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March 2018 の投稿一覧です。
カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
SCHOOL OF LOCK!




★ アー写!
一郎先生、新しいアーティスト写真公開になりましたね。
走り幅跳びみたいな連続写真、かっこいいです。
ああいう写真のコンセプトはどうやって決めているのですか?
こひつじちゃん
女/17歳/千葉県




山口「新しいアーティスト写真……"アー写"って言われるやつですね。これは(「新宝島」や「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」などのMVを手がけた)田中裕介監督がアートディレクターになって下さいまして、作りました。エドワード・マイブリッジっていう古いカメラマンがいて、その人が連続写真で人間が跳ぶときにどういう風になっているのかを分析したものを撮っていたのよ、昔は映像がなかったから。それを参考にして、今回『魚図鑑』という図鑑的な要素を踏まえて、魚を分析するっていう意味も込めてこういうアー写にしたわけです。ひとりひとりの連続写真とか、いろんなバージョンがあるんですよ。これはいろんなところで発表していけたらと思っています。」

SCHOOL OF LOCK!


今回の授業は、サカナクション先生のベストアルバム『魚図鑑』に収録されている楽曲を、山口一郎博士が解説していきます。
先週は、[ CD:DISC 1 浅瀬 ]に収録されている楽曲を解説しましたが、今回は[ CD:DISC 2 中層 ]を紹介していきます。『魚図鑑』付属のブックレットには掲載されていないエピソードもありますので、お楽しみに。

前回の授業は [→コチラ (2018年3月22日の授業)]

SCHOOL OF LOCK!
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「えーっとですね、SCHOOL OF LOCK!の音学室からお届けしています、"音学"の授業、サカナクション評論家の山口一郎博士です。お元気ですか、皆さん。私は元気です(笑)。さて、サカナクションのベストアルバム『魚図鑑』が発売されて、先週はDISC 1の<浅瀬>について掘り下げていきましたけど……浅瀬なのに深く掘り下げたっていうのは、これは別にジョークを言っているわけではないんですよ、その辺は誤解しないでほしいなって思うところ(笑)。このベストアルバムは、CDのDISC1が<浅瀬>、DISC2が<中層>、DISC3が<深海>という風に分かれているわけです。今回は、中層に収録されている曲についてお話ししていきたいと思います。今日も、せっかく目の前にサカナクションの生簀が広がっているわけですから、釣り糸をぴゅっと垂らして、中層に潜んでいるサカナクションの曲たちを釣り上げていきたいと思いますよ。」

「さあ、どんな魚が釣れるかなー……」

■ サカナクション / 三日月サンセット




「はい、これは「三日月サンセット」ですね。この曲を作った時は、サカナクションの山口一郎くんは、警戒した猫のような目を毎日していて、ギラギラ……日本の音楽シーンにはこんな曲がなきゃだめだって偉そうなことを思って、「こういうのを主流にしていきたいんだ!」「もっといい曲があるだろう!」と思っていたわけですね。なので、この曲を出した時はある程度自信があったわけ。だけどね、デビューアルバム(『GO TO THE FUTURE』)にも関わらず、1800枚しか売れなかったの。1800枚しか売れなかったことに愕然としたんだねー。だけど、この曲を出したときにいろんな人が反応をしてくれたんですねー。FPMの田中知之さんとか、m-floの☆Taku Takahashiさんとか、妻夫木聡くんとか……当時、この曲を聴いて反応してくれたんです。無名の、北海道の田舎者が集まったバンドの曲を東京の人が感度よく反応してくれているというのは、ある種、メジャーっていうのは人に届ける手段としてはすごいことなんだなっていうのが分かったような曲ですね。なので、この曲から始まったのは、僕たちにとってよかったんじゃないかと思うねー……。」

SCHOOL OF LOCK!


「さあ、次はどんな曲かな……釣竿をぴゅっと……そうすると聞こえてくるわけだねー……」

■ サカナクション / ワード




「これは「ワード」だな。この音の立ち上がり方は「ワード」だ。この曲はね、実は僕が全然売れていない頃……全然だめだった頃、お金がなかったんだ。その頃にビクターの人が助け舟を出してくれたの。YUKIさん……元JUDY AND MARYのね。そのYUKIさんがソロで曲を出すってことになって、インディーズの人から曲を集めているから、楽曲提供をしてみないかって言われたの。僕は、これはきたと、採用されたらしばらくスタジオ代は払えると思って、絶対に応募しますって作ったのがこの「ワード」だったんです。これは、YUKIさんが歌ったらいいだろうって思ってつくったの。YUKIさんが "僕は" って歌うの素敵やなーって。だけど、見事落選してサカナクションの曲になったわけですね。実は、自分用に書いたんじゃないけど、自分のために最終的には使われるようになったっていうちょっと異色の曲なので思い出深いですね。そういうイメージで聴いていただけたらと思います。」

「さて、次にかかる曲はどんな曲かな……」

■ サカナクション / ネイティブダンサー




「これは「ネイティブダンサー」って曲ですね。実はね……でもこれは『魚図鑑』に書いてるんだよなー……いろいろと詳しい事(笑)。そこに書いていないうんちくをちょっと言うと、この曲は登戸(神奈川県川崎市)の家で作ったんだけど、僕はアコースティックな雰囲気の曲から突然ダンスミュージックに変わる曲にチャレンジしたかったの。みんな知ってるかな……ファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)っていう人の、「Right Here, Right Now」っていう曲があるの。あの曲は、ストリングスっぽいものが入ってから、いきなりダンスミュージックに変わるわけ。そういう要素がある曲を作りたいって、なんとかフォークとダンスを混ぜたいと思ってつくったのがこの曲なのね。」

SCHOOL OF LOCK!


「さあ、次はどんな曲がかかるかな……」

■ サカナクション / エンドレス




「はい、これは「エンドレス」っていう曲ですね。この曲は本当に大変だったね……歌詞を書くのが本当に辛かった。なぜかっていうと、東日本大震災の影響をもろに受けていた頃だったんですね。「ルーキー」っていう曲をリリースするタイミングで、ちゃんと、今この時代に音楽をやっているっていうことは、この気分を、この時代をしっかり表したアルバムを作らないといけないと思って『DocumentaLy』というアルバムを作ったわけです。その中で「エンドレス」っていう曲は、振り返ったときに、「こんな事が起きたんだ」、「こんな事を思ったんだ」、「こんな連なりがあったんだ」って、未来にそんな風に感じてもらえる歌にしたいと思って取り組んだんですけど、なかなかこれは苦労して……完成しなかったですね。これが完成した時のDVDがあるの。この歌詞が出来るまでの映像のボイスメモみたいなものをつなぎ合わせたものがあるんだけど、恥ずかしいけど、書き上げた時に僕は泣いているのね。それも見てもらいたいなー。」

「サカナクションは深く深く、知れば知るほど味が出てくる……噛めば噛むほど濃い魚の味が出て、熟成されればされるほど臭いも強くなってきていい香りがしてくるからね……、さあ次。」



「これは、「なんてったって春」だね。これ、聴いてて……「ポゥ!」って言うんだよ、これ。あ、口でじゃない、口じゃないですけどね(笑)。これを入れるか入れないかで揉めたんだよね。『魚図鑑』に書いていない話をすると、僕は下北沢に住んでいたわけ。それまでは登戸っていう、東京と神奈川の間だったわけ。だけど、下北沢に引っ越すといきなり街中なの。どかんといきなり都会の中で起きた春。それに僕は感動したの。"風が強いな、春。"とか、"みんなスカートをおさえているな。"とか。"春は雷がなるんだな。"とか。都会の中で見る春に僕は感動したんです。赤いつつじの花がバーッと咲くんです。まだ冬の気配がするのに……北海道なんて、雪が溶けて、雪が残っている中に見えるふきのとうとかだから。それが、街中につつじがバーッと咲いているのを見ると、なんだか不思議だなって思って、これを歌にしようと思って作ったのが「なんてったって春」。」

SCHOOL OF LOCK!


「じゃあ、そろそろ最後の1匹を捕まえてアルバムをリリースしようかなと思いますね……」

■ サカナクション / 目が明く藍色




「はい、これは「目が明く藍色」という曲なの。この "目が明く藍色" という言葉は10代の頃からあったの。それは、僕が夢の中で知らない女性に「一郎くん、目が明く藍色よ。」って言われたんです。そのとき、夢で見た事をメモにとる習性があったの。だから目が明く藍色をメモに取っていたわけ。いつかこの"目が明く藍色"っていう言葉を曲にしようっておもっていたんです。それが『kikUUiki』というアルバムで、「アルクアラウンド」という僕たちのヒットソングが生まれた後に、僕たちが本当に好きなものを歌にしようって完成させたのが「目が明く藍色」なんです。目が "明く" ……は、元々は "開く" だったの。目が開く藍色だったのを、サカナクションのプロデューサーである野村達矢氏が、「こっちの "明く" の方がいいよ」って言ってくれたわけ。それでこの "明く" に変えたわけです。実はね、この歌詞の一部分を縦読みにすると僕の遺書になっているの。そういったこともこの曲には隠されているんだな。まだ聴いたことがない人は聴いてみてもらいたいと思う。ミュージックビデオも素晴らしいんでね。」

SCHOOL OF LOCK!


そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。

「なかなかサカナクションのことを深くサカナLOCKS!で話すことってあんまりないの、実は。リリース時期くらいは、サカナクションのことを話すっていうのもいいんじゃないかなとも思ってやらせていただきました。いかがでしたでしょうか。サカナクションのベストアルバム『魚図鑑』に収録されている曲を釣り上げて解説するという解体ショーをお届けしましたが、CDの形態によっては、"深海" に潜む魚もいるわけだなー。その完全生産限定プレミアムBOXは、在庫切れが多い。素材にこだわりすぎて部材がないっていう……これしか作れませんっていう分しか作らなかったからね。転売とかも早速出始めているけど、お店に行ったらあるから。お店で購入してください。深海の一番底には、「グッドバイ -binaural field recording-」も収録されています。これは、公園で僕とモッチ(岩寺基晴先生)が横で歌っているっていうのをバイノーラルで体験できるっていう……『魚大図鑑(完全生産限定プレミアムBOX)』にしかついてこないから。購入して聴いてもらえればと思います。」

サカナクション先生、ベストアルバム、リリースおめでとうございます!

サカナクション先生のベストアルバム『魚図鑑』の特設サイトは[→コチラ]



カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
SCHOOL OF LOCK!


山口「はい、授業を始めますから、席に着いてください。マンガを読んでいる生徒はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている生徒は、Twitterを閉じなさい。Instagramを開いている生徒は、Instagramを閉じなさい。授業が始まりますよ。……ちょっと見てくれ。ラジオだけど、見てくれ(笑)先生、姿勢良くないか?先生、すごいのを装備しているんだ。中山式の姿勢が良くなるベルト(中山式脊椎医学キョウセイベルト)をしているんだ(笑)。明日『ミュージックステーション』だから。ひな壇で、姿勢が良いところを見せないとね(笑)。



★ 魚図鑑
一郎先生、Twitterで「#サカナクションのこれ一曲」盛り上がっていますね。トレンド1位にもなって、サカナ好きの皆さんがどの曲を選ぶのか、眺めていて楽しかったです。ちなみに僕はつぶやこうと思って、みんなのつぶやきを見ているうちに1曲選べなくなりました(笑)。
赤い水槽
男性/15/埼玉県




3月28日にリリースになるサカナクションのベストアルバム『魚図鑑』。そのリリースを前に、Twitterで "#サカナクションのこれ一曲"っていうのを急遽家で始めたんですよ、タンクトップ一枚で(笑)。そうすると、みんないろいろと曲を選んで書いてくれてね。すごく面白かったですね。歌詞の一部だけ言ってどの曲か言わない、みたいな人が結構いて。あとね、Base Ball Bearとコラボした曲を上げたりして、それベボベの曲!みたいな(笑)。僕は普段あまりTwitterでこういう事をやっていなかったんだけど、たまにはこういうファンとのコミュニケーションも良いなと思いましたね。」






SCHOOL OF LOCK!


SCHOOL OF LOCK!


今回の授業は、3月28日にリリースされる、サカナクション先生のベストアルバム『魚図鑑』を "解体" する授業です。サカナクションに詳しい山口一郎博士(!?) が、『魚図鑑』に収録されている楽曲について解説していきます

SCHOOL OF LOCK!


「えーっとですね、SCHOOL OF LOCK!の音学室からお届けしています、"音学"の授業、サカナLOCKS!の山口一郎博士です『魚図鑑』は全4形態での発売になります。その中に収録されている楽曲は、DISC1が"浅瀬"DISC2が"中層"DISC3が"深海"という風に分かれております。このDISC1〜3の違いを簡単に説明しますとね、DISC1が"浅瀬"ですけど、この浅瀬というのは、シングル化されている曲……つまり、世の中に発表されていく曲ですね。空から見ても見える距離にいる魚たちということで"浅瀬"。DISC2 "中層"というのは、比較的浅瀬の曲を好きな人たちも中層の方にふと目を向けたときに、なかなか良い魚が泳いでいるじゃないのと手を伸ばしたくなる曲たちのこと。そして "深海" ……これは、どっぷりサカナクションという海に泳ぎ疲れた人たちが沈んでいく感じねその時に手が届く魚ということで、"深海"の曲たちということで。この3つに分かれているわけですけど、今回は[ CD:DISC 1 浅瀬 ]の曲たちについてゆっくりとお話ししていきたいと思います。ただね、どんな魚が釣れるか分かりません。釣れた魚をその場で解体……つまり、解説していきたいと思うわけです。山口一郎博士は釣りも得意ですから。浅瀬でどんな魚が釣れるのか……糸を垂らしてみようかと思う。どんな曲が釣れるかなー……うーん。」

■ サカナクション - アイデンティティ(MUSIC VIDEO)




「はいはいはい!これは、「アイデンティティ」だね!この曲はねー……実は、4枚目のアルバムに収録される予定だった曲なんですよ(※実際は5枚目の『DocumentaLy』に収録)。この曲のデモを作り上げた時点で、アルバムに収録しますよって、うちのプロデューサー……野村達矢氏に聴かせたところ、「一郎、この曲はアルバムに収録するにはもったいない。次のシングルにとっておこう!」ということで、4枚目のアルバム『kikUUiki』の中から1曲、この曲が外されて、シングルとしてリリースにとっておいたわけですね。すると、いち早くビクターがそれを嗅ぎつけて、これはCMにいいんじゃないかと、すぐに東進ハイスクールのタイアップに選ばれたりしたわけですね。なので、この曲がシングルとなって、世の中に広まっていった中には、そういったプロデューサーの判断とかもあるわけです。僕らはアルバム制作からその1曲が減ったわけだから、また作らなければいけなくなったからね。それはかなりのカロリーでしたね。」

SCHOOL OF LOCK!


「はい、「アイデンティティ」1曲でもこれだけ語れることがあるわけですね。さて、次はどんな曲が釣れるかなー……私の浮きにどんな魚がひっかかるかなー……」



「これは「Aoi」だ!この曲はね、NHKのサッカーテーマ曲を作ってくれっていう話だったわけです。先生は生粋の中日ドラゴンズ(野球)ファンですからね。サッカーのことなど何も知らない。コンサドーレ札幌くらいしか知らなかったわけです。だけど、サッカーのテーマソングを作る上で、先生は調べに調べ尽くした。海外リーグから日本のJリーグから、全てを一生懸命勉強して、サッカーの面白さを大分理解してきて、今ではすっかりサッカーファン。プレミアリーグのアーセナルFCのファンだぞ。そのくらいサッカーのことを理解した上で書いた曲がこの「Aoi」だったわけです。高校サッカーのテーマソング「ふり向くな君は美しい」をロックにしたらどうなるのっていう曲で、あの曲は日本のサッカーのテーマ曲的なところがあるから、あのテイストをうまくロックに落とし込めないかなって作ったのがこの「Aoi」です。実は、この曲のミュージックビデオを撮ろうと僕は言ったわけ。この曲は良い曲だから、絶対ヒットするからミュージックビデオを撮りましょう!って言ったら、ビクターから「予算ない。」って一蹴されました(笑)。撮っておけば良かったのにねー。もうちょっとバズったと思うのよね。」

「さあ、次の曲は……」

■ サカナクション / セントレイ




「はい、これは「セントレイ」だな!この曲は思い出がいっぱいあるんだな。これは、NHKの『POP JAM』っていう番組で初めてテレビ出演をしたんですよ、この曲で。僕らはそれまでテレビに出たことがないし、そもそもテレビに出ることを目的にバンドを結成したわけじゃなかったわけ。それを、プロモーションっていうことでね……テレビに出るってどういうことか分からないままやって、あっという間に終わって、なんかすごい……馴染まなかったわけ。で、僕はその頃、多摩川の近くに住んでいたんだけど、その日の夜、川に行って、今一緒に会社をやっている西くんと一緒に釣りをしながら、僕は大声で泣き叫んだんですよ。「テレビに出るために音楽をやってきたんじゃない!」って。それは覚えてますね。今じゃもう……明日もMステ出ますけどね(笑)。そんな思い出がある曲です。これは、(草刈)愛美ちゃんがアレンジしたの。懐かしいね。」

「さて、次はどんな曲がかかるかな……」



「はい、これは「モノクロトウキョー」!これはね、「years」っていう曲を知ってるかな?「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」のカップリングなんだけど。その「years」っていう曲の歌詞を書き上げたのが午前3時くらいだったな。ディレクターが下北沢の王将で待っていて、その歌詞を持ってそこまで行ったわけ。王将でご飯を食べながら、良い歌詞できましたねーって話をして、ご飯食べて。そして、そこから歩いて帰ろうとしたときの景色の歌がこの「モノクロトウキョー」の1番の歌詞なんですよ。下北沢の明け方の景色が1番で、渋谷のスクランブル交差点の景色が2番なのよ。これ、思い出すねー。」

「さあ、次の曲はどんな曲がかかるかなー……」

■ サカナクション - 僕と花(MUSIC VIDEO)




「はい、これは「僕と花」だね。草剛さんが主演のドラマの主題歌で、サカナクションは初のドラマ主題歌ということで書いたんです。これも覚えていますねー。ドラマの主題歌だからって、そんなに激しい曲にしたくなかったの、僕は。だけど、サビにパンチがないとビクターの山上さんが言うわけですよ。「もうちょっとパンチがあった方が良いんじゃないかなー」って。だけど僕は「そんなことない。別にパンチが必要なわけじゃなくて、ドラマに合うものにするべきじゃないか」って言って、結果そんなに売れなかったっていうね(笑)。ドラマ主題歌でありながらそんなにヒットしなかったんだねー、この曲は。だけど、完成度はすごく高い曲ですから。」

「さあ、次はどんな曲がかかるかなー……まだいけるかな?」

■ サカナクション / ナイトフィッシングイズグッド




「はい、これは「ナイトフィッシングイズグッド」ね。これはセカンドアルバムの曲なんだけど、僕が弾き語りで作った曲に、QUEENみたいな展開をする曲が作りたいなって、プログレッシブな曲を作った方が良いんじゃないかっていうことでアレンジして作ったんですよ。これは、北海道で作った曲ですね。最初はあんまり良くないって言われたんですよ、当時のディレクターに。だけど、演奏を上手くして、パソコンでトラックを使って合唱を混ぜたりとかして、うまくバランスをとったりして曲としての完成度を上げていったことで、曲の評価が高まっていって、僕たちの自信になっていったっていうのが、この「ナイトフィッシングイズグッド」だったんですね。当時のシーンは、まだ音楽フェスがそんなに軸を占めていなかったわけ。フェスブームの始まりかけで、だけど、フェスで勝ったバンドが一番話題をさらっていくっていう時で。Twitterとかも始まったばっかりだったからね。フェスでいろんなバンドと横並びになった時に、耳に残ったり、「ん?」ってなる曲を作ろうって言って作った曲なんですね。懐かしいですねー。」

SCHOOL OF LOCK!


「じゃあ、最後くらいかなー……あと1匹くらい釣ったらリリースしたろうかなー……このアルバム。」


♪ 陽炎 / サカナクション


「これはねー、「陽炎」ってやつだな!これは、本広克行監督……先週、先々週と来てくださった、もっくんの映画の主題歌用に書いた曲なんですよ。BPMが130以上あるのよ。130以上でどこかファンクやソウルの要素が入った曲を作ろうっていうコンセプトだったの。なかなかファンクやソウルってBPMが120前後でゆっくりな曲が多いの。こういうグルーヴはこのBPMではないのよ。それを作りたかったわけね。で、もっくんの映画はイケメン揃いなのよ。その映画の主題歌で、変に音楽がさらっていくと、そのイメージを壊しちゃうじゃん。壊さないギリギリのラインを主題歌として作りたいんだけど、サカナクションとしてはサビとしてのパンチが欲しいわけよ。そのラインをうまく探ったのがこのサビなのよね。……実は、もう1個サビがあるの。別バージョンが。それは、次のサカナクションのニューアルバムに収録されるんじゃないかなって。前も話したけど、曲をアップデートするっていうことをやっていきたいわけよ。みんなのiPhoneとか、"ソフトウェアをアップデートしますか?" とか出るでしょう?そういう風に、曲もアップデートしていって良いんじゃないかと思うわけ。だから、この曲がアップデートされて次のアルバムに入るのをサカナ研究家の皆さんは楽しみにしていただきたいと思いますね。」

SCHOOL OF LOCK!


そろそろ、今回の授業も終了の時間になりました。

「今回は、3月28日にリリースになるサカナクションのベストアルバム『魚図鑑』に収録されている曲について、釣り上げながらお話ししていくっていう形をとったわけですが、皆さんもこのアルバムを市場で手に入れていただいて、自ら解体していただけたら嬉しいと思います。明日は『ミュージックステーション』の方にサカナクションの皆さんが出演されるということでね。(小声で)ちょっと実験的なことをやるって話なんでね……これはまだ秘密で、あんまり言うなって言われているんだけどね。……あと26日には、LINE LIVEをやるのよ僕が弾き語りで1曲歌うとか歌わないとか……こう匂わしておくと期待してみてくれる人が増えるだろうと(笑)。これからサカナクションは飛ぶ鳥落とす勢いでどんどん頑張っていきたいと思っていますから、よろしくお願いします。今回は"浅瀬"の曲だったので、次回は"中層"の曲を綺麗に中骨を落とす感じでしゅっとさばいていきたいと思います。

ということで、来週は『魚図鑑』のDISC2 "中層" 解体ショーをお届けします。お楽しみに!






カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
SCHOOL OF LOCK!


今回も、映画監督の本広克行 先生をゲスト講師にお迎えします。
公私ともに一郎先生と親交がある本広監督の最新作は、3月21日に公開になる映画『曇天に笑う』。この主題歌をサカナクションが担当しています。

本広監督はこれまでに『踊る大捜査線』シリーズのテレビドラマや映画、ももいろクローバーZ出演の映画『幕が上がる』、テレビアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』など、数々のエンターテイメント作品を手がけてきた監督です。

山口「よろしくお願いします!」

本広「よろしくお願いします!」

山口「いつもは僕が黒板を書くんですけど、今日は本広監督に書いてもらおうと思います。」

本広「いやー……黒板、これ……。効果音だと思ってたんですよね。」

山口「ラジオ聴いてくださってるんですよね。」

本広「もう、もう。すごい聴いてます。」

山口「嬉しいなー。」

SCHOOL OF LOCK!


SCHOOL OF LOCK!


本広「僕、いつも映画を作るときはこれしか考えてないです。」

山口「確かに……!みんな、知ってるか?ここにいる本広克行監督は、日本の映画の興行収入ナンバー1の監督だぞ!」

本広「いや……そんな、もう……(笑)。」

山口「確かに、『踊る大捜査線』も、笑って泣かせるし、僕が大好きなドラマ『お金がない!』……掘建小屋から昇りつめていって、またそこへ戻ってくるっていう、笑って泣かせるっていうね……いいドラマなのよ。」
本広「ふふふ(笑)。僕、泣き担当なんですよ。『お金がない!』でも。泣かせるためにどう演出するかっていうのが多くて……本当に、泣かせるのは本当に簡単(笑)。」

山口「ははは!(笑) 泣かせ上手!」

本広「笑わせるのが難しいんですよ。人を笑わせるのって非常に難しくて。泣かせるのは本当に簡単。笑わせるっていうことは本当に難しくて。笑わせすぎてもだめなんです。」

山口「なるほど。」

本広「あと、笑って地区によっても全然違うんです。北海道の笑いと九州の笑いって全然違うんです。」

山口「え?どういうこと?」

本広「笑いのツボが違うんです。大阪は濃いんです。笑うことに慣れているので、笑い方もうまいんです。で、北に行くほど笑わなくなるんですよ、日本人って。」

山口「え?じゃあ僕?(※山口先生は北海道小樽出身です。)」

本広「札幌とかは都会じゃないですか。後からできた街なので、そういう意味では新しいと思うんですよね。九州の方とかはあったかいので、結構笑ってるイメージ。沖縄とかはいつも笑ってるイメージじゃないですか?」

山口「確かに。音楽もあるんですよね、気候って。あったかい地域ではテンポがゆっくりで、ほんわかしたもの……レゲエとか。北海道は、雪が降って寒いし、雪が降ると音がデッドになって響かなくなるから、反響音を敢えて付けるっていう曲が増えるんですよね。」

本広「泣きは全般にいっしょそですね。振りがちゃんとあれば……人間の好きな、切ないね、悲しいね、ってものを振っておけば、最後にスイッチをピンって押すとみんな泣きます。泣けた映画を作ると、「いい映画だったね」って言われるんですよ。」

SCHOOL OF LOCK!


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山口「今回は、『曇天に笑う』じゃないですか。」

本広「すっごいしんどかったです……」

山口「(笑)」

本広「自分にとってはですよ、こんな無茶苦茶な題名……って。笑わせなければいけないっていう感じとか。笑顔でって感じだとちょっと薄いじゃないですか、テーマ的に。」

山口「曇天に笑うって……逆っていうか、反対ですよね、意味として。曇り空に笑うってどういうこと?って感じですもんね。」

本広「そうそう。で、映画において曇天を作るってめちゃくちゃ大変なんですよ。曇りをいつも待って、太陽が出ては駄目だし、雨が降っても駄目なんです。曇天の、雨が降りそうな、もやもやした感じを待っていなきゃいけないんです。太陽光が当たると撮影中止なんです、今回。」

山口「えー!それはきついですね。」

本広「いやー……きつかったですよー(苦笑)。」

山口「じゃあ、「今日は晴れなんで中止!」みたいな?」

本広「晴れたら、太陽光線を遮るためにみんなで巨大なビニールを引いて……すっごい時間がかかるんですよ。」

山口「えー……太陽を隠すってこと?」

本広「そうです。全部太陽を隠すんです。」

山口「マジで?」

本広「マジです。これは本当に。影ができちゃダメなんですよ。太陽が出るってことは、直射日光が当たって影ができるんです。」

山口「確かに……!ずっと同じトーンだった。」

本広「そうなんです。曇天のトーン。で、"笑う" でしょう?芸人さんたちがチャレンジしていることを、僕らごときが……みたいな。」

山口「役者さんたちは役者なわけじゃないですか。芸人をやっている人じゃないし、真面目に取り組むわけですよね?真面目に笑わせにいかなきゃいけないし、監督としてそういう役者を使って演出していかなきゃいけないわけですよね。」

本広「そうです。で、今回は特に若いかっこいい男の子たちがたくさんいるので……笑いに長けた、芸人をやりながら役者もやっているって人は今回使っていないので、結構大変でしたね。笑うっていって笑いのシーンみたいなコテコテなことをやったら駄目だなって思って、"笑えない笑い" をやろうって。」

山口「笑えない笑い?」

本広「いちばん下の宙太郎っていう男の子がいるんですけど、その子が常に空回りをする笑いをやろうっていうのを目指して……何回も見ているとニヤニヤしてくるっていう笑いを目指して。そういう風に『曇天に笑う』は作っていきましたね。」

SCHOOL OF LOCK!


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山口「福士蒼汰さんが主演ですけど、どうでした?」

本広「蒼汰くんは本当に真面目で、全くセリフを嫌がることもないし、言いづらいとも言わないし。身体性も高くて、アクションもほとんど自分でやらせていて。本人には言わないけどスタントマンも用意しているんですけど、全部自分でやって。で、撮影中に左足の小指が痛いって言っていて、病院に行ってきてみたら、ひびが入っているんですよ。それでもアクションやっていたんです。」

山口「えー……!」

本広「ずっと言わないんですよね、本当に痛かったんだと思うんですけど。そのくらい激しいアクションも出来るんですよ。」

山口「そりゃ女子はキュンキュンしちゃいますよね。」

本広「いやー、かっこいいですもん。で、綺麗な着物を着て、スローモーションでふわーって舞ったりして。」

山口「ちょっと着物の胸元がはだけているんですよね。」

本広「そうそう(笑)。」

山口「僕、衣装が、音楽作るのに引っ張られたんですよ。」

本広「あ、そうですか。へー……!」

山口「和だけど妖艶……みたいな。それに結構曲として引っ張られていって、「陽炎」のゴダイゴ感……『西遊記』感が。」

本広「オリエンタルな感じですよね。」

山口「そうそう。そこに引っ張られていきました。」

本広「そうですか、それは嬉しいと思いますねー……スタッフも作家の先生も。」

山口「マンガの原作じゃないですか。衣装を作るときにマンガの原作からインスピレーションを持ってくるわけですか?」

本広「全く変えるか、全く同じにするかどっちかしかなくて。どっちですか?好きな漫画を実写化した場合、全然違うとあれ?って思います?」

山口「思う。」

本広「僕も思うので、同じにしてくれって言って。」

山口「あの……『攻殻機動隊』あったじゃないですか、ハリウッド版の(『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊』)。素子が英語なのが……なんか違うなっていうのがあって。」

本広「本当はアニメ版の監督の押井(守)さんも英語にしたかったんだと思うんですけど、日本語にしないと日本国内でのビジネスとして成功しないので……」

山口「でも、それを頑張って日本語にしたあの違和感が僕らにはまったんですけどね。」

本広「なるほどー。」

SCHOOL OF LOCK!


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山口「僕、"ライスワーク"と"ライフワーク"って言い方をよくするけど、本広監督も、エンターテイメントとして、仕事として楽しませるものを作るっていうことと、自分のライフワークとして好きなものを作るっていう、その二つの掛け合わせで生じる揺れってあるじゃないですか。」

本広「はい、はい……もう、本当に、毎日それと戦ってますね。好きなことをやり過ぎてしまうと、なんか偏ってますよね。それがおもしろいと認められる人たちは天才だと思うんです。」

山口「うん、うん……尾崎豊とかね。」

本広「で、僕らのような凡人というか、普通に作れるクリエイターといわれる人たちは、いろんな方からの……パクリとかって言われますけど、いろんなものを吸収して、それを形にして出すクリエイトなんですよね。」

山口「僕ね、人の真似をするのは全然ありだと思うんですよ。だって、新しいものを今から生み出すのって、こんなにいろんなものが考えつくされた中でやれるわけないと思うんですよ。」

本広「そう、間違いないですね。」

山口「だから、人のものを真似して自分らしく変化させていくっていうのはありだと思うんですけど、自分の真似をし始めると、劣化していくしかなくなるじゃないですか。」

本広「素晴らしいですね、本当にそうなんですよ。これくらいでいいかなーってものを出していると……僕、日本の映画監督の歴史を調べるのが大好きなんですけど、そういう人はみんな枯れてますね。同じことをやればいいんだろうってやっていると、いなくなってます。」

山口「ですよね。」

本広「うん、これは間違いないと思います。」

山口「だからね、僕、もっくんすごいなって思ったんですよ。今回の『曇天に笑う』って映画も、その前の映画もそうですけど、踊る大捜査線のシリーズからの……それはもっくんにとってもすごく大きな映画だったと思うんですけど、そこから、舞台をやられたり、マニアックなこともやられたりしていて……そこからまたここに帰ってきているっていう……自分の中の葛藤自体もすごく共感できたし、これから次にどんなことをやっていくのかっていう楽しみもあるし。今回いっしょに映画を作ることができて、僕、嬉しかったです。」
本広「いやー、こちらこそですよ。一郎さんがそこで戦っているなっていうのは僕も分かっていたんですよ。なかなか曲は上がらない、曲が上がってもサビを変えちゃうとか……ものすごい戦いなんだなっていうのが分かって。僕は全然待てましたけどね。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「ひとつ言わせてもらってもいいですか?新しい歌詞と、新しいメロディーってあと2行だったんですよ。あと2行書き終わったら終わるっていうところまで行っていたんですよ。」

本広「えー……それはオリジナルバージョンってことですよね?」

山口「そう。それはオリジナルバージョンに入ることになったから、また全部書き直しているの。曇天用にやっていたから。」

本広「あ、映画館でしか聴けないバージョンと、ってことですよね?」

山口「そう。」

本広「そんな……僕らにしたらありがたいですよ。」

山口「「陽炎」の2パターンで一卵性双生児ですよ。」

本広「そんな曲って今までにあったんですかね?」

山口「ない。」

本広「(笑)」

山口「僕ね、最近思うんですけど、iPhoneとかPCってOSがアップデートしていくじゃないですか。バージョン10.11……みたいな。曲もそうやって、「陽炎1.01」「陽炎1.02」って、アップデートしていいんじゃないかって思って。音楽でビジネスしていく時代は、種類が変わっていくのでビジネスも変わっていくと思うんですけど。多分、もっくんも考えていらっしゃると思うんですけど、システムのアップデートをしなきゃいけないのかなって。今回の「陽炎」も2つのバージョンがあって、『曇天に笑う』のためのものも作ったし、サカナクションの「陽炎」も作ったし……この2つをちゃんと広めていきたいなって。システムを作るっていう。」

本広「面白いですよねー……そういうことってなかなかやってくれないですよ。普通のミュージシャンの方は、言われたことをそのままタイアップですねって出すだけだけど、一郎さんはそこの考えまでいっちゃうから、それは締切がなかなか決められないですよね。」

山口「前に映画の音楽をいっしょにをやったのは大根仁監督で、大根監督もすごく人物として好きですし、大根監督も戦っているのも分かったし。そういう風に、ちゃんと距離が近くて、直接話ができて、やりとりができないと、誰かが間に入るとやっぱり難しくなるんです。」

本広「そうですね。」

山口「今後も、よろしくおねがいします。」

■映画「曇天に笑う」曇天ダンス〜D.D〜 サカナクション/陽炎




山口「あとね、「陽炎」の曇天ダンスっていうのも、振り付けがMIKIKOさんで、映像が公開されているので。」

本広「そうそう。」

山口「これはもっくん映像は関わってないんですよね?」

本広「これは一切関わってないですね。ああいう、脇役の人たちがダンスをしたり、スピンオフさせるっていうのは、僕、大賛成なんですよ。」

山口「僕もそう思う。」

本広「本編は本編であって、スピンオフはみんなで楽しくいろいろやっている方が。」

山口「あの『踊る大捜査線』の署長のやつでしょ?」

本広「そうそう、3アミーゴスのやつとか。演劇とかも作ったんですけど、あの時。今回もそういう風に広めていって欲しいなって。『PSYCHO-PASS サイコパス』ってアニメはものすごい広がりを見せて、どこまで行くんだろうって感じなんですけど。だから、ひとつの映画で終わりにしたら、それで終わりになっちゃうので、バージョンアップムービーをやりたいんですけど、いろんな理由で出来ないんだったら、そこから生まれる副産物的なやつを作るのは、映画の新しいあり方だなって思っています。」

山口「さすが……想像できていますね、いろいろ。」

SCHOOL OF LOCK!


今回の授業も終了の時間になりました。

山口「どうでしたか?サカナLOCKS!楽しめましたか?」

本広「いやー……楽しかった。一郎さん、やっぱり芝居してるんだなーって思いました。テンション上げめで。」

山口「嘘?これ、芝居なのかな?」

本広「芝居ですよ、それ。それが芝居です。だから、役者やれますよ。」

山口「無理無理無理(苦笑)。だって、僕小学校の頃の学芸会で主演だったんですけど、演技ができなすぎて外されましたからね(笑)。」

本広「ふふふ(笑)。でも、役者が似たような人が集まったらつまらなくなりません?」

山口「確かに。」

本広「同じような芝居をする人が集まってきますよね?濃くなりますよね?そしたら映画ってつまらないなってなりません?」

山口「なる。」

本広「なりますよね?ってことは、ここで一郎さんが「はい!(※サカナLOCKS!の授業オープニングの一郎先生の真似)」って言って出ていく(笑)。おー、キャラができてる!って、最初ちょっと見られなかったです。ドキドキしながら(笑)。」

山口「ははは!(笑) まあね……でも、やらないです。」

本広「やってくださいよ!」

山口「……まあ、ゆっくりご飯食べながら話しましょう(笑)。」

映画『曇天に笑う』は、3月21日公開です。映画を観た生徒の皆さんは、ぜひ感想を[サカナ掲示板]に書き込んでください。

■映画『曇天に笑う』予告編【弐】


カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
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陽炎!マジですごい!
一郎先生!陽炎、めちゃくちゃかっこいいです!
イントロ1秒もたたないうちに、ガッと引き込まれました。ピュンピューンって言ってる光線銃みたいな音もすごいスパイスです!
一郎先生のこぶし?ガナり?本当にかっこいい!
さっそく夢中になってます。早く28日になってほしい!そして早くライブで踊りたいです!
もぐ8321
男性/14/東京都




山口「先週の授業で、サカナクションのベストアルバム『魚図鑑』の収録楽曲であり、映画『曇天に笑う』の主題歌「陽炎 –movie version-」をお送りしましたが、先生、Twitterで反応を見ていたぞ。新曲をサカナLOCKS!で初披露するときはドキドキするぞ。反応を見ながら、しめしめと(笑)。しめしめと思いながらも、ははーん……みたいな気持ちでもいましたよ。ふふふ(笑)。」

「……黒板をさっそく書こう。今日は先生、テンション高いぞ。」

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今回は、サカナクションが主題歌を担当した、映画『曇天に笑う』(3月21日公開)の監督本広克行 先生をゲスト講師としてお迎えします。映画監督という仕事、そしてサカナクション先生の主題歌にまつわる裏話など、いろいろと話を聞いていきます。

■ 映画『曇天に笑う』予告編【弐】




映画『曇天に笑う』。原作は、唐々煙さんの漫画作品。明治維新後の混沌とした時代の滋賀県大津を舞台に、国の平和を守ることを生業とする曇三兄弟が、破壊の神 大蛇から家族や仲間を守るために死闘を繰り広げていきます。

山口「本日のゲスト講師はこの方です!」

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本広「映画『曇天に笑う』の監督を務めました、本広克行でーす。」

山口「ははは!(笑) もっくん、今回はよろしくお願いします。」

本広「よろしくお願いします。」

山口「3月21日に、映画『曇天に笑う』が公開になりますが、これって漫画が原作ですよね?」

本広「そうですね。少女漫画系なんですけど、アクション漫画みたいなものがありまして。とにかく絵が綺麗なんですよ。」

山口「僕、漫画読みましたよ。」

本広「本当ですか。まさか自分が映画化するとは思わなかったですね。」

山口「主演を務めるのは、福士蒼汰さん……かっこいいねー。あと、中山優馬さん。」

本広「ねー。」

山口「っていうか、イケメンしか出てこないですよね?」

本広「そうなんですよねー。これ、1年半前くらいに撮ったやつなんですけど、当時より今の方が人気がある。……ほら、イケメンって旬があるんですよ。」

山口「イケメンには旬がある?(笑)」

本広「旬がある。魚と一緒ですよ。」

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山口「キャスティングする時って、映画が公開されるときに旬になりそうだなーっていう人を見越してキャスティングするんですか?」

本広「はい。僕は結構それをやってます。ただ、出資者の方を説得するのは結構大変。」

山口「あ、そうか。そのときはまだ旬じゃないから。」

本広「そうです。いい出世魚ですよ!って言っても、なかなか信用してくれないんですけど……曇天はピシャッとはまりましたね。」

山口「なるほど。主題歌を務めますのは、我々サカナクションなんですが……」

本広「ありがとうございます、本当に。」

山口「あの……今日、松竹の方もいらっしゃっているんですけど、この場を使って、もっくんと松竹の皆さんに、私とビクターの者から、お詫びを申し上げたいなと思っております……本当にご迷惑おかけしました!」

本広「いやいやいや(笑)。」

山口「締め切りを伸ばしまくって、本当にご迷惑をおかけしました!」

本広「一郎さんに発注をするときは、伸びるっていうのは分かっているんですよ。」

山口「いや、でも、やらかしたんだー……もう、映画の話来ないんじゃないかなっていう怖さが(苦笑)。」

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山口「サカナクションがこの映画の主題歌を作るきっかけになったのは、もっくんと僕の出会いのきっかけですよね。」

本広「最初は、武蔵美(武蔵野美術大学)の片山正通さんのご紹介からですね。武道館のライブ(「SAKANAQUARIUM2015-2016 "NF Records launch tour"」)を観て。僕の周りには一郎さんのお仲間がいっぱいいらっしゃって、みんなが踊りまくってるんですよ。」

山口「関係者席でね(笑)。」

本広「関係者席って、地蔵のように居ればいいって思っていたんですけど、これは何だろうって思って。みんな、踊り終わってTシャツを脱いで着替えて……でも、そこからもっと知りたいなと思ったのと、あのときにGOCOOさんとのコラボをやっていて、圧倒的に和太鼓の音と、ロックの……一郎さんたちの、歌詞が混ざっていく感じが感動的でしたね。」

山口今回の『曇天に笑う』のオープニングとエンディングの音楽もサカナクションがやらせていただいたんですが、そのオープニングが、あの武道館のときにコラボしたGOCOOさんとの曲です。

本広「あれはもう……すごいかっこよかったですね。」


(♪映画『曇天に笑う』の冒頭で使われているサウンドトラックが流れて)


山口「(あ、この曲ですね。なんか……ジャパニーズ・トランスって感じですよね。)

本広「うん。和太鼓でこういう風にできるんだなって思って。そこからカメラワークとかカット割りとかも考えていきましたね、音からまず今回は。松竹映画なので、まず最初に富士山がバーっと流れるんですよ。そこに、和太鼓の音楽がドンドンって入ってくると、世界に行くような感じが……」

山口「違和感がありますよね、いい意味で。」

本広「そうなんですよね。頭にクレジットを入れるんですけど、アルファベットの英語表記にさせてもらって、これ、かっこいい映画だなーって。」

山口「これ、オープニングがね、ドローンでぐわーっといくじゃないですか。太鼓に合わせて、あの……あれして、あれするんですよね!(笑)」

本広「ははは(笑)。結構大変でしたけど、ああいうのをやると、映画の現場やスタッフが盛り上がりますね。」

山口「そして、GOCOOのメンバーもオープニングに出演されていて。」

本広「はい、出演していただいています。」

山口「僕もね、出たかったんですよ。ちらっと入り込む……みたいな。でも無理でした、時間がなくてね。」

本広「そうですねー。抜き(※)でも撮れたらなと思っていたんですけどねー。」

山口「ははは(笑)。抜きでね、それは嫌です(笑) でも、オープニングもすごいことになってます。」

(※ 抜き:ひとりだけ別で撮影すること)

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山口「今回僕たちに主題歌を頼むことで、もっくん的にはどんなことを望んでいたんですか?」

本広「やっぱり、時代劇ってどうしても大人のものみたいな感じがあるじゃないですか。子供たちはそんなに観てくれないかなっていうのがあって。」

山口「確かに、時代劇といえばおじいちゃんおばあちゃんが夕方とかに見る……みたいなイメージですもんね。」

本広「はい。それを、どうやったら若い世代に観てもらえるかなって。日本の和の美しさとか、もうちょっと砕けた感じにするのに、サカナクションの音はすごくいいなって。たまたま片山さんからご紹介いただいて、ごはんを食べているときに一郎さんの考え方って結構いろんなものをリスペクトして壊していく感じが、今回の映画にピッタリだなと思っていて。」

山口「僕ね、今回本当に難しかったんですけど、面白かったんです。」

本広「あ、本当ですか。」

山口「で、締め切りの本当にギリギリまで考えていたんですよ。実は、2パターンで迷っていたんです。」

本広「はいはい。」

山口「映画に本当に寄り添うパターン。歌詞が、曇天の世界観に完全に寄り添うものと、自分の考えを持って作っているものの2パターンがあって、今回はもっくんといろいろお話ししたりして。映画を作っていく上で、前から僕は思っているんですけど、映画のエンディングというか、主題歌って実はいらないと思っているんですよ。せっかく映画の世界観で終わっているのに、全然関係ない歌がバーンと入ってきて……僕、あれが本当に嫌だったんですよ。」

本広「うん、ありますね。」

山口「もっくんは、僕らに頼んでくれたっていうことは、いろんな理由はあるにしろ、映画の作品性として、映画に寄り添って作って欲しいっていう気持ちがあるんだろうなっていうのがあったから。あと、もっくんにとっても、曇天もそうですけど、その前の映画も、外に向かってチャレンジするというか、大衆映画に対する考え方と、舞台とかをやられていて、大衆ではないところをぶつけあって作っている、せめぎ合いみたいなものを映画を見ていて感じたから、そこに当てていかなきゃいけないんじゃないかと思って迷っていたんです。」

本広「なるほどー。」

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山口実は、「陽炎」は2パターン(世に)出そうと思っているんですよ。

本広「え、できたんですか?」

山口「それが……まだやってる(笑)。」

本広「(笑)」

山口「でもね、–movie version- は曇天のために作ったから、……曇天のためっていうよりは、正直に言うともっくんのため。もっくんと僕の曲なの。」

本広「いやー、嬉しい。そんな……」

山口「だから、この曲のタイトルは「陽炎 – もっくんver.- 」なの(笑)。」

本広「(笑)」

山口「だから、歌詞も映画に寄り添いすぎず、説明することが好きじゃないから、説明はしすぎず、映画の世界観に入り込みすぎず離れすぎないラインを狙ったんですよね。」

本広「あのね……最初は、僕が北海道に行った時、一郎さんが出来たよーってメールをくれて。もっとスローで悲しい方がいいかな……バラードの方がいいかなとかどこかで思っていて。でも、一郎さんから「いいでしょう?扉が開く感じで。」って言われて、イメージしていたものの形がどんどん変わっていく感じ。すごくいいですねー。めちゃくちゃ評判いいし。」

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山口「なんか、僕の中で、現代風演歌……ロック演歌じゃないけど、どこか日本の歌謡曲さが必要かなと思ったんですよね。」

本広「子供の頃に聴いた……堺正章さんの『西遊記』のね。」


(♪1978年〜放映されていた、テレビドラマ『西遊記』の主題歌 : ゴダイゴ「Monkey Magic」が流れて)


山口「そうそうそう!これこれ。」

本広「このゴダイゴさんの曲をイメージしたんですよ。……あ、どうしようって(笑)。北海道の空港で聴いてうおーってなって。あれは変な気分でしたよ。どんどん馴染んでいくんですよね。」

山口「救いがあるし、懐かしさもあるし、若い子たちは演歌をあまり聞かないけど、それを自然と聞き入れられるというか、コブシがきいていても違和感がない、みたいなラインを目指して。」

本広「なるほどー。それでがなり……コブシが。」

山口「ありでしょう?」

本広「あり!いやー……今、聞いて感動した(笑)。そうなんだー……。」

山口「ふふふ(笑)。あとね、メロディーがキャッチーすぎると、最後持っていっちゃうんだよね、映画をね。だから、いい温度で止めておいた方が、福士蒼汰くんとか中山優馬くんとかのかっこよかったなっていう雰囲気を壊さないかなって……」

本広「先生……めちゃめちゃ考えていますね、本当に。」

山口「めっちゃ考えてますよ。」

本広「普通、適当なタイアップとかだと、はい出来ましたって感じで、アーティストの方とは一切会わないですね。これでいいんですねって感じで、流れ作業のような感じにしちゃうんですけど。」

山口「本当はね、『曇天に笑う』も全部の音をやりたかったの。」

本広「マジですか……!」

山口「いまの映画って、映画館のサラウンドシステムが上手に使えてないんですよ、全然。」

本広「そうなんですよ、それはあるんですよ。サラウンドブームみたいなのがあるんですけど、どうしてもセンターに寄っていくんですよね。だんだん諦めちゃうの。」

山口「でもねー……いろいろあるはずなんですよ。」

本広「じゃあ、次やりましょう。次!」

山口「やるやる!」

本広「……!?」

山口「……あの……今ビクターから、"だったら締め切り守れ" っていう……(笑)。」

本広「身も蓋もない……(笑)。」

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さて今回の授業は、そろそろ終了の時間になってしまいました。

山口「今回は、3月21日に公開になる映画『曇天に笑う』の本広克行監督をお迎えしてお伝えしてきましたが、まだいろいろ話したりないじゃないですか。」

本広「そうですね、やっとエンジンかかってきた感じ(笑)。」

山口「映画のことももっと詳しく本広監督から聞きたいので、次回も監督にゲストとして登場していただけたらと思います。

本広「お願いします。」

山口「来週も、いろいろお話聞かせてください。よろしくお願いします。」

ということで、本広克行監督とのお話は来週も続きます!お楽しみに!
カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
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先週の予告通り、今回の授業でサカナクション初のベストアルバム『魚図鑑』の収録楽曲「陽炎 –movie version-」を特別オンエアしました。映画『曇天に笑う』の主題歌であるこの曲ですが、この–movie version-は映画館で聴くことができるバージョンです。
ベストアルバムは、3月28日リリースです。

そして来週のサカナLOCKS! では、映画『曇天に笑う』の本広克行 監督をゲスト講師にお迎えします。お楽しみに!

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今回のメイン授業は、「音楽ストリーミング配信サービス」についての授業を行ったときに募集した、宿題 [ 音楽ストリーミング配信サービスは、『多分、◯◯!』 ] に提出された生徒みなさんの回答を紹介していきます。

<復習>
*『ストリーミング配信サービス』とは?」の授業 [[→2018年1月18日の授業]

山口「ストリーミング配信サービス、十代の子はあんまり使っている人はいないかもしれないんだけど、これが多分、世界の主流になっていくんじゃないかと思っています。先生たちがベストアルバムを出す理由も、ストリーミング配信っていうものが主流になっていく時代の中で、CDっていうものの考え方はどうなのかっていうのを自分たちで見直すためにベストアルバムを出すっていうところもある。これをみんながどう思っているのか聞きたかったので、今日はその送られてきた宿題を紹介するぞ。」

3月になりましたが、優秀な回答を送ってくれた生徒には、サカナLOCKS!オリジナルの2018年 卓上カレンダーをプレゼントしていきます。

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★ 多分、夢!
私はストリーミングを利用しています。学生はお金がないから聞きたいCD全ては買えないし、レンタルもたくさん出来ないけど、音楽が好きだからもっと聞きたいと思い、ストリーミングを使い始めました。
今まではYouTubeでわざわざ調べて聴いていたので、聞きたい曲がある程度あるストリーミングは夢のようでした。
でも、手元に残しておきたいという思いも強いので、まずはストリーミングで聞いて、本当に気に入ったものは購入しています。
確かに曲が揃っていなかったり、音質の問題もあります。でも、新たなジャンルの音楽に触れる機会にもなるストリーミングはやはり、私にとって、多分、夢です!
ぱる
女/18歳/東京都




「へー。やっぱりYouTubeとかだと、検索して関連するものをクリックして聴いていくしかないけど、ストリーミングになるとジャンルを指定してそのジャンルの中でプレイリストが変わっていって、好きな曲をじっくり聴けるっていうのはありますよね。でも、それを手元に持っておきたいっていう気持ちがあってCDを買うっていうのは独特ですね。僕ら世代になると、逆にストリーミングで聴く音楽とCDやレコードで聴く音楽ってジャンルで分けているかもしれないなー。でも、いっぱい音楽と出会えて夢があるっていうのはよく伝わりました。」


「じゃあ、ぱるにはカレンダー、プレゼント……あ!(モノマネしながら)カレンダー、プレゼントー。ふふふ(笑)。タモリ倶楽部的なね(笑)。」

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★ 多分、一つのステップ!
ストリーミング配信サービスは確かに便利で、安い価格で膨大な数の曲を聴くことができます。しかしながらこれは音楽を背景として楽しむのなら良いけれど、音楽を音楽として楽しむのなら、高音質でアーティストの趣向が凝らされたCDの方が配信よりも優位に立つのではないでしょうか。
最近は自分の好きな音楽傾向を解析してオススメの曲をピックアップしてくれるようなサービスもありますし、ストリーミングは便利な一つのステップではありますが最終的に行き着く先ではないというのが僕の考えです。
トイロク
男/16歳/北海道




「なるほどね。確かにストリーミングの問題点はいろいろある。まずは音質ね。あとは、ストリーミングだから、自分でデータとして持っているわけではないから、価値みたいなものもちょっと違うよね。僕らが作った時の音楽をそのまま聴きたいっていう考え方が、一時期「ハイレゾ」として盛り上がってきたけど、ストリーミングっていうのが出てきてハイレゾ傾向も落ち着いてしまいましたよね。でも、彼が言うように、僕はテクノロジーの進化の一つのステップだと思うんですよ。だって、僕らが作った音も実はCDにするときにでさえ、音質を下げて入れているんですよ。なのでCD自体、僕らが作った音そのものではないんだよね。でもデータであればそれが可能になるかもしれない。僕たちが作ったそのままの曲をそのまま出来たその日に出来立てほやほやを聴けたりするような時代が、ストリーミング配信サービスで来るかもしれないっていうのも、実はストリーミングの夢なんですよね。そこに期待しているっていうのはある。だって僕らの今の仕組みは、作ってから発売するまで1ヶ月かかるわけ。だけど、ストリーミングだったらぽっと配信できたりするかもしれないわけじゃない?それも新しい時代の流れだったりするんじゃないかと思うので、彼が言う、一つのステップっていうのはすごく理解ができる。」

「なので……カレンダー、プレゼントー(笑)。……モノマネしながら言いたいだけだね(笑)。」

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★ 多分、2020年には若者は完全移行!
音楽を一定額で聴けることは、様々な音楽に触れやすい環境になるということだと思います。今まで聞いてこなかったものでも、まず聴くという糸口ができることによって興味を持つことができます。また、スマホが普及した今だからいろんな人との共有が可能になり、音楽がもっと活性化すると思います。つまり、音楽の雑食化です。自分はストリーミング配信を利用しますが、CDも買ったり借りたりします。ストリーミングでは配信用にビットレートが低くなっていたり、スマホのデータ容量を気にしなければならないので、あくまで入口にとどめ、気に入ったものをCDで入手します。個人的にはハイレゾとはいかないまでも、ロスレスでの配信を期待しています。
ゆーらりふあー
男/18歳/富山県




「おー。なるほど。彼も、”ロスレス※での配信を期待してます”って。そこなんだよね。(※ロスレスとは、極めて音質を落とさずに音楽データを保つ方法のこと) よく考えてみたら、今パソコンのハードディスクって1テラとか2テラとかあるわけでしょう?僕らの時代からすると、1テラってスーパーコンピュータ以上だからね(笑)。だって、512メガくらいのデータを運ぶのに、洋服箪笥くらいの大きいものを船に乗せるために押しているっていう写真があるのよ。そんな時代から考えると1テラなんて宇宙ですからね。でも、それってそんなに前じゃないからね。20〜30年前とかですよ。だから、これから30年後なんてひょっとしたらハイレゾのデータは今の僕たちからすると1メガないくらいの感覚になるかもしれないですよね。それに、インターネット回線の速さも5Gとかすぐですよ。ケータイの4Gからの5Gの移行がすぐですから。あっという間ですよ。そんな可能性がストリーミングには多いと。こういう肯定的な意見が多いですねー。」

「そんなゆーらりふあーには……カレンダー、プレゼントー。」

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★ 多分、損!
私は普段あまり音楽を聴きません。むしろ、音楽を聴く時間がないです。通学は自転車で聴けないし、勉強中も聞きません。
CDは買わず、iTunesで買います。
音楽ストリーイングサービスは、音楽を聴く機会がない私にとっては損!
たまき
女/18歳/静岡県




「あれ。音楽を聴かない人からすると、毎月何千円も払って音楽を聴くのは損だと。それだったらCDでもなくて、iTunesでダウンロードして買っちゃうよって話ですよね。だけど、今、iTunesでのダウンロードもなくなって、ストリーミングしかなくなるんじゃないかって言われているんです。……多分、先生の読みでだけど、これからストリーミングの時代になったら、スマートスピーカーみたいなものが、みんなが住んでいるマンションや家の壁に埋め込まれていて、みんなが払っている電気代やガス代の中に "音楽代" っていうものが入ってくるんじゃないかな。もしかしたらもっと包括されるかもしれない。ケーブルテレビとかの料金にそういったものが含まれていて、特別払っているっていう感覚はないまま、家で好きな音楽がストリーミングで聴けるっていう時代が来ると思うんだな。公共料金化する気がする。だから、たまきは音楽を聴かないっていうのは、自分から積極的にアプローチしないっていうだけで、自然に流れてくると、好きな曲を見つけたり、もっと音楽を聴きたいって思うようになる可能性はあると思う。」

「そんなたまきには……カレンダー、プレゼントー。」

SCHOOL OF LOCK!


今回の授業、一郎先生のまとめです。

「なんか、先生の話は「ストリーミングは素晴らしいものだ!」、「ストリーミングを利用しよう!」って言っているように聞こえているかもしれないけど、先生はCDを買うことをやめろって言っているわけではなくて、CDは残っていくと思う。だけど、もっと「物」としての価値をミュージシャンやレーベルが高めていくっていうのは必要なんじゃないかなって。ストリーミングっていうものが出てくることで、そこに発破をかけてくれることになるんじゃないかなと思う。両方の価値を高めつつ、結果的にみんながたくさん音楽を聴いて、音楽の価値やCDの方が音がいいとか、そういうことに気づいてもらうっていうのも僕たちにとっては大事なことだったりします。だから、CDもストリーミングも含めて、みんなが音楽を好きになってもらえたらと思います。」

ということで、今回の授業は終了です。
来週は、映画『曇天に笑う』の監督、本広克行さんがゲスト講師として登場します。お楽しみに。
ちなみに、サカナクション「陽炎」は、このダンス動画でも聴くことができます。

■映画「曇天に笑う」曇天ダンス〜D.D〜 サカナクション/陽炎




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