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April 2019 の投稿一覧です。
カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
SCHOOL OF LOCK!


山口「はい、講義を始めますから席についてください。Twitterを開いている人はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。YouTubeを見ている人はYouTubeを閉じなさい。講義が始まりますよ。」

気になる記事を見つけたので今日も発表したいと思います。」

■ 芸能事務所で相次ぐ労基違反 業界の体質と脱法の構図

NPO法人の方の記事なんですけど。"先日、大手芸能事務所に対する労働基準監督署の是正勧告が報道された。いずれもエンターテインメント業界を代表する事務所ばかりだ。"と。つまり、働かせ過ぎだと。普通のサラリーマンだと考えられないほど働いているから、ちょっと気をつけろよと。働いている人からもクレームというかブラックだって声が上がり始めていて、間違っているんじゃないの?っていう意見ですね。僕は音楽側のマネジメントのことしかわからないから、その話しかできないんだけど。……(サカナクションのスタッフの方を向いて)正直、休みないよね?業界の体質っていうよりかは、普通のサラリーマンみたいな業務じゃないっていうことも理解しなきゃいけないかなって思うし、双方に愛がないといけない仕事なのかなっていうところで、今回のこの問題はすごい難しいことだなと思う。」

SCHOOL OF LOCK!


「じゃあ、サカナLOCKS! 掲示板の書き込みを1つ紹介します。」


忘れられないの
今回使われなかった149の歌詞はいつか他の歌に生まれ変わりませんか⁇
聴いてみたいな

タマミ
女性/20歳/岐阜県


SoftBankのCM、「速度制限マン」篇が意外とバズっているそうで。(♪「忘れられないの」が流れてきて)……これね。プランナーは電通澤本嘉光さん。映像監督は田中裕介監督で、サカナクションが主題歌を担当した曲なんですけど。これは6月19日にリリースになるサカナクションのニューアルバム『834.194』の中にも収録されます。この曲を書く上で、歌詞を179パターン書いたのよ。CMの部分だけでも150パターンくらい書いたわけね。僕はそういう風にしか書けない人だから、1曲1曲に何パターンもあるわけ。それを他の曲に引用することは、まずないね。完成したものは……もちろん、自分の頭の中にいいリズムとか響きが残っていて、次書くときに思わずそれが出てきたりすることはあるけど、見直して使うとか、そのまま使うとかは絶対にないと思います。僕は、書いて出しちゃうと、その瞬間に古くなっていっちゃうんですよ。だからもう嫌いになっていっちゃうから、書いてそのまま出したい人なんですね。だから引用や他に使うっていうことはあまりしない。だからこの曲の150パターンのデータは消去しますね、多分。」

「それでは本日の講義内容を黒板に書く。」

SCHOOL OF LOCK!


「現在、サカナクションは全国ツアー『SAKANAQUARIUM2019 "834.194" 6.1ch Sound Around Arena Session』の真っ最中。300発を超えるスピーカーに囲まれた状態でお届けする今回のライブ。そのサラウンドの効果について講義を行う。これは、6.1chという非常にスピーカーをたくさん使ったツアーで全国を回っております。ただし、今回のライブは、圧倒的に立体音響の中で行われるライブであると。過去にサカナクションはそういったライブをやってきたんだが、アリーナツアーの全公演……つまり、東京と大阪だけじゃなく、地方でも全部。全部のライブをサラウンドでやるっていうのは初なんですね。「サカナクションは、サラウンド、サラウンドってよく言っているけどなんなんだ、わからない!」ということで、今日はラジオを使って2チャンネル(LとRのステレオ)でいろいろと説明していきたいと思う。ラジオは2チャンネルだぞ。」

「みんな、頭の中にイメージしてください。まず、ライブというのは前方にステージがあるよね。その右側と左側にスピーカーが置かれているの、分かる?黒いボッコーンとしたやつが天井に吊るしてある場合もあるし、ステージの上に乗っている場合もあるんだが、それがスピーカーね。これはヘッドホンやイヤホンのLとRと同じように、LとRでスピーカーが置かれているわけですね。これをステレオという。みんなが聴いているFMラジオ……これもステレオね。電話はモノラル。」

SCHOOL OF LOCK!


ここからはオンエア上での、ステレオ=LとRを利用した音の実験です。

「まず例えば、ステレオ(LとR)の状態で、ライブ会場の真ん中で音楽を聴くとこんな感じになりますよ。」

<音> 【会場の真ん中でライブを聞いた音像】

*左右の音の定位、楽器・ボーカルなどの音量バランスが良い。

「これは、(音の位置が)センターだよね。右と左がバランス良く保たれている。これが、スピーカーの左側で同じ体験をするとこんな感じになる。」

<音> 【会場の左側でライブを聞いた場合】

*ギターの音が大きい。
ボーカルの音が小さく聞こえる?

「ギターの音がでけーな!(笑) これはなんでかというと、ギター側にあるスピーカーに近いから、そこから出ている音がでかくなるわけ。つまり左側だね。ヘッドホンで例えると、左の方が音が大きく聞こえるってこと。左側にギターの音があるから、ギターの音が大きく聞こえるね。」

「次は、ステージから一番遠い席でライブを体験するとどうなるのか?」

<音> 【ステージから1番遠い席でライブを聞いた場合】

*会場の反響音が大きい。

「ちょっと濁るな。残響音があるね。音っていうのは空気を伝わってくるから、遠いといろんなものにぶつかって滲む。ぼやけて聞こえるし、遠くに飛んで行って抜けちゃっている音もあるね。フェスとかの後ろの方で聴くともっとぼやけていると思うけど、よくわかるよね。」

「サラウンドライブっていうのは、皆さんがいる会場全体を、約300発のスピーカーで囲んでライブを体験するっていうのがサラウンドライブなのよ。なんでそんなことをするかっていうと、左側にいる人も右側にいる人も一番後ろにいる人も同じお金を払っているのに、場所によって違う聞こえ方ってちょっともったいないじゃない。それに、右と左だけで音楽を作りたいと思っても、もっと左の上の方から音を鳴らしたいとか、この音は後ろを通って前にきたいとか、表現したいことがありあまっているけど、LとRしかないと出来ないっていうことがサカナクションは続いたんですよ。だからサラウンドでスピーカーを囲んで、音を回したり、表現する手法を増やそうっていうこともあって、サラウンドっていうのをやってみたのね。」

SCHOOL OF LOCK!


「じゃあ、サラウンドだとどんな風に聞こえるのか。ライブに来た学生たちの感想書き込みを紹介していきたいと思う。


SAKANAQUARIUM2019
サカナクション先生2日間のライブお疲れ様でした!
私は初日にプラチナムエリアで6.1chサラウンドシステムを初めて体験しました。音が波のように迫ってきて、それにのって会場がゆらゆら揺れているような感じがしました。映像、光、音、パフォーマンス、すべてに包まれてそのまま吸い込まれてしまいそうでした。こんな感覚初めてです!チームサカナクションの皆さん、素敵な時間を創っていただきありがとうございました!
今年は受験生なので、夏のイベントには行けませんが、次は友人も誘って行きます!

新聞同好会長
女性/18歳/山梨県


「そうなのよ。前からしか音がこないことに慣れていると、サラウンドだと横からバシーンとくるのよ。だから、前、横、後ろっていう音に包まれるっていうことが新鮮になるわけだな。音が波のようにゆらゆら揺れるわ、光がバシバシくるわ、真っ暗にもなるわ……なんかよくわからないな……初体験だな……っていう(笑)。」


6.1チャンネルサラウンドツアー
ライブお疲れ様でした!
幕張メッセでのライブに参加してきました。
今回6.1チャンネルサラウンドを初めて体験してきました。
音に包まれてるだけじゃなく、音が身体中に響いて来て、服が音圧で押されてました!笑
音が移動しているのも感じられて、臨場感がすごくありました。
映像がきれいで、音楽をより盛り上げるものになっていて、すごく楽しめました!
新曲も何曲か披露されて、どれも良い曲だなと思いました。
アルバムの発売日、6月19日が待ち遠しいです!!!!

フルノリ
男性/29歳/東京都


「そう。やっぱりいい音っていうのは、一度体験するとそうじゃない音に気づくんですよ。でもそれは一回体験しないとそう思わないわけじゃないですか。だから、僕らは敢えてこれをスタンダードにしようと思って。(チケットは)ソールドアウトしたけど赤字なんですが、トライしたということでね。」


834.194 6.1chサラウンド
初日参戦しました!
凄く楽しみであれこれ想像して参戦しましたが、僕の想像の遥か上空を行くすんごいライブでした!
今回は前から2列目で今までで一番前で見れたんですが、「.1」スピーカーの多さにまず驚いたし、知ってる曲の中に知らない音があらゆる方向から鳴ったり(意味不明でスミマセン)、映像も光も演出も凄すぎて、汗と涙と鼻水と興奮でぐしゃぐしゃになって燃えまくりました。
前のほうだったので臨場感とかは凄かったんですが、演出全体を見るのに何度も後ろを振り返ってしまうほど、会場全体が見たいところでいっぱいでした。本当に本当に楽しかったです。
ありがとうございました。

てるっぽ
男性/15歳/東京都


「こんな感想が寄せられていますが、これはライブに来ていただいて体験してもらうのが本当に何よりなんです。皆さんの周りを300発以上のスピーカーが囲んでいるということで、他で例えると何なのかな……そうだな……朝起きてシャワー浴びようと思って、蛇口をひねったら壁中からシャワー出る!みたいな(笑)。「おっとととと!」みたいな。洗車みたいな感じだね(笑)。ここから出るだろうと思っていた所以外のところからも出るっていう。だから良い違和感というか、びっくりもあるんですよ。でもそれは良いびっくりで良い違和感であると思うんだが。」

SCHOOL OF LOCK!


ここで再び、オンエア上で音の実験をしてみます。

「このラジオは2チャンネルだからサラウンドっていうのを表現するにはバイノーラルマイクとかそういったものが必要になってくるんだが、どういう感じかっていうのを(LとR=2チャンネル)ラジオでやってみるぞ!」

「例えば……」

「(右側から) はい!右側の山口一郎です!山口右郎です。」

「(左側から) はい!左側の山口一郎です!山口左郎です。」

「(後ろから) はい!後ろの山口一郎です!山口後郎です。」

「(前から) はい!前の山口一郎です!山口前郎です。」

「これが、それぞれのスピーカーから流れていて、これがいっぺんに流れるとこうなります。」

「(前後左右、4方位からすべての声が同時に聞こえる)!!!」


「この真ん中でライブを体験している状態です。……分かったかな? いろいろ難しい所もあるんだけど。バイノーラルっていうものを使ったらもうちょっとわかりやすいんだけど、バイノーラルはヘッドホンやイヤホンをしないと体験できないものだから、ラジオでやるのは難しいんですよ。」

SCHOOL OF LOCK!


サラウンドっていうのはライブに来てみないとわからないので、是非遊びに来てもらいたいと思います。ラジオでは限界があるので……来たら分かる!今回のライブですが、会場をスピーカーで囲んでいる中で音の聞こえ方が場所によって違うので、チケットは、"プラチナム""スペシャル""レギュラー""スタンド"という風に値段を変えて販売しています。この中でも音の聞こえ方は変わってきます。スタンド席っていうのは端っこだから、「音が回っているのを俯瞰で感じる」感じ。外から音を回っているのを見るっていう感じになるかな。真ん中にいる人は、「音が右行ったり後ろに行ったり前に行ったり」するよね。後ろの方は、「音がものすごく向こうに行ってこっちに戻ってくる」というか。バランスが違うっていう。だけど、どの席も絶対にいい音であるのは間違いない。だってスピーカーの数が違うんだもの。」

「チケットの値段を変えること自体珍しいし、これをやったときには、一時期いろいろ言われたの、お金ない人はプラチナムを取れないじゃないですかって。でも、頑張って続けるから、大人になってお金を稼ぐようになったらプラチナムで来て!っていう……これはね、全員分均等にするのは無理だわ、お金的に。レギュラーで7000円でも、絶対に安いから。もう、ギリギリ赤字になるようにやってるから(笑)。しかもね、グッズが売れないんですよ。グッズが売れないと回収できないし、それくらいやばいくらい赤字だから、是非、グッズも買っていただきたい。ネットでもグッズは買えるので、お願いいたします。」

SCHOOL OF LOCK!


今回の講義も終了の時間になりました。

『SAKANAQUARIUM2019 "834.194" 6.1ch Sound Around Arena Session』未来のコンサートとはこういうことだと、みんなに1回でいいから良い音を体験してほしいと思って赤字覚悟でやっているコンサートです。体験しに来てください!この後も続きます。」

「サカナLOCKS!は木曜日に比べるとちょっと長くなったのかな?だからいろんな話もできるけど、新しいコーナーも大人向けなのがいっぱい始まるよ。前回のエロい音楽っていうのもあったし。いろいろアダルティなのからアカデミックなものもやっていくので、楽しみにしていただけたらと思います。」

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カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
SCHOOL OF LOCK!


山口「はい、講義を始めますから席についてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。YouTubeを見ている人はYouTubeを閉じなさい。講義が始まりますよ。」

「ちょっと気になる記事があってね……」

■ツーブロックはダメ?校則に疑問の声 学校「高校生らしくない」

西日本新聞の記事。簡単に言うと、ツーブロックっていう髪型が学校で禁止だと。なんでツーブロックがダメなの?っていうことがこの記事に書いてあるんだけど。髪型って、先生たちの時代からすると、金髪、リーゼントは絶対にヤンキーみたいな(笑)。女子も夏休み終わると茶髪にしてきて、先生に「お前ちょっと……」って。そういうのはあったけど、今の子たちってそういうのないですよね、多分。……あるのかな。だから、高校生になったから高校生らしくしてほしいみたいな学校の要望に対して、高校生にとっての高校生らしさみたいなものが変化しているのに、学校側がその倫理についていけていないっていうところですよね。僕が思うのは、国公立はもう自由でいいのかなって、逆に。私立だとお金を払ってわざわざそこに行くわけでしょ。だったらその学校のブランディングに付き合わなきゃいけないとは思うけど。だけど、国公立は比較的自由で……あと、先生とかがどういう人たちが多いのか僕は知らないけど、「あいつちょっと最近おかしくなってきたな」とか、「態度が悪くなってきたな」「茶髪にしたな……ちょっとお前、大丈夫か?」って、その合図としての服装の変化と捉えるのか、ファッションでやっているのかっていう空気を感じ取れなくなってきているんだな……っていうのを、この記事を見て思いましたね。」

「それでは、本日の講義内容を黒板に書く。」

SCHOOL OF LOCK!


SCHOOL OF LOCK!


「学生諸君、高校生もまだ隠れて聴いているかもしれない……だけど、ほぼ大人の時間帯ということで、竹に例えるとだな……今までの君らは竹の子だったんだ。……もう、竹だ!(笑) だから、今日はエロい音楽という講義を真面目にやってみたいと思う。

音楽とセックスについてまず話す。みなさん、音楽を聴くことでやる気が起きたり、リラックスすることってあると思う。匂いでもあるよね。例えば、家に帰ってきてラベンダーの香りがするとほっとするとか、お風呂の入浴剤とかもそうじゃない?音楽も匂いも目に見えないけど、人間の気分をコントロールするものとしては同じ効果が働くものだと思います。そういう部分で、音楽を聴くということで感情をコントロールすることができる……つまり、エロい気持ちになる。そんな人もいると思うし、そんな音楽も存在する。しかし、それはあなたが他の誰かよりも、どエロいということではない。音楽によってそういう気分になってしまう……そういうことはしょうがないことだと。」

「昔ね、本当にナンパが大好きな同級生がいたの。彼の家に行くと、必ずダウンライトでNujabesのジャズが流れていて(笑)。「こいつエロいな……!」って思ったわけ、先生は。」



「……それは正しいか正しくないかはわからないが、そういう演出として女の子を家に招いた時に、そういう演出をしているという部分で音楽を利用していたわけね。実際、一説には音楽を聴いて感動する時に働く脳の部位と、セックスによって快楽を感じる時に働く脳の部位が同じ部分という……そういう研究結果もある。でも、音楽には人を性的に興奮させる作用があるとも言われている。例えば、(踊る方の)クラブで女性が開放的な気分になったりするのは、低音が女性の子宮を刺激することで気分が開放的になるんじゃないかっていう話もある。だから、女性がクラブミュージックが好きだっていうのはそういうところもあるみたい。」

SCHOOL OF LOCK!


今回は実際に音楽でエロっていうものを表現しているものをいくつか聴きながらお話ししていこうかなと思います。まずね、実はとんでもなくいやらしいことを歌っている洋楽……ふふふ(笑)。英語だと、歌詞は英語をわかる人はわかると思うけど、知らず知らずのうちに僕らにインストールされているどエロい音楽があると。特報班から情報が入ってきたから(笑)。それを聴いてみようと思う。」

「例えば、昨年日本でもさまざまなストリーミングチャートで洋楽チャート年間1位をとったこの曲。聴いたことがある人も多いと思う。Ed Sheeran「Shape Of You」という曲ですね。」

■Ed Sheeran - Shape of You [Official Video]



「グルーヴとしては気持ちいいし、言葉のリズムもいいし歌い方もメロウだよね。これは洋楽に詳しくない人も聴いたことがあるんじゃないかな。こんなお洒落な……ポンポコポンポン、ポンポン……っていっている曲の歌詞!要約すると、"バーでショットを飲んで、君はそんなに軽い女の子じゃないかもしれないけど、こっちにおいでよ。僕が体を触ったりするのは変かもしれないけど、腰に手を当ててついておいでよ。"……ポンポコ、ポンポンみたいな曲ですよ(笑)。こんな歌なんだなー。でも、そんなにエロくはないけど、露骨だよね。日本人の歌でもギリギリこれくらいのものはあるかもしれないけど、日本だとやっぱり露骨な歌詞だとちょっと嫌悪感があるよね。でも、海外だと結構そういうのはある。」

SCHOOL OF LOCK!


「続いて紹介するのは、ブルゾンちえみさんの35億のネタで有名になった曲。なので、聴いたことがあると思う。Austin Mahone「Dirty Work」。」

■Austin Mahone - Dirty Work (Official Video)



「(サウンドは)ちょっと90年代の感じ、音はバッチリだね(笑)。"Dirty Work"っていうのは、"残業""汚れ仕事"っていう意味で訳されるんだけど、この"Dirty"っていうのはダブルミーニングで、"いかがわしい"っていう意味もある。だから、"いかがわしい仕事"とすると、これが何を指すのか。歌詞の中で、「君のために毎日残業しているよ」というのを見ると、よく働くパパのイメージなんだけど、「君を喜ばせるために毎日いかがわしいことしてるよ」という風に捉えることもできる、と。多分、両方の意味を込めて歌うんだけど、このサウンド的な要素……90年代のダークでミニマルな感じ。」

(曲のフレーズに合わせて)
「ドゥンドゥン、ドゥドゥン、ドゥドゥン、"Dirty"
「ドゥンドゥン、ドゥドゥン、ドゥ、"いかがわしい" (笑)」

「ちょっといかがわしい要素もサウンドの中にあるんじゃないかっていうね。ダブルミーニングとはある種……隠喩しているってことやな。」

「歌詞の中にエロスを匂わせるっていうことは日本人もやる。桑田佳祐さんとかは露骨に「マンピーのG★SPOT」とかやったりしますけど……ある種、それはコミカルな要素として使うっていうことがあって、露骨にエロさをストレートに作るのは……ジャニーズの曲とかではたまにあるかな。そういう匂いがちらっとするものは、たまにある。だって、Sexy Zoneってユニット名とか、Kis-My-Ft2ですよ。そういう匂いがユニット名からあるわけだから。」

SCHOOL OF LOCK!


「続いて、MVを含めて直接的にエロい曲を聴いてみましょう。去年グラミー賞を総なめにしたBruno Mars。2012年にどエロい曲をリリースしていました。「Gorilla」という曲です。」

■Bruno Mars - Gorilla (Official Video)



「MVはストリップ小屋でポールダンスをしている女性がいて、官能的な映像が入ってきて……もう下着になっちゃったよ。後半ではその女性がBruno Marsと車の中で、………ですよ(笑)。歌詞も簡単に言うと、"ゴリラみたいに激しく愛し合おう"ということを歌っていると。他にも、歌詞の中にドラックとかも出てくるので、この歌詞を日本人が歌ってMVを作ったとすると日本でヒットするかと言われたらヒットしないだろうなと。ある意味、炎上するかもしれないね。知名度がある人だと余計に炎上してしまうんじゃないかと。日本の曲の中にあるエロスっていうのはこういう直接的なものではないかなと思うけどね。」

SCHOOL OF LOCK!


じゃあ日本の曲の中にも何かエロスを感じるものがないかというと、有名な曲にありました。これは先生も知ってるよ。忌野清志郎さんがボーカルを務めていたRCサクセションというバンド。1980年にリリースした「雨上がりの夜空に」という曲。知っている人も多いと思います。いろんな人がカバーしているすごく有名な曲です。」




「これは一見、自分の車の調子が悪いことを歌っているように聞こえるんだが……例えば、"雨にやられてエンジンいかれちまった 俺らのポンコツとうとうつぶれちまった"とか、"バッテリーはビンビンだぜ""こんな夜に おまえに乗れないなんて""こんな夜に 発車できないなんて"……これを、車じゃなくて恋人とのセックスに置き換えると全く違った曲に聞こえますよね、っていう話。それを歌っていないんだけど例えている。違うものに置き換えているんじゃないか……っていう話もある。真相は、当時RCサクセションがセールス的に伸び悩んでいた時期で、CHABO(仲井戸麗市)さんっていうメンバーの方と、これからもっと行こうぜ、ぶっとばして行こうぜっていう意味を込めてつくられた歌だったんですよ。だけど、捉える側の気持ちによって、そういう風に捉えることもできる曲だと。極めて日本的ですよね。あと、ロック的であると。そういう気持ちを隠し持っているというか。僕はこれは素晴らしい日本の音楽だと思いますね。

SCHOOL OF LOCK!


「ということで、いくつか楽曲を紹介してきたんですが、今回は歌詞の内容を中心に紹介してきました。エロスっていうのは音楽の題材にしやすいかっていうと……先ほどの話じゃないが、君たちが社会人になって、初めての一人暮らしをしている人もたくさんいると思う。同じ会社の社員といい感じになって、「うちに遊びに来る?」って女の子を呼んだり、彼女が「うちに遊びに来ない?」って呼んだ時、無音は耐えられないじゃない。ちょっと空気を作ろうと思ったら、音楽流すじゃない。その時「どんな曲を流す?」って話になるじゃない。その先に進みたかったらこういう曲かなとか、とりあえず第一段階、突破するためならこの曲かなとか……わからないが、先生はそういう卑猥なことは。いろいろ考える上での音楽っていう手法はあると思うんだな。だから、そういう需要はある。その需要に合わせて音楽はつくられているということもありますな。先生がエロスをテーマに曲を作るとしたら、もう少し現代詞的な感じになっちゃう気がするし、新しいアルバムにもそういう……エロじゃないけど、隠れテーマを持った曲があるの。だから、いろんなものをテーマにしてみようと思う。」

先生が音楽で表現できない、絶対無理だなって思う感情は、"恐怖"。目で見えて感じる恐怖に音だけで勝つことは難しいね。しかも、それをエンターテイメントにするのは難しい。怖いっていう感情よりは、エロいとか官能的っていう方が多分作りやすいんじゃないかと思う。きっとみんなそういうことを歌にしていると思うけどね。だから皆さんが普段聴いている曲の中にもこういうのがあったんだよっていうことと、普段音楽を聴く時、好きな人が家に来る時にどんな音楽をかけますかっていうところのお話でした。」

SCHOOL OF LOCK!




「今回の講義のエンディングテーマは、1975年にリリースされたディスコ・ミュージック、Donna Summer「Love To Love You Baby」という曲です。これはダンス・ミュージック界では超有名な曲なんですけど、聴いていただくとわかるんですが、女性の喘ぎ声がどんどん大きくなっていくんですよ。喘ぎ声が曲の中に入っているものは多い。特にダンス・ミュージックでは多いんですよ。だから、ダンス・ミュージックというものの機能性として、そういった要素が強いと考えられているところもあるのかなと思うね。別に僕はこれをいやらしいとは思わないけど……(曲に耳を傾けると喘ぎ声が聞こえる)……いや、いやらしいね!(笑) いやらしいわ!いやらしいけど、こう……煽るっていう気持ちはあるんじゃないかと思う。歌詞もここで言うのは恥ずかしいくらいだから、調べてみたらいいと思う。でも、音楽っていろんな使われ方をするので、こういったものもあるというのをサカナLOCKS!の生徒にも知ってもらいたいと思いました。」

「ちょっとね……UNIVERSITYのサカナLOCKS! は、アカデミックなことをやっていくので、こういった過激なものもあるけど、親と聴くのが恥ずかしかったら、ヘッドホンで聴いちゃお!ふふふ(笑)。」

SCHOOL OF LOCK!
カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
山口「はい、講義を始めますから席についてください。大学生になってもマンガを読んでいる場合じゃない!Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。講義が始まりますよ。……まあ、でもマンガは面白いけどね。……つげ義春!と、ひとつ(笑)。」

「先週から、ここSCHOOL OF LOCK! UNIVERSITYで講義を担当しております、サカナクションの山口一郎先生です。この時間は、音を学ぶ、音で学ぶ、音に学ぶ "音学"の講義をお届けしてまいります。講義っていうのも言いにくい(笑)。いい慣れてないね……授業って言いたくなってしまいますが。サカナLOCKS!はこのUNIVERSITYに引っ越して2回目。心機一転、しっかりとした講義をやっていきたいと思う。」

SCHOOL OF LOCK!


今回は、このゼミを受講している学生の諸君に、提出していただく課題を出していきたいと思う。先生はSCHOOL OF LOCK!の時代から宿題が多いことで有名だった。もちろん、講義なので課題を提出することはマストである。こっそりこの講義にまぎれこんでいる高校生もいるだろう。高校生には合わせない……飛び級するんだ。FC東京の久保建英選手みたいな生徒も参加してほしい。」

1つ目の講義は……

『音楽業界就職相談室』

「UNIVERSITY的には。これは、レコードメーカー、事務所、スタジオ、ライブ制作会社から、ラジオ局やマスコミ、広告代理店、スタイリングやヘアメイクなど、将来幅広く音楽に関わる仕事をしたいと思っている諸君の相談に乗り、導いてあげたい講義である。一体どんなことを勉強したらこういう職業に就けるのか……この職業っていうのはどういうものなのか……そこで働きたいと思っている人もこの講義の中にはいると思う。今レコードメーカーを選ぶならどのメーカーがいいのか……そもそもレコードメーカーを選んでいいのか。配信会社のほうがいいんじゃないか。そんな就職に悩む生徒の相談に乗っていきたいと思う。レコードメーカー以外にも、音楽に関わる仕事もある。なので、どういった仕事があるのかっていうのを紹介しながら相談に乗っていきたいと思う。」

「先生、武蔵野美術大学というところで何度かお話をさせていただいたことがあって。そこで生徒に相談されたことがある。「ライブの照明の仕事がしたいんです」って、武蔵美の大学生に言われたんですね。僕は、その相談に乗った時、「大学に行っている場合じゃない。ちょっと遠回りになるんじゃないかな。」と言いました。僕が一番いいと思うのは、現場に入って誰かの下に入ることが一番早いと思うんですよ。そういうのも知らないと、本当になりたいって思った時にちょっと遠回りになってしまうこともあると思うんだよね。だから、ここではしっかりと紹介していきたいと思う。」

SCHOOL OF LOCK!


続いての講義は……

『マイノリティ相談室』

「マイノリティ……社会的少数派とも言う。マジョリティというのは、多数派のことを言う。そのマジョリティの中で、何かしら苦労をしているマイノリティの人たちから相談を受ける授業である。もちろん、音楽の趣味でのマイノリティの人もいると思う。先生は、小学校、中学校、高校と、音楽の趣味が共通の人は一人もいなかったと言っても過言ではない。バンドをやり始めてようやくいろいろとシェアする人が出てきたが……なかなかその時に相談できなかったり、みんなが好きって言っているものの良さがわからなかったりして苦労した思い出がある。しかし今、先生はミュージシャンとして音楽を届ける側に回っているんだが。サカナクションが好きという人は、小中高では今完全にマイノリティ扱いだろう。「なぜLDHを聴かない!」「なぜジャニーズを聴かない!」「なぜ坂道シリーズを聴かない!」「なぜお前はサカナクションを聴いているんだ!」……そんな言葉のひとつやふたつ、浴びせられてきたと思う。……あるよな?そういう経験。そういう学生とお話ししていこうかと思う。」

「実は、ニューアルバムにマイノリティをテーマにした曲がある。この曲はすでにLIVEでは披露しているんだが、今回のアリーナツアーでもやっています。僕はね、みんなが好きって言っているものを好きだって言うのは恥ずかしいっていうマインドだったんですよ。みんなが聴くものはあえて聴かなくて、自分の好きなものを探すっていうこと、みんなが知らない中から探すっていう……そういう傾向があったのね。学生の中にもいると思う。自分が最初に好きだと思っていたインディーズのミュージシャンが、メジャーデビューしてみんなが好きになるとちょっと気持ちが冷めていく……そういう経験があると思う。そういうところはわかる。なので、マイノリティを選択するということを僕は新曲にしたんだが、そういうテーマにしたこともあって、今回の講義にしよう思っている。」

「このマイノリティ相談は、音楽だけに限りません。中には性的マイノリティの人もいると思う。社会的マイノリティの人もいると思う。僕自身は、性的マイノリティではないんだが、僕もある種、社会的マイノリティではある。僕は今、年齢が38歳。38歳で独身っていうのって、結構見られ方が厳しいなと。僕は社会的に……38歳で独身だっていうことで、僕を見る女性の目が…… (笑)。なんか問題がある人って思われる。東京ではそうではないが、これは田舎に行ったり実家に行ったりすると、なにかこう……サディスティックな人なのかなとか(笑)。バツイチ?って聞かれるくらいですからね。だから、そういったマイノリティは自分の中にもある。今回性的マイノリティの人とも話してみたいなと思うんです。なんでかっていうと、マイノリティっていうものを曲のテーマにする時に、社会的にどんなマイノリティがあるのかを僕は調べたんですよ。そうすると、性的マイノリティの人たちの相談ごとみたいなものも、たくさん見たんですね。そういう人たちが言っているのは、自分がそうだっていうことを発言できないから相談できないと。そのことを話せないと。僕は、このマイノリティ相談室で今まで人にそういうことを話せなかった人が、声を変えたりしてもいいし、自分のことを話す場になったらいいなと。僕はそれを経て音楽っていうものにしていきたいと思うし。学生諸君にも、そういう人たちがどういったことを考えているのか。どんな音楽指向があるのか知れるっていうのはいいことかなと思っています。なので、自分がマイノリティだと思うものを持っている人は、ぜひ書き込みください。」

SCHOOL OF LOCK!


続いては、音学ゼミのレポート課題を出していきます。

まずは……

『音楽遍歴履歴書』

「これは、SCHOOL OF LOCK! 時代にもやったが、皆さんが大人になり、音楽履歴書も更新していると思う。これは就職に役立たないかもしれないが、皆さんがどんな音楽を好きになって今に至るのか……ジャニーズから始まり、ロキノン系のバンドと出会い、そこからクラブミュージックに出会ったなど、皆さんの音楽遍歴を教えてくれ。……教えなさい!先生は、始めて買ったCDは、B’zの「太陽のKomachi Angel」で、今は、大相撲の始まる前とかに鳴っている"はね太鼓"ってあるな。はね太鼓かっこいいぞ。はね太鼓にはまってる。だから、B’zからはね太鼓っていう(笑)。B’zから雅楽にいったからな。この音楽履歴書は相当なものだと思う。だから学生のみんなもいろいろあるよね?小さい頃はオザケンを通って、今は何を聴いてる……とか。この年齢になってジャニーズを聴き始めた人もいると思うんだな。その履歴書みたいなものを書いて送ってもらいたいと思う。」

SCHOOL OF LOCK!


続いては……

『大人が欲しいツアーグッズ』

「これは、子供っぽいグッズ……「こんなものが欲しいです!」みたいなのはすべて却下していくぞ。大人というものは、いろんなものをちゃんと加味する。大学生くらいになったら、グッズはいくらくらいのコストでいくつ作ったらどうなるのかとか、そういったものを加味した上でプレゼンして欲しいと思う。全国アリーナツアー中のサカナクションですが、そこでもツアーグッズをたくさん売っています。ツアーグッズは、そのミュージシャンのタイプによって販売するものも変われば、そのファン層によっても変化します。……よく言われるのだ。「こういうグッズを作ってください」とか、「いつも同じ感じで飽き飽きしています」とか……いろんなことを言う人がいる。いろんなことを言う人がいるのは当たり前なんですよ。良いっていう人もいれば、ダメっていう人もいる。ダメっていう人たちだけに対応していくと混乱していくし、ダメって言っている人たちの意見を無視するのも良くないと思うが、信念を持ってやるというのが大事だと思う。つまり、コンセプトですな。大人が欲しいツアーグッズレポートということで、信念やコンセプトをもって、こういうものを作ったらいいんじゃないか、こういったものが欲しいとか、これだったらたくさん作ったらコストも安くなるし、いいだろうとか……そういったものを考えてレポートを送ってもらいたいと思う。ちなみに、サカナクションのグッズは、平林奈緒美さんっていうデザイナーの方……THREEっていう化粧品ブランドのデザインだったり、みんなが見たことがあるものをデザインしている人ですね。なので是非サカナクションのグッズも見てもらいたいんですが。大人が欲しいツアーグッズレポート、送ってください。」

SCHOOL OF LOCK!


3つ目のレポート課題は……

『この曲が売れた理由 分析レポート』

「今年この曲めっちゃ売れたな……とか、何年前のこの曲すごい売れたよな……とか。なぜこの曲が売れたのか、それぞれ分析して送っていただきたいと思う。みんながこの曲、この曲……と選んでいくと最初は難しいと思うので、今回は課題曲を用意しました。皆さんに分析していただきたい曲は……」

「米津玄師の「Lemon」。」




MVが3億5000万回再生、CDと配信で売上枚数が200万枚超え。年間カラオケランキングで1位。なぜこの「Lemon」はここまで広まったのか……皆さんなりに分析したレポートをお待ちしています。音楽の聞かれ方が変化していくので、今と昔ではヒット曲の生まれ方やアレンジ、歌詞の内容も違うと思う。そういったことも加味しつつ、現代に生きる皆さまがこの曲をどう評価したのか、なぜ売れたと思うのか意見を聞かせていただけたらと思う。」

そろそろ今回の講義も終了の時間になりました。

「これ以外にもいろんなことを講義としてやっていきたいと思うが、もう少しクリエイティブな部分でもUNIVERSITYではやっていきたいと思う。過去にいろいろやってきましたが、もっとやりやすくなると思いますし、音楽にまつわる職業シリーズのプロモーターの授業やバンド名しりとりNEO(笑)。これも、大人のハイレベルな戦いをUNIVERSITYでは開催したいと思うので、楽しみにしていただけたらと思う。」

「みんなもうすぐ10連休がやってくるということで……素晴らしいね、10連休。みんな何するんだろう?先生だったらグアムに行くなー(笑)。まあ、その間にレポートを書くようにな。これは講義だから、特に3つのレポートは必ず提出するように。そして、こんな講義をやって欲しいという意見も募集しています。」

宿題の提出は、➡ [コチラ!]

SCHOOL OF LOCK!
カテゴリー: サカナクション
投稿者: nakashita
SCHOOL OF LOCK!


山口「はい、講義を始めますから席についてください。マンガを読んでいる生徒は……さすがに、大学だからマンガを読んでいる生徒はほとんどいないと思います。Twitterを開いている生徒はTwitterを閉じなさい。Instagramを開いている生徒はInstagramを閉じなさい。講義が始まりますよ。」

山口「今日から、ここSCHOOL OF LOCK! UNIVERSITYで講義を担当することになりました、サカナクションの山口一郎先生です。3月まで、SCHOOL OF LOCK!の方で授業を担当しておりましたが、4月よりこのUNIVERSITYに赴任して参りました。」

山口「先生は、SCHOOL OF LOCK!の方ではかなりのスパルタな授業として有名でしたが……生徒諸君、大学に合格したらそこで終わりじゃないよ。大学生なりの夜の乗りこなし方というのがあるはずだ。高校時代、あなたたちが頑張ってきた勉強。大学に入って終わりじゃなく、それから始まる社会への準備。それをこのUNIVERSITYで、音学(おんがく)という目線で、皆さんと一緒に学んでいけたらと思う。むしろ、ここからが社会の荒波に向けてだな、準備するということだ。その最初の一歩ということになるわけだな。」


山口「そして、今日は最初の講義ということで、この教室にSCHOOL OF LOCK! UNIVERSITYのマンボウやしろ教授も来てくれています。」

SCHOOL OF LOCK!


やしろ「こんばんは!よろしくお願いします!」

山口「(笑) よろしくお願いします!」

やしろ「まだ “教授” という名前を持て余しているというか……やっぱり日本における教授っていうのは、本物の教授はたくさんいるけど、こういうメディアの、音楽とかは……坂本(龍一)さんしかいないわけじゃないですか。そこにうっすら近づけようとしているというか……かぶっているというか。」


(♪「戦場のメリークリスマス」が流れてきて……)


山口「あ、聞こえてきた。」

やしろ「もう、申し訳ないっていうか。恥ずかしさしかないから。」

山口「ははは(笑)。でもそれは例えば、僕が教授になったら、それは本当にやばいと思いますよ。自分で坂本龍一教授の後を継ごうとしている……みたいな。」

やしろ「それは本当にやばい。なんだろうね……正当なるというより、奪いに行った感じのニュアンスが出るでしょ?」

山口「出ちゃいますね……。(戦場のメリークリスマスを聴きながら) 寂しい気持ちになる。」

やしろ「ほら……ミスター・ローレンスって言いたくなるような。」

山口「なりますね……。ふふふ(笑)。」

SCHOOL OF LOCK!


やしろ「あの……どうしていきます?」

山口「元教頭の時に向けていた先は10代の生徒ですよね?」

やしろ「そうです、全国の生徒です。」

山口「でも、このUNIVERSITYはある種、大人の階段のぼる大学生。」

やしろ「10代もいるかもしれないけど、二十歳超えている子もいるかもしれないし。」

山口「高校生がいたとしても、ある種、夜更かしする……」

やしろ「そうね。聞いちゃいけない放送を聞いているような背徳感というかね。」

山口「悪いことをしているかもしれない……っていう気持ちが20%くらいある生徒なわけじゃないですか。そういう生徒の期待を裏切らないような内容にしていきたいなと思いますよね。」

やしろ「生き方、SCHOOL OF LOCK!では扱えないゴシップ、お金の話……」

山口「お金の話……」

やしろ「生き方とかお金の話は切っても切れないところがあるじゃないですか。あんまり学生にお金の話はできないところもあるし。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「そうですよね。だから、マネタイズっていう……音楽業界のマネタイズっていうのをリアルに話したいなとは思いますね。」

やしろ「……マネタイム?」

山口「マネタイズ。」

やしろ「マネタイズ?……その……お金のこととか。この後、いろんな話するんでしょ?大人の話。」

山口「ははは!(笑) アルバムのね。」

やしろ「そうそう、この後するんでしょ?だから俺は早々と帰ろうと思ってるのよ。とりあえず、ここからは出ようと思ってる。この後すごい話するでしょ、リアルな。」

山口「ははは(笑)。まあ、あるんですけどね。でも、マネタイズのことを考えているんじゃなくて、作るっていうことはどういうことかっていうのを考えていますよ。」

やしろ「だからその辺の話とか。……最後に一個だけ聞いて良い?」

山口「はい。」

やしろ「マネタイズって何?」

山口「マネタイズ……。」

やしろ「もう、ちょっと1回出ておくわ(笑)。いろいろあるんで、皆さんお楽しみに。1回帰りますので、一郎先生これからよろしくお願いします!」

山口「頑張ります!これからよろしくお願いします。」
(※マネタイズ = 収益化すること)

SCHOOL OF LOCK!


山口「さあ、まずはこの講義のことを説明したいと思う。私が担当する講義を黒板に書こうと思う。……大学の黒板だからやけにでかいってイメージでみんな聞いてね(笑)。やけに広い会場で、リバーブがかかっている……リバーブというか、アンビエントっていうんだよ。(急に声にリバーブがかかる。しかも深くかかる)……ほら、これは講義の広さだからね。今までのSCHOOL OF LOCK!とは違う響きが聞こえるでしょう?これは大学の講堂で行われている響きだから。教室みたいな狭い場所じゃないからね。聞いてもらいたい、この黒板を書く音を……(黒板に書く音が響き渡る)。」


SCHOOL OF LOCK!


「この時間は、音で学ぶ、音を学ぶ、音に学ぶ "音学ゼミ"の講義をお送りしていきたいと思う!」

「まずは、サカナクションのお話をしていきたいんですが。先週のサカナLOCKS!で、4月24日にリリース予定だったサカナクションのニューアルバム『834.194』6月19日に発売日が変更になりました。アルバムの発売延期を発表させていただいてから、いろいろな声が寄せられました。僕はずっと潜っていたので、SNSなどは見ていなかったんですけど、いろんなところにいろんな声が届いているということを知りました。もちろん、楽しみにしていた人もいたので、厳しい声もありました。」



4/24→6/19

一郎先生、どうか無理はせずにお体には気をつけてください。
アルバム発売延期と聞いて少し落ち込みましたが、更に約1ヵ月半試行錯誤を重ねて完成する作品を手に入れられると思うと、より楽しみになりました!
4/6の幕張でのライブも楽しみにしています!
これからも応援しています!


ウオタミング

男性/19歳/静岡県


「先週のサカナLOCKS!の後も、先生はずっとアルバムの作業……歌詞の作業ですね。その作業をしていたんですが、歌詞を書くということっていうのは、いろいろと難しい。人によると思うんですが、僕の場合は難しいんですね。今回、歌詞を書く作業がなかなか進まなかったことで発売延期になってしまった結果は、まず素直に、応援して待ってくださっている皆さま、関係者の皆様、メンバーの皆さんに、本当に深くお詫びします。本当にごめんなさい。」

「ライブも重なっていて、アルバムを聴き込んでからライブを観たいという方もいらっしゃったと思います。発売日の方も、4月24日っていう予定日が2ヶ月近く延期になりました。アルバムを発売するっていうのがどういうことかっていうと、まず、ツアーっていうものは、1〜2年前……アリーナとかになると2年とかになるのかな、2年前から会場を押さえなきゃいけないんですね。アルバムを出してアルバムツアーっていう流れが今の定説になっている限り、アルバムを完成させなければツアーに間に合わないんですね。会場を押さえてしまっているから、スケジュール的な決まりごとはできてしまっているんです。それに合わせて作っていかなきゃいけないんですが、僕らの場合、サカナクションを応援してくださっている方はよくわかると思うんですけど、非常に細かく精密に制作すると。言葉に関しても……皆様にとって、どういう言葉になっているかは分かりませんが、僕の中にあるひとつの課題みたいなものをクリアしないと完成というふうに呼べない性格なんですね。なので、それをやっているとなかなか完成するかが読みにくい。そういった中で、マネジメントやレーベルが僕の様子やそれ以外のスケジュールを観察しながら、だいたいこの辺にアルバムを持ってこれるかなとか、ツアーはこの辺になるかなっていうのを相談し合うというか、予測し合うんですよ。もちろん僕も締め切りに間に合わせなければいけないという気持ちでやっているんですが、今回に限っては間に合わなかったと。」

アルバムが完成してから発売までの流れを説明したいんですが、マスタリングを終えた時点で完成っていう形になります。製品化して発売するのに約1ヶ月かかるわけですね、プレスっていうんですけど。中にあるブックレット……歌詞カードだったり、デザインだったり、ケースが特殊仕様であればもっと早めに作らなきゃいけないと。そうなると、ジャケットデザインや曲タイトルみたいなものも表記されるわけだから、発売日のもっと早い段階に全部出来上がらないといけないんです。なので、今回アルバムの発売延期が決定したのは発表したよりちょっと前だったんですが、サカナLOCKS!でリリース日を発表したので、発売延期を伝えたのもサカナLOCKS!の場所にさせていただきました。リリースも、新しく6月19日に設けられましたが、実はこれはもっと前に発売しようと思えばできました。前倒すこともできたんですけど、当初はツアーの途中からアルバムを発売するっていうプランになっていて、これに対しても賛否があって。アルバムを聴いてからライブを観られるのと、アルバムを聴かないままライブをする人に分かれてしまう。「それって平等じゃなくない?」っていう意見が、サカナクションのスタッフや、ファンの中からもあったんですね。でも僕はそれ自体も楽しんでもらえたらいいなと思っていたし、自分の中でもそれに間に合うように作りたいというのがモチベーションでいたんですけど、それができなくなったことで、当初話していた、ツアーが終わってからアルバムを発売するっていう形にしました。その後にアルバムが発売されて、それを元にまた新しいことが出来たらいいかなと。今回のアリーナツアーサラウンドライブツアーなので、新曲の聴かせ方であったり、アリーナで成長していく曲たちの成長というか……生き様、そういったものも汲み取ってもらえるだろうと。今回はそういうアリーナツアーにしてしまおうと、みんなで判断しました。」

SCHOOL OF LOCK!


「今回、歌詞が出来ないことでこういう形になってしまって、言い訳をするつもりはありませんが、ひとつ反省したいと思うことは、人の評価を気にすることはもうやめようかなと。自分の中にある目標、たどり着きたいところにたどり着くっていうところに集中しようかなと。それを集中して作ったものを周りがどう評価するかは自由だし、それを良いっていう人がいたり、悪いっていう人がいても、人それぞれのことだと。僕はちょっとこれからはそういうスタンスで制作していきたいし、今みたいな形でアルバムを出してツアーをやるっていうことはしないと思います。新しい音楽の発表の仕方っていうのも模索していきたいなと思っています。なので、本当に楽しみにしてくださった方……申し訳ないです。本当にごめんなさい。」

「80点でもいいっていうつもりでやってました……正直。でも、80点にも至らなかったっていうところですね。古き良き音楽っていうのを自由に……世界中の新しいものから古いものまで簡単にたくさん知れる時代になって、僕はインターネットがない時代から音楽をやっていましたけど、自分の中でも聴く音楽の質が変わって、増えていきました。そうすると、自分の中にあるハードルみたいなものも自然と上がるんですね。その上がったハードルっていうのが、ただ単に美しくて自分の納得がいくものであるべきっていうもの……プラス、人にわかりやすくとか伝わりやすくっていう観点もプラスしなきゃいけないっていう……がんじがらめになってきた6年間だったんですね。だから、僕はこれから外に向けるっていうことはあまり意識せず……染み付いていると思うんでね、自分の中のハードルに集中しようかなと。それを経て周りがどう思うかっていうことに自分のモチベーションを向けていきたいなと思っています。なので、いろいろとネガティブな雰囲気になっていましたけど、僕的には歌詞がやっと完成して、軟禁状態から解放されたので(笑)。外に出たりしていきたいなと。スタジオか家かっていう生活から……釣りにも、暖かくなってきたから行きたいですし。まず美味しいご飯が食べたいなっていうところがあります。」

今回の授業もそろそろ終了の時間になりました。

「この音学ゼミでは、今までなかなか話せなかった音楽の裏側とか、僕らが考えていることもちゃんと話していける場になったら良いかなと思っています。明日からアリーナツアー SAKANAQUARIUM 2019 "834.194" 6.1ch Sound Around Arena Session が始まります。6.1chのサラウンドライブツアーです。新しい新曲もたくさん披露されることになります。このツアーで、サラウンドライブっていうもののコツをさらに掴んで、この先のサカナクションの未来の活動につなげていければいいかなと思います。遊びに来られる方はぜひ楽しみにしていてください。」

ということで、音楽のゼミ「サカナLOCKS!」。この講義でも、引き続き [ サカナLOCKS!掲示板 ] を稼働していきますので、いつでも自由に書き込んでください。SHOOL OF LOCK! UNIVERSITYの生徒の皆さん、よろしくお願いします!

SCHOOL OF LOCK!