4/2 「音学の講師」

サカナクション

はい、それでは授業を始めます。席に着いてください。
それでは黒板を読み上げます。

サカナクション

皆さんが普段知っている "音楽" と同じ発音なのですが、僕は今、黒板に "音を学ぶ" と書きました。
音を学ぶで、 "音学" 。
これはこの時間の授業の科目であり、僕が担当する授業になります。

サカナクション

こんばんは! 今日からSCHOOL OF LOCK!の毎週月曜日のこの時の野授業を担当することになった、サカナクションの山口一郎でございます!

『音を学ぶ』『音で学ぶ』『音に学ぶ』

この授業で、音からいろんなことを皆さんに学んでいただけたらなと思います。
そして、生徒諸君に、音楽の裏側を見せていきたいなと思っている所存でございます。
よろしくお願いいたします。

サカナクション

"音楽の裏側" というと、堅苦しくなっていますが、簡単に言うとですね、曲ができるまでのことだったり、音楽を作るということ。
皆さんは実際に、"曲が出来上がったものを聞いて、それに対してどう思うか" っていうところしかないと思うんですけど、僕らミュージシャンからすると、作る過程があるわけですよ。そこにいろんなドラマがあったり、いろんなストーリーがあるんですよね。そういうことだったり、"なぜその曲が生まれたのか"、その理由みたいなものも色々あるんですよ。本当に話しだすと、朝になってしまうくらい、深い話もあるんですけど。
あと、僕らが作った曲を皆さんのもとに届ける人がいたりするんですよね。例えば、僕が部屋で一曲作ったとします。それはもう、部屋の中だけで完結したら皆さんに届かないですけど、 それをラジオで流したりですね、CDにしたり、お店に届けたり、お店でそのCDを受注したりですね。
話していくと止めどないのですが、そういういろんな人が関わったりしてるんですよ。皆さん、当たり前すぎてなかなか気づかないことだったりするかと思うんですけど、そういう音楽の裏側を、

事細かく!
米粒を拾うように!
真面目に!
真剣に!

話していけたらと思いますので、是非とも、

生徒諸君、よろしくお願いいたします!

それが "音学の講師" サカナクション、山口一郎の授業です。

サカナクション

SCHOOL OF LOCK! の音楽室からお届けしています、サカナLOCKS!
サカナクションの山口一郎です。
さて今夜は、そもそも "なぜ音楽の裏側を生徒のみんなに見せていきたいと思ったか" を話していきたいのですが、音楽の裏側を知ることで、音楽をいろんな角度から見れる気がするんですよ。
僕自体ですね、北海道から東京に出てきて、実際に音楽っていうビジネスに関わって、音楽の裏側を知っていったんです。
音楽に、いろんな形で関わっている人がいるっていうことを知って、音楽を作るだけじゃなくて、"どう届けていくのか"、とか "どんな人に何を歌いたいのか"、とか、そういうことを色々考えていって音楽の面白さを知っていけたんですよ。
だから、みなさんにも音楽の裏側を知ってもらうことで、更に音楽を愛してもらえるんじゃないかなと思って、音楽の裏側を見せていきたいなと思ったわけでございます。

サカナクション

昨年リリースした僕たちの『DocumentaLy』というアルバムがあるのですが、それの初回版特典にDVDがついてるんですけど、そこにレコーディングドリュメンタリーっていうのが入っていまして、「エンドレス」っていう曲が生まれるまでの過程が赤裸々に収録されています。そういうことも、実際に音楽が生み出されて皆さんに届くまでの、前のことを、見ていただきたいな、と思って僕たちは活動をしていたわけでございますが。そこではですね、僕がなかなか歌詞がかけず、悩んで泣きながら書いてる姿とか、レコーディングでアレンジしていく過程とかを赤裸々に映像化してるんですけど、見ていただいている方も何人かいると思うのですが、そういうことって実はほかのミュージシャンの方はなかなか見せてる人っていなかった。僕はそういうのすごく見たかったし、誰もやらないなら、 "僕がサカナクションっていうバンド全員の、5人のエネルギーが音楽に向けられている姿を見せることで、音楽を知ってもらえたらな。 と思って収録しました。

サカナクション

ほかにもですね、先日リリースされました、ブルーレイ&DVD 『SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy -LIVE at MAKUHARI MESSE-』っていうのが発売されたんですけど、11月に僕たちが幕張メッセでライブをやったライブ映像なんですけど、そこの特典映像に、僕らのライブに関わってくれているスタッフの皆さん、例えば、僕らが演奏した音をスピーカーから外にだすときに、バランスをとってくれてるエンジニアさんとか、照明の人ですね、曲に合わせてピカピカ!と光らせてる人とか。そういうスタッフの皆さんに僕が実際にインタビューをして、カメラを回して話を聞いたものを収録したりもしてます!

サカナクション

ライブって、皆さんそのミュージシャンの音楽を聴いたり、その姿を生で見たくて足を運んでいると思うんですけど、実はものっすごいたくさんの数の人が関わっているんですよ!
煙がプシュー!って出るだけでも、その瞬間にずっと待ってる人がいる訳ですし、バッと曲が止まった瞬間にビタっと真っ暗になったりするのも、実際に人間がやっていて。
それ以外にも、チケットを売る、実際にライブハウスだったり会場を押さえて、チケットが売れるように手配したり、アルバイトの方とかもたくさんいるし! 規模が大きくなればなるほど関わる人が増えたりするんですよね。そういうのって、なかなか普段ライブに行ってる人は気づきにくいんじゃないかな。

ライブっていうのは、総合芸術だと思うんでね。

いろんな人たちのいろんな思いが込められている。
それを意識していろんな人のライブを見に行ったりすると、面白いんですよ!
なので、そういう目線で見れると、音楽の面白さが増えるんじゃないかなと思います。



さて! この『サカナLOCKS!』ですが、まあ・・・・・・授業です!

いいですか、生徒の皆さん。
授業といえばですね、宿題がつきものですよ!

この授業では積極的に皆さんに宿題をだしていきたいと思いますので、是非、参加してください!

サカナクション

宿題っていうと、堅苦しいイメージがあると思いますけど、もちろん、堅苦しい宿題もこれから出てくるような気もしますが・・・
とりあえず、まあ、一回目ということで、どんな宿題を用意したかというと・・・

わかったフリのアーティスト用語!!

みんな、 "知ったか" してないかい?
「あ〜、知ってる知ってる!こないだあるアーティストのつぶやき見てたんだけど、今 "マスタリング" 中らしいよ〜!」とか。

生徒諸君!
"マスタリング" の意味は本当にわかっているかね!?

これね、みんな結構 "知ったか" してると思うんですよ。 (笑)
「アジカンいま、 "ゲネプロ" らしいよ〜!」とか。
学校で話したりしてない? 大丈夫?

"ゲネプロ" の意味、わかってますか!?

そういうのもね、この際、僕に宿題としてね!
色々いってくれれば、僕が こっそり、教えますから!
まずそれを募集したいな、と思います。
きれいに僕が解説できれば (笑) 解説するし、僕が解説できなかった場合、専門家を呼ぶんでね!
専門家の方に、ほんとに、論理的にね。解説してもらいたいと思います。
募集してますんで、是非!よろしくお願い致します。

サカナクション


続いて2つ目!

生徒の恋愛観をインタビュー!

したい。…………したい!!!! (笑)
実はサカナクションの曲はですね〜、ラブソングが少ないんですね。
まあ、過去には「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」とか、それのカップリング曲だったり、アルバムに入っている「years」とかはですね、僕は実際に恋愛をしてたので、恋愛の曲になってるんですけど、恋愛経験がですね、非常に少ないんですよ、僕は。片手で数えきれるくらいなんでね。
これはまあ、火曜日 (のLOCKS!) 担当のBase Ball Bearの小出先生とも、よくこういう話になるんですが (笑)
「僕ら、恋愛観、なさすぎるよね・・・」みたいな (笑)
でも、小出先生はそういうのをうまく、疑似恋愛でね! (笑) 曲化していくので……僕は不器用なんでね!そういうのができなくて、ですね。
そこで、是非、生徒の恋愛観を僕にインタビューさせてもらえないかな、と思いまして。エントリーしてきていただきたいと思っております。

サカナクション

まあ、真面目な恋愛、普通の恋愛、我ながら変わってると思う恋愛、とか、いろいろあると思うんですよ。
例えば、男子でいえば、 "保健の先生のことが好きだ!" とか。
・・・あるでしょ?
自分の恋愛観が人と比べてちょっと変わっているとか、片思いでもいいです。
のろけるだけでもいいです。
ちょっとイラっとするかも知れないけど、それは・・・・抑えるから! (笑) 是非、僕にインタビューさせてください!
でも、正直、インタビューとかは結構得意なんでね。色々聞いちゃうと思いますけど・・・好きな子の特徴とかね!ファーストキスはどこでいつだとか。
曲にしたいワケだから、詳細に聞くと思うんで!是非、よろしくお願い致します。

あなたの恋愛観が、
サカナクションの曲になるかも!

フフフフ・・・・
そう思うと、音楽って本当にリアルだな、と思いません?
日常の感情が音楽になっていくんですよ。
皆さん是非、僕の感情の一部になってくれたらな、と思いますんで。
皆さんからの宿題、お待ちしてます。

♪ 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 / サカナクション

この曲ね! この曲が、僕の中での恋愛ソングなんですよ〜。
実際この曲作っているときは恋愛していましたしね。
・・・・・なかなか恋愛の曲だと認識してもらえない!!
小難しくしちゃうんだよね!恥ずかしくて!! (笑)
だから、皆さんの純粋な、ピュアな恋愛をいっぱい叩き付けてもらうことで、僕の中にある純粋な恋愛観をそのまま曲にできるようにね。
愛してる!って言い切れちゃうような曲を作れるくらい、皆さんのエピソードを募集してますので、是非よろしくお願いします!


サカナクション

さあ、これから、生徒諸君とお話しする機会も増えることでしょうし、生徒諸君の意見も、たくさん聞けるでしょうし。
なので、楽しみになっております!


そしてここで、サカナクションからのお知らせです!
サカナクション6枚目のシングル『僕と花』 5月30日にリリースされることになりました!
こちらはですね、実は4月10日からスタートする、フジテレビ系ドラマ『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜』の主題歌になっております!

ドラマ主題歌ですよ!! これ、完全に書き下ろしました!!
ドラマ主題歌を作るって、今まで僕は考えたこともなかったんですけど、そういうチャンスをいただきまして。

ドラマ主題歌とはどういうことなのか、
それを作るとはどういうことなのか。

実際にバンドやってる人、自分が作ると思ってみてください。
すごい緊張するでしょ?!プレッシャーでしょ?!
・・・それ、僕、経験しましたから!
その辺も、番組の中で紹介していきたいと思います。
お楽しみに!


来週は、SCHOOL OF LOCK!には『バンド部』があるということなので、そちらに顔を出してみたいと思います。
どんなミュージシャンの卵たちがいるのか楽しみです!


M アルクアラウンド / サカナクション
M 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 / サカナクション