「パリコレクション・レポート」

SCHOOL OF LOCK!




★お疲れ様です
パリコレお疲れ様です。
最後のユリイカまでの持って行き方が物凄く好きでした。
そして「多分、風」楽しみにしています
ボンレスマサル
男性/14歳/大阪府




山口「お、ボンレス。ボンレスマサルはサカナクション・イントロクイズの。『NFパンチ』のサカナクション カルトQにも参加してくれました。惜しくもボンレスくん、優勝はできなかったけど、さすがイントロの帝王。イントロの力はすごかったですね(笑)。でね、ボンレスの弟がまたころころして可愛いのよ(笑)。弟も一緒に来ていて。「兄ちゃん、頑張ったよ!」とか言って励ましていて。いいなあ、俺も弟欲しいなって思いました。先週は生放送教室からサカナLOCKS!をお届けしましたが、先生はその日になんとパリから帰ってきたばかりだったんですね。ボンレスマサルはそのパリコレの生中継の模様を見ていてくれたようです、ありがとう。それでは、黒板を書きますよ。」

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「昨年に続いて、ファッションブランド、アンリアレイジ(ANREALAGE)2017年 春夏(S/S)パリ・コレクションの音楽を担当しました。パリに行ってきましたよ。今夜はパリコレ報告会をお届けします。」


(♪当日のパリコレの音源が流れて……)


「……これね。緊張するのよ、これが流れると。この曲はパリ・コレクションで実際に流した曲なんですけど。ショーのぎりぎりで演出が変わったりして、ライブで演奏しているの。だからね、同じ事やれって言われたらもう出来ない。即興だから。すごい緊張感でしたよ……。」

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「みんな、パリコレって知っているか?パリ・コレクションだぞ。ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、パリ、東京。この5つのコレクションの中でも、パリコレは伝統があるものです。みんなも、ちらっとは聞いたことがあるだろう?そのコレクションに、日本のブランドであるアンリアレイジが、パリ・コレクションの公式ブランドとして出ているんですよ。そのショーの音楽をサカナクションの山口一郎が2年連続担当することになりまして、今年もやりました。今年のアンリアレイジのテーマは "SILENCE" だったんですよ。SILENCEって沈黙だぞ(笑)。沈黙の音を作ってくださいって、アンリアレイジのデザイナーの森永邦彦さんに言われたんですけど。森永さん、同い年ね。」

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「みんな、ファッションって何なのかなかなか分かんないよな。先生もファッションって何なんだろうって、まだ全然はっきり分かりません。でも、音楽と似ているなって、森永さんの服の作り方を見ていると感じるところがあるんですね。やっぱりコンセプトや概念なのよ。例えば、先生もこの感情を伝えたい……この気持ちを、この気分を伝えたい。コンセプトはこれだって立てて、それに向けて曲を作っていくっていうふうに企てるんだけど、森永さんもそうなんですよ。概念があって。で、今回の森永さんの概念が、『服の声を聞く』っていうテーマだったんですよ。……どういうことだ!?(笑) 服の声を聞くって言われても分かんないよな。つまり、SILENCE……沈黙を作ることで、沈黙の中に声を探す。声なき服に耳をすませばっていうテーマだったんです。そこで、「一郎さん、服に音楽をつけてください。服に音をつけたいんです。服の声を作ってください。」って言われたんですね。そんなこと言われたらね、音楽変態である山口一郎は、もう……燃えちゃうわけですね。

“服の声を作りましょう!!”

……っていう風になっちゃうわけですよ(笑)。そこで、森永さんといろいろ相談してSILENCEというテーマで作っていったんですけど。前回は、AOKItakamasaさんとふたりで制作だったんですけど、今回は、エジマンボウ(サカナクションのドラム、江島先生のこと。)……シングル制作でお疲れだったエジマンボウに、まず、「レコーディング終わったらさ、一緒にパリ行かない?」って言って、「うん、行く。」って言わせてから、「実はね……コレクションでね。全然、簡単だから!15分くらいのショーだから、ほとんど音は入らないからさ!」ってごまかしをきかせながら、江島に「うん、じゃあ行く。」って言わせて巻き込んで共同制作をしたんですけど(笑)。」



「すごい面白かったですよ。まず、SILENCEって何なんだと。日本人が思うSILENCEを音にするとどんなものかなって思って、先生が最初に思ったのは "花火" だったんですね。花火って音が超でっかいじゃん。ドーン!って。だけど、ボンって上がってから、ドーン!!って鳴るまでの隙間。あの沈黙って音を待つ沈黙じゃん……日本的だなって思って、それを音にしようかなと思って。でも花火をそのままやったら海外の人は分からないから、オーケストラで使われるキッドで花火の音を再現して作ったりとか。あと、オーケストラが演奏する前にチューニングするでしょう?ファーッて。あれも、これから始まる準備の沈黙の音っていうね。そういうふうに森永さんが作り出したファッションへの概念を元に、先生が音を組み立てていって、全体で20分間のショーを作っていったんですね。最後に「ユリイカ」(カバー)を流したんですけど、パリ・コレクションで日本語の歌が流れることはあまりないので斬新だったと思う。"君が何か言おうとしても"っていう言葉で終わるんですけど、それがこのコンセプトに合うっていうことで、森永さんに提案したらいきましょう!って言ってくれて。」

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「今回は、AR三兄弟の川田十夢さんとご一緒して、みんなARって知ってるか?拡張現実だぞ。なんて言ったらいいのかな……『ポケモンGO』だ。ポケモンGOも拡張現実だぞ。実際に歩いている道をスマホで照らすとその道が違う道になっているだろ?その原理をARっていうんだけど。今回は……服がバチーンってあるんだ(笑)。バチーンって黒く隠れている部分をARで見ると、バチーンってしている部分がふわっと消えて柄が見えたり文字が出てきたりして、同時に音が流れるっていう仕組みだったのよ。つまり、目で見ている服とは違うもう一つのデザインの服が隠れていて、それがファッションの世界では非現実の中で服が完成するっていう。……先生はこれをファッション界の革命だと思ったし、服に音が付加する……要するに、他のカルチャーのものが付随することで作品が完成するっていう、これは10年後や20年後に当たり前になっている気がする。それを先にパリ・コレクションでアンリアレイジがやったのはすごいことだなと思いました。概念の中で一緒にショーを作っていくっていうのはすごく面白いなと思いました。ARが見れるアプリがあるんですね。それで見ると、見られるんだな。これね、この時のパリコレの様子が映像でアップされているからそれを見たらわかると思う。多分ね、そのアプリを入れてやると反応して見られるかもしれない。試してみてほしいと思うよ。」


■ANREALAGE 2017 S/S COLLECTION "SILENCE"





「ボンレスマサルが言っていた「ユリイカ」までの流れは説明できない。ショーを見てもらった方がいいと思う。アーカイブで見られるのでね。アンリアレイジの過去のコレクションのショーも面白いぞ。ライブだからな、あれは。表現することは本当に面白いし、みんなにはあの面白さに気づいてほしい。知らないことを知るっていうのは本当に素晴らしいことだぞ。そのきっかけにいつも音楽があってほしいなと先生は思います。」

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「今回パリコレの仕事をやってみて思ったけど、先生たちがやっているライブとか、シングルを作る作業とは全く違うんだけど、考え方はいっしょ。つくづく先生が感じたのは、音楽で得られる感動の種類を増やしたいと思った。みんな、音楽で得る感動は、曲を聴くとか、ライブを見るとか……いくつかあると思うけど、先生はそれだけじゃないんだな。他のカルチャーの中に音楽を持って入っていくと余計に感じるし、映画音楽を作ったときにもそれがあった。みんなにも音楽で得られる感動の種類をたくさん増やしてほしいし、そのきっかけを作るのが外に向かって頑張って音楽を発信しているミュージシャンとしての役割のひとつであるべきだなと感じましたね。その方が先生のモチベーションも上がるしな。いろいろやりたいなと思う。もっといろいろなことを……仕事で遊びたいんだ先生は。音楽の伝え方を先生にいっぱい試させてほしい。そのために先生、頑張るから。」

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そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。

「なかなかファッションってみんなの身近にあるようで深く知る機会がないと思うけど、ちょっと調べてみると歴史とか面白いぞ。ファッションショーってね、必ず音楽があるんだって。必ず音楽が付いてくる。だから、服と音楽っていうのは昔から密接な関係にあったんだと思う。先生はそのことを深く理解して、自分がみんなに作る音楽でもフィードバックしていけたらと思うし、先生が興味を持ったものにみんなにも興味を持ってもらいたい。まあ……エゴかもしれないけど、いつもそんなことを考えていろんなものに触れていこうと思っています。」

と、ここで今回も、一郎先生からのパリのお土産が!!!!!

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「イェーイ!フーッ!これは何かというと、エッフェル塔の瓶の中に飴ちゃんがいっぱーい入っていて、その上に小さいエッフェル塔のキーホルダーがついているやつー!(笑)この素晴らしいエッフェル塔の飴ちゃん入りの瓶を1名様にサイン入りでプレゼントしまーす!ボンジュール!ボンジュール!ル・コルヴィジェ!(笑) ……だけど、これはひとつしかないし、全員にあげられないので、応募要項を発表します。これが欲しい人は、クラブに行く時に着ていく服のスナップ写真を送ってくださーい!解説ありだといいな。クラブに行ったことがない人も、イメージしてクラブ・ルックを送ってくれ。先生はその中から良さそうなのを選んで、パリ・コレクションに行った時に買ってきた、瓶の中に飴ちゃんが入っているやつを送りつけるからな!欲しい人は写真を送ってこい。悪用しないから大丈夫だぞー。」

山口先生からのお土産が欲しい人は、[ →コチラ ]から応募してください!

「ということで、「多分、風。」もこれからリリースですから、発表もいろいろあると思います。ミュージックビデオも、もうすぐ流れるんじゃないか?田中裕介監督ですよ、今回も。「新宝島」とか「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」をやってくれた田中監督が、また映像変態的な変なやつを考えてきてくれたので、楽しみにしていてくれたらと思っています。」

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