THE★米騒動

2011年1月19日(水)。くるりと対バンライオット3日目。
最終日のくるりの対バン相手は、閃光ライオット2010に、北の大地から単身で乱入した、札幌アンダーグランドからの刺客!「THE★米騒動」。攻撃的で革新的な爆撃サウンドで、見事、応募総数1万組の頂点に立ち、グランプリの旗を掲げた姿は、今も勇ましく、まぶたに焼きつく。あれから、約半年。久しぶりに彼等と再会することとなった街は、大阪の「十三 (じゅうそう)」。駅からほど近くに、今夜、くるりとの対決の舞台となるライブハウス「ファンダンゴ」がある。初めて訪れたその箱は、いささか危険な香りのするエリアを象徴するかのような、ヒリヒリとしたライヴハウス。「THE★米騒動」の音とは、そこはかとなくマッチしている場所だ。

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ドアを開けると、アーティスティックな落書きに埋め尽くされたステージで、すでに「くるり」が音出しをしていた。相も変わらず、リハーサルとは思えぬレベルの高さと完成度。相も変わらず、"プロフェッショナル" を見せつける。見せつけられている中に、3人の姿があった。ライヴハウスの片隅で、固唾を呑んでプロのスタンバイを見つめる3人の18歳。リハーサル前に、狭い畳の楽屋で、くるりのメンバーとすでに交流していたせいか、固い緊張ムードはない。実家の京都に帰省していた岸田先生から、名物のおまんじゅうをお土産でもらったり、お茶飲みバナシをしていた事で、むしろ早くも仲良しになれた大先輩のリハを見れて嬉しい!と言った空気感。

「はい、それじゃ、次ぎ、米騒動さん、リハよろしくー!」

とは言うものの、この指示を皮切りに、やはり一気に焦燥感と緊張感のオーラに包まれた3人。最終日も、閃光アーティストのリハの様子を、一部始終、くるりの面々が見つめている。
しかしパッと見、ペースは崩さない。クールで淡々とした狂気をまとうベースのしょうこ。相変わらずパワフルで怒濤のドラミングを見せる坂本。堂々とした表情、ソリッドなリフで空間をビリビリ振るわすボーカルギターのまなみ。ところがその実、なかなか音色が決まらない。バンドの出音のバランスが揃って来ない。何度も入念に、リハを繰り返す。音が途切れると、彼らの代表曲「Hys」の耳に付くギターフレーズを、口ギターで口ずさむ「くるり」の談笑がわずかに耳に届く。決して表には出さないが、間違いなく、内心の動揺が3人に伝染して行く。諦めか開き直りか、どちらかに似た感覚が、"潔さ" に変わった瞬間、リハーサルは終了。後は、いわゆる "野となれ山となれ" 状態で開場時間を迎えた。

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一気に押し寄せる人の波。埋め尽くすミュージックフリークス。
必死にチケットをゲットしたというBrian The Sun、LONE、UNDER NINE、過去の閃光アーティスト、大阪組の顔もちらほら見かける。あのくるりと、同じ景色を見た閃光アーティストの対バンだ。"何か" を目撃したいという欲求は、ひとしおだろう。

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本番当日、不摂生と不覚がたたり!?大風邪の高熱をお供に、ステージに上がるとーやま校長。直前までうなだれていた男が、覚醒したかのようにステージへ飛び込む!相変わらずの猛進なMC!勢いあまって、止まれずにスベることしばしば!(笑) しかし確実に、高熱と共に会場の士気を上昇させオープニングMC終了。校長の唸り声りとバトンタッチするように、爆音のノイズBGMが鳴る。さあ、行くぞ!札幌アンダーグランド!大阪に上陸!



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