歌詞完成!これまでの6ヶ月間とサカナクションのこれから

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山口「はい、授業を始めますから、席に着いてください。マンガを読んでいる生徒はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている生徒は、Twitterを閉じなさい。授業が始まりますよ。……今日は、生徒の皆さんに、報告があります。今年に入ってからずっと、春の七草狩りと言って、山に籠って、言葉の七草を狩り続けていたわけですが……ようやく、完成致しました!!……いやー、長かった。ハハハ(笑)。ようやく歌詞が書けまして、こうして、晴れやかに下界に下りてくることができました(笑)。最初は、歌詞が書き終わってからサカナLOCKS!に登校しようと思っていたんですが、あまりにも書けず……。このまま授業に穴を空け続けるわけにもいかないので、副担任'sに協力してもらいながら、歌詞が書けないまま授業に復帰していたのですが、ようやく、歌詞を書き上げることができました。」



■ お疲れ様でした
すごく長い七草狩りお疲れ様でした!
クワバラクション
女/16/東京都




「ありがとうございます。……長かったっすねー。」

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■ お疲れ様です!
一郎せんせーー!出産本当にお疲れ様でしたーー!!(笑) 先生のTwitter見たとき自分のことみたいに嬉しかったです!新しい曲早く聴きたいです♪
をさをさ
女/18/愛知県





「出産(笑)。これね、本当にみんなに励まされました。今回、タイアップだったんで、先生なかなか(Twitterで)つぶやけなかったんですよ。お前、つぶやくくらいだったら歌詞書いとけよって思われるだろうなって思ったし(笑)、それくらい緊迫感があったんでね。……僕、ビクターの人、2人くらいクビになるんじゃないかって思うくらい、本当にドキドキしていたんですけど(苦笑)。本当に生徒諸君の、歌詞を書き終えた後のTwitterの返信……スクロールしても追えないくらいの、本当に大量の返信に、ずっと孤独を感じていたけど、なんか、もう……ありがとう……!って思いましたね。みんながいるっていうのって、実際目で見えないけど、こういう風にちゃんと繋がってくれているっていうのは本当にありがたいって思ったし、生徒諸君のためだったら、この苦しみ、全然耐えられるなと思いました。……耐えられるけど、もう、嫌だけどね(笑)。ハハハ(笑)。」

「それでは黒板を書きます。……もう、黒板いっぱいに書いてやろう!」

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ということで、今回は山口先生が無事、七草狩りを終わらせての授業です。その6ヶ月間、山口先生はどんなことを考えていたのか。そして、これからのサカナクションはどんな活動をしていくのか、話を聞いていきましょう。

「生徒諸君の中に、これからミュージシャンになりたいと思う生徒だったり、デビューしていないけど自分で歌詞を書いている生徒、歌詞でなくても詩を書いている生徒もいると思います。先生の歌詞の書き方は、イラストレーター(Illustrator)っていうソフトがあって、それで文字を打って、パズルのように歌詞を組み替えたりする歌詞の書き方をしているんですね。で、それを、ひとつのテーマを書き終えたら次のページにいって、次のページにいって……っていう風に書いていくんですけど。先生、今回の歌詞で、そのページが全部で46までいきました。だから、46パターンの歌詞を書いたと言ってもおかしくないんですね。一概にひとつの歌詞を書くって言っても、書き終えたからといって終わりではなくて、ブラッシュアップしてブラッシュアップして、またがらっと景色が変わって……っていうことをやって、6ヶ月間、繰り返していたんです。」

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「今回は、タイアップということで、先生が好きなことをただ思いっきり書けばいいっていうことではなかったんですね。もちろん、どんな歌詞にも制約ってものはあるんだけど、今回はそのタイアップに沿ったものと自分のストーリーをちゃんと重ね合わせなければいけなかった。自分のストーリーっていうものを、タイアップのストーリーに掛け合わせるためには、自分のストーリーっていうものをちゃんと振り返らなきゃいけなかったし、これから一体どうなりたいのか、どういう風に自分は生きていきたいのか。音楽を作っていきたいのかって部分も、ちゃんと明確に見えないとその歌詞を書けなかったんですよ。だけど、先生それをふと思った時に、先生が今までやってきたこと、そして、これからやりたいことって、ぼやっと煙の中に居るような……煙がずっと自分の頭の中に漂っているような……明確にそれが見えなかったんですね。『エンドレス』という曲が先生の曲の中にあるんですけど。『Documentaly』っていうアルバムの中にある曲ですね。あの時って、8ヶ月間歌詞を書くのに時間がかかったんですよ。その8ヶ月間で苦しんでいたときの苦しみっていうのは、その時の時代……震災があった年だったし、今この時代っていうのをちゃんと切り取ることで、10年後、20年後にその歌詞を見た時、当時の日本ってこういう風な感覚だったんだっていうのをちゃんと風景描写、時代描写できるものにしたいっていうのですごく苦しんでいたんですけど、今回は本当に自分の未来が見えないと書けないっていう部分で、また違った苦しみがありました。」


「エンドレス(『DocumentaLy』)」


「なんか、先生がいるJ-POPやJ-ROCKの業界、世界って、消費されないと価値が生まれないような、そういった側面もあるんですね。求められないとそこに価値が発生しない。つまり、消費されないものに関しては、アンダーグラウンドっていう括りの中で、またJ-POPとは違う括りの中で音楽が見られる。でも、先生は、消費されないもの……日本の中では消費されない音楽に感動してきたし、そこに自分のバックボーンがあったんですね。だけど、自分の立っている世界っていうのは、“J-ROCK戦国時代”って言われるくらい、いろんなミュージシャンが次から次へと出てきて戦っている、そんな世界の中に自分が立っている。すると自分も負けず嫌いだから、例えば、リリースが近いミュージシャンにはセールスで負けたくないとか、動員のキャパシティとか、このバンドこんなに大きい場所でやるようになったんだ、とか、すごく意識したりしていたんですよ。だけどそんなのって、ファーストアルバム『GO TO THE FUTURE』とか、セカンドアルバムの『NIGHT FISHING』を作っていたときの先生が知ったら、当時の僕はすごく悲しんだと思うんですよ。お前、そんなこと考えるなよ、と。お前にとって音楽って、そんな風に消費されることだったり、競い合うことなのか?って、多分、言われたと思うんですね。じゃあ、自分はなんでこんな風にサカナクションっていうバンドを作ったんだろうっていうところに立ち戻って考えたのは、自分が音楽で感動したことを、ちゃんと聴いてくれる人たちに同じ感動を自分の音楽から与えたいと思ったから。そのために試行錯誤してきたし、そのためにタイアップやったり、テレビに出たりしていたはずだったのに、なんかそっちのことで勝つ……オーバーグラウンドで勝つっていうことに、すごく執着し過ぎていたなって。なんか、それに気づいた時に、自分の未来っていうのは根本的に、自分が昔、考えたことと同じじゃないかって、ちゃんとそこに立ち返らなきゃいけないし、今こんなに応援してくれている人たちがたくさん居るんだから、この人たちと一緒に自分も成長して、次の空間、次の音楽ってものにちゃんと結びつけていかないといけないなっていう風に思ったんですね。」

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「そんなときに草刈(愛美)が妊娠したので、ライブ活動は休止していたんですけど、オールナイトイベントみたいなのをやって、違う音楽の感動を与えられるような場所、自分の音楽を発表する場所っていうだけじゃなくて、自分も音楽を楽しめるような、音楽で感動したような場所を作っていくことがすごく大事なんだなって思ったんですね。パッと見渡したときに、同じように共感してくれる、同じ種族の音楽に関わる音楽以外の人たち……たくさんいるんだなって思って。だし、そういう人たちが自分の周りに居るのって、自分の根本が、ちゃんとそういう考えでやってきていたからなんだなって。じゃあ、それをやろうと。今まで戦略とかもいろいろあったし、露出を控えたりとか、これを引き受けたら他の所から話がきたときに断りにくくなるとか、いろんな大人の事情でできなかったこととかあったけど、一回それをフラットにして、自分が面白いと思うこと、そして、リスナーも面白いと思うことをやろうと。じゃあ、それをやるために今向かい合っているこのタイアップっていうこの楽曲を、お腹いっぱいやってやろうと。『さよならはエモーション』の時に、“もうエモーショナルな曲はやりたくない”と言ったけど、それはやっぱりわがままで、ただ地団駄踏んでいただけなんだと。根本的なところを忘れていて、たくさんの人たちに自分の音楽を広めた後に、連れて行く場所が無かったからなんだなって思って。じゃあ、連れて行く場所を作ったら、もうそんなこと全然できる、と。みんなが求めるような音楽、そして自分が作りたいと思う音楽をちゃんと融合できるはずだって、立ち返れたんですよ。」

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「それで、マネージャーのヒグマとかが、僕が歌詞で苦しんでいる間に、いろいろ動いてくれて。その……自分が思うお祭りを、やります!多分、場所は東京になっちゃうから、東京に来れない人もいるだろうし、オールナイトだから、10代のみんなが来れなかったりするんだけど、一緒に共有できるように、例えばストリーミング配信とか、そういう空間をみんなで共有できるような……フェスとかじゃなくて、ライブイベントじゃなくて、ちょっと違った形の空間っていうものを演出したいと思う。だから、生徒諸君に、また近くになったらいろいろお話ししたいと思うんだけど。……先生、それをやるって決めてから、もう、歌詞に対しての向き合い方がガラッと変わって、スランプ抜けたんですよ。だから……先生、もう大丈夫だぞ(笑)。また、次の苦しみは今回の苦しみとは違う苦しみだし。僕がデビューした頃……『GO TO THE FUTURE』ってアルバムを出して、俺たち頑張っていこうなって言っていた頃の自分にまた戻れたから。立場はそのときと違うけど。自分の周りには、たくさんの人が居てくれるけど。応援してくれるみんなが居るけど。そのみんなと一緒に、次のフィールドに行ってみたいと思うし。生徒諸君ともう一回、自分も感動したい。先生、イベントとかって初めてやることだから、うまくいかないこともあるし、多分失敗もすると思うけど。みんな一緒に……その輪の中に入ってくれとは言わないけど、見ていてほしいなと思います。そしていつか、10年後、20年後、30年後に流れている音楽だったり、社会に、自分がちゃんと嫉妬できるように、貢献できたらと思う。消費されるだけじゃなくて、ちゃんと消費と貢献っていうものが混ざり合っているもの。これからは本当に、そういうものを作っていきたいし、自分の活動はそこに重きを置こうと思う。それがちゃんとできたら、サカナクションは、その時にちゃんと解散しようと思う。それまでは辞められないなと思いました。」

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「草刈も、赤ちゃん生まれるし、もうすぐ。明日、明後日にでも会うけど、草刈に。楽しみだなと思う。そうやって、それぞれのメンバーの人生もあって。みんなの人生があるように、僕たちにも人生があって。全然特別じゃないし、僕は自分が思うできることを、みんなと一緒にやっていきたいなって、今回のことで決意しました。このタイアップがどういうものなのかっていうのは、生徒諸君にもうすぐ発表があると思うので、楽しみにしていて欲しいんですけど。……みんな、本当に心配かけてごめんね。ちゃんと、これから頑張りますので。……頑張ります!ははは(笑)。」

「で、出来上がった歌詞が、時間がかかったからって最高になったとかじゃなくて……最高のものだと思うけど、自分の中では。今の自分をちゃんと歌ったものになっているけど。時間をかければ良いものができるとか、短い時間だからだめなものとかじゃないなって。そういったことも分かったし。自分の中でどう着地するかってことが大事なんだなってことが分かったのがすごく大切なことだなって思ったし。……生徒諸君、勉強が苦しかったりさ、自分の中ですごく乗り越えなきゃいけない壁がある人もいると思うけど、絶対に抜けるから。人生は、良いときもあれば悪いときもあるって言うんですよ、みんな。そんなの分かってるよって思ったけど、すごい俯瞰から自分の人生を見た時に、本当にそういうダイナミクスって絶対あるんですよ。だから、絶対に乗り越えられるから。先生が、保証するから。今、何かを抱えている生徒諸君も、負けずに乗り越えてください。そういう時に聴きたいと思う音楽を、先生はこれからも作っていきたいし、そういう場所を作ると約束します。」

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