音で学ぶ、音を学ぶ、音に学ぶ
"音学"の授業、サカナLOCKS!

「皆さん本当に、11年半、ありがとうございました。」

(放送後記は、今後も見ることができます。)

音楽の仕事をしたい生徒と逆電!
音楽業界『多分、これ。』

SCHOOL OF LOCK!




★JOIN ALIVE

一郎先生!JOIN ALIVEで初サカナクション体験してきました!とにかくたくさん踊って楽しかったです!初ライブだったので、私にとっては全部が新曲のような気持ちで聴いていました。「SORATO」を聴けたのもよかったです。

夢の中でスイミング
女性/17歳/北海道




山口「はい。サカナクションは夏フェスに続々と出演していまして、先日は北海道でJOIN ALIVEに出演しました。先週も福岡のNUMBER SHOTに出演してきたんですけど……夏フェスって僕らはヘッドライナーなんですよ。結構な確率で。ヘッドライナーって、いろいろな苦悩があるんですね(苦笑)。例えば、NUMBER SHOTの場合、僕らの前がユニコーン先生だったんです。30年を超えたベテランの先輩が僕らの前で、そのあと僕らじゃないですか……恐縮してしまう部分もある。」

「あとフェスのヘッドライナーのアンコールっていう制度、あれもいろいろ難しいところがあるんですよ。(ステージ順が)最後だっていうことで、出てきて、引っ込んでもう一回アンコールとして出てくるのって……ワンマンじゃないから。フェスの出演時間ってアンコール込みでの時間なんですよ。これは主催者の人たちにも言いたいんですけど……アンコールっていうことは、1回引っ込んでから出てくるまでの時間があるの。だから、計算として5分かかるわけですよ……例えば、ヘッドライナーの人以外は40分間で、ヘッドライナーはアンコール分もプラスして50分間とかなんです。僕らは、今年のフェスではアンコールをやらずに1曲多くやるっていうので、持ち時間全部で本編を組んだんですよ。そうすると、ありがとうございましたって捌けたらアンコールが起きるけど、アンコールをやらないわけじゃないですか。そうすると、みんなが「えー……」ってなるわけですよ。Twitterとかでも“アンコールやってくれなかったから悲しかった……”って言われるわけですよ。でも!!こちらの言い分としては、アンコールの時間も本編に入れてやったわけですよ!この間、NUMBER SHOTでは、僕らアンコールをやったわけです。1曲少なくして……そうしたら期待に応えられた感じがあったんです。……これね、難しいなと思うんです。だからフェスのアンコールについての議論をサカナLOCKS!でいずれやりたい……フェスが終わった頃に(笑)。夏フェスには今年も続々出るので、楽しみにしていてください。しかも、みんな……暑いよ。熱中症に気をつけてくださいね。それでは、黒板書きます。」

SCHOOL OF LOCK!


SCHOOL OF LOCK!


今回から新授業がスタート、その名も「音楽業界・多分、それ。」───サカナLOCKS!の生徒の中にも、将来、音楽業界で働きたいと思っている人がいると思います。音楽業界にはどんな職業があるのか、そして、どうやったらその職業に就職できるのか?もっとふさわしい職種があるかも?そんな相談をしていく授業です。

「でもね、「多分、これ!」なので、絶対ではないです。山口一郎先生的な観点で音楽業界を覗き見している……そういった目線でのお話です。音楽業界に就職を考えている学生たち、そして、転職を考えている大人たちの参考になったらと思います。」

今回、電話で登場する生徒は「どうやったらレコード会社の人の目に留まるのか?」という悩みを相談にきた、高校2年生の男の子です。

山口「もしもし!サカナクションの山口一郎です。」

時雨「こんばんは。福岡県 17歳、時雨です。」

山口「将来、ミュージシャンになりたいんですか?」

時雨「はい、そうです。」

山口「ということは、バンドか何かやっているの?」

時雨「はい。effectionというバンドをやっています。」

山口「結成はどのくらい?」

時雨「まだ半年も経っていないです。」

山口「じゃあ、今やっているeffectionというバンドでデビューしたいってこと?」

時雨「そうです。」

山口「じゃあ、音楽でご飯を食べていきたいってことですね。ちなみに、時雨君は、パートは何をやっているんですか?」

時雨「ギターボーカルです。」

山口「じゃあ作詞作曲は自分で?」

時雨「はい。」

山口「じゃあ、こういうレコード会社がいいな……とかもあるんですか?」

時雨「一郎先生みたいな……」

山口「えっと……ビクターエンターテイメントのことですか?(笑)」

時雨「ふふふ(笑)。はい。」

山口メジャーデビューするっていうところで深い話をしていくと、まず、ミュージシャンっていうのは、事務所(=マネージメント)と、レーベルっていうふたつと契約をするんですね。レーベルっていうのは、僕達が所属しているビクターエンターテイメントや、あとはソニー(ミュージック)とか、ユニバーサル(UNIVERSAL MUSIC JAPAN)とか、ワーナー(WARNER MUSIC JAPAN)とか……こういうのがメジャーレーベルっていうんですよ。で、よくマネージャーって人がいるじゃん。マネージャーっていうのは、事務所の人なの。事務所にはどんなものがあるかっていうと、例えば、SEKAI NO OWARI先生とか、星野源先生とかがいるアミューズとか、僕達で言うと、HIP LAND MUSICっていうところ。」

時雨「はい。」

山口マネージメントってどういうイメージがある?

時雨「なんか……仕事を入れてもらえる……とか。」

山口「あー……なるほど。ミュージシャンっていうのは、大きくはCDを作ることと、ライブをやるっていう2つの仕事があるの。CDを作るっていうのは、ビクターとかソニーとかのレーベルの仕事なの。で、ライブをするっていうのはマネージメント(事務所)の仕事なの。だから、マネージャーがいるのは事務所なの。つまり、マネージメントの仕事はライブのブッキングレーベルの仕事は原盤制作ってことになるの。」

SCHOOL OF LOCK!


時雨「聞きたかったことがあるんですけど、専門学校って行くべきなんですか?

山口「ミュージシャンのプレーヤーとして?」

時雨「はい。」

山口「専門学校は……いろんな考え方があると思うけど、僕は絶対に行かない。音楽理論を学んだりする上では、専門学校は良いと思うけど、それよりも自分の考えで自分で曲を作って、自分の世界観を作っていく方が重要かなと思うね。人としない体験をたくさんして、たくさん恋愛して、たくさん振られて、それを全部、歌にするっていうような気持ち……経験をする方が良いかなと僕は思う。だから、大学に行ってもいいと思うし。大学に行くとまた新しい世界になるわけじゃん。新しい体験をするっていうことを意識して生活をするとミュージシャンにとっては良いんじゃないかと思う。」

時雨「何事も……」

山口「そう。とにかく人がしない体験をたくさんして、たくさんの人と出会って、いろんな話をして……謙虚に、真面目にやるっていうのが大事かなと思いますよ。」


時雨「あの……音源ってクリアな方がいいんですか?

山口「音質が良い=クリアな……ってことだとすると、もちろん良いに越したことはないけど、自分が好きな音だったらいいと思う。まず、いいかどうかを判断する前に、自分はどんな音が好きなのかを知ることが大事だと思う。例えば、(カセット)テープの音が好きなのかな、レコードの音が好きなのかな、CDの音が好きなのかな、自分の好きなミュージシャンはどんな音質なのかな……って。自分が好きな音を見つけるのが先で、それを真似するところから始めた方がいいと思う。」

時雨「あ……真似する。」

山口「そう。"コピーする"って言うじゃん。"コピーバンド"とか。それは、演奏をコピーするっていうだけではなくて、音色とか音質をコピーするっていうのが本当のコピーだと思うけどね。サンレコ(サウンド&レコーディング・マガジン)っていうレコーディング専門雑誌があるから、読んでみるといいよ。難しい言葉とか出てくると思うけど、それを読むといろんなことが分かって知らない世界が広がると思う。いろいろ調べてみるといいと思う。簡単にインターネットで調べられると思うから。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「で、よくオーディションってあるじゃん。バンドオーディションとかイベント、大会。……そういうのは大抵レーベルと事務所が出資し合ってやっているんですね。だから、そういう大会にいっぱい出て行くっていうのは一つの方法……近道になるかなと思う。」

時雨「いっぱいオーディションを受ける……」

山口「そう。大会に出まくるっていうか……まず、曲をたくさん書くっていうことが大事。1日1曲作るくらいのつもりで、途中で投げ出さずに最後まで完成させる。それをいっぱい作って、たくさんオーディションとか大会に出るっていう方法が1つ。」

時雨「はい。」

山口「あとは、意外とレーベルの人……ビクターのディレクターとか、サカナクションのマネージャーとか、例えば、「サカナクション担当者様宛」に、"自分たちはこういうバンドで、音源を聴いて欲しいんです" ……って音源を直接送るっていうのは実は効果があるんですよ。」

時雨「わ……良いこと知りました。」

山口「あとね、山口流の裏技を伝授しようと思う。」

時雨「ありがとうございます!」

山口山口流の裏技は……好きなバンドのライブに行って、PAの人に自分の音源を渡す……これね、実は結構な近道だったりするんですよ。」

時雨「え……!」

山口"すごい良い音でした。ありがとうございました。自分、バンドをやっていて、アマチュアなんですけど、もし聴いて気に入っていただけたら、このバンドのスタッフさんに渡していただけたら嬉しいんですけど” ……って言ってPAの人に渡したら、「分かったよー。」って聴いてくれたり、「こんなファンの子が来たよー。」って(事務所やレコード会社のスタッフに)渡してくれたりするの。で、PAの人から音源を渡されることって、普通、マネージメントもレーベルもないから、気になっちゃうのはあるね。」

時雨「へー……」

山口「これはね、結構な裏技的な方法だね。」

時雨「自分……まだライブに行ったことがないんです。」

山口「え、ライブ行ったことがないの?そっか、高校2年生だもんね。」

時雨「はい……。」

山口「それはあれだなー……じゃあ、まずメジャーデビューどうのこうの言う前に、ライブを観に行こう。ライブを観たり、音源を好き嫌いで選ばずにたくさん聴いて、曲をたくさん作る。それが出来たら次の道に行くっていうのが良いかな。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「音楽業界の職業としては、君がなりたいのはミュージシャンだと思うから、ミュージシャンっていうのは、マネージメントとレーベルっていう2つの会社と契約をすること。メジャーレーベルとインディーズレーベルの境目は昨今なくなってきてはいるんだけど……ただ、本当に売れたいなら、本当に大きな事務所に入ることが大事だと思うよ。自分たちのやり方を貫いていくには、大手の事務所だと難しかったりもするし、出会う人にもよるんだけど……難しいのよね。で、ロックという精神を貫きたいなら……多分、ビクター。多分、ビクターだと、男らしく自分の力で売って行くっていうタフさを持てると思う(笑)。」

時雨「あー……そっちの方がいいですかね……。」

山口「音源が出来たらサカナLOCKS!に送ってくれれば必ず僕も聴くし、サカナLOCKS!のスタッフも聴くし、ビクターの上から30番目くらいに偉い人も聴いてくれると思うので、送ってみてください。」

時雨「はい!送ります!」

山口「はい、頑張って下さい。ありがとね。」

時雨「ありがとうございました。」

ということで、音楽業界『多分、これ。』の授業・第一回、そろそろ終了です。

SCHOOL OF LOCK!


山口「彼はミュージシャンになりたいとのことでしたけど、音楽業界には、レーベルとかマネジメントとか、……このサカナLOCKS!やSCHOOL OF LOCK!の職員も、ラジオのスタッフとして音楽の仕事といえば音楽の仕事ですもんね。それ以外にも、PAや照明……本当にたくさんの仕事があるんですよ。だから、皆さんが本当にやりたいと思っていることが実は音楽業界の仕事だったりすると、そこまでの道筋を僕たちがお話していけると思うので、この授業は続けていきたいと思います。あなたのやりたい仕事は「多分、これ。」……やっていきましょう。」

ということで、将来、音楽業界の仕事に興味がある、漠然とやりたいと思っているけどよく分からない……という生徒の皆さんからの相談、待ってます![ 宿題 ] のページから応募してください。

SCHOOL OF LOCK!

サカナLOCKS! 放送後記

もっと見る

LOCKS!SCHOOL OF LOCK!の講師陣

  • ミセスLOCKS!

    Mrs. GREEN APPLE

  • Saucy LOCKS!

    Saucy Dog

  • 宮世琉弥

    宮世琉弥

  • 乃木坂 LOCKS!(賀喜遥香)

    乃木坂46(賀喜遥香)

  • 乃木坂 LOCKS!(井上和)

    乃木坂46(井上和)

  • SEVENTEEN LOCKS!

    SEVENTEEN

  • INI LOCKS!

    INI

  • 景井LOCKS!

    景井ひな

  • ビーバーLOCKS!

    SUPER BEAVER

  • 新しい学校のリーダーズLOCKS!

    新しい学校のリーダーズ

ページトップへ戻る