わかったフリのアーティスト用語 "4つ打ち"


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一郎先生こんばんは!一郎先生はよくエゴサーチをしていると言いますが、ちなみにどんな単語でエゴサーチをしているのですか?僕も、自分の本名でエゴサーチするのですが、正直素人なので誰も僕の事をつぶやいてくれません。

おさむの息子
男/16/東京都




山口「知りたいか、それ(笑)。誰もつぶやいてくれない……当たり前だろ(笑)。おさむの息子のことをつぶやいている人がいたら、それ、なんかお前がやっちゃったってことだぞ(笑)。"バ◯ッター"的なやつになっちゃったってことでしょ?それは、ひっかからなかったってことで安心しておきなさい。先生がエゴサーチをする時は、"自分の評判、世間にとってどうなんだろう……。"とか、そういう意味でエゴサーチしているんじゃなくて、今回のリリースの反応がどうだったんだろうとか、ライブの反応はどうだったんだろうっていうときにエゴサーチをしているんだぞ。だから、朝から晩までエゴサーチしているわけじゃないからな(笑)。先生がエゴサーチをするのは、"サカナクション"、"サカナ"が多いかな。"サカナ"だけだと、"さかなクン"さんも引っかかってくるし、本当に純粋な魚好きの人が、魚に対して愛着がありすぎてカタカナにしちゃっているとかが引っかかってくるね。自分の名前でエゴサーチする事はあんまりないな。……怖いから(笑)。先生は2ちゃんとかも見ないんだけど……言われているだろうから、いろいろと。」


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「この間、Steve Aokiさんっていう、日本人とのハーフで、世界で第3位とかのDJと、Fatboy Slimっていう、先生の世代では"神"と言われる人と幕張メッセでライブをしたんですけど、その時はもう、むちゃくちゃエゴサーチしましたね。"サカナクション"で。それは、EDMっていう音楽のジャンルがあるんですけど、今度、EDMの授業を先生はやろうかなと思う。これは、いつか日本でも(ブームが)来るから。肯定か否定かっていう話はしないけど。……それで、EDMのパーティだったので、先生はアウェーでした。だけど、意外と通用したかなと思っています。なので、どう通用したかっていうのをエゴサーチしましたね。反応を見ました。どういう人たちが自分たちの音楽を良いって言ってくれたのか。もう本当に……腕にキラキラ光るのを付けてワーってやっている子とか、男の子に肩車されていた女の子とかね。そういう感じのパーティで、みんなもうiPhoneで写真も撮りまくり、みたいな、海外みたいなね。そういうパーティだったので。そういう人たちがいっぱい良いって言ってくれていました。これは、ソフトヤンキー理論って言うんですけど。……話すと長くなるんだが。それでは、黒板書きます。」


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「……あ、"マイルドヤンキー"だ。……ソフトヤンキーってなんか……(笑)。あははは(笑)。ちょっと、柔らかい……リーゼントにしたくて前髪をちょっと垂らした、みたいな(笑)。……マイルドヤンキーね。うん。」


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今回の授業は、久々にレギュラー授業「わかったフリのアーティスト用語」です。生徒の皆さんから提出してもらっている、"音楽用語だとはわかっていながら、あまり意味が解ってないまま使っている言葉" について、山口先生が解説していきます。

「みんな、わかったフリは良くないぞ。今までにも何度かこの授業でやってきましたし、副担任'sの4人もこの授業をやってくれたかと思いますが。わからなかったらちゃんと調べる。これは大事な事です。ましてや、みんなが大好きな音楽の事。わからないままにしておくと、後で大変な事になるぞ。クラスで人気者になるチャンスを失うかもしれないぞ、と(笑)。先生もよくWikipedia先生を使って調べています。わからなかった事とかね。……早速、"EDM"を調べてみようか。何をもってEDMなのか。先生は、これを知ったとき、意外とそうなんだ、難しいことじゃないんだと思いましたけど。そういった、わかったフリのアーティスト用語を今日は先生なりに答えていきたいと思います。」


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今回はこの書込みについて。



KANA-BOONが、雑誌とかで「四つ打ち」ってよく言ってるんですけど、どういう意味ですか?今ブームなんですか?

100円
男/13/東京都




「あ〜……。遅い!(笑) 遅いぞ、100円。「四つ打ち」っていうのは、ドラムの中に"キック"っていうのがあるんですね。"バスドラ(バスドラム)"っていう種類の太鼓がある。この、ドン、がバスドラ。キックってやつですね。これが一定の間隔で踏まれるものが四つ打ち。先生たちサカナクションの曲も四つ打ちが多い。そもそも、四つ打ちの発祥は、先生うろ覚えだけど、ハウスミュージックっていうジャンルがあって。"ハウス"ってジャンルが発祥で、ロックをやっている人たちが、そのダンスミュージックを利用したのが四つ打ち。ハウスミュージックを生バンドで取り入れていったのが初めてですね。ザ・ミュージック(THE MUSIC)っていう人たちがいたんですけど、これは先生が高校生の時ですね。これが出てきた時に、ロックとクラブミュージックって混ざるんだ、カッコイイなーって思いました。」


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THE MUSIC 『THE MUSIC』



「それからケミカル・ブラザーズ (The Chemical Brothers)などクラブミュージックの人たちが、ロックっていう手法でクラブミュージックを見せる事で、ロックの人たちもクラブミュージックを知るようになっていくんです。そう、これ。「Star Guiter」ね。」


Star Guiter / The Chemical Brothers


「これが、現代の日本のロックバンドが"クラブロック"という名の下にやっていて、「踊れるロック」とかよく言いますよね。ダンスミュージックの要素をバンドに取り入れていたはずが、なぜかロックの手法として四つ打ちっていうものが変化して行ったのが現代の四つ打ちですね。」


ないものねだり / KANA-BOON


「ほら。だけど、四つ打ちであることに高揚感やスピード感みたいなものをもって、ダンスミュージックとかとは違うジャンルとして形づいているのが、現代の四つ打ち。多分、こんだけ速い四つ打ちがシーンのトップにあるっていう国は、日本だけのような気がする。ヨーロッパでは、例えば……クラクソンズ(KLAXONS)とか、"ニューレイヴ"って言われているジャンルでは使われたりしているけど、これだけしっかりメロディがあったりしないからね。だから、日本独特のものになりつつあるのではないかと思いますね。生徒諸君、これが四つ打ちですね。これがハウスで用いられている手法。さっきのKANA-BOONはロックで用いられている手法ですね。テンポが明らかに速いけどね、KANA-BOONの方が。」


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「テンポを速くすると、縦ノリになるんですよ。こう……ジャンプしちゃうと。なぜこれが日本で氾濫したかっていう話をしていくと、これはフェス文化なんです。今、これは日本の大きな問題なんですが。真面目な話をすると……あ、この間Red Bull Music Academyの授業の時に「つまんない」っていうつぶやきを見つけたぞ!(笑) エゴサーチをしたときに「つまんない」っていうのを見つけたから、あんまり真面目な話をするとみんなは飽きるのかもしれないけども(笑)。今は、フェスで受けるバンドがみんなに受け入れられていると。つまり、フェスで受けないと売れない。フェスで盛り上がる曲を作るしかない……そこがバンドの宿命になってしまっているんです。つまり、ミドルテンポの曲だったり、歌のイメージが強いものがなかなか発表できなくなってきているんだというのが問題になっていますが、そこの対策として、フェス対応として生まれてきたのがこの四つ打ちなんですね。先生も多用しました。それで勝ってきたところもある(笑)。だから、それを一概に否定はできないんだが、そういった文化が、そこだけになりつつあることを危惧している。間もなく東京オリンピックもあるけど、そこでどんな音楽が紹介されるのかというのも、これから考えて行かなければいけないところであり、一体、この四つ打ちっていうものが日本のオリジナリティとして世界に発表されるのかどうか、そこも見物ではないのかなと思っています。」


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そろそろ授業も終了の時間です。

「まあ、やっぱりわかったフリのアーティスト用語を先生が説明する上で、生徒諸君もいろいろとわかってきたところもあって、難しい事を聞いてくるようになったな。なので、もう、わかったフリのアーティスト用語をいろいろと紹介していく事はしますが、ひとつ大きなテーマに対しては、有識者を交えて説明していく機会を持った方が良いですね。……あんまり真面目な授業をやると生徒諸君はすぐに「つまんない」とかつぶやくから(笑)。先生、あんまり真面目にやり過ぎてもダメかなって思っていますけど。……Red Bullの時は、先生、ショックだったぞ……。本当にショックだったぞ……。あんなに面白い授業だったのに……。面白くないっていう意見がいっぱいあったし、いつもよりつぶやきが5分の1以下だったぞ、数が。あれは本当に先生……ちょっと……。」

(急にいい雰囲気のBGMが流れて……)

「フッ(笑)。……いいか、お前ら。先生はな、このサカナLOCKS!っていう授業でな、みんなに音楽をもっと好きになって欲しいんだ。だけど、生徒のみんなが面白くなかったら……音楽のことだけを知っていったら、音楽の授業だけになっちゃうもんな。……そんなの、学校で習えば良いもんな。だから、先生、難しい事も楽しく伝えるために、サカナLOCKS!頑張って行くぞ。……(笑)。スタッフみんなと頑張って行くので、これからもよろしくお願い致します。」


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「さて、サカナLOCKS!では、引き続き、生徒の皆さんから宿題の提出をお待ちしています。レギュラーの宿題はもちろん、『サカナLOCKS! presents サカナクションと合唱ライオット supported by カンロ ボイスケアのど飴』も。飴が届いているけど歌っていないヤツら、舐め逃げ禁止だぞ? もう飴が届いているの、先生知っているんだからな。音源の締め切りは、すぐだよ!サカナLOCKS!に宿題を提出してください。」


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ということで『合唱ライオット』、まだ提出していない生徒は、すぐに提出する事![ サカナLOCKS! ]宛にメールで送っても構いません。メールアドレスは、sakana@tfm.co.jp 。「合唱ライオット」を件名にして送ってきてください。

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