「ドラム対談!江島啓一×堀 正輝(後編)」

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2022年8月12日(金)PM 10:00まで




音を学ぶ、"音学(おんがく)" の授業、サカナLOCKS!。
現在、このクラスの副担任・サカナクションのドラム:江島啓一先生が授業を担当中ですが、今回も江島先生のドラマー仲間、堀 正輝 先生をゲストにお迎えして、"ドラム対談" をお送りしていきます。
その前に、まずは山口一郎先生、そしてサカナクションについてのお知らせです。


江島「生徒の皆さんこんばんは。サカナクションのドラム、江島啓一です。いつもこのサカナLOCKS!を担当している、サカナクションのボーカル 山口一郎先生なんですけれども、7月から体調不良で活動を休止しているんですが、最初は1ヶ月間、7月いっぱいを休養期間として、ライブを始めとする全ての活動をお休みさせていただいておりました。それから1ヶ月経ちまして、徐々に回復に向かっているんですけど、やっぱり2時間から2時間半に及ぶライブパフォーマンスをするにはまだ至っていないということで、出演を予定していたフェス、8月19日のSONIC MANIA、9月3日ONE PARK FESTIVAL 2022の出演を辞退させていただくことになりました。さらに、僕たちサカナクションの全国ツアー『SAKANAQUARIUM アダプト NAKED』の、9月6日札幌公演から、10月13日の岩手公演までを延期させていただくことになりました。」

「6月、7月に加えて、8月から10月の前半のライブを延期することになったんですけど、そのチケットを買って、スケジュールを合わせて、ライブに来るのを楽しみにしてくれていた方には本当に申し訳ないなと思っています。気持ちとしては、できるだけ早く皆さんと音楽で楽しい時間を過ごしたいなと思っているんですけれども、まだ体調が戻らないということで、メンバー一同そちらを優先させていただくことになりました。何度も何度も、延期、延期って発表をしないといけないっていうのは僕たちとしても、ものすごく心苦しいし、やるの、やらないの、って不安に思っているファンの皆さんもいるかと思うんですけど。僕個人としては、一郎先生にはしっかりここで治していただいて、治るだけではなくて元気いっぱいになって、いいパフォーマンスを5人揃って皆さんの前に立って、いい音楽をお届けしたいなと思いますので、本当に申し訳ないんですけど、もうしばらく待っていただけたらと思っています。」

「そんな山口先生なんですけれども、ライブでやっぱり2時間から2時間半歌い続けるっていうのは結構な身体的負担がありますので、それに向けての体力の回復も含めて、こういう期間を延長させていただいているんですけど、それ以外のそんなに体に負担のないような活動に関しては、徐々に今月から再開できればと考えているところです。なので、生徒の皆さんも、一郎先生がこの教室に戻ってくるのをもうちょっとだけ待っていただいて、その間は、副担任の僕が、サカナLOCKS!をもうちょっとだけ担当させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。」

■サカナクション Official Web Site [→コチラ]


それでは、授業に入ります。先週に引き続き、ドラマー/ビートプロデューサーの、堀 正輝 先生をお迎えしています。

江島「今週も副担任の僕がこのサカナLOCKS!をお届けしたいと思います。今夜も特別講師に、ドラマー/ビートプロデューサーの堀正輝さんをお迎えしてドラムの話をしていきたいと思います。先週に引き続き、いろんな話をしていきたいと思います。よろしくお願いします!」

堀「堀です、よろしくお願いします!」

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江島「今後、どんなところを目指してるの?」

堀「いやー……サポートドラマーとしての目標みたいなものは特になくて、とにかく今関わらせてもらっている音楽たちがあるじゃん。サポートでいろいろさせてもらって。そこの人たちはやっぱり自分が好きな人たちばっかりだから、その人たちがどんどん進化していくのと同じように、自分も進化していきたいっていう気持ちしかないかな。ずっと一緒にそこでやりたいっていうことよりも、自分だけ止まっているのが嫌だなっていうのがあって。ずっと進化したいっていう気持ちで毎日過ごしているだけで。気づいたら1年終わって、1年終わって……ってすごい早いんだけど(笑)。」

江島「その、進化したいっていうのに繋がって、ソロを出したり?」

堀「それもそうだね。サポートドラムっていうものだけをやっていると、自分が好きだった音楽って何だっけっていう瞬間もあるし。それは今サポートさせてもらってる音楽もすごい好きで、じゃあ、堀さんは何が好きなのってなった時に、何だっけってなるのが嫌だったの。」

江島「一回立ち戻るっていう感じ?」

堀「そう。「だから、自分はこういう音楽が好きですっていうものをその時その時の形で作っておいたほうがいいなって思ったの。それでソロを始めるんだけど、自分の周りにめちゃくちゃかっこいいミュージシャンが多い。ギターとかベースもそうだし、鍵盤の人とかもそうだし。そういう自分の周りで仲良くしてもらってるミュージシャンに、自分が曲を作るときにピアノがほしいなってなったときに連絡して弾いてもらえるとか……そうやって作ってるかな。」


江島「僕の場合は、自分のバンドがあって、ほぼ9割その活動に費やしていて、時々ちょっと叩いてって言われて叩くこともある。違うバンドだったり、ソロの人とか。」

堀「サポートドラムだよね。」

江島「うん。それって、元々知り合いで、ドラムがいないから手伝ってっていうパターンなんだよね。」

堀「その……例えば、サカナクション以外で音楽をやる時に、いつも受けない刺激とかもあるじゃん?それがサカナクションに持ってこられちゃう時ってあるでしょ?自分のモードが、サカナクションだけやっている時と、他の仕事も入りつつサカナクションの制作をやるときで、感覚が違ったりするじゃん?」

江島「違う、違う。」

堀「それって、いいよね。持ち帰る場所があるって。」

江島「あー!うん、うん。」

堀「僕の場合は、持ち帰る場所っていうのがはっきりとはないけど、運が良いことに、長くサポートさせてもらっているところがあるから、いろんなところで受けた刺激を、いろんなところで試したり提案したりもできるから。」

江島「ぐるぐる回ってるわけだ。」

堀「ドラムっていう中ではね。楽曲自体は携わってないから分からないけど、ドラムをライブとかで叩くっていうことに関しては、いろんな試しがいろんなところで……自分の中だけで行われて、すごい上手くいったところは残っていくじゃん。それをあそこでやったらいいんじゃないかって思ったらやるし。それはそれだけど、全然違うなって思う。」

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堀「逆に、ずっと羨ましいなって思っていることがあって。」

江島「え?堀くんが?僕らに?」

堀「そう。江島くんにもそうだし、サカナクションみんなに。俺が若い時には、スーパーバンドがいっぱいいたじゃん。Radioheadとかさ。」

江島「世界的なバンドね。」

堀「そうそう。分かりやすく言えばThe Beatlesとか、Oasisとかもそうだし。そういうバンドがファーストアルバム出して、すごい好きだって聴いて、セカンドで何やるのかな、サードで何やるのかな……って。全然違うことやって、全然好きじゃないとかさ。Readioheadが『Kid A』っていうアルバムを出した時に、すごいテクノとか打ち込みになって、バンドじゃないみたいなアルバムを出して、こんなことをバンドでやっていいんだとか。そういう刺激を受けてどんどん自分のバンドが変わっていくっていうことが多分世界中で起きていたじゃん。」

江島「あったね。」

堀「そういう、今頑張っている、各地にいるバンドマンとかDTMをやっている人とかに、影響を与えられるわけでしょ、自分が好きな、作った音楽で。それが羨ましくてしょうがないっていうのがずっとあって。いわゆるあれになったんだよな、江島くんってって思いながら。」

江島「あ、そういうのがあったんだ(笑)。初めて聞いた。」

堀「初めて言ったかも(笑)。結構思うんだよね、ふと。いいな、サカナクション。江島くんいいなって思うのがそういうことだったりするの。自分がなりたかったもの。」

江島「僕は僕で、堀くん羨ましいなって。大変だから僕にはできないなって思うんだけど。いろんなミュージシャンとやっていて、堀くんが叩いてるYouTube動画を合算したら、(再生回数が)"兆"ですよ。億を超えて兆!すごいから。」

堀「兆はいかないでしょ(笑)。」

江島「もう、すごいから!これも堀くん?これも堀くん?!みたいな。すごいなって。1回、今度飲みに行こうよって言って、いつくらいだったら暇なのって聞いたら、3ヶ月後って言われたことあって。売れてるなーって(笑)。」

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堀「あったっけ?(笑)いやいや、それも理由があるんですよ。器用な人じゃないからさ。本当に。明日レコーディングかって思ったら、譜面を書いて練習するでしょ。俺、練習をちゃんとするの。」

江島「デモをもらってからレコーディングまでに?」

堀「そう。練習というか、まずつらっと叩いて、その後にこういうオーダーがきたらどうしようとかいろいろ想定して。」

江島「考える時間というか、自分の中で試行錯誤をする時間を必ず作るってこと?」

堀「そう。ただ、考えただけで、1回まっさらになる可能性もあるよっていうのも置いておきつつ。だから完全に固めたりとかはしないんだけど。ある程度いろいろ想定して家でやってみて……っていう時間もあったりとか。ただ仕事が入ってその時に行って終わりだったら、多分スケジュールってもっとあるんだけど。」

江島「あー、世の中の人は、スタジオにパッと行って、パッと叩いて、はい、おつかれ!って感覚なのかなって。そう思ってた。」

堀「そうでしょ?」

江島「準備したり練習したりするんだね!」

堀「そうじゃないと手癖しか出てこないから、飽きちゃうんだよね。何も考えないでやると、今までやってきたことがパッと出るもの。フレーズとかね。」

江島「癖みたいなね。」

堀「そう、癖みたいな。それをなるべく使いたくないし。もう飽きてるから、自分は。新しくきた楽曲には、自分の手癖とかは基本入ってないわけじゃん。だから、しっかりそのフィールを自分の中に入れていくっていう作業が俺には必要だと思ってやってるんだけど。」

江島「だから、飲みにいくのは3ヶ月後になると(笑)。」

堀「ははは(笑)。ツアーとかが重なったら物理的にね。ずっと出っぱなしっていうのもあるけど。」

江島「じゃあ変わらないですね。ミュージシャンとして、バンドもサポートドラマーも全然変わらない。同じく音楽を作るという意味では。」

堀「そうだねー……いや、でも羨ましいけどね。そういう意味では違うと思うけど(笑)。」


江島「あと、ちょっと堀くんに聞きたかったことがあって。あんまり明るい話じゃないんだけど……(笑)。」

堀「何、何(笑)。」

江島「最近パソコンの性能が上がったり、ソフトの性能が上がったりして、一人で音楽を作る人が増えてきているじゃないですか。その方がお金もかからないし、音のクオリティもめちゃめちゃ最近は高いから、割とそういう人が主流になって。それでも、例えば今、楽器を何もやっていない状態で生まれ変わって、またドラムを選択するのかなって。」

堀「いや……僕は、ドラムは今生きていて経験したから、ドラムじゃないことがやりたい(笑)。」

江島「そうなんだ(笑)。違う楽器をやってみたい?」

堀「またドラムっていうのはないかな。セッテイングも面倒くさいしさ。片付けも最後までかかるでしょ?」

江島「ねー、大変なんだよね(笑)。」


堀「逆に、僕の方から1個だけ聞きたかったことがあるんです。」

江島「何でしょう?怖い怖い(笑)。」

堀「いや、全然怖くない(笑)。今、若くて全国でバンドで頑張っている人たちがいるじゃない?その人たちにどういうアドバイスする?」

江島「それは、プロを目指してる人?」

堀「もちろん。自分のバンドを何か変えようとか、売れようとか、何か影響を与える存在になろうとか、バンドを大きくしようって思っている人たちに。」

江島「ドラマーに対して?」

堀「うん、ドラマーに対して。」

江島「あー……ちょっと参考になるかどうか分からないんですけど、これから何かを成し遂げようとする人たち……マイノリティ側にいる人たちって、マジョリティ側にどう自分を食い込ませるかっていうところに必死でやられていると思うんですけど……それも正解で、それを目指すのはいいとして。その一方で、マジョリティの中にポンって入ったら、埋もれてしまう危険性がとてもがある。何も考えずに多数側に入っていくと。だから、そういう意味で言うと、どれだけマイノリティ側で、どれだけとんがったことをするか、どれだけ鋭利になるかっていうのを目指すのも、両方必要かなと思っていて。特に最近の傾向としては、マイノリティの中の一番尖ったやつがポンとマジョリティ側にいくみたいな流れが多いんじゃないかなって。音楽以外にもね。そういう流れがあるような気がしているから、自分がちょっとニッチなことをやっているなって思っていても、それが好きだったら、それをとことん突き詰めるのがいいんじゃないかなって思っている次第でございます(笑)。」

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堀「ありがとうございます。ふふふ(笑)。これ、自分が若い頃聞きたかったっすね(笑)。」

江島「悩んでたんだ、そういうので。」

堀「いやー、常に悩んでるよ。」

江島「今も?」

堀「今も、もちろん。」

江島「そうなんだ。」

堀「勉強になりました!」

江島「とんでもないです(笑)。」



■ 廻廻奇譚 - Eve MV
(堀 先生は、ドラム & ビートのアレンジを担当しているぞ!)


2週にわたってお送りしてきた、ドラム対談。
そろそろ授業も終了の時間になりました。

江島「ドラマーの堀正輝さんをゲストに迎えて授業をしてきたんですけど、話を聞いていると、バンドのドラマーとかサポートドラマーとか関係ないんだなって感じました。音楽を作るっていうことを職業にしている共通点……それに限って言えば、立場は変わらないんだなっていうのがよくわかって。いろんなミュージシャンの方とやっている堀正輝さん。誰が演奏している……そういう耳で音楽を探っていくのもの楽しいんじゃないかなと思った次第でございます。」

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