「宿題『顔出しNGミュージシャンのメリットとデメリットを答えなさい』」

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聴取期限 2021年8月20日(金)PM 10:00まで




今週まずは、サカナクション先生のお知らせが発表になりました。10月に公開される映画『劇場版 ルパンの娘』の主題歌を担当することが発表されました。そこから、ニューアルバムの構想なども……

山口「諏訪さん(カヲル先生)、『ルパンの娘』ってドラマ覚えてます?」

職員「はい、サカナクションが主題歌の。」

山口「そう。深田恭子さんが出ていた。「モス」っていう曲が主題歌に選ばれていたんですけど。あれが映画化されることになりまして。「モス」は使われるんですけど、また別に主題歌みたいなものを作っているんですよ。」

職員「あ、新曲を?」

山口「はい。結構サカナクション的な悪ノリ感を出していこうかなっていうので、結構実験的な感じ。シングルっぽくないっていうか。なんて言うのかな……変な曲って感じ(笑)。」

職員「ふふふ(笑) 今作ってるんですか?」

山口「絶賛制作中で。アルバム全体的な原曲作りみたいなものにも入っていて、11月にアルバムをリリースして、オンラインライブをやって、12月からのアリーナツアーっていう流れを組もうとしているんですよ。」

職員「え?11月にアルバムを出す気でいるってことなんですね?」

山口「いや、未完成でも出しますよ(笑)。」

職員「(笑)」

山口「意地でも出すから。僕、フルアルバムっていう概念を変えようと思っていて。コンスタントにいろんなコンセプトで作品を作る方が面白いと思ってるから、例えば、6曲とか8曲で1枚のアルバムとしてポンポンポンと出していく方が良いかなって思っているのと、シングルカットっていうのをやってもいいかなって思っているんですよ。」

職員「アルバムがメインっていう。」

山口「そう。アルバムが出てから、シングルカットしていくっていう方が面白いかなって思っていて。コロナ禍で新しい取り組みをいろいろ考えていく中で、従来のシステムを1回全部忘れて、自分たちにとって一番クリエイティブとして面白くやれるところ……あと何年音楽やれるか分かんないじゃないですか、正直。その中で出し切るためにはどうしたらいいのかっていうのを考えながらレコーディングをしているって感じなんですけど。」

山口「ここからバタバタして、既になんですけど、忙しくなるとSNSを動かせなくなるじゃないですか。そうなると不安になりますよね。だって、SNSが唯一のメディアじゃないですか。何か大きなイベントがない時の。その窓口が自分だから、自分が止まると入口がなくなるっていうことは、みんな他のミュージシャンに不倫に走るじゃないですか。」

職員「あー、なるほどね。」

山口「音楽と人っていうのがどんどん結びついていく中で、SNSっていうのが動かせない状況って歯痒いなって思って。」

職員「それは11月にアルバムを出すためだし、『ルパンの娘』の主題歌を完成させるための時期なんですよね、今。」

山口「そう。だから、11月のアルバムを成功させるためにもレコーディングを頑張らなきゃいけないんですけど、そのためにもちゃんとSNSを動かしておかなきゃいけないっていうのが……」

職員「あー、ちょっとジレンマだね。」

山口「だから、そういう部分でも、このコロナ禍でミュージシャンはいろんな動き方を変化させていく時代がきているのかなって気がしていて。次のアルバムコンセプトはそういった内容になるんじゃないかって思っているんですけどね。"変わる"とか、"曖昧"っていうところが。それが単曲なのかアルバム全体のコンセプトになるのかはまだ分からないんですけど。こういう中でどう変わっていって、何を見ているのかっていうところがミュージシャンにとって……ミュージシャンだけじゃないかもしれないですよね。みんなにとって重要なことかなって思って。それってすごくはっきりしたことじゃなくて曖昧なことじゃないですか。だからそこをコンセプトにできたらいいな……って思っていて。ちょっと真面目に考えすぎるといつも時間がかかっちゃうので……」

職員「まあね、真面目に考えすぎると6年くらいかかる可能性があるので(笑)。」

山口「そうなんですよ(笑)。だから、いかに無理をせず楽しみながら、なんかできちゃったっていうものを作るかっていうのを実践しようと思って頑張っているんですけど、なかなか社会の一員としてそれをやるのはね……」

職員「作為的にそういう風にしているってことですよね。」

山口「そうそう。」

職員「楽しみにしていますよ。」

山口「はい。いろんな意味で楽しいアルバムになるんじゃないかと思っています。」

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ということで、サカナクション先生のニューアルバムの11月リリースを期待しつつ、今回の授業は一郎先生から出されていた、宿題『顔出しNGミュージシャンのメリットとデメリットを答えなさい。』に提出された、生徒の皆さんの回答をチェックしていきます。ヨルシカ、ずっと真夜中でいいのに。、Eve、GReeeeNなど顔出しをしないミュージシャンが増えましたが、そのメリットとデメリットを考えていきます。

山口「1980年生まれの私たちの青春時代にも、顔出しNGのミュージシャンっていたかな……Gorillazっていう、Blurっていうイギリスのバンドのメンバーが、アニメーションをアバターに使ってやり始めたバンドがあって、それが顔出しをしないバンドっていうので衝撃を受けた思い出があります。あと、Daft Punkは……顔出ししていないっていうか、ロボットだから。ふふふ(笑)。ロボットが顔を出しちゃったら近未来すぎるじゃないですか。人間そっくりのロボットはね。あと、顔出しNGっていうか、テレビに出ないっていうミュージシャンはいましたよね。ZARDとか、BUMP OF CHICKEN先生もそうでしたよね。メジャーとは違うインディーズブームみたいなものがあったから、そういう部分でテレビに出ないっていうことはあったけど、はっきりとした顔出しNGっていうのは結構昨今のムーブメントというか、インターネットが出てきてからのことなんじゃないかなと思っています。」

「それでは、生徒から提出された宿題を紹介していきましょう。」


顔出しNGミュージシャン

顔出しNGミュージシャンについての宿題提出します!私が思う顔出しをしないメリットは曲の世界観を保てる、アーティストは普段の私生活にやたらと気を使わなくていいということなのではないかなと思います。でも私が思うに、アーティストの顔も世界観を作る一部になっている気がします。例えばサカナクションの曲は一郎先生や他のメンバーのビジュアルがあってこそサカナクションという世界が作られていると思うし、サカナクションの曲を洋平先生が歌ったらそれはまた別の世界観を作ることになると思います。
サカナクション先生が顔出しNGミュージシャンである世界線も見てみたいです。

サカナカサ
女性/18歳/埼玉県


「どうだろうね……僕が違和感を感じるのは、顔出しNGじゃないけど、アーティスト写真文化。バンドの宣材写真っていうやつです。僕らは5人なので、5人ちゃんと並んで顔もしっかり見えていないとだめとか、そういうルールみたいなのがあるのは違和感を感じたりしていますけど、敢えて顔を出さないことで音楽だけ聴いてほしいっていう考え方を否定するつもりもないかな。僕の感覚で言うと、顔を出さないことで、出さないまま終われるんだったら出さなくて良いかなと思う。ずっと出さないで終われるならね、ミュージシャン人生を。出さないっていう時間が長ければ長いほど、出した時にがっかりされるかもしれないっていう怖さが増えていくじゃないですか。だから、ずっと出さないつもりならいいのかなっていうのと、実はめちゃくちゃ格好いいとか可愛いっていうことを戦略的に隠して出していないんだったらそれはすごい成功する可能性があるのかなって気がしますけど。つまり、我々が顔出しNGミュージシャンになり得ない理由としては、三枚目バンドなので……昔ね、僕言われたのよ。ビクターの人に、『サカナクションってボーカルがもっと格好よかったらもっと売れたのにね』って。そういったディレクターがいるんですよ。誰だか言わないけど(笑)。……ひどくない?(笑) そういう風に言われるくらいだから、顔を出していなくて、出した時にがっかりってなるパターンなんですよ、我々の場合は。だから、出さない必要がないし、音楽=人っていうのがSNSが出てきたことでより強調される時代だから、我々は人間性も含めて音楽に反映させていきたいっていう部分で戦っているのでね。顔を出さないって言う選択をする必要はないかなって思うんですけど。でも、一人で制作をしていて、インディーズみたいな立ち位置、インターネットで音楽を発信していく人たちがそういう傾向にあるんじゃないかなって思いますけどね。」

「顔を出さずにミュージシャンをやっていて、実は役者をやっていたとか、そういう二面性があって、実はあの俳優さんってミュージシャンだったんだよっていう……自分のブランド力を上げる戦略として顔出しをしないっていう意味合いがあるんだったら、すごい戦略家だなって思いますけど、純粋に音楽性を聴いてほしいっていう部分で顔出しをしないのは、音楽性だけを楽しんでもらうっていうメリットはあるけど、その後の心配は出てくるなっていうのはありますね。例えば、サカナクションだったらベースの(草刈)愛美ちゃんが顔出ししないで別ミュージシャンをやって、実はサカナクションのベースだったんだよっていうこととかはあり得るかもしれないね。だから、声優さんは声だけでいろんなキャラクターを演じていながら、自分の顔も出しているわけでしょ?僕がアニメーション監督だったら顔が分かっている声優を使いたくないですもんね。こんな顔をしている人がこれをしゃべっているっていうのを分からせたくないっていうか。ビジュアルとしてのブランドはいらないって思っちゃうというか。だからそこで勝負しているのはすごいことだなって思ったりします。」

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宿題提出します!!

デメリットは、『顔出ししたい!と思ったときには顔出しをしづらい』かな〜と思います!!!
それまで作ってきた作品から、ファンのみんなが考えているそのアーティスト像と実際のアーティストが異なっていた場合、「あ、こんな人なんだ…。」ってなったら最悪ファン離れとかが起きそうだし、何年か経っちゃったら、本人自身も今顔を出してもいいのか?って悩んじゃいそうだからです!!!!!

世界のりんごジュース
女性/17歳/広島県


「ほら。ふふふ(笑)。まさに僕が言っていたやつだよね。その現象はあるよね。」


顔出しNGミュージシャンのメリットとデメリット

まず顔出しをしないメリットとして、ミュージシャンの個人情報の保護が挙げられます。学生・社会人など、普段音楽以外のことをしている人が活動しやすくなるほか、ミュージシャンを生業とする人も、「見られている」という意識が減り安心して活動ができると思います。
次にデメリットはメディアの露出に制限が発生するということです。ミュージシャンの人柄や考えが発信されにくくなり、どんな人がその音楽を作っているのか分かりにくくなると思います。ミュージシャンの性格やプライベートな部分も知りたい、というリスナーには取っつきにくいかもしれません。
しかし、このデメリットはプロモーションの工夫次第でうまく利用できると思います。例えば、ライブやテレビの音楽番組では他のミュージシャンとは違った演出になると思います。また、出演するメディアをラジオやコメント出演のみに絞ることでファンに特別感を与えたり、よりミュージシャンに対する親しみを感じさせたりもできると思います。
長くなってしまいましたが、今はSNSも発達しあらゆることを発信しやすくなっているなか、顔以外にも年齢、性別、話し方、普段の生活などミュージシャンの外見と内面をどこまで公表するのかが、楽曲を制作する上でもプロモーションしていく上でも鍵になっていくと思います。

AYUME
女性/17歳/北海道


「あー、すごい考えていらっしゃいますね。個人情報の保護っていうのが挙げられますけど、顔を出さないとSNSで発信しやすくなるだろうなとは思う。政治的なこととか、自分が思っていることを露骨に言いやすくなるんじゃないかって気がしますけどね。他の人に迷惑かけないから。すごい大炎上をしても、普通にスーパーとか行けるかなみたいな(笑)。辞めますって言ったらすぐ辞めれるっていうのはあるかもしれないですけどね。あと、学生とか社会人とか、音楽以外で仕事をしている人が音楽の仕事をしやすくなるっていうのはあるかもしれないですけど、それって、副業禁止の会社で副業をやっていることを隠すためっていうことだったら本末転倒かなっていう気はします。顔を出さないことでいいミュージシャンになれるとは思わないけど、純粋に音楽性を聴いてもらえるっていうことはあり得るのかな。どうなのかな……あ、GReeeeNさんもいたか!GReeeeNさんは歯医者だもんね。自分の仕事があって顔を出せないとか、理由があるっていうのはすごい重要だったりするかもしれないですね。確かに、AYUMEさんの言うように、メディアの露出とかもね……ラジオとかは可能ですけど、テレビとかはね。難しくなるかなって思いますけどね。何も公開しないっていう部分では、逆に興味をひくっていうところはあるのかな。戦略としては面白そうだなって思いますけど。」

「ただ、ライブはどうするんだっていうのはありますけどね……BEAT CRUSADERSっていう僕らの青春時代のバンドは、アー写とかメディアに出る時はお面をして(顔を隠して)いて、ライブではお面を外していたと。amazarashiとか、ずっと真夜中でいいのに。とかは、ライブ中は紗幕を下ろしていると。映像を紗幕に映したりすることで自分たちの世界観を構築しようとすると。そういうライブでの演出は結構重要になってくるよね。何をやってくれるんだろうっていう。Gorillazは確か、メンバー1人に1つずつスクリーンがあって、そこにアニメーションが映るっていうものでしたよね。いろんな見せ方ができるなとは思うけど、よりテクノロジーっていうものに頼っていく演出になっていくのかな。フィジカルな部分はあんまり伝わりにくくなるんだろうなと思いますけどね。」

「だったら、顔出ししてそれ以外の情報は全部非公開とかの方がいいのかな?昔はそうでしたよね?メタルのバンドとか結構そうじゃないですか?聖飢魔IIのデーモン閣下は、悪魔ですもんね?ずっと悪魔ですもんね?メディアに出る時も悪魔ですもんね。人間じゃないですもんね。ある種顔出ししているけど顔出ししていないですよね。覆面レスラーみたいなもんですよね。コミックバンドみたいに思われるかもしれないけど、素顔を出して、名前も全部非公開で、SNSもやらないっていう方がひょっとしたら面白いのかなって思ったりしますね。皆さん、宿題の提出ありがとうございました。」


そろそろ、今回の授業も終了の時間になりました。

「先生的には、顔出ししないで音楽をやるっていうことを否定はしません。音楽性を聴いてもらいたいっていう感覚はよく分かるし、インターネット上で音楽を発信している人がオープンメディアの方で音楽を発信するときに、その環境を貫いているっていう状況で、たまたま顔出しをしていないっていう状況になっているのもなんとなく垣間見れるし。それを貫いていくっていうのも間違いじゃないかなって思います。でも、音楽に対して顔を出す出さないっていう部分でどう聴かれるか、どう捉えられるかっていう変化は多少なりともあると思います。リスナーが何を音楽に求めているのかによってそれは変容していくんじゃないかなって思うし、10年後、20年後、30年後に愛される音楽を作っていきたいっていう風に思っていく中で顔出しをしないでそれを達成するっていうことは、あんまり見えないなって感じはしますけどね。今この瞬間に音楽を生み出すっていうのではそれでも構わないかもしれないですけど。音楽史に残すものを作るっていう感覚でいると……まあ、そういう感覚で音楽を作る人は少ないとは思うんですけどね。振り返りにくいのかなって気はしますね。」

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