。ただ、僕は今でこそわかる、共通していることが、ひとつある。僕は、才能のある人が好きみたい。なんでも。なにも音楽家だけじゃない。バレリーナであろうと、アイススケーターでもボクサーでも、なんでも。すごい人が好きみたい。“そうか、俺はどのジャンルでもすごいやつが好きなんだ”と。尊敬の念を持てる。」

とーやま「最近この人すごいな、って思われた方は、どんな方でいらっしゃいますか?」

矢沢「やっぱりいま、大谷(亮平)選手もすごいじゃない。この人、やばくない?って。と同時に、あの身体!日本人でここまでの身長と筋肉と。」

とーやま「日本にいたときよりも、筋肉のつき方とか全然違いますもんね!」

矢沢「お母さんも偉いよね。何食べさせたんだろう。早いところ、そういう教育もあったんじゃないかな。“絶対筋肉はいるんだ”とか、“健康であってほしい”とか。“食べるだけ食べてくれ!”みたいなところも、知らぬ間にいまの大谷さんをつくっていったんじゃないですか。だから、ジャンルなんかどうでもいいのよ。やった人とかすげえ人を見ると、僕はワオ!と思う自分がいたときに、“あ、これが俺をここまで押し上げた、俺の向上心だったのかもしれないな”と思う時あります。だから、それでいいのよ。すごい人見たら、ワオ!と興奮するのは、何かの才能なんだよ。それ大事だな、と思ったことありましたね。」

とーやま「50周年迎えるわけですけれども、昨年は23会場で31公演の全国ツアーがあったというわけで。改めてこちらのツアーは、いま振り返るといかがですか?」

矢沢「先ほどもちらっと言ったかと思うんですけど、コロナ禍です。スタートする前、やれるのかい?と。だって、その前には2回ほどツアーを消してますからね。このコロナも3年目に入ってますから。で、10〜12月の3ヶ月。やれるのか、やれるのか、やれるのか、って言ったら、不思議なことが起きた、って言ったでしょ。やれたんですよ。最後の31回、横浜アリーナ、最終日。ある種、神がかり的だと言っても過言じゃないものはありましたね。」

とーやま「で、そこで終わることなく、今年の8月からはソロ・アーティストとして国内外問わず最年長となる、全国スタジアム&ドーム・ツアー『MY WAY』を開催されるということで。これはなぜやる運びになったんですか?」

矢沢「なぜ、って50周年やらなきゃいかんでしょう!ただ、まだやれるかどうかわかりませんよ。だけど、そこは“やるんだ!”ということで、いま進めてます。で、やれたら最高。一緒に行こうぜ!ってそんな感じですよ。」

とーやま「国立競技場でもやられるじゃないですか。で、国立競技場が新しくなって、その場での有観客というのも、史上初なんですよね。」

矢沢「まあ、そうなっちゃったんですよね。」

とーやま「ボス、日本武道館も日本人のアーティストとして初めてステージに立たれてますよね。」

矢沢「ロック・ソロシンガーで最初になるんですかね。」

とーやま「多いですよね。」

矢沢「別に意識したわけじゃないんですけど、その時の流れが偶然そうなっていったんですよね。武道館も当時、ロック・ソロシンガーとして最初になるんですけど、あれも決して“俺がやるんだ!”というんじゃなくて、武道館というのは武道のためにできて。ほとんど外タレの場所だったんですよ。武道館といえば、“ビートルズをはじめ世界のすげえバンドがあそこに来るんだよ!”っていう。日本人にはこれをやったことがあるやつはいない、と。それ、違うんじゃない?っていうのはありましたね。当時。矢沢が20の終わりか30ちょっとでしょ。なんか、若いし、“ふざけんじゃねえよ、なんで外タレばっかりがあそこなんだよ!だったら日本で俺がやってやるよ!”っていうのがあったんですよね。」

とーやま「そして今回も新国立競技場でライブがありますし、東京以外のところでも立たれるわけですけれども。50周年があったら、当然51、52と続いていくわけじゃないですか。これはもう、どこまでも行く、ってことでいいですよね。」

矢沢「僕も正直言って昔なんて、30くらいのときに“50歳で『アイ・ラヴ・ユー, OK』歌えたら最高だよ!”と言って酔ってたもんです、言葉にね。でもいまここまで50周年経ってこうやって、新国立競技場2DAYS、福岡ドーム1、大阪ドーム1で4ステージ…こんな幸せなことありますか?これは僕はもう“ありがとう!感謝だ!”っていう感じですよ。やるってこと。で、どっか行く道を決める。それで、“僕には道があるんだ”と。65を過ぎるようになってからそういうことを思うようになりました。人間、なにが嬉しいって言ったら、道がちゃんとあるかどうか、ってことです。よく言ったもんですよ。 “道がないんだったら、道つくっちゃいな” って。ワクワクするもんがないんなら、ワクワクするもん探そうよ!本当にそう思ってるんですよ。72で新国立競技場2回。今度は73になって大阪、福岡。73ですよ。無事に終われたら、こんなうれしいことはないよね。」


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M いつか、その日が来る日まで… / 矢沢永吉

とーやま「そろそろ、もうお時間になってしまいました!」

矢沢「宜しくお願いします!」

とーやま「これもう、ちょっと毎回1時間じゃ足りないくらい、で、他にもききたいこと、皆さんおありでしょうし。メッセージを募集しております。それから、YAZAWA LOCKS!の公式サイトのメールフォームからも、もちろんお待ちしておりますので、来月までにたくさんお送りいただきたいと思います。改めて、今日1回目でしたけれども、ボス、いかがでしたか?」

矢沢「今日、僕すごく話しやすかったし。世代が若い人がリスナーにいっぱいいますよ、ときいております。だから、“俺なにしゃべればいいんだろう” “俺のしゃべりでいいのかな?”とちょっと思いましたけど、今日は普通にしゃべろうと思って。今日はありがとうございました!」

とーやま「いやいや、こちらこそです!めちゃくちゃ面白かったですし、また来月、“お手洗い系”のああいうお話もまたお聞きできたらな、というのも思っておりますので!(笑)ということで、今月はありがとうございました!来月も宜しくお願いいたします!」

矢沢「どうも!」

この後記の放送を聴く

聴取期限 2022年5月6日(金)PM 23:00 まで