「『マイナビ未確認フェスティバル2019』ファイナリスト、玉名ラーメンにえこひいきアドバイス!」

SCHOOL OF LOCK!


10代だけが出演できる夏フェス、マイナビ未確認フェスティバル2019
今年は3101組の応募がありましたが、その中から選ばれた8組が、いよいよ8月
25日新木場STUDIO COASTファイナルステージに出演します。その8組の中から今回は、サカナクションにも影響を受けているという噂のファイナリスト……東京都を拠点に活動する女子高生アーティスト兼トラックメイカーの玉名ラーメンに電話でインタビュー、そしてえこひいきアドバイスをしていきます!

■マイナビ未確認フェスティバル2019

山口「ついにファイナリスト8組が決定しました。この8組が8月25日に行われるファイナルステージに登場いたします。もちろん事前に音楽を聴かせていただきましたが、あの楽曲で新木場STUDIO COASTという場でどうライブで勝負するのか。新木場はある種クラブでもあるからね。ageHaって呼ばれてる。あそこでどうやるかっていうのも勝負のポイントなんじゃないかと思います。そんなアドバイスを今日とある出場者にできたらと思います。そのファイナリストとは……東京都の玉名ラーメン!」



玉名ラーメン – Raisins

山口「早速電話していきましょう。もしもし!」

玉名ラーメン(以下、玉名)「もしもし、玉名ラーメンです。」

山口「まずはファイナル進出おめでとうございます!」

玉名「ありがとうございます!」

山口「いつぐらいから音楽活動をしているの?」

玉名「作り始めたのが去年の9月くらいからです。」

山口「え……去年の9月?っていうことはまだ1年経っていないってこと?」

玉名「そうですね。」

山口「えー!どういうきっかけで作ろうと思ったの?」

玉名「もともと学園祭バンドみたいなのをやっていて、1年くらいで解散して、何かやれることはないかなって思っていた時に、打ち込みで全部作れるし、ラップを始めようかなって思ってやりました。」

山口「じゃあ、もともとは学祭バンドでコピーをやっていたってこと?」

玉名「そんな感じです。」

山口「オリジナルとかもやっていたの?」

玉名「いや、オリジナルはないです。」

山口「なかったんだ。その時パートは何をやっていたの?」

玉名「ボーカルです。」

山口「ボーカルだったんだ。楽器は弾けるの?」

玉名「弾けないです。」

山口「ピアノとかは習っていた?」

玉名「ピアノは小学校の時にちょっとやっていたんですけど、ほとんど弾けないです。」

山口「じゃあ、トラックメイキングする時には我流でやっていたってこと?」

玉名「そうですね。」

山口「そうなんだね。コピーバンドの時はボーカルで歌っていたわけだよね?それをラップというか……ポエトリーリーディングというか。僕ら世代はTOKYO No.1 SOUL SETっていうミュージシャンを思い出すような楽曲なんだけど。どうしてそういう方に気持ちがいったわけ?」

玉名「もともとラップが好きで……ラップかっこいいなって思ってって感じですね。」

山口「どんな音楽がいいなって思ったの?」

玉名KOHHさんとか好きですね。」

山口「あ、そういうコンテキストなんだね。そう言われてなんか分かったわ、なるほどね。」

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山口「未確認のライブステージでは、実際にお客さんの前でどうだった?」

玉名「普段ライブをする時とはまた違った年代のお客さんというか……若い、私と同じくらいの皆さんの顔がすごい近くで見れて、新鮮な気持ちでした。」

山口「自分も若いけどね(笑)。」

玉名「ふふふ(笑)」

山口「普段もライブはやっているってこと?」

玉名「そうですね。いろいろですけど、クラブのデイイベ(日中のイベント)で出させてもらったりとか、バンドとかと一緒に出させてもらったりとかします。」

山口「それはブッキングって感じで出たりするってこと?」

玉名「そうです。箱とか企画の方からいただいてって感じです。」

山口「そうなんだ。それはどれくらいのペースでやっているの?」

玉名「月に2回くらいですかね。多い時で4回とか。」

山口「結構やっているね。その時のライブ演出とかはどうしているの?映像を使ったり……」

玉名「姉が映像をやっていて。映像の学生で。そういうのでMVとかも作ってもらったりするんですけど、それでライブバージョンというか……ライブの後ろにVJとしてそれを流したりとか。」

山口「あー……なるほどね。未確認のライブステージでも映像を出したりしたんですか?」

玉名「いや、それは出来ないみたいで。エンブレムが後ろにあるので。」

山口「そういうことか。」

山口「僕が曲を聴いた印象ですけど……僕はね、ラップとは受け取らず、ある種、ポエトリーリーディングというか、詩を音楽の中に乗せて伝えるっていうスタイルに感じたんだよね。カテゴリは、僕はどうでもいいと思うんだけど。このスタイルって実は、すっごく難しくて。トラックメイキングも自分でやっているわけじゃない?そのトラックも本質的な音の立体感であったりとか、裏切りであったりとか、レベルの高さやプロとしての美しさみたいなもの……美学への追求もすごく必要になるし、言語としての美しさ……言葉のリズムの美しさも必要だし、意味としての性質も伴わないといけないという。結構ミュージシャンの中でも相当狭き門というか。そこで評価されることってすごく難しいジャンルにトライしているなって思うんだよね。」

玉名「あー……。」

山口「18歳で高校3年生?」

玉名「はい。」

山口「就職活動とか、進学とかは決まっているの?」

玉名「大学に進学しようと思っています。」

山口「大学生になるんだ。将来ミュージシャンになりたいってことは思ったりしているのかな?」

玉名「そうですね。機会があればというか……ごはんを食べていけたらいいなと思っています。」

山口「なるほど。何か目標としているスタイルというか、こういう立ち位置のミュージシャンっていうのはいるの?」

玉名「世界というか……アジアにも行けたらいいなって思っています。」

山口「なるほど。僕はね、本当にこのジャンルでプロを目指すんだったら、海外に行ったほうがいいと思うね。で、トラックを作ることの勉強をするというか、いろんな音楽を実際に作っている人と話したり、コミュニケーションをとったり、作り方を学んだりとか、そういう場所に行って実際に体験するとか。あと、日本語っていうものの美しさの探求も必要だし、海外で戦うなら英語としても表現しなきゃいけなくなるのかなって気はするけどね。」

玉名「はい。」

山口「僕も、海外……アジアにライブに行ったリするけど、やっぱり日本文化が好きな人しか集まらないからね。日本語でやっていると。グローバルに行くなら、やはり共通言語の英語としてやらないと。やっぱりなかなか……よっぽどビッグにならないと。例えばRADWIMPSみたいに映画の主題歌をやって、それが中国とか海外でもヒットして行くとそのファンが集まるっていう形じゃないと、グローバル展開は日本のエンターテイメントでは難しいからね。でも、Couneliusとかはワールドツアーを回ったりするじゃない。あと、クラブミュージックのミュージシャンとかはどんどん海外でやって。ベルリンのベルクハインっていう大きなクラブがあるんだけど、そこでレギュラーDJをやっている日本人とかもいるけど、僕らは知っているけど普通の人は知らないじゃん。だから、そういう差異はあるね。日本での評価と海外での評価はすごく差異があるから、そのことを知ったりするためにも1回海外に行ったりして学んだ方がいいのかなとは思うけどね。本当にミュージシャンを目指すならね。」

玉名「なるほど……。」

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山口「何か曲作りやパフォーマンスで質問したいことはありますか?せっかくの機会なので、出来ることがあればお話ししたいと思うんですけど。」

玉名「楽器を持ってライブをされたりすると思うんですけど、楽器を持たないでパフォーマンスをすることに対してどう思われますか?」

山口「別にすごくよくあることだから大丈夫な気がするけど。今回どういう風にやるの?マイクだけを持ってやるの?ラップトップとかは置かずに?」

玉名「置いてやるんですけど、特に触らずやろうかなって思っているんです。」

山口「2ミックスをポン出ししてやるってことか。」

玉名「そうですね。」

山口「それが格好よければ……自分のスタイルに合っていればいいんじゃないかな。ただ、トラックを作る時って歌も録音するわけじゃん。自分の作ったトラックに歌を乗せるでしょ?その時にリバーブをかけたりディレイをかけたり、エフェクティブにするわけじゃない。でも、ライブだとそのアウトプットってPAにいくよね?だから、PAの人に「ここの部分はリバーブをかけてほしい」とか、「歌のレベルはこのくらいにしたい」とか、こんな感じにしてほしいっていうディティールはちゃんと詰めた方がいいと思う。」

玉名「はい。」

山口「家のスピーカー環境ってどんな感じなの?」

玉名「全部ヘッドホンでやっています。」

山口「あ、そのヘッドホンで聴いている感じと、会場で鳴る帯域って全然違うんだよね。会場は、実はむちゃくちゃ低音が出る環境なのよ。で、こういう曲って音源で聴くんじゃなくて、会場で感動させるには、絶対に下のレンジ……ボトムをしっかり作らないと、声の低い部分が曲の1番低いところにきちゃったりすると、迫力がないよね。だから、ライブ用のトラックを作る時には、低音をすごく意識して作るといいかも。例えば、KOHHさんの曲を聴くと、低音がブーンって入ってるじゃん。そこを真似して低音を作ったり、自分の好きな曲の下のボトムを自分の曲の中に要素として入れられるのかとか。「むしろいらない。私はローカットしたい。この雰囲気で行きたいんだ。」って言うんだったら、もちろんそれで勝負してもいいだろうし。」

玉名「はい。」

山口「あのね、えこひいきすると、STUDIO COASTってクラブでもあるから、低音のウーハーがちゃんと入っているんですよ。だから、バンドとかだと音圧で普通にキックとかの生音が下を出してくれるから迫力が出せるんだけど、トラックメイカーの不利な点は、自分で下をコントロールして出さないと、PAがつけないっていう。逆に、バンドが出せない低音を出せるっていう武器でもあるんだよね。そこをどう使うかっていうのはある種音的なところのアドバイスかな。」

玉名「わー……ありがとうございます。」

山口「あと、ライブのビジュアル的なところでは、マイクを持って歌うことは全然いいと思うし、ラップトップを置いて歌うのもいいと思うし。ただ、ラップトップを何の上に置くのかとか、どの位置に置くのかとか、照明演出とか……その辺を、ミニマルなスタイルでライブをする分すごくディティールにこだわった方がいいのかなって思うけどね。」

玉名「なるほど。」

玉名「あの……将来的にというか、一人じゃなくて、他の人も巻き込んで何かやれたら面白いなと思っているんですけど、サカナクションさんみたいな、バンドでやる時のバランスっていうか……メンバーとの折り合いのつけ方を教えてほしいです。」

山口「そうね……他人だから、モチベーションの違いはあるじゃん。例えば、メンバーの中に超お金持ちの息子がいたりすると、貧乏な僕とは……僕は音楽で大成したいって思っているけど、お金持ちの息子は、音楽は趣味だって気持ちでやったりするわけじゃない?そういうモチベーションの違いみたいなのは出てきたりするんだよね。っていうことはやっぱり、面白くないと続けられないっていうか。嫌なことは絶対やれないじゃない。だから、誰かとやる時に重要なのは、いかに音楽で遊ぶか。同じことを繰り返して摩耗しないようにするっていうか……摩耗じゃなくて研磨するっていう感覚がすごく大事なんじゃないかと思うけどね。」

玉名「なるほど。」

山口「それは、どんな仕事でもそうだと思うんですけどね。人と関わらない仕事以外は、デイトレーダーみたいな。人とのコミュニケーションっていう部分で一緒に作るっていうところの難しさはあると思うけどね。あとは、誰が楽曲を作って、どうアレンジするか、それをどう発表するか。その3つだから。そこのルール、ルーティンができると、みんなで議論しながら回して行きやすくなるかなって気がするけど。あと、定期的に合わないと、知らぬ間に他のバンドにサポートでベースが始めてたとか(笑)。そういうのがアマチュアとかインディーズ時代は亀裂の原因になったりするんだよね。あのバンドのボーカルと誰かが付き合っちゃったとか。影響をすごく受けちゃっていて、こっちにその感じ持ってくるとか(笑)。そういうのもあると思うけど。」

玉名「ふふふ(笑)」

山口「でも、トラックメイキングを誰かと一緒にやるのは面白いと思う。自分が作ったトラックをトラックメイカーに渡して、アレンジして返ってきたのをまた自分が返して……みたいなキャッチボールみたいなのを1回やるといろいろ勉強いなると思う。「これはどうやってやったの?」とか聞いたりして。」

玉名「なるほど……!」

山口「例えば、ここで生のギターを入れたいってなった時にギタリストを紹介してもらったり自分で探したりするっていうのでメンバーを探したりとかいうのは結構ありかも。この作ったリズムを生でやったらどうなるのかなーとかさ。」

玉名「ありがとうございます。」

山口「サカナLOCKS!的にはかなりえこひいき気味に玉名ラーメンを応援するので。」

玉名「ありがとうございます!」

山口「ぜひ頑張ってくださいね。緊張せずに。楽しんでください。」

玉名「頑張ります!」

山口「ありがとう。じゃあね、バイバイ。」

玉名「ありがとうございます。」

今回の授業も終了の時間になりました。

山口「しっかりした子ですね。ちゃんと受け答えもできて、高校生とは思えない。自分は高校3年生の時って「はい、はい。」みたいな(笑)。多分そんな感じで。18歳の時にビクターの育成に入って、そこから10年間寝かされてデビューしたので(笑)。いろいろと多感な時期だと思うので、ここでどれだけ曲を作っておけるかっていうのが将来の糧になると思うので、頑張ってもらいたいですね。玉名ラーメン以外の7組のアーティストも、是非ファイナル頑張ってください。緊張するだろうけどね……でも、もうみんなやってるんだよね、ライブとか。緊張とかじゃないんじゃないかな。どう演出するかとか、どうもっていくかっていう。前に音源を紹介した時にいいなと思っていたカモシタサラちゃんもファイナリストに残っているということで、玉名ラーメンカモシタサラちゃん……サカナLOCKS!的には唾つけてるので。NF Recordsが唾つけてるのでね!他のメーカーの皆さん、よろしくお願い致します!」

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サカナLOCKS! 放送後記

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