「山口一郎の2018年 ベストヒットソング5曲!」

SCHOOL OF LOCK!


山口「はい、授業を始めますから席に着いてください。マンガを読んでいる生徒はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている人はTwitterを閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。授業が始まりますよ。2018年、年内最後の授業になりますが、先日このSCHOOL OF LOCK!の年越し授業で、私、サカナクションの山口一郎がカウントダウンライブを行うことが発表されました。これは、一郎先生がソロで弾き語りのLIVEをします「あの曲を作った当初はこんな感じだったんだよ…!」っていう。ぜひ12月31日みんな楽しみにしていてください。」

■ JFN年末年始特別番組
『SCHOOL OF LOCK! 〜平成最後の年越しスペシャル叫べ10代!全国縦断 心の落書き47〜』


「あのね……先生、この間ツアーで(SAKANAQUARIUM 2018-2019 Sakanazukan Seminar)、山形県と岩手県の2か所に行ってLIVEしてきたんですけど、山形県のLIVEの前々日に、ぎっくり背中っていう……ぎっくり腰でもない、ぎっくり背中っていうのをやっちゃって動けなくなっちゃったんですよ。だけどLIVEがあるから、鍼の先生に治療してもらったんですよ。山形に移動する日にも治療してもらって、岩手のホテルで治療してもらって……3部作だったの。BACK TO THE FUTURE みたいな(笑)。そしたら次の日、無事にLIVEも出来たし声も出て。やっぱり健康って大事だなっていうのを、今年最後のLIVEで痛感できたっていうのはよかったなと思いました。」

「黒板を書きたいと思います。」

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2018年最後の授業は、山口一郎先生が今年に聴いた曲の中からベストソングを5曲、選んで紹介していきます。

「まず最初に、2018年のベスト5曲っていうからって、2018年に発売されたものではない。先生は常に音楽の考古学者みたいな……音楽界の吉村作治(笑)。吉村作治って言ってもみんな知らないだろうけど、エジプトの考古学者で吉村作治さんっていう人がいるんだよ。音楽界の吉村作治としては、古い音楽をどんどん簡単に掘れる時代になっているから、探っていっている段階だから。だから今年聴いて響いた曲……「これ、今の自分の年齢にぴったりきてる!」っていう5曲を紹介したいと思います。結構マニアックなんだけど、みんなのお父さんやお母さん世代だったり、古い音楽を探っている人からすると、「はいはいはい、一郎さん、それね。」みたいになっていると思う。」

「まずは、この曲!」



1979年に発売された曲です。これは邦楽ですね。これは、アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth,Wind & Fire)っていうめちゃくちゃ有名なソウルミュージシャンがいるんですけど、それに影響を受けた直後って感じの日本のミュージシャンですね。かっこいいんですよ。ジャケット検索してごらんなさいよ、スペクトラムって。全員がキン肉マンに出てくる超人みたいな服装で。当時の音楽番組に出てくるにはちょっと際物だったんだよ。……ちょっと出てくるのが早すぎたよね、今聴いてめちゃくちゃかっこいいでしょう?これ、フェスで……ROCK IN JAPAN FESで演っていると思いなさいよ。(フェスに出てるのをイメージしながら)フーッ最高ー!!……いいよね。これが先生的にベスト5の5位!みんな辿り着かない曲だと思って紹介したよ。」

「次!年末ですよ、今日は27日でね。そんな年末の穏やかな時間を過ごしている人たちにとって素晴らしい曲を紹介したいと思います。」



大貫妙子さんと坂本龍一さんのコラボで「赤とんぼ」。2010年リリース。大貫妙子さんはね、山下達郎さんとシュガー・ベイブ(SUGAR BABE)っていうバンドをやっていたのよ、そのシュガー・ベイブもすごくいいバンドなのね。大貫妙子さん自身もソロでやられていてね、坂本龍一さんとね……童謡をこのコードにしちゃうのねっていう渋さとね。……(曲に聴き入りながら)……北海道の田舎の海、川……そこに立って、時には流れの速い川の中で、流れに負けないように立ちながら釣竿をたらして魚を探していたあの頃。今じゃ東京に来て、流行という流れの中で足を踏ん張って立ちつづけてるね……おじさんなんだよ!そんなおじさんが東京の家でね、ゆっくーり聴くわけ!……するといろいろ思い出すのよ。みんなもいろんなことを思い出す曲だと思う。これは、ニューアルバムを作っている真っ最中にいる僕らにとっての4位!郷愁感!

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第3位はこの曲!



「(口でベースラインを辿りながら)ズッチ、テリリリー♪……ほら、パーカッションもくるよ!……ばっちりだね!このばっちりな感じ、わかる?みんな。歌もくるよ……ほらきた!ドラムといっしょに!!フー!!ちょっとカントリーの感じもあるのよね。これ、1968年だからね、みんな。……ぞっとしない?もう、こんな音楽が生まれちゃってたんだよ、1968年に!アコギなんて、ダラタン、ダラタン、ダラタン……ってフレーズだけだからね。これだけでいいんだよ!曲の後半はホーンとかも入ってくるので楽しんでいただきたいんだけど、今はいろいろ聴く手段があるので、探してもらえたらと思うんだけど。先生ね、『ファーゴ』とか、すごい名作を作っているコーエン兄弟っていう映画監督がいるんだけど、その監督の映画で『オー・ブラザー!』っていう作品があるんですよ。そこで、ジョージ・クルーニーがカントリーを歌うの。それがすごくよくて、そこから古いカントリーとかブルースを聴くようになって、このテリー・キャリアーに出会ったの。このベースの入りから、パーカッションが入ってくるこの感じと、後半のホーンの感じが最高に痺れてかっこいいー!って。……これはね、Arabaki Rock Festとかで聴きたいね!アラバキ系なのよね(笑)。特に2018年は僕のマッチ度が高かったから、頻繁に聴いていたね。(サカナクションのベース、草刈)愛美ちゃんにも言ったもん。「こういうベースやろう!こういう曲やろうよ!」って。

第2位はこちら!



「ほほー!これもばちりだね!!1978年の曲……一郎先生、まだ生まれてないよ。バンドをやっている君たち、これを演奏してごらんなさいよ!全員がこの感じを捉えていないとここにいけないからね。全部がばっちりだよね。これは、ジャンルでいうとAORっていうジャンルなんですね。1978年ごろ流行った括りだね。AORっていうのは、こういうムーディーな……夜景を見ながら三角形のグラスにシャンパンやカクテルを入れてチーン(乾杯)って飲む感じだよね。これは日本で結構流行った曲なんですよ、当時。お父さんやお母さんは好きな人が多かったんじゃないかなと思うね。最近、日本のシーンにこういう雰囲気の曲調が出てきているのは、この辺のコンテクストがあるんじゃないかと思うね。これは先生も大好きだね!僕は今年きてるんですよ、AORがね。

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「そして、山口一郎的2018年ベスト5、第1位はこちら!



「これは1975年の、小坂忠さんの「ほうろう」って曲なんだけど、バックバンドはすごいメンツが演奏しているのよ、オケは最高のメンバーだね。ベースは細野晴臣さん、ギターは鈴木茂さん、ドラムは林立夫さん……ティン・パン・アレーのいっちばん脂が乗りに乗っている頃の演奏に、小坂忠さんが歌っているっていうね。これはもう素晴らしい……歴史に残る1曲なんだな。しかも、これは当時20代ですからね、細野さんとか。恐るべき演奏力ですよ!うまい人しかミュージシャンになれなかった時代よね。スタジオミュージシャンっていう素晴らしい演奏家たちの中でも特に素晴らしい人しかプロになれなかった時代だから。山下達郎さんとかもそうですから。とんでもない人たちがいた……神々たちの戯れの時代だからね(笑)。その中でもこの曲は誰もが認める1曲なんでね。なので、今日は現代に生きる皆様に、今年の1位として紹介したいと思います。

そろそろ今年最後の授業も、終了の時間になりました。

「1年あっという間だし、山あり谷あり……先生もぎっくり背中になったり、絶好調の時もあったりとか、皆さん、波があると思うんですよね。2018年がどんな年だったかっていうのはそれぞれあると思いますけど。そんな古い曲ばっかり探っている中で、ふと吉野家で牛丼食べている時に流れてきた曲で、あれ、これおもしろい……!って思った曲があって、ちょっと嫉妬したのがこの曲。



「これは今年、SCHOOL OF LOCK!で初オンエアもした曲ですね。何がおもしろいかって、メロディーもそうだし、バンドの雰囲気に、歌の今っぽさ。ONE OK ROCKとかのジャキジャキ感が混ざっているのがおもしろいなと思ったのと、先生たち80年代生まれの人たちがよく見ていたアニメ、『幽☆遊☆白書』っていうアニメのオープニング曲やエンディング曲って、すごいいい歌だったんですよね。そこの匂いがしたのよ。……90年代の感じがするんだよね、すごく。「あ、こういうの出てきた……!」って思ったんですよね。で、ちょっと検索してみたのよ、どんな人たちなのかなって。イメージしていたのは、ちょっとオラオラな感じの少しアメリカンな感じっていうか。でもそうじゃなくて、しゅっとした真面目そうな人たちが出てきたから、これはまたおもしろいと思って。なのでこのバンドはすごい注目してるし……注目してるって言い方は先輩面すんなよみたいに言われるかもしれないけど、この曲は嫉妬したな。他の曲もしっかり聴いてみようかと思う、2018年の気になるミュージシャンでした。

「というわけで、今回の授業はここまで。皆さんの生活の中に、来年も音楽があるように、サカナLOCKS!チーム一同頑張っていきますので、来年もよろしくお願いします。



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