8/20 「 ロックフェス 」 ![]()
「ピョウサタン、ありがとう!みんな、フジロックって知ってるかな?FUJI ROCK FESTIVALっていって、すごく歴史があるもので、ロックフェスブームのきっかけを作ったフェスです。海外のミュージシャンも、たくさん出演するんですよ。今年もすごく盛り上がっていて。でも、17才でフジロックってすごいですね!新潟だから行きやすいのかな?今年、サカナクションは初参戦したんですけど、ずっと出演したかったんです!だから、本当にいろいろと感慨深かったです。今年は、ドラマの主題歌やって、タイアップ曲やって、SMAPさんに楽曲提供したりして、表の世界に出ているにも関わらず、音楽が好きで、洋楽も好きな方たちが集まるフェスに出させていただいて……ひとつ大きな出来事になりましたね。」 ![]() この夏も全国各地で、さまざまなフェスが開催されました。今年のサカナクションは、JOIN ALIVE、FUJI ROCK FESTIVAL、Talking Rock! FESと出演してきました。 サカナLOCKS! では、生徒の皆さんに「ロックフェスについて、あなたなりの考えを140字で述べなさい」という小論文の宿題を出していましたが、今回は生徒の皆さんから届いた小論文を見ながら、山口先生が思うロックフェスについて、話していきます。 それでは、生徒の小論文を紹介していきます。
「なるほど!たくさんのアーティストが出演しているなかで、ミュージシャン側もやはりライバル心があります。出る順番もあるし、ステージの大きさの違いもあります。フェスでは、自分たちの活動や、そこで残してきた結果が繋がって、露骨に表れるので、ミュージシャンもハラハラしています。そういう点を見抜けていますね。」 ![]() ![]()
「うん、言い当ててる!そうですね。ロックバンドっていうのはあんまりテレビに出ないミュージシャンが多いです。そういう人たちが集まったフェスですから、それを一度に見れる祭りです。そこに集まった人たちの音楽的センス、音楽的主観というものが反映された意見だね。21字で的確な言葉ですね。でも、ラジオネームが気になるなぁ……(笑)」 ![]()
「60字でまとめてきたね。まず、とびはねが素晴らしいところは、"夏フェスが好きなアーティストが上半期に培ったものを見られる場" って言っているところですね。こういうリスナーが増えてほしい!そう、夏フェスは上半期に培ったものを見せる場所なんです!そして実は、これは音楽業界の問題にもなっています。フェスというものの需要が増えているから、フェスの場で新曲発表をする。プロモーション活用するために、上半期にレコーディングを終わらせ、夏フェス直前にリリースする。……という流れができてしまっているんです。これは手法であり、戦略ではありますが、フェス中心の音楽制作になってきています。いろいろと難しいですからね。リリース時期が被ってきて、スタジオがとれなくなったり、レコーディングエンジニアさんへお願いするタイミングが被ったり、っていうこともあるんですよ(笑) そこを言い当てているのは素晴らしいね。……まあ、ミュージシャン自身は上半期と下半期で分けないけど(笑) そういう目線は大事だと思います。"新たな出会いの場" っていうところも、10代として音楽を楽しんでいて、その楽しみ方を言い表してもいるね。それは、音楽が好きな人の普遍的な思いでもあるからね。とびはね、……君は班長だね!小論文の班長になりなさい!」 ![]() ![]()
「僕はフェスに始めて行ったのは仕事として、だったんですよ。 RISING SUN ROCK FESTIVAL っていうフェスで、ステージが何も組み上がっていない状態からッステージを設営して、本番が始まって、撤収までやるっていうアルバイトでした。ちゃんりこは、お客さんとして初めてフェスに行ってると思うんですけど、初めて行ったときはすごく衝撃を受けますよね。野外でたくさんの人が集まってその音楽を共有するカルチャーショックっていうのは大きいと思う。その感覚って日常の中でなかなかないし、音楽があることで得られる事だと思う。そういう場がフェスっていうものだということを言い当てていますね。"音楽が身体中で感じられるのが良いな" っていう一文が良いですね。自分が目的していたミュージシャンを見に行くために移動しているときも、いろんなステージから漏れてきている演奏の音が聞こえてくるのも良いんですよね。それがフェスの空気感でもあります。外で音楽を聞くっていうのは、すごく気持ちいい事ですからね。」 ![]() ![]()
「なるほどね。でも、これはフェスのメリットでもあり、デメリットでもあるんです。たくさんのミュージシャンがちょっとずつライブをやっていくことで、ショーケース化していきます。それを見て、お客さんがフェスで満足してしまう。ワンマンライブに足を運ばないお客さんが増えてきている……っていうのも、実はフェスの問題点なんです。シングル曲やアルバムのリード曲っていうのはそのバンドを代表する曲です。しかし、それをシングル曲にした意味であったり、アルバム曲にも、それぞれ意味があります。そういう事を考えた上で、そのバンドのアルバム全体を聞いてみたり、「ワンマンに足を運んでみたい!」とか、「もっと見てみたい!」とか、そういう風に思うっていうところに発展するようになってもらえたら良いな、と思いますね。フェスでのライブは、あくまでもショーですからね。フェスで気に入ったバンドがいたら、是非ワンマンライブに足を運んでみてはいかがでしょうか。それにしてもカリッコリー、「よくできました」って言いたいところだけど、小論文が150字で提出されていたぞ!先生は決まり事を守らないと厳しいからね。」 ![]() 今回の小論文の宿題は、皆さんが描きやすいテーマだったのか、たくさん提出されていました。どうもありがとう!(宿題なので、ありがとうも何もないですが) しかも皆さん、とても内容のある小論文で、山口先生はとても喜んでいましたよ。 「宿題提出率、上がってきましたね!ありがとう。でも、小論文は、140字という制限なんでね。何度も言うけど、超えちゃダメだよ!先生もレコーディングの締め切り守らないで有名だけど(笑) 140字までって言われて、その決まりを破ってしまったら、良い文章でもマイナスになっちゃうから、気をつけるように。今、宿題に「カップリング曲について、あなたなりの考えを140字以内で述べなさい」っていう小論文も出てるから、そういう点も考えながらやってみてください。ちゃんと提出するように!小論文の問題が続いていますが、自分の意見を言葉にする事を習慣にしていると、後で力になるからね。頑張り時だぞ!」 ![]() おっと、山口先生からありがたい、お言葉が!そうです、自分の思っていることや考えていることを、言葉にするということは、人に伝えられる。ということ。とても大事なことです。今回の授業の最後は、山口先生が思うフェスについてのお話です。 「僕も、デビューして、北海道から東京に出てきて、色んなフェスに出たんですよ。その中で自分たちをどう目立たせて行くか。どういう風にフェスに来ているお客さんたちを勝ち取って行くか。そういう事をずっと考えて過ごしてきて、そのタイミングにあわせてCDをリリースしたりしてきましたが、やはりフェスが全てではない。音楽を知る上ではもちろん良い機会だし、音楽を楽しむ上でものすごく素晴らしい場だと思います。でも、それが全てではないって言う事を良く理解した上でフェスに行くと、もっとフェスを楽しめるのではないかと思います。だって、そのミュージシャンにとっては、ロックフェスはイベントのひとつであり、そこでの演奏は本来の完璧な演出ではない訳ですから。それを見に来て欲しいと思って、フェスで演奏をしているので、ワンマンライブに足を運んだり、気に入った曲があったらCD購入したり、配信されている楽曲をダウンロードして欲しいと思いますね。ただ楽しむだけではなく、一歩踏み込んた上で、良さを感じてもらえたら良いなあと思います。」 ![]() 来週は、8月29日に発売されるサカナクションの新曲、「夜の踊り子」を、サカナLOCKS! でオンエアします!お楽しみに!! M アイデンティティ / サカナクション M 僕と花 / サカナクション |