本日、2月14日はバレンタインデー！ということで、今回の授業は"恋愛"について。
サカナLOCKS!には、ラブソングが書けないサカナクション山口一郎が、生徒の恋愛エピソードを聞く、『恋愛観インタビュー』という授業がありますが(しばらく行われていませんでした)、今回は久しぶりに生徒の恋愛について話を聞いていきます。

きっかけは [ サカナ掲示板 ] への、こんな書き込みです。



山口「これは辛いなー。複雑だな……さっそく生徒に電話して聞いてみようかな。」



山口「もしもし。」

のこふぃっしゅ(以下、のこ)「もしもし。」

山口「これ結構大変な状況だね。もう少し詳しく話を聞かせてもらえる？」

のこ「はい。」

山口「3歳年上の人っていうのは……そもそもどうやって知り合ったの？その、高校3年生の先輩と。」

のこ「キャンプに行った時に、たまたま会って仲良くなって。連絡先を交換して、結構な頻度で会って遊んだりしている感じです。」

山口「そのキャンプには親友も一緒に行っていたの？」

のこ「はい。」

山口「じゃあ、同じタイミングでその先輩に出会ったんだ。その親友もその先輩と連絡先を交換していたんだね。で、頻繁に会ったりしている時は、親友も一緒なの？」

のこ「はい、3人で。」

山口「あ……3人で会うんだ。2人で会うとかはまだないんだ。親友も、2人で会うことはないのかな。大体3人なんだ。」

のこ「はい、大体は。」



山口「はー……それで、その好きな人ってどんな人なの？」

のこ「すごい優しくて、明るくて誰とでも仲良くできるような感じの人です。」

山口「ちょっとお兄さん的な感じもあるわけだ。なるほど。親友に「彼のこと好きなんだ」って言われたわけでしょ、のこふぃっしゅは。その時どう思ったの？」

のこ「一緒だけど……なんか、言えないなって。」

山口「のこふぃっしゅは先輩のことを好きだっていうことを親友には伝えていなかったんだ……でも、親友もこの先輩のことが好きかもなっていうのは分かってた？」

のこ「いや……全然わからなくて。」

山口「分からなかったんだ……感じ取れなかったんだね。親友はのこふぃっしゅが彼のこと好きって知らないの？」

のこ「知らないです。」

山口「伝わってもない、全く？」

のこ「はい。手伝って欲しいって言われて……断れないじゃないですか。」

山口「まあ、断れないね。」

のこ「だから……手伝ってる感じです。」

山口「具体的にどういう手伝いをしているの？」

のこ「できるだけ2人が話せるようにしたり、2人がいい感じの雰囲気になるようにしてます。」

山口「はー……それ辛いね。のこふぃっしゅも、先輩のこと本当に好きなんでしょ？」

のこ「はい。」



山口「今、一番その関係で悩んでいるところはどういうところかな？」

のこ「うーん……好きな人は、ずっと好きで、好きじゃなくなることはなくて。だけど、その親友もすごい大事だから……どっちを取るというか。どっちかを取るのか、それとも、両方そのまま保ったまま、このまま行ったほうがいいのかを考えたいなと思って。」

山口「なるほどねー……。でもさ、先生が思うにだよ。逆の立場だったらどう思う、親友と。のこふぃっしゅが、その親友に「私……先輩のことが好きなんだ」って先に言っていたとするじゃん。で、親友は自分も好きなんだけど、のこふぃっしゅの手伝いをするって言っていたとするじゃん。それはちょっと心苦しくない？」

のこ「はい。」

山口「多分、その親友ものこふぃっしゅが先輩のことを好きだっていうことを知らないからいろいろ相談しているけど、知ったら……辛いと思うのよ。だから、隠していることも僕はあんまり良くないと思うんだよね。だって、のこふぃっしゅだったら言ってほしくない？」

のこ「言ってほしい。」

山口「例えば「実は私も先輩のことが好きなんだ」って言ったら、友達関係が壊れちゃいそうな気がする？」

のこ「うーん……壊れはしないと思うんですけど、今まであった3人での雰囲気がちょっと変わっちゃうのかなって。」

山口「あー……それは変わると思うな。でも、のこふぃっしゅだけ苦しい思いをしているのも先生はすごくかわいそうだなって思うし、それを後で親友が知った時に、傷つく気もするんだよね。だからこれは非常に難しいな……。」

のこ「あの……一郎先生が18歳の時って、3歳下の子ってガキって感じですか？」

山口「あー……でも、先生はね、高校1年生の時に中学3年生の子と付き合っていたよ。だから、高校と中学の垣根っていうのは感じてた。自分は中学生と付き合っているんだなっていうのは高校1年生でも感じてたから、多分、高校3年生になると余計に感じるんじゃないかと思うけど。でも、それは先生たちの時代だけどね。でも、そんなに子供って思わないんじゃないかな。年齢は関係ないと思う。恋愛にも、音楽を楽しむことにも。」

のこ「ほー……」

山口「でも、ここからはのこふぃっしゅが決めることだな。なんかこう……一瞬一瞬、シャッターチャンスって自分の人生の中にあると思うけど、自分のシャッターチャンスを、ちゃんと自分で選んでいって、自分で決めていった方がいいかなと思うし。どっちを選択しても先生は応援するぞ。」

のこ「はい……受験生なので……」

山口「そっか！っていうか、先輩も受験生じゃないの？(笑)」

のこ「はい、みんな受験生です(笑)。」

山口「じゃあ、勉強に集中することだな、今は！(笑)」



山口「ちなみに、先生ならどうするかを言うと……そうだな……先生なら諦める。人を好きになることってすごく人生の中でも大切なことだし、ずっと自分に残ることなんだよね。でも付き合って幸せになるとも限らないんだよ、この歳になると分かるんだけど。好きだったっていう思い出として残っている方がいいなって思う時もあるんだよね。多分、高校に行って新しい学校で新しい仲間ができるじゃん、のこふぃっしゅにも。そうするとまた、先輩と会っていなかった時期に他に好きな人ができたり、告白されて付き合ってみようかなって思ったり……そういう風に新しい出会いにつながっていくのかなって思うし、その先輩を好きだっていうことが次の恋愛にいきたり、繋がったりするのかなって。」

のこ「あー……」

山口「先生は、年を経ているから、人生を長いスパンで見られているから、そういう風に思うけど。のこふぃっしゅは今、目の前の本当に好きな人がいてさ……その人と親友のどっちを取るかって直面しているわけだから、変にアドバイスはできないし、先生が言ったことが正解ではないんだけどね。」

のこ「はい。」

山口「恋愛も勉強も、全力でな。本気で頑張ってください。」

のこ「はい。」

山口「もしよかったら……また悩んだら書き込みしてくれ。必ず読むので。」

のこ「ありがとうございます。」

山口「どうだ？参考になったか、ちょっとは(笑)。」

のこ「はい。」

山口「すっきりしなかったな(苦笑)。でも、長い人生の一部だって思った方がいいと思うよ。」

のこ「はい。」

山口「勉強を頑張って、恋愛も頑張って……思い切りどっちでも悩んで、自分の道を見つけてください。」

のこ「はい！」

山口「じゃあ、また書き込みしてね。ありがとうね。じゃあ、バイバイ。」

のこ「ありがとうございました。」



ということで、久々の恋愛相談でしたが、そろそろ授業終了の時間になりました。

山口「これ、恋愛相談っていうか……相談に乗れるけど、話聞くことしかできないですよね。結論はやっぱり自分で出すしかないですもんね。答えがあることじゃないから。」

山口「先生はあんまり恋愛経験豊富じゃないけど、人を好きになった数は人並みにあるから……思いっきり振られたり、成就しなかった恋の方が残っているかな。あとね……女心ってわかんね(笑)。全くわかんねーわ。こればっかりはユーミン(松任谷由実)さんに習いたくて何回も何回もユーミンさんの曲を聴くけど、これはもう、わかんないね。あいみょんの曲を聴いてもわかんないね(笑)。けど、人間という部分では分かり合えるからね。女の子の気持ちがわかんないから、先生は恋愛の曲が書けないのかなって思うな……分かった方がいいのかな……？」