誰が作ったのかわからない曲は、利用することができるでしょうか?

A:自由に利用することができる
B:作った人が見つかるまで利用することができない
C:国に申請すると利用することができる


正解はC:「国に申請すると利用することができる」です。

これまでのクイズでも伝えてきたとおり、他人の著作物を利用する場合は、著作権者からの許諾を得る必要があります。しかし、誰が作ったのかわからない著作物は、その著作権者に連絡して許諾を得ることが困難です。そこで、著作権者の代わりに文化行政を担当する文化庁が使用料額に相当する補償金を決定し、利用者がこれを納めること(「供託」といいます)で、「誰が作ったのかわからない」、「権利者がどこにいるのかわからない」といった著作物でも利用できるようになります。この仕組みは、「裁定制度」と呼ばれています。

ただし、この制度を利用するためには、事前に次のように誰が作ったのかをしっかりと調べなければなりません。裁定制度の利用にあたっては、「相当な努力」が必要となります。

① 権利者情報を掲載していると思われる資料を閲覧したり、インターネットで検索をすること
② JASRACなどの著作権管理事業者などに確認すること
③ 日刊新聞紙や著作権情報センター(CRIC)のHPなど、文化庁長官が定める方法で広く情報提供を求めること

著作権法では楽曲などの著作物を「文化的所産」と位置づけ、権利保護と円滑な利用のバランスを確保するための仕組みを設けており、この「裁定制度」もその一つです。皆さんも、「誰が作ったのかわからない」楽曲を使おうと思った場合、すぐに諦めずにJASRACのデータベース(J-WID)などで調べてみてくださいね。詳しく知りたい人は、こちらの手引きも確認してみましょう!

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