宿題:ライブマナーについて考えよ!(2)



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今回はライブ中のマナーについての授業、後編です。
前回は生徒の皆さんから届いたライブマナーについての意見を紹介していきましたが、今回は山口先生からのお話です。


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山口「モッシュ、ダイブについてたくさんの意見を生徒諸君からいただいたのですが、ライブにまだ行った事が生徒もたくさんいると思うし、モッシュって何なの?っていう生徒もいると思います。なので、モッシュについてWikipediaで調べてみました(笑)。」


"モッシュとは、主にロックコンサートにおいて見られる現象のひとつ。興奮した観客が密集した状況で無秩序に体をぶつけあうこと。" 「モッシュ」- Wikipedia


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「これ、Wikipediaに載っているモッシュの写真……外国人たちがもう、暴徒化している写真になっているぞ(笑)。これはもう無秩序に体をぶつけ合うというよりは殴り合いだな(笑)。でも、先生が思うモッシュって実はここにあるんですよ。先生は1980年生まれなので、メロコアとかハードコア文化なんですね。Hi-STANDARD全盛期です。なので、蹴り飛ばしたり、押したり、音楽に関係なく殴り合っている……っていうと言い過ぎだけど、押し合う様を "モッシュ" っていう風に解釈している。これは最近のモッシュとはちょっと違うらしいね。密集した状態……つまり、お客さんがライブハウスにパンパンに入って肩も動かせない、手も挙げられない状態で自然に全体が揺れ動く事、それをモッシュと感じている生徒がたくさんいるみたいです。どういう状況かというと……、

東京都内の満員電車!

しかも、興奮したサラリーマンがぱんぱんの満員電車で「給料上げろ!!」「上司は辞めてしまえ!!」「お茶汲みとか言うな!!」って言って押し合って、体をぶつけ合っている様を想像してください(笑)。あれですね。あれをモッシュと呼んでいると。ドンと押したりすることではないんだね。先生は先週勘違いしていたけど。それをモッシュと呼ぶらしい。これについての先生の見解は、起きてしまっている現象なんだからしょうがないのかなって思います。」


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「では、"サークル"とは何か。これもまた検索してみましょうか。載ってるのかな、Wikipediaに……。あ、サークルの事は、"ストーム"と言うらしいですね。」


"ストームとは、ロックやヘビーメタル、ハードコアなどのギグやライブコンサートで見られる共鳴的動作のひとつ。サークルモッシュ、サークルピットなどと呼ばれる事もある。複数のオーディエンスがある一点を軸に、竜巻さながらの渦のような人の流れを生み出す現象で、とりわけギグやブロックで区切られた構成を採用するライブコンサートで見られる。「ムカデ競走の竜巻」という形容が似合う。"「ストーム(コンサート)」-Wikipedia


「ふふふ(笑)。誰だ、コレ書いたヤツ(笑)。」


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"エアギター、ヘッドバンギング、モッシュダイブなどと見られる動作である。強制的に多数の人間によって引き起こされた流れに抵抗する事も困難で、しばらくの間ストームが生み出された空間は騒然となる。ギグ初心者を驚愕させる現象の一つでもあり、モッシュダイブと共に会場における眼鏡の着用を懸念させる要素の一つでもある。"「ストーム(コンサート)」-Wikipedia


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「ははは(笑)。極端だなー。つまり、みんな興奮して、「手を繋げー!!!」と、「横のヤツと肩を組めー!!隙間を空けてグルグル回るんだ!!竜巻だー!!!」って、ライブ中に興奮さながら渦になってしまった現象をサークルと呼ぶんだね(笑)。こういうことが起きてしまうのは仕方ないけど、周りの人に迷惑をかけたり、突き飛ばしたり、イジメ的なことはしてはいけない。と、先生は思う。楽しんでいるのは良いから。それに入りたくない人が入ってしまった時には、危ないよ、こっちだよ、って出してあげたり、誘導してあげる事も必要かもしれないですね。なので、サカナLOCKS!的見解は、モッシュ、故意に人を突き飛ばしたり、蹴飛ばしたり、ショルダータックルしたり、そういったことはダメ。だけど、ひとつの塊となって揺れ動いたり、ライブで押し合ったりしてしまっていることは、先生的にはアリ。だってそうなってしまっているんだから、しょうがない。自然現象のひとつですよ。サークルに関しては、人に迷惑をかけているなっていうことになっていたらダメだと思う。例えば、静かな曲でサークルをやったりしたらそれはもう迷惑だし、静かな曲で大声で歌ったらそれは迷惑なんだと。全体的にみんなで楽しめる範囲で、ライブマナーを気を付けましょうってことで良いんじゃないですかね。人に迷惑をかけてはいけない。これがサカナLOCKS!的な教則とさせていただきます。」


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「でも、先生、そんなサークルの中に飛び込んだ事があるぞ(笑)。あのね、これは去年のRUSH BALLというフェスの時にね。先生はヘッドライナーをつとめ、先生の事務所の後輩であるKANA-BOONがヘッドライナー後に演る若手がやるステージがあって、大きいステージよりひとつ小さいステージでライブを演っていたんですね。先生も昔、そのステージに出た事があったんですよ。そのとき、お客さんがぞろぞろ帰って行く中でライブを演っているのでなかなか呼び止めるのに必死になっていた思い出があったので、KANA-BOONはどんな感じかなって見に行ったんですよ。人気も出て来ていた当初でね。で、僕は客席を横切って、FOHっていうPAとかがある所に入り込もうと思って、いっぱい人が入っていて良いな〜って掻き分けていたら、ふわっと開けたところに出たんですね。何だこのミステリーサークルは!って思ったら、サークル。巨大なサークルですよ。で、いきなり僕はそのサークルの真ん中で、もうファイトクラブ状態です(笑)。サークルの外に出ようとしても、出させてくれない。ドーンって押されて。もう10歳以上、年下の若い子どもたちに(笑)。うぉーい!って押されて、「やめろよー!外に出させてくれよー!」みたいな状態が約15秒くらい続きました。中には先生のステージを見たであろう、サカナタオルを首に巻いた生徒たちもいました(笑)。「やめろよー!」って感じで先生はサカナクションだと気づかれず、サークルの中でもみくちゃにされた、と。これは、先生だったから笑い話になったけど、生まれて初めてライブに来た人たちだとしたら、トラウマになるぞ。ライブに二度と行きたくないって、先生なら思う。これはあんまり良くないなって思いましたけどね。」


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「個人的な見解をサカナLOCKS!で発表するとするなら、先生は、サークルはあんまり好きじゃない。3〜4人で肩を組んだり、向き合ってイェーイ!ってやるんだったら全然良い。迷惑かからないし。だけど、20〜30人で輪になって、間に隙間ができる、みたいなことになるのはあんまり良くないかな。先生のライブでは嬉しくないかなって思いますね。あとモッシュも、ステージから見ていて苦しそうな人とかを何度も見ているので、あんまり良い思いはしないですね。楽しんでいる人と楽しんでいない人っていう構図が見えると、先生としては楽しんでいない人の方が気になっちゃう。だから、肘鉄したり、押したり、悪意がある感じでやり合うのは良くないなと思う。だけど、一緒に盛り上がろうとする一連の動作の中でそれが起きるんだったら別に否定しない。」


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「あと、周りを気にせず大声で歌うのは、先生実はそんなに否定しない。なんでかって言うと、先生は歌って欲しいんだよね、できれば。一緒に歌って欲しいし、歌ってコミュニケーションをとってくれていることは、気分悪くないし、良い事だなって思う。ただ、聴きに来ている人もいるって言うのが事実だから。生徒みんなから提出されてきた意見を見ても、大声で歌われるのは圧倒的に "嫌だ" って意見が多いし。だから、歌いたい時は歌っていいけど、周りを気にしよう。っていうか、先生たちが歌を煽る部分は歌っても良い。だけど、常に歌い続けるのはやめよう。あと、ジャイアン級に歌うのをやめよう(笑)。っていうところかな。とりあえず、親にも先生にも言われて来た通り、人に迷惑をかけると思うところはやめていきましょうっていうところがサカナLOCKS!の山口一郎先生的見解としてあります。そんな形でいいでしょうか。」


ということで、2週にわたってお届けしてきた「ライブマナー」についての授業、そろそろ終わりの時間です。


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「まあ、難しいねー、こればっかりは。人によってライブの楽しみ方はいろいろあるし、モッシュやダイブのためにライブに来ている人もいるだろうし、ただ音楽を楽しみに来ている人もいるだろうし。だから、モッシュをするバンドはこういうバンドだよねとか、モッシュをする曲はこういう曲だよねとか、ココに来ているお客さんはそれを良しとして来ているよねとか、ココに来ている人たちはそれをナシとしているよねとか、それを感じ取れるように慣れるのが一番重要だと思うし、その場に合わせる事が大事だと思う。キュウソネコカミとかは、サークルをしようっていう曲があるんですもんね(「KMDT25」)。そういうバンドもいるし、実際にONE OK ROCKとかのライブを見ていて、みんなが激しく盛り上がっている、モッシュとかしているのを見ると、うわー、すごい楽しんでいるな、音楽を全身で感じているんだなっていうのも分かるし。だから、バンドや曲によってはアリ。だけど、そうじゃないときにはしちゃいけない。大声で歌う事もそう。いつも状況に応じて、人に迷惑がかからないようにしましょう。」


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