「宿題『サントラがすごいアニメーションを答えよ!』 - 前編」

SCHOOL OF LOCK!


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今回の授業は、最近、アニメーション作品の音楽に興味があるという山口一郎先生から出ていた宿題『サントラがすごいアニメーションを答えよ!』に届いた生徒おすすめのサウンドトラックを、実際に音源を聞きながら紹介していきます。

山口「この宿題を出した時にも話しましたが、一郎先生は今、アニメーションの音楽にすごく興味を持っておる。アニメーションの何がおもしろいかというと、演者と声優……声を出す人がバラバラであるし、演出できる。そこがすごくおもしろいところだなと。例えば、声優さんの喋るキーやトーンと音楽のキーやトーンを合わせられたりする。あと効果音ですよね、ドアを開けたり閉めたりする音や、水道の蛇口をひねるキュッキュッっていう音だったり、車が通り過ぎていく音だとか……そういった全ての音をコントロールできる。そういった可能性があるのが、このアニメーションであると。僕はそこに非常に興味があって、いつか挑戦してみたいなと……まあ、お話はないんだけど。あればチャレンジしてみたいなと思っている。しかし、先生はそんなに詳しくないんだ。アニメもそんなに観てこなかったので、生徒諸君の中で詳しい人がいるのであれば、宿題と言いながらも学ばせていただけないかなと思い、今日はこの宿題とさせていただく。」

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「それでは早速いってみるぞ!」


★サントラが凄いアニメーション
「血界戦線(けっかいせんせん)」というアニメのサントラがとても素晴らしいです。
私はアニメが好きなのですが、
特にこのアニメのサントラはとっても素晴らしいと思います。
この物語の舞台が「かつてニューヨークと呼ばれた街」なので、都会っぽいかっこいいジャズテイストなのはもちろん、なんとこのアニメでは、歌詞(しかも英語)がついているサントラがあるんです!
それを劇中で流すという…‼サントラにしておくにはもったいないほど、ひとつひとつの曲の完成度が高いんです。
それもそのはず、なんとこのアニメのサントラを製作しているのが映画「モテキ」で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した岩崎太整(いわさきたいせい)さんなんです。今までサントラをあまり気にかけていなかった私をこのアニメのサントラが変えてくれて今では他のアニメでも、サントラに注目するようにしています。それぐらい、この「血界戦線」のサントラに影響され英語の勉強も頑張ろうと思えました。私のオススメは、「Catch me if you can」というナンバーです。
この曲に当時衝撃を受けました。このアニメのサントラほど、アニメの世界観に合っているサントラはないー!
長文失礼しました…好きなことを語ったせいでつい…!

森!
女性/16/沖縄県


「なんと、大根(仁)監督の映画『モテキ』でアカデミー賞優秀音楽賞を受賞したと。先生も、大根監督の映画『バクマン。』でアカデミー賞最優秀音楽賞を受賞しているからね。これは注目やな……!ちょっと聴いてみようかな……じゃあ、おすすめのやつ聴いてみようか?」

♪ TVアニメ『血界戦線』オリジナル・サウンドトラック より 「Catch Me If You Can」



「おお、おお……」

(サントラを聴いていた一郎先生が、突然、語り出す)
『退廃した街の中に……犯罪者が溢れている……そう、ここは……かつてニューヨークと呼ばれた街。俺は、その街の中を踵を鳴らしながら歩いて行くんだ……。』

『バキューンバキューン!何……!撃ってくるのか、俺のことを……よし、タカ()!』

「……これは『危ない刑事』やな(笑)。」

『打ってきたぞ、相手は!よーし、じゃあこっちも打ち返すぞ!!バキューン!バキューン!』

『…悪者たちは……かつてニューヨークと呼ばれた街に……倒れこんだ……!』


「……みたいな、な!(笑) 多分こんな感じなんだよ。ちなみにこれは先生の思いつきの演技だから、物語とは一切関係ないからね(笑)。そこを誤解してこういう感じなんだって思ってもらったら困る(笑)。先生は知らないでやっているからね!しかも作品を馬鹿にしているつもりは一切ないので……先生のノリなのでね。」

「普通の映画だと、いろいろしがらみがあったりすると思うんだよ。なんていうか……役者さんのキャラを観に来ているお客さんがいるわけだから、そのキャラが引き立つような音楽であったり……台詞が聞こえなくならないような帯域であったりとか。声だけを録音するっていうことはあまりないから、演技に合わせなきゃいけないとか……いろいろ難しいんだけど。アニメーションのサントラになると、ひとつの作品をいっしょに作ろうという気合いの入り方が違うね。好きなものをこの絵に当てていこうとか、コンセプトがしっかりしているのかなと思う。それはすごく魅力だよね。しかもかっこいいねー。入り込みそうですよね。実際にアニメを見てみないとわからないんだけど、音楽を聴くだけで見てみたい気がしてくる。」

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「他の曲も聴いてみようか?」

♪ TVアニメ『血界戦線』オリジナル・サウンドトラック より 「Theme of Blood Blockade Battlefront」

(再び一郎先生が、サントラを聞きながら勝手なイメージで……)

『あぁ……やっと、辿り着いたな……』

『俺たちの明日という未来に……でも、この瞬間からもう、1秒1秒未来なんだな……つまり、今俺たちは時間という最先端の上に、突っ立ってるんだ。……なあ、タカ。』

「……みたいなね(笑)。感じになるわけだよ。音だけで映像が浮かんでくるねー。もう1曲聴いてみようか?」

♪ TVアニメ『血界戦線』オリジナル・サウンドトラック より 「Victim」

『母さん……どうして先に逝っちまったんだよ……俺は……どうしたらいいんだこの後。まだまだ母さんが作るチャーハンが食べたかったのに……あの、ハムが細切れになっててさ、卵がまだあんまりご飯に絡み付いてないくらいのやつが食べたかったのに……どうしてなんだよ!』

「……みたいな(笑)。浮かぶねー、景色が。やっぱりサントラってそういう影響力があるんだよ。素晴らしいねー。じゃあ、次のサントラ聴いてみよう。」



『進撃の巨人』が、すごいです!
作曲されたのが、澤野弘之さんなんですが、なかなか使われない独特なパーカッションで産み出される独特なリズム、金管楽器のトランペットや仲低音域のトロンボーンが多くかっこいいです。
響きかたが他のサントラと違って広く、進撃の巨人の壮大な世界観を想像させてくれます。
個人的には、曲の展開の仕方が好きです。
作中にでてくる立体起動装置のワイヤーの音や、馬のなきごえがヴァイオリンで表現されていて、聞き所もたくさんあります。

クラリーヌ
女性/15/宮城県


「お、いいですね。15歳の女子が "中音域のトロンボーン" とか言っている時点でもうこの子、おもしろそうだな。僕は漫画は多少知っている。ちゃんと読んだことはないけど。じゃあ、聴いてみようか。」

♪TVアニメ「進撃の巨人」オリジナルサウンドトラックより「ətˈæk 0N tάɪtn」

「お……おー……!」

『お前らの悪いところを全部俺が吸い取ってやる……!膨らんだこの悪いやつが全部俺の腹の中に溜まっていくんだぞ……この悪玉を使ってだな……地球を征服してやる……!』

『待て!そんなことはさせないぞ!俺がその悪玉をぶち壊してやる!』
『なぬ……お前は誰だー!』
『俺は、進撃の巨人隊だ!』

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「……『進撃の巨人』を分かっていないけど(苦笑)。……浮かぶ。浮かんでくるねー。しかもよくできているね。僕ね、菅野よう子さんがすごい好きなんですよ。アカデミー賞の授賞式の時にもいっしょに登壇させていただいたんですけど。その雰囲気も感じるね。ちょっと、どんどん聴いてみよう。」


♪TVアニメ「進撃の巨人」オリジナルサウンドトラックより「eye-water」


『あんなでかい巨人に立ち向かっていくことなんて出来るわけがない……!』
『いや、諦めるんじゃない!いくら体が大きくたって、俺たちには知識があるじゃないか。』
『知識とか言っている場合じゃねーだろ!あんなでかいやつに向かっていく時点で、勇気も必要だろ!』
『そうだ!勇気も必要だけど、勇気を上回る仲間意識だろ!』
『そうよ!仲間意識って大事じゃない!』
『そうなんだ、仲間意識っていうのがすべてを解決するんだ!』


『ガガガガガ……あれは巨人だ……巨人が来たぞ!!』
『つべこべ言っている場合じゃない!もう行くしかないだろ!それを勇気というんだ!』
『よし、みんなで肩を組んでいこう!それが仲間意識だ!』



「……的な(笑)。浮かんでくるわー。ちょっと次聴いてみよう。」


♪TVアニメ「進撃の巨人」オリジナルサウンドトラックより「立body機motion」

『はーーっはっはー!いくらお前たちが立ち向かってきても、巨人である私には敵うわけがない!あのビルだって、僕の膝下くらいや!はっはっは!東京タワーだと?爪楊枝に使ってやるー!』

「……みたいな(笑)。浮かんでくるねー……浮かんでこない?(笑) 僕が『進撃の巨人』を知らなすぎるところもあるんだけど(笑)、音楽の力ってあるねー。『進撃の巨人』を僕も観てみたくなりました。」

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さて、そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。

「まあ……思っていたのとは違う授業になってしまったかもしれないけど(笑)。サントラの音楽によって物語が頭の中に浮かんでくる……それくらい音楽の力はすごいんだなって思ったし、普通の映画とは違う、アニメーションのサントラっていうのは、本当に作品に強く寄り添っているので、それも浮かびやすいのかなと。いつか自分もこういうことに関われたらなと思います。」

まだまだ宿題が届いているので、来週もアニメのサントラの授業をお送りしたいと思います。……次はこういう授業にならないように気をつける(笑)。」

ということで、来週もこの授業は続きます!
お楽しみに!

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