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December 2012 の投稿一覧です。
カテゴリー: サカナクション
投稿者: sakamori
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「今日は12月24日、クリスマス・イヴ!……バンドリーダーとしては、リハーサルや制作を入れるか結構、悩むんですよ。で、今回のスケジュール、24日は制作日(笑)。25日、クリスマスは……お休み!僕はミーティングとか入りますけど、メンバーはお休みにしました。皆さんはどんなクリスマスを過ごすんでしょうね。……僕には知ったこっちゃないけど(笑)。まあ、楽しんでください。」
 
今回のサカナLOCKS! は、(来週12月31日は、SCHOOL OF LOCK! 全体が休校になるため、サカナLOCKS! もお休みということで) サカナクション、そして山口一郎先生の "2012年" を振り返っていく授業を行ないます。
 
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「2012年は、僕らサカナクションにとって、いろんなことがあった年でした。2011年は震災もありましたし、『DocumentaLy』という、ドキュメンタリーのね、今を切り取るアルバムを作ろうということで、メンバーが一丸となって作品作りに取り組んでいた1年でしたが、2012年は、もっと新しいことにチャレンジしようと思って、積極的にメディアに出て行ったり、楽曲提供をしたりと、いろんな事がありました。」
 
(3月)
LIVE Blu-ray& DVD
「SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE」

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「これは、Blu-rayでリリースするかどうか、レーベルと結構、話し合ったんですよ。僕はBlu-rayの方が売れるのかなって思っていたら、まだDVDの方がセールスがあるみたいで……。Blu-rayはコストもかかるので、売れないんじゃないかって、結構話し合った思い出がありますね。ただ、映像の質や音の質も全然違ったりするんです。だから、僕たちは今後も、積極的にBlu-rayで出していこうと思いました。」
 
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(5月)
シングル「僕と花」

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「この曲は、ドラマの主題歌になりましたね。ドラマの主題歌とか書かせてもらうと、ドラマの撮影現場に行ったりするんですよ。「(主題歌を歌うサカナクションの皆さんが)ドラマの撮影を応援しにきてくれました〜!」って感じで行くわけですよ。今回、僕は草刈と2人で行ってきたんですけど、明らかにいつもと違うカメラマンの方とか、新聞記者さんたちが来ていて、囲み取材みたいになったりしました。目の前に、SMAPの草_剛さんとか、水川あさみさんとか、本物がいて……僕らからしたら、「ドッヂボールの選手が野球の試合に出ちゃった!」みたいな。完全にアウェーの中でした(笑) そういう雰囲気は、なかなか味わう事ができないので、貴重な体験をしました。」
 
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LIVE TOUR「SAKANAQUARIUM 2012 "ZEPP ALIVE"」

「ライブは、5月から「SAKANAQUARIUM 2012 "ZEPP ALIVE"」っていうのをやりました。毎年ZEPPツアーをやっているんですけど、アルバムのツアーになると、リリースしたアルバムの曲からたくさんやらなければならないので、過去の曲をなかなかやれないんですよ。だから、そういう曲をいっぱいやれるツアーをやりたいって提案したところ、このツアーをやることになりました。楽しいしね。ライブハウスでやるっていう機会もなかなか減ってきているのですが、ライブハウスでも、大きいところでも表現できるバンドで居続けたいので、チャレンジしていきたいと思います。」
 
(8月)
シングル「夜の踊り子」

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「この曲は、モード学園のCMソングだったんですけど、打ち合わせの段階から、JONTE’★MORNINGさんが出演する事が決まっていて、「こういう色使いの、キラキラしたCMになります。」って、ざっくりしたことを教えてもらいました。そして、どういう曲調が良いか、サカナクションの過去曲から、何曲かピックアップしてもらって、それをもとに書き下ろしていったもので、これもまた、貴重な体験でしたね。」
 
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SMAP シングル 「Moment」

「そして個人的には、今年は楽曲提供をさせてもらいましたね。SMAPさんに「Moment」という曲を提供しましたけど、この曲、オリコン1位になったんですよ。そして、オリンピック・テーマソングですよ!こんなちんちくりんな僕が作った曲が(笑) 本当に、ビックリしましたね。(……この曲、紅白で歌うのかな?) 自分はオリコン1位になった事もないし、紅白に出た事もないけど、自分の作った曲がそういう風になるって言うのは不思議な気分ですね……。人に曲を作るっていうのと、サカナクションの曲を作るっていうのは全然違ってくるし、"これはダメだけど、これは良い" っていう基準が、ポップスというジャンルの中にもいろいろあるんだなっていうのが解かりました。だから結構勉強になったし、いつか、そういう部分も含めて、プロデュースまでしてみたいですね。作詞、作曲から、レコーディングを含め、そういうのをやってみたいと思ったきっかけになりました。」
 
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「そして……2012年後半は、楽曲制作に没頭しています。2013年にも跨いで続いていくわけですが、ツアーも発表になりましたので、頑張っていい音楽を作っていきたいと思います。ただ、僕の周りのミュージシャンとか、クリエイティブな仕事をしている人って、なぜか、みんな今、スランプなんですよ。なぜか解からないけど……。2012年っていう年は、すごく難しい年だったんだろうなって思います。僕個人的にも、震災以降どういう事を考えて、日本がどういう風になっていくのかを見つめながら自分の表現をしていくっていうのはすごく難しかったです。ましてや、たくさんの人に聞いてもらえたり、見てもらえるっていうものを作る人っていうのは、余計に、人の感覚を自分の中に吸収しようとするから、難しさを感じているんじゃないかと思いますね……。この間、レコーディング・スタジオでベボベ(Base Ball Bear)の小出君と一緒になって、ちらっとそういう話もしましたね。やっぱりみんなそう感じているんだな〜って、ちょっと安心しました。」
 
1年間を通して、サカナクション先生として、そして個人的にも、多岐にわたる活動をしてきた山口一郎先生。授業の最後に、2012年を総括した黒板を書いてくれました。
 
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「なぜこの言葉を選んだかというと、僕たちサカナクション的なところで話しますが、今年は、表に出て行く機会がものすごく多かったんですよ。ミュージックステーションとかにも出ましたし、タイアップでドラマの曲を作ったり、CM曲を作ったり。表に出て行く事で解る事もすごくあったし、何を得て、何を失うかっていう事も解ったんですね。新しいものを手に入れながら、一体、何を守るのか……。その反対に、どういう事をやったら、自分たちのやりたい事を表現できるのか。表と裏のバランスをきちっととっていくことが大事なんじゃないかって思ったんです。それを日常に置き換えてみると、これまた「バランス」って言葉がすごく当てはまるんじゃないかと思います。なぜなら、音楽をやっていく事は、ある種、何かに没頭して、入り込むという事です。だけど、そこだけだとその世界観は人に伝えにくくなったり、人に伝えるために足りないものが出きたりするんです。だから、思いっきり日常も生きなければならないというか……。そのバランスをとっていくことで生まれるものが、人に理解されたり、共感されたりするんじゃないかと思って。きっと、みんなにも、「学校」と「家」とか、自分の中で二極になるものがあるとして、そのバランスをとっていくことが、ひょっとしたら、大人になっていくっていうことになるんじゃないかな。僕は、音楽しか自分が背負っているものがないので、その中でバランスをとろうとしていて、やっとできるようになってきたような気持ちもあります。皆さんも、いろんな事をチャレンジして、その中で今の自分とバランスをとるっていうことを心の中に置いておくと、ひょっとしたら何か変わるかも。……変わらないまま、変われるかもしれないですね。」
 
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「年内最後の授業という事で、今年を総決算していきましたけど、今年はこのサカナLOCKS!がスタートした年でもありましたね。……先生が、先生になった年でした(笑)。今年の先生の授業は、みなさんにとっていかがでしたか?難しくてついていけない生徒もいるかなと思っていましたが、みなさん、やはり音楽が大好きなようで、興味を持ってくれているみたいですね。来年も今以上に厳しい授業をたくさんやっていくので、覚悟しておけよ!もう、紙とペン用意しておかないと分からなくなるくらいの、完全なる予習方式の授業とかにしますので(笑)。……来年も、サカナLOCKS!をよろしくお願い致します。よいお年を。」
 
山口先生、2012年の授業、本当にありがとうございました!
来年も、厳しい「音学の授業」を、よろしくお願いします!
 

M1 僕と花 / サカナクション
M2 夜の踊り子 / サカナクション
M3 Moment / SMAP
M4 僕と花 (sakanaction Remix) / サカナクション
カテゴリー: サカナクション
投稿者: sakamori
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山口「はい、授業をはじめますから、席に着いてください。……今日はね、また新しい副担任が来てくれました。自己紹介をお願いします。」

 
岡崎「はい、生徒の皆さん初めまして。音学の講師 "副担任" サカナクションのキーボードをしています、岡崎英美です。」

 
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"音で学ぶ、音を学ぶ、音に学ぶ" 音学の授業、サカナLOCKS! 今回の授業は、サカナクションから副担任として、岡崎先生が来てくれました!山口先生と岡崎先生がこういった場で話すのは、初めてのことなのだとか。

 
山口「すごいですね、なんか変な感じがする(笑)。江島先生、草刈先生に続いて、サカナクションから3人目の副担任として、本日はよろしくお願い致します。」

 
岡崎「よろしくお願いします。」

 
山口「今日は、副担任の岡崎先生と一緒に、こちらの授業をお届けします。」

 

 
今回は『分かったフリのアーティスト用語』でも質問が届いていた「コード」についての授業を、岡崎先生を迎えてお届けしたいと思います。そもそも、皆さんは「コード」って、何のことだか分かりますか?

 
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山口「岡崎先生、コードっていうのは、一体どういうものなんですか。」

 
岡崎「和音ですね。メロディーはひとつの旋律しか出ないけど、それを重ねて作られるハーモニーが、コードです。」

 
山口「よく、ABCDのアルファベットで言われるじゃないですか。Aって言うコードは、和音としてどういうものですか?」

 
岡崎「まず、メジャーとマイナーっていうのがあります。Aマイナーと、Aメジャー。簡単に言うと、マイナーは、ポロンと弾くと、悲しい感じや切ない感じがして、メジャーは明るい感じ……」

 
山口「なるほど。音階で言うと?」

 
岡崎「音階で言うと、"ラ・ド・ミ"っていう和音です。」

 
山口「Bは?」

 
岡崎「Bは、またメジャーとマイナーがあるんですけど、"シ・レ・ファ"っていう音です。」

 
山口「コードによって、音階があるわけですね?」

 
岡崎「そうです。基本的なものが決まっています。」

 
山口「でも、例えば、"Aマイナーセブンス"とか、"Aセブンス"って呼ばれるものがあるじゃないですか。この、"セブンス" って何なんですか?」

 
岡崎「……オシャレコードです(笑)。」

 
山口「確かに(笑)。セブンスを入れるとオシャレな音になりますけど、これがつくと何が変わるんですか?」

 
岡崎「セブンスがつくと、7度離れた音がトップ(一番高い音)にくる、という事になります。例えば、Aっていうコードであれば、"ソ"の音が足されて、"ラ・ド・ミ・ソ"になりますね。」

 
山口「はいはい。じゃあ、実際にAっていうコードを使って、コードの説明をやってみましょうか。」

 
今回の授業は、岡崎先生が、音学室にキーボードを持ち込んでくれました。Clavia(クラビア)製の、Nord Lead(ノード・リード)を使って、岡崎先生が実際に音を出しながら、コードを説明していきます。

 
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山口「まず、Aっていう音を出してもらっていいですか?」

 
<♪ジャーン "ラ・ド・ミ">

 
岡崎「これ、Aメジャーです。」

 
山口「じゃあ、このAメジャーにセブンスをプラスすると?」

 
<♪ジャーン "ラ・ド・ミ・ソ">

 
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岡崎「はい。」

 
山口「おぉ〜、オシャレですね〜。じゃあ、"Aナインス"で、9度離れた音が入ると?」

 
<♪ジャーン "ラ・ド・ミ・レ">

 
岡崎「こういう音になります。」

 
山口「僕が好きなコードですね〜(笑) よく使うコードですね。」

 
岡崎「そうですね。よく使いますね。」

 
山口「じゃあ、サカナクションの曲でやっていきたいと思うんですけど、「ネイティブダンサー」を弾いてもらっても良いですか?」

 
<♪「ネイティブダンサー」のイントロ部分を弾く>

 
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山口「これは、今、いくつのコードで出来ているんですか?」

 
岡崎「今、4つのコードで構成されています。(ゆっくりとコードを弾きながら)……ひとつ目、ふたつ目、みっつ目、よっつ目……という感じ。」

 
山口「これを流れで弾くと、あのイントロになる、と。ネイティブダンサーの一番頭の部分は4つのコードで表されているんですね。」

 
ふだん音楽を聴いているときはコードというものを意識することはあまりありませんが、このように、例えば曲のイントロ部分だけで、既に4つのコードが使われているんですね。

 
では続いて『ひとつのメロディに対して、コードのパターンを変えてみると、曲の印象はどう変わるのか。』これを実際に生徒の皆さんの耳で聴き比べてもらいたいと思います。この聴き比べを手伝ってくれるのが……

 
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山口「……実は、アシスタントに江島先生を呼んでいます(笑)」

 
江島「はい、アシスタントの江島です!」

 
山口岡崎「あははは(笑)」(突然の登場に笑う二人。)
 
山口「今日は3人揃ってやっていきたいと思っているのですが、今日はどの曲を題材にして教えてくれるんですか?」

 
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岡崎「えっと……「夜の踊り子」でやってみようと思います。」

 
山口「お!僕らの中で一番売れたあの曲ですね!(笑)……それでは、いろいろなバージョンを聴き比べていきたいのですが、まずは「夜の踊り子」の、何バージョンになりますか?」

 
岡崎「ひとつ目は……"TKさん風Version" にしてみました。」

 
山口「TKさんっぽくしてみたってことですか?(笑)」

 
岡崎「そうです……!」

 
山口「怖いもの知らずですね〜(笑) ……生徒のみんなは、"TKさん"でわかるのかな?」

 
岡崎「TKさん、小室哲哉さんですね。」

 
山口「あの感じね。」

 
岡崎「はい、あの感じで。」

 
♪ 夜の踊り子 (TKさん風Version)/サカナクション

 
山口「おお〜。なるほど(笑) TRFっぽくもあり。」

 
岡崎「コードを切り替えるタイミングなんかも変えています。」

 
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山口「それでは、次のバージョンは何ですか?」

 
岡崎「次は、"久石譲さん風Version" です(笑)」

 
山口「怖いもの知らずですね〜(笑)」

 
岡崎「好きなんです……。」

 
山口「なるほど、聞いてみましょう。」

 
♪ 夜の踊り子(久石譲さん風Version)/サカナクション
 
山口「……なんとなく分かる。」

 
岡崎「なんとなく、分かる?」

 
山口「いや、すごい分かりますよ。坂本龍一さんの匂いもありますね。共通するものがありますよね?西洋と東洋の絶妙なコードのバランス感覚。」

 
岡崎「そうですね。」

 
山口「スケール(=音階)っていうのがあるんですよね。」

 
岡崎「そうです。こういうオリエンタルなスケールは、いくつかパターンがあるけど、すごくインドっぽいやつや、日本の沖縄な感じもこれに関わってきますね。」

 
山口「それぞれの国によって、そのスケールがあるんですね。例えば、沖縄の音階は、どんなでしたっけ?」

 
岡崎「沖縄音階は………(キーボードを弾きながら)……ド、ミ、ファ、ソ、シ、ド、ですね」

 
山口「おおー。で、久石譲さんは、西洋っぽさと日本っぽさが混ざっている。」

 
岡崎「そうです。」

 
山口「全然印象が変わりますね。」

 
岡崎「変わりますよね。」

 
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山口「……結構、僕の会話に食い気味で相槌打ってきますね(笑)」

 
岡崎「えっ……(笑)」

 
山口「話、聞いているのか不安になってくるんですけど、大丈夫ですか?」

 
岡崎「聞いてます。大丈夫です。」

 
山口「じゃあ、次!次はどんなバージョンですか?」

 
岡崎「次は、"80年代 " な感じにしてみました。」

 
山口「"80's(エイティーズ)"ってやつですね。」

 
岡崎「そうです。それをちょっと聞いて欲しいです。」

 
♪ 夜の踊り子(80年代風Version)/サカナクション
 
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山口「これはポップですね〜!なるほど、ありがとうございます。この感じ、結構好きですね、僕。」

 
岡崎「好きですか?」

 
山口「はい。僕らのお父さんやお母さんが音楽を、現代的にアレンジし直すっていう流行があったんですね。」

 
岡崎「ありました。」

 
山口「エイティーズ・リバイバルって言われていましたね。最近ちょっと落ち着いてきていますけど。これはディスコ感がありますよね。」

 
岡崎「あります、あります。」

 
山口「いや〜、面白いですね。全然違いますね。」

 
山口「じゃあ、思いっきりコードを減らす事で曲の印象がどう変わるのか聞いてみたいんですけど……」

 
岡崎「はい。一番音数が少ない感じで聞いてもらいたいと思います。」

 
山口「コード転換をしない、ってことですね。その気持ち良さを聞いてみましょう。」

 
♪ 夜の踊り子(Funk Version)/サカナクション
 
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山口「コードが少ない事で、ブリッジ (間奏に聴こえる) 感がありますね。先々週の授業で、江島先生と一緒にやった"リズムを聴く"っていうことに繋がりますね。」

 
岡崎「そうです。」

 
山口「コードが多いと歌を追いかける一因になるけど、コードが少ないと聴くものがリズムになるんですね。ありがとうございます。」

 
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山口「コードによって、こんなに曲の聞こえ方が変わるっていうのは面白いですね。」

 
岡崎「和音が、音階としては12音階しかないんですけど、その組み合わせと、歌の組み合わせで、今までたくさんのバージョンがあって、こんなに変わるから、まだまだ追求する旅は終わらない感じですよね。まだ新しいのが出てきそうです。」

 
山口「岡崎先生もサカナクションのキーボードやシンセサイザーの担当ですけど、サカナクションの楽曲作りで、どういう風にコードをつけていくんですか?」

 
岡崎「メロディーが一番良く聞こえるところを探っていく。一郎君が元々、弾いたそのままになることもあるし……」

 
山口「あるね。さっきの「ネイティブダンサー」を作ったとき、覚えてます?」

 
岡崎「覚えています!」

 
山口「僕の部屋で、みんなでやったときですよね。あのとき、僕は "久石譲さんみたいな雰囲気にしたい" って言ってましたよね。」

 
岡崎「言ってました、言ってました。」

 
山口「それで生まれたのが「ネイティブダンサー」のイントロ部分ですね。」

 
岡崎「ですね。」

 
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山口「今、授業を聴いているリスナーの中にも、キーボードを目指している生徒がいると思うのですが、キーボーディストとして何か心がけていることはありますか?」

 
岡崎「まず、ギターと鍵盤が一番コード感を出せると楽器だと思うから、その引き出しがいっぱいあると、歌にベストなコードを見つけやすいと思います。」

 
山口「ジャンルの特定もできますしね。シンセサイザーで鳴らすコードや、ギターで鳴らすコード、楽器によっても変わりますよね。」

 
岡崎「はい、全然聞こえ方が違うと思うので、いろいろコピーしてみたりして、増やしていけると良いと思います。」

 
山口「ありがとうございました。」

 
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ということで「コード」についての授業は、そろそろ終了です。キーボードを持ち込んで解説してくれた岡崎先生の講義は、とても解りやすかったですね。ちなみにサカナクション先生の中で、まだ授業に出てきていない副担任は、ギターの岩寺先生だけになりました。岩寺先生には、どんな授業のタイミングで来てもらいましょうか。

 
山口「岩寺先生には何の授業で来てもらおうかな……。でも、岩寺先生は、ゲームが趣味ですからね(笑)。「2012年、最も面白かったゲーム」みたいなのがあればね。」

 
江島「関係ないじゃん、それ音楽に!」

 
山口「あれ、江島先生が会話に入ってきた(笑)。」

 
江島「あ、すいません!なんか!(笑)」

 
山口「あれ、普通に入ってきましたけど、今(笑)。びっくりしましたけど。……まあ、岩寺先生もいつか、音学の講師として来ていただきたいと思っております。」

 
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カテゴリー: サカナクション
投稿者: sakamori
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「はい。授業をはじめますから、席に着いてください。マンガを読んでる生徒は机の中にしまいなさい。Twitterも閉じなさい!」

 
……と、いつものように黒板を書き始める山口先生。

 
「黒板にレクリエーションと書きました……はい、ここで今日の授業は終了!(笑) 今回は、生徒の人気取りのためにレクリエーションをします!」

 
ということで、今回のサカナLOCKS!は、レクリエーションを行ないます。山口先生がアコースティック・ギターを音学室に持ち込んでの "弾き語り" をしてくれる事になりました。山口先生、曰く「アコースティックギターで何か弾き語りをすることは、ほとんどない」のだとか!

 
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「仲の良い星野源さんとは、USTREAMでちょっとやったりしてますけど、ラジオとか、公共のメディアでこんな風に弾くのは初めてですね。なぜかって言うと、恥ずかしいからやりたくないんです(笑)。 ……でも、先生は切羽詰まってます。「サカナLOCKS! 真面目!難しい!」って、打ち切られるという噂がありますからね。ここらで人気を取らないと、来年続けられないんじゃないかという不安がありますので、宇宙初のラジオで弾き語りをやってみようかなって。でも、堅苦しいと恥ずかしいし、レクリエーションってことで。」

 
アコギを抱えながら、山口先生は話しています。

 
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「何をやりましょうかね……。生徒的に、どの曲をやったら喜んでくれるのかっていうのは分かっているんですよ。「アルクアラウンド」とか、「僕と花」とかですよね。……先生ね、そういうヒット曲は、今日やりません!(笑) シングル曲が生まれていく過程は、もちろん素晴らしいものがあって、メンバーも力が入っているし。それをやるのも良いんですけど、先生は曲を作るときは一人なので、曲作りのエピソードで、実は、メンバーにも話していないこともあったりします。サカナクションの曲を知らない生徒もいると思うんですけど、これをきっかけに聴いてもらえたらなって思います。」

 
ヒット曲は、やらないと宣言した山口先生(笑)。音学室の机の上には、サカナクションの過去のアルバムが並べられていますが、山口先生がこれまで作ってきた曲を、生演奏と共に振り返っていきます!

 
1st Album『GO TO THE FUTURE』
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「まずはファースト・アルバム。このアルバムは、北海道で作ったアルバムなんですけど、その中にある「フクロウ」という曲は、歌詞をアドリブで作ったんですね。生まれてきたコードに適当に歌ったのが、そのまま歌詞になっています。僕は、無意識で作った曲が、自分の好きな……良い曲になる事が多いので、この曲には思い入れがあります。」

 
(「フクロウ」のイントロを弾き始める山口先生……しかし突然、演奏を止める!)

 
「な、なんか緊張しますね!(笑) 今いい感じに入ったのに!……まあ、いいや。」

 
M フクロウ(生演奏)/山口一郎

 
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「この曲大好きですね〜。マイナーから入るんですが、好きなコード進行ですね。サカナクションの曲は、結構アコースティック・ギターを使っている曲がありますが、この曲はライブでも頻繁にやる曲です。」

 
2nd Album『NIGHT FISHING』
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「つづいてセカンド・アルバム『ナイトフィッシング』。この中で思い入れのある曲は、3曲目「ナイトフィッシングイズグッド」。北海道にある、スタジオミルクっていう有名な所で作ったんです。そのスタジオで、当時のディレクターに聴かせたときにあまり反応が良くなかったんですよ(笑)。でも、作ったときの事をすごく覚えていますね。」
 
M ナイトフィッシングイズグッド(生演奏)/山口一郎
 
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「この曲は結構コードが難しいんですよ。更に、曲がいろいろと転換していって、テンポが速くなるんですね。ちょっと複雑で、クラシック構成……なんです。この曲を作ったときは、みんなゲラゲラ笑いながら作っていましたね。」

 
3rd Album『シンシロ』
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「これは、東京に出てきて初めて作ったアルバムですね。登戸の僕の家にみんなで集まって、パソコンでカタカタ、カタカタ、作っていましたね。何回も僕の家のブレーカーが落ちて、大変な思いをしました(笑)。電気代の請求が4万円とかきて、「これ、経費として落ちるのかな……」って不安に思っていました。このときの思い出は……必死すぎて覚えていませんね……時間の経過が早すぎて。だから、ちょっと辛くなるので、『シンシロ』からは、やらない!(笑) ……次!」

 
4th Album『kikUUiki』
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「これも思い出深いアルバムですね。「アルクアラウンド」っていう曲がシングルで出て、この曲が収録されるアルバムを作る……っていうところからスタートしたんですけど、「アルクアラウンド」は僕らにとって、前向きで分かりやすい曲だったので、ちょっと恥ずかしかったんですね。そういう曲調が揃うアルバムを作るのはちょっと嫌だった。どういう曲をやりたいのかっていうのを考えながら作っていったのが、このアルバムに収録されている曲たちです。中でも、僕がすごく好きな曲は、「目が明く藍色」。7分くらいある超大作なんですけど、絶対に、このときの僕らにしか表現できない曲ですね。」

 
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M 目が明く藍色/山口一郎

 
「"目が明く藍色"っていう言葉は、僕が10代のときに夢に出てきた言葉なんです。目の前に知らない女の人が立っていて、僕に「目が明く藍色、目が明く藍色」って言ってきたんですよ。それを僕は枕元でメモって書いてあったんですよね。その言葉がタイトルになっています。実は、札幌のアマチュア時代に、僕は「目が明く藍色」っていう曲を作っていたんです。だけど、それは未完成のままで、歌詞も違うものでした。もう覚えてないけど、こんな感じ……」

 
M 目が明く藍色(アマチュア時代のバージョン)/山口一郎

 
(当時の歌詞はもう覚えていないという山口先生は、ラララ〜で歌ってくれました。)

 
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5th Album『DocumentaLy』
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「次は、もう『DocumentaLy』なの?え、マジで?早っ!そうか、『kikUUiki』の後『DocumentaLy』か!うわ〜、なるほどね。このアルバムも思い出深いですね〜。好きな曲ばっかりです!……自分で言うのも何だけど(笑) この中に入っている「モノクロトウキョー」っていう曲、行きましょう。」

 
M モノクロトウキョー(生演奏)/山口一郎

 
「このAメロの最初の部分の歌詞は、デモの段階では違う歌詞だったんですよ!それは……

 
"岡崎の家のカーテンはダサい"

 
……っていう歌詞だったんですねぇ(笑)。制作当時、メンバー同士で "iChat" っていう、パソコンで出来るテレビ電話みたいなので、よく会議をしていたんですよ。そのときに、岡崎の画面に見える部屋の、カーテンの柄がダサかったからなんですね(笑)。」

 
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「弾き語りは、普段、僕が作っている曲の原型なんですけど、これをバンドアレンジすると変化していくっていうのも感じ取れるんじゃないかと思います。こうして、歴代のアルバムを振り返ってきた訳ですが、一番思い出深い曲を1曲、演ろうかな。ファーストアルバム『GO TO THE FUTURE』に入っている、「三日月サンセット」という曲を弾き語りします。この曲は当時、実家で作ったんですが、花ちゃんっていう女の子がいて、その子のことがすごく好きで、その人に向けて作った曲でした。花ちゃんとは今でも仲がいいんですけどね。僕は一郎で、彼女は花子だったんです。"一郎花子"だったんですね!これは、銀行で通帳を作るときに、例として書かれている名前みたいでね(笑)。運命も感じたりしていました。それでは、その「三日月サンセット」っていう曲を聴いてもらいたいと思います。」

 
M 三日月サンセット(生演奏)/山口一郎

 
「あんな話をしてから歌うと、思い出しますね。この恥ずかしい感じは何なんだろう……。はぁ……。多分、もう二度とラジオでやりません!(笑) ……いや、もう一曲くらい歌おうかな(笑) なんか歌うのが楽しくなってきたぞ!(笑)」

 
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と言いつつも、いつもよりも少し長めにお届けしてきた、サカナLOCKS!。今回もそろそろ終了です。山口先生による弾き語りの授業、レクリエーション。山口先生、たくさんの生演奏を聴かせてくれました!

 
「生徒のみんな、どうでしたか?大丈夫でしたか?感想とか、サカナ掲示板に書き込んでもいいけど、先生は打たれ弱いので、批判するのだけはやめてもらっていいですか?(笑) 今、制作期間中でナイーブなので、控えていただけたらと思います(笑)」

 
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<オンエア曲>

M フクロウ(生演奏)/山口一郎

M ナイトフィッシングイズグッド(生演奏)/山口一郎

M 目が明く藍色/山口一郎

M 目が明く藍色(アマチュア時代のバージョン)/山口一郎

M モノクロトウキョー(生演奏)/山口一郎

M 三日月サンセット(生演奏)/山口一郎

カテゴリー: サカナクション
投稿者: sakurada
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音学の授業、サカナLOCKS! 今回は『分かったフリのアーティスト用語』でも質問が届いていた「リズム」に関しての授業です。副担任の、サカナクションのドラム:江島啓一先生を迎えて、リズムによって曲がどのように変わるのか、生徒の皆さんに体感してもらう授業です。

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江島「生徒の皆さん、お久しぶりです!音学の講師、副担任の江島です。」
山口「よろしくお願いします。……江島先生、ちょっと、緊張してないですか?(笑)」
江島「いや、全然!(笑)」
山口「これ一応授業なんで、分かりやすく解説をお願いしたいんですけども。」
江島「はい、よろしくお願いします。」 
 
 
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江島先生、お久しぶりです。以前、"全国音楽教育方針取決委員会2012" に出席するために不在だった山口先生の代わりに授業をしてくれたり( →コチラ )、バイノーラル録音についての授業のときにも協力してくれました( →コチラ )。今日は、山口先生と一緒に、授業、宜しくお願いします。
 
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山口「現代音楽としてのリズムとは、いくつも種類がありますが、ドラムが一番リズムを刻む中でベーシックなものになっていると思います。」
江島「うん。ただ、ドラムが入っている、入っていないに関わらず、音楽が鳴っているいう事は、全部の楽器がリズムに乗っかっているという事だと思うんです。リズムという大きな流れに合わせてみんなで演奏しているので、打楽器=リズムっていうよりも、楽器全部が関わってくるものなんじゃないかな。」
 
山口「サカナクションのドラム:江島としては、リズムを考えるときに意識している事は何ですか?」
江島「やっぱ、基本はダンス・ミュージックだから、一定のリズムをキープし続けるっていうのが大前提にあるんだけど、それと歌をちゃんとミックスさせたいっていうのがサカナクションのコンセプトとしてあると思うんです。歌がただ単純に一定のリズムに乗ったっていうだけではなくて、歌が気持ちよく聞こえるリズムになるっていうのを目指してやっていますね。踊れるし、歌も聞けるしっていうね。」
 
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山口「今日はこの授業のために、江島先生が素材を用意してくれたそうなので、そちらで授業を進めてもらっても良いですか?」
江島「はい。では、皆さんがもう知っているであろう、ある曲を題材にして、リズムを変えたらその曲がどう聞こえるのかっていうのをやってみようかなと。」
山口「お、その曲とは?」
江島「「夜の踊り子」です。」
山口「あの、僕たちのナンバーワンセールスを築いたCMタイアップソングですね(笑)」
江島「はい(笑)解説、ありがとうございます。それを使って授業を行っていきたいと思います。」
 
江島「まず、リズムが"ドン、ドン、ドン、ドン"とバスドラムだけ鳴っていて、他は変わっていないという部分を聞いてもらおうかな。」
山口「僕たちは"キック"って言いますね。」
江島「そう。足で踏んで演奏をするものだから、"キック"って呼んだりするんだよね。」
 
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<バスドラムのみのリズムを聴きながら…>
 
山口「今はこの"キック"が鳴っているだけってことですね。これに「夜の踊り子」が乗ると……?」
 
<バスドラム+「夜の踊り子」サビの歌声、シンセ、ギター>
 
江島「音数は少ないですが、皆さんが聞いた事ある感じになりますよね。」
山口「なるほど。多分、みんなはそんなに違いは分からないですよね。」
山口「じゃあ、これにキック以外のパートが入ってきたらどうなりますか?」
江島「例えば、"ハイハット"と言われる、"チッ、チッ、チ"という音が入ってきたらどうなるかやってみましょう。」
 
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<バスドラムとハイハット+「夜の踊り子」サビの歌声、シンセ、ギター>
 
山口「なるほど〜。今、"チッ、チッ、チ"って鳴っていますね。これは、キックのリズムに対して、"裏"のタイミングで鳴っていますね。」
江島「そうです。全く同じ数が入っているんですけど、ハイハットのタイミングが、キックのドンドンの真ん中にきています。」
山口「これ、僕らは"ドッ、チッ、ドッ、チッ"って言いますよね(笑)。「江島、ちょっと、"ドッ、チッ、ドッ、チッ"ってやって!」って言いますね。これが基本的なグルーブって感じですかね?」
江島「そうだね。この時点で結構原曲に近いかな。」
 
山口「じゃあ、これに、もっとアフリカな感じの、民族音楽みたいなドラムが入ってくるとどうなる聞こえるか聞かせてもらえますか?」
江島「はい。」
 
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<アフリカなリズム+「夜の踊り子」サビの歌声、シンセ、ギター>
 
山口「ハッピーですね〜!これは、コンガとかですか?」
江島「コンガとか、マラカスも入ってます。」
山口「かなりグルーヴィーですね〜。」
江島「これが、いわゆる"グルーヴ"ですね。」
山口「リズムから生まれるグルーヴってやつですね。コンガが入ってきた事で、歌にもうねりが出てきましたね。口で表現すると、"ドンツカ、タン、ツ、ドンツカ、タン、ツ"って言うやつですね(笑)」
 
山口「それでは、この主なリズムが4つである"ドン、ドン、ドン、ドン"という状態ではなくして、もっとゆっくりに感じるドラムパターンするとしたらどう聞こえますか?」
江島「はい。」

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<ブレイクビーツ+「夜の踊り子」サビの歌声、シンセ、ギター>
 
山口「……これはまた、マニアックなリズムが出てきましたね(笑)。これは"ブレイクビーツ※"ですか?」
江島「そうですね。」
山口「これはLIVEで、お客さんはジャンプできないですね。」
江島「うん、ちょっと止まったりする感覚かな。」
山口「でも、リズムって、基本的に隙間がないと生まれないものじゃないですか。どこに音が入ってくるかによって、グルーヴが変わってくるっていう面白い例ですね。……生徒のみんな、分かったかな?」
 
ブレイクビーツ……生演奏のドラムの音をコンピュータに取り込んだもの。
 
同じ楽曲でもリズムが違うだけで、こんなに曲の雰囲気が変わることが、よく解りました。いつも音楽を聴いているとき、あまりリズムのことを気にしてなかった。っていう生徒も、いるんじゃないでしょうか。
 
山口「曲に歌が入ると、歌を追いかけて聴くけど、歌がないインストの曲は、僕の場合、リズムを追いかけて聞く事が多いんです。それの楽しさって、歌が入っている音楽を聞くのと違う楽しみじゃないですか。そこでっ今回は、僕らサカナクションが最近、よく聴いているドイツの音楽を紹介します。Stimming(スティミング)っていう人の、「Sunday Morning」っていう曲があるんですが、まずちょっと聞いてみましょう。」
 
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Sunday Morning / Stimming ( Album『Reflections』 )


Sunday Morning
Stimming
(Album『Reflections』)
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江島「これですね〜。大好きです。」
山口「大好きですね。ジャンルでいうと、みんな初めて聞くかもしれないけど、"ミニマル・テクノ"っていうものなんですね。ミニマル・テクノは、すごく音数が少ない分、リズムを聞くしかないっていうかね(笑)。中心になっているのはリズムで、歌は入ってないんです。僕がこの曲を大好きな理由は、リズムの "裏切り" があるからなんですよ。インストを聞くと、歌がない分、飽きちゃうと思うんだけど、頑張って追いかけていくと、後半にちゃんとご褒美があるっていうね(笑)」
江島「ミニマルってあんまり変化がないからね。でも、これはご褒美がもらえるんですか?(笑)」
山口「7分半ある曲なんですけど、ご褒美がくるのが6分過ぎなんです(笑)」
江島「だいぶ先だ!(笑)」
山口「だけど、ちゃんと聞くと、期待に答えてくれる曲です。」
 
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(1’16”〜)
山口「ずっと追いかけて聞くと、リズムが無くなったりします。」
江島「……あれっ、今?」
山口「さあ、展開してきましたね。……分かるかな?」
江島「徐々にくる感じだよね。」
山口「今、キックがないですよね。」
江島「キックっていうのは "ドン、ドン"ってやつね。」
 
(1’46”〜)
山口「あい〜!(笑) リズムが戻ってくる、今、良いところだったね!」
江島「これはご褒美?」
山口「ううん、まだ。」
江島「まだなのね(笑)」
山口「すごいご褒美がまだある!……ちょっと早送りしましょうか。」

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<授業なので早送り!>
 
(4’34”〜)
山口「……おっと、遠くからちょっといいシンセが入ってきましたね。」
江島「"ファ〜"ってやつですか。」
山口「そしてキックが無くなりますから。……そろそろ来ますよ。」
 
(5’13”〜)
江島「お?」
山口「キックが無くなりました。シンセがあがってきました!音数が今一番少ないですね……」
 
(5’25”〜)
山口「……ベースの音だけになりましたね。」
江島「あと、シンセの高い音ですね。」
山口「さあ、このグルーヴを追いかけてください。」
 
(5’48”〜)
山口「……さあ、どうなるんでしょう!どうキックが戻ってくるんでしょうか?(笑)」
江島「来そう、来そう。」
山口「壮大ですね〜!さあ、キックが返ってくるのか?……来ない、まだ来ない!」

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(6’25”〜)
ふたりで「イェ〜イ!!返ってきた!(笑)」
山口「安心した〜!」
江島「安心しましたね〜(笑)」
山口「いまのはオシャレな展開でしたね〜」

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山口「はい、こうやって、キックが返ってくる事でビートやリズムが復活する感覚が分かれば、インストの曲を、歌を聞くのとは違う感覚で楽しめるんじゃないかと思います。普段、聴かないかもしれませんが、聴いてみるといろんな仕掛けがあったりして面白いですよ。生徒の皆さんも、これからは、リズムを意識して音楽を聴くという事をしていただけたらなと思っています。」
 
さて今回の授業もそろそろ終わりです。最後に、ドラムをやっているというこの学校の生徒に向けて、サカナクションのドラマー、リズムを司る、江島先生からメッセージをお願いします。
江島「人によってそれぞれだと思うけど、リズムを刻みながら、タイミング的に、自分が好きな気持ちいいところがあるはずなんだよね。」
山口「ドラマーによって違うの?」
江島「ドラマーによってもそうだし、例えば、ボーカリストだったら、こういうリズムが歌いやすいとか、人によって様々あると思うんだけど、まずは自分の好きなリズムの感じを見つけていただきたい。」
山口「なるほど。4つ打ちでも、ただ単に4つ踏むだけじゃなく、ハットに対してどこにキックを踏むかとかね。」
江島「うん。気持ちいいところがきっとあるはずだと思います。」

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山口「ドラマーが上手なバンドって、ボーカルも上手になるって言いますもんね。ノリが決まってくるから、歌うグルーヴも決まってくるって。……ドラマーを目指している諸君、自分の好きなリズムを見つけてみてはどうでしょうか?」
江島「そうなんだね。」
山口「という訳で、副担任の江島先生、ありがとうございました。」
江島「ありがとうございました。」
山口「なんか、授業の中で僕らが盛り上がっちゃった感じがありましたけどね(笑)」
江島「確かに(笑)」
山口「今回、授業で紹介した、Stimmingの曲ですが、興味がある人は是非聞いてみてね。少しマニアックな授業になってしまいましたけど、この授業は真面目な授業なので、これからもビシビシ、やっていきたいと思います。」
 
山口「……でも、今週はちょっとやり過ぎたな(笑) だから、来週の授業はちょっとゆるいものにしようかな。」
江島「あ、そうなんですか?息抜き?」
山口「……レクレーションをやろうかな。」
江島「!?……どんなものを?」
山口「アコースティックギター持ってくる!」
江島「山口先生が?」
山口「山口先生が。だから、来週、生演奏します!よろしくお願いします。」

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ということで、次回のサカナLOCKS!は、この授業が始まって以来、初の「レクレーション」!山口先生がアコースティックギターを使って、生演奏してくれるそうですよ!!! 来週も遅刻厳禁!出席よろしくお願いします。
 
 
M1 夜の踊り子 / サカナクション
M2 Sunday Morning / Stimming
 
カテゴリー: サカナクション
投稿者: sakamori
2012年12月から、サイトがリニューアルしました。

2012年11年までの放送後記などのページは、旧サカナLOCKS!のページで見れます。