閃光ライオット

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記念すべき第1回閃光ライオットが、東京ビッグサイトの屋外駐車場で開催された。巨大な特設ステージに立ったのは、16組の蒼きTEENSアーティストたち。この年は「初」という切り口で、振り返っていこうと思う。

10代のアーティストたちにとって、想像を遥かに超える大きなステージだったろう。出演前の10 代アーティストたちの表情、緊張感から、それは色濃く読み取れた。初体験であろう大規模なスケールのイベント。もちろん10代のアーティストだけでなく、校長教頭を含めた職員、生徒たちにとってもきっとそれは初体験の連続だったハズだ。初年度という不安もある。ビックサイトに人が集まるのか? …という懸念は開場して一瞬で吹き飛んだものの(笑)、この10代のFESが成功するのか? それは誰にも分からない。

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この年、審査員としてBase Ball Bear先生が参加。(小出祐介先生は、2014年まで審査員をつとめてくれることになる)monobright先生とともにライブまで届けてくれた。10代を打ち負かすようなメジャーアーティストたちの本気のライブは、この2008年から始まり、2014年まで続く。
「閃光ライオット」の初代グランプリに輝いたのはGalileo Galilei。ボーカルの尾崎君がMCで言った言葉。

画像 「普段、僕たちは、15人くらいの前でライブをしています」

Galileo Galileiの目の前には、何千人ものオーディエンスがいた。

メジャーアーティストとの共演や彼らがステージ上から見た光景は、きっと今後につながる。音楽を続ける彼らの糧となる、そんな確信をこのイベントを作り上げたみんながどこかで思っていただろう。

イベントの最後に、大きくステージの画面に表示された「see you next year」の文字。2009年につながったあの日、「閃光ライオットの歴史は始まった。




閃光ライオット2008
MC やましげ校長 やしろ教頭

グランプリ Galileo Galilei
準グランプリ Brian the Sun
審査員特別賞 ねごと,ジュブナイルボート

01. DOMINO
02. FOOLON
03. THE NAMPA BOYS
04. The Musique
05. 中村瑛彦
06. Piggy Hedgehog
07. twelve nine
08. ジュブナイルボート

monobright

09. N.O.B.U
10. Brack Top
11.ねごと
12.HEAD SPEAKER
13.Galileo Galilei
14.松室政哉
15.Brian the Sun
16.little beans

Base Ball Bear




閃光ライオット

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2回目を迎えた「閃光ライオット」は、太陽がジリジリと照りつける夏空の下、東京ビッグサイトの屋上、野外特設ステージにて開催された。巨大なステージであることには変わりない。このファイナルのステージに立ったのは、14組の蒼き10代のアーティストたち。この年、応援ガールが新設され、初代応援ガールに就任したのが夏未エレナちゃん。開会宣言を行った。
全国から集結した約10,000人のオーディエンスが朝から会場を埋め尽くし、「閃光ライオット2009」はスタートから盛り上がりをみせる。

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この年のファイナリストは個性集団の集まりだったと思う。さまざまな個性がここでまさに閃光を放ち、会場で暴動(=ライオット)を起こした瞬間を見た。ここで一気に個性集団を紹介しよう。

画像会場の後方にあるプールに飛び込んだ「釈迦釈迦チキン」。自由過ぎる&クオリティーの高い演奏をかましてくれた「ズットズレテルズ」。写真を見てもらえば一発で個性的だと分かる、挫・人間。弟がまさかの着ぐるみを着て登場した、ブライアン新世界。

ものすごく濃厚で、一度ライブを見たら忘れられない…そんなライブが繰り広げられた年、という印象が強く残っている。

そんな中でグランプリを獲得したのは、SHIT HAPPENING。高い演奏力、楽曲の強さで、会場全体を巻き込んでいた。生徒が掲げるうちわがあれほど揃っていたのも、ゲストアーティストで参加してくれた、flumpool先生、BEAT CRUSADERS先生をのぞくと、SHIT HAPPENINGのみだったと記憶している。

もちろん、準グランプリを獲得したCHEESE CAKE、審査員特別賞に選ばれた関取花、The SALOVERSのライブも圧巻で、個性的でもあったのだが…



閃光ライオット2009
MC やましげ校長 やしろ教頭

応援ガール 夏未エレナ

グランプリ SHIT HAPPENING
準グランプリ CHEESE CAKE
審査員特別賞 関取花, The SALOVERS
夏未エレナ賞 挫・人間

Galileo Galilei

01.UNDER NINE
02.Bob is Sick
03.釈迦釈迦チキン
04.The SALOVERS
05.GLIM SPANKY
06.concentrate on popping
07.ふくしれいを

flumpool

08.ズットズレテルズ
09.SHIT HAPPENING
10.CHEESE CAKE
11.挫・人間
12.LONE
13.関取花
14.ブライアン新世界

BEAT CRUSADERS





閃光ライオット
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2010年8月1日。
早々と梅雨明け宣言が出され、猛暑日が続く中、開催された。会場は初年度に戻り、東京ビッグサイト西棟駐車場野外ステージ。この年、野外ステージに集まったオーディエンスの数は約12,000人と発表された。6年の歴史の中で最も多い数だ。出場権を勝ち取ったのは15組の蒼き10代アーティストたち。応援ガールは、川口春奈ちゃん。初めてとーやま校長が登場したのもこの年で、えーと、確かラップを……そこは触れないでおこうと思う。

川口春奈ちゃんがギターをかき鳴らし、開会。
今回、グランプリを獲得したのは、THE★米騒動。彼らのライブは、一言で表すなら、“暴動”だった。今の感情をただかき鳴らしたい衝動をまるで絵に書いたようなライブをしたバンドが初めてグランプリを獲得した閃光ライオット2010。

そしてこの年の特徴としては、心に残る、時に口づさんでしまうような名曲が多かったように思う。
「おばあちゃん」と連呼し、全国にいる生徒の涙腺を大崩壊させた、3103の「みちこちゃん」。
受験生に送る勇気のお菓子Toppaのプロモーションビデオのテーマソングとして使われたNaked blue starの「桜色ノスタルジック」。
やしろ教頭が "象徴的な一曲" と表現したBURNOUT SYNDROMESの「ラブレター」。

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そんな中でグランプリを獲得したTHE★米騒動は、曲の強さやメロディーをも凌駕したライブ・パフォーマンスが、会場を釘付けにし、心に緊張感を残し、グランプリをかっさらっていった。「閃光ライオット」の歴史の中でも強烈なインパクトを残したグランプリバンドとなったと思う。


閃光ライオット2010
MC とーやま校長 やしろ教頭
応援ガール 川口春奈

グランプリ THE★米騒動
準グランプリ Naked blue star, BURNOUT SYNDROMES
審査員特別賞 3103
川口春奈賞 山下歩
カラオケステージグランプリ Asuka

SHIT HAPPENING

01.NewClearFamily
02.The Clap
03.Strange-Machine
04.ラムチョップス
05.山下歩
06.3103

阿部真央

松前香帆,染谷芽依,Asuka(カラオケステージ)

Galileo Galilei

07.Naked blue star
08.BURNOUT SYNDROMES
09.THE★米騒動
10.THE ××ズ
11.ちゃの子
12.Wandering Love

THE BACK HORN

Dragon Ash





閃光ライオット
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震災により、開催時期も開催場所も変更を余儀なくされ、何もかもが "特別" だった「閃光ライオット2011」。
ファイナルステージは日比谷野外大音楽堂で開催。奇跡的に天候にも恵まれた。会場は10代のエネルギーの鮮烈なパワーで溢れかえった。
この年、“特別”応援ガールになったのは北乃きいちゃん。

野音の会場に集まった3000人以外に、会場の外にも大画面が設置され、野音の会場に入れなかった生徒たちは、広場に集まり、同時に「閃光ライオット」を観戦した。

画像グランプリを獲得したのはPAIGE。閃光ライオットをラップが制したのは初のこと。しかもたった1人。
当時、PAIGEの年齢は、16歳。

lemchap、赤毛のヘップバーンズ、ALOE#squash、透湖、寸止海峡、或る感覚、片平里菜、the unknown forecast、出場したバンド、全てのステージングを覚えているし、たくさんの感動を彼らからももらったが、3次審査から飛躍的に成長を遂げたPAIGEが閃光ライオット2011を制している。




震災で開催日、会場が変わった。片平里菜ちゃんは福島県出身。
ライブの中にメッセージを残している。

「今、東北の人たちはがんばっている。復興していくと思うので、その成長ぶりを皆さんが、見守ってくれたらと思います」

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閃光ライオット2011
MC とーやま校長 やしろ教頭
応援ガール 北乃きい

グランプリ PAIGE
審査員特別賞 片平里菜
カラオケステージグランプリ 山上竜生

THE★米騒動

01. lemchap
02. 赤毛のヘップバーンズ
03. PAIGE
04. ALOE#squash
05. 透湖

山上竜生(カラオケステージ)

06.寸止海峡
07.或る感覚
08.片平里菜
09.the unknown forecast

9mm Parabellum Bullet





閃光ライオット
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去年に引き続き、野音で開催されることとなった閃光ライオット2012。
9組の蒼き10代アーティストがファイナルステージに進んだ。
やしろ教頭に代わり、よしだ教頭がこの年からMCを担当。応援ガールになったのは能年玲奈ちゃん。

初年度にもあったが、この年は“キモチステージ”という新たなステージが加わった。
HEAD LAMPは、生徒の想い、キモチの強さで選ばれたラスト1組。

「熱量」が、この年のキーワードといえるかもしれない。

この年、グランプリバンドとなったバンクスは、とにかく熱量を届けるバンド。
HEAD LAMPのライブも想いが交差し、とんでもない熱量を放っていた。
その想いをぶちかますライブとそれに答えるオーディエンスの反応。
熱いキモチがあの瞬間、野音全体に一気に広がっていた。

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HEAD LAMPをこの場所へ連れて来た生徒の想い、それに答えたパフォーマンスによって生まれた感動がすばらしい空気感を生み、この年の気持ちのいい余韻として残っているように感じる。

審査委員特別賞になった内村イタルや準グランプリになったHalf moon spiral は熱量というよりも、楽曲のメロディーや曲の構成が特徴的であり、この年の閃光ライオットは、バンクス、熱量や想いが込められたライブが制した、といってもいいかもしれない。

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閃光ライオット2012
MC とーやま校長 よしだ教頭
応援ガール 能年玲奈

グランプリ バンクス
準グランプリ Half moon spiral
審査員特別賞 内村イタル

01.PENs+
02.SHE’S
03.Chirol
04.CROMARTY
05.ザ・銀河鉄道
06.HEAD LAMP
07.内村イタル
08.Half moon spiral
09.バンクス

Base Ball Bear





閃光ライオット
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野音でのライブは3度目。“特別”応援ガールになったのは剛力彩芽ちゃん。
Base Ball Bear先生が閃光ライオット2013の公式応援ソングを担当し、その公式応援ソングとなった「senkou_hanabi」のPVが会場で公開された。

グランプリバンドは、フィッシュライフ。
「これが閃光ライオットだ!」と言い放った言葉が脳裏に焼き付いて離れない。
準グランプリの緑黄色社会の演奏力の評価も高く、審査員特別賞を獲得したTHE 地球連邦軍のパフォーマンスはオーディエンスの心をガッチリつかんではいたが…

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フィッシュライフのイントロからの凄まじいヒリヒリ感に、会場全体が、衝動の坩堝になっていたような感覚。
ああ、ここまでの感情の揺さぶられ方は、グランプリかもしれない、という予感とおさまらないドキドキ感。

これが閃光ライオット。

過去にも、ああ、これが閃光ライオットだ、という瞬間は何度もあった。
それを体現して見せてくれるライブの後は、心の中に何一つ曇りなく、ただ、一つの衝動が生まれる。

「俺も何か、やりたい」

自分にそんな衝動が生まれ、自分だけじゃなく周りにも伝播しているかのような体験は、なかなかできるものじゃない。

確かな衝動を見た、閃光ライオット2013だった。

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閃光ライオット2013
MC とーやま校長 よしだ教頭
応援ガール 剛力彩芽

グランプリ フィッシュライフ
準グランプリ 緑黄色社会
審査員特別賞 THE 地球連邦軍

バンクス

01.WOMCADOLE
02.水上カルビ
03.緑黄色社会
04.Ivy to Fraudulent Game
05.THE地球連邦軍
06.とけた電球
07.我 ROAD FRONTIER
08.フィッシュライフ
09.the quiet room

androp





閃光ライオット
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この年の閃光ライオットがラストになった。会場は野音を離れ、新木場STUDIO COASTに移す。新木場STUDIO COASTの特徴を生かし、プールステージではDJが回し、野外にも特設ステージがあり、ファイナリストになれなかったコピーバンドが、音を放った。
今回は、応援ガールそのものはなく、全国のエリアから10人もの「閃光ガールズ」が選ばれている。

閃光ライオットが始まって以来、初めてステージの上で、「SCHOOL OF LOCK!」を意識するものを見た、それこそが2014だった、と思う。

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優勝バンドは、突然少年。

彼らの演奏にMCから迫ってきたものは、SCHOOL OF LOCK! の掲示板の中で、「自分は何も持っていない」「夢もない」「自身もない」「嫌われたくないから自分を押し殺してる」そんな生徒たちの姿。次から次へと押し寄せてきてしまう。

ステージにいる輝いているバンドメンバー1人1人が、逆電でいつも僕たちに悩みを話してくれる我が校の生徒たちの中の1人のようだ、と。

画像突然少年の応募動機は、優勝100万円を獲得するためではなく、自分たち、突然少年の音楽を多くの人に届けたいからだった。
「彼らが音楽で伝えたいこと」
それは、
「日常で、嫌なこと、辛いことがあるから、だから、吐き出す場所をつくってほしい。居場所がないなら、ライブにきて、吐き出してほしい」

突然少年は、今、自分と同じように、辛い気持ちでいる生徒のために、このステージに立っていた。

グランプリを獲得した後に、ボーカル大武君が言う。

「明日から学校が始まります。グランプリを取っても、いつもと変わらないと思う。明日も学校で1人だと思います。1人で音楽を聴きながら、1人でお母さんのお弁当を食べるんだろう。でも僕には、音楽があった。吐き出せる場所があった。だから、みんなも、ライブに吐き出す場所をつくってもいい。それぞれ見つけてください。」

今日、ものすごい光を浴びた、彼らでも、明日から、また、みんなと同じような日々を送ることになる。

最後の「さようなら IN MY DANCE」はSCHOOL OF LOCK! の生徒への応援歌にまっすぐ聴こえた。
初めて閃光ライオットの栄冠がSCHOOL OF LOCK! の生徒の手に渡った気がした。


閃光ライオット2014
MC とーやま校長 よしだ教頭
応援ガール 閃光ガールズ

グランプリ 突然少年
準グランプリ climbgrow
審査員特別賞 Cookie Monsters
ダンスステージ・グランプリ Yoshiki

フィッシュライフ

01.climbgrow
02.Cookie Monsters
03.奢る舞けん茜
04.Charles
05.ぼくのりりっくのぼうよみ

D-BURST, RITA, axis, PRO$PER, Yoshiki, Dost, jumelfeel(ダンスステージ)

06.liflame
07.Rick Rack
08.最悪な少年
09.アルキツカレテ

SCANDAL



―そして、閃光ライオットの意志を引き継ぐ10代限定の夏FES『未確認フェスティバル』が始まった。



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