* 放 送 後 記 *

SCHOOL OF LOCK!


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この春から、東京での新生活がスタートします。
期待半分、不安半分。
でも私の事を知ってる人が1人もいない場所で生活する事を考えると
不安の方が増し増しです。笑
みずほ
女/18/福島県




山口「おー。分かる、分かる。先生は、東京に出てきた時よりも、地元小樽から札幌に出て初めて一人暮らしした時の方が不安が結構ありましたね。あれ……家に俺しかいない……って(笑)。隣の部屋との壁が薄いんじゃないかって思って、家にいてもひそひそ話したりとか。その時も相当不安だったけど、みずほはそのドキドキ感を味わうわけですね。……分かるよー。自分のこと誰も知らないんだもんね。でも、そういうときにいつも行く食堂とか、お店とかができると、そのお店の人と仲良くなったりして、新しい広がりができて面白くなってくるしね。」

「きっと、この生徒以外にも地元を離れて一人で生活する生徒や、この春から上京して東京で生活する生徒もたくさんいると思います。そんな生徒に向けて、今日は授業をしたいと思います。では、黒板書きます。……ドキドキするよねー。」

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「今夜は、サカナクションの音楽で見る “上京” 感、そして、“東京” 感のお話をしていきたいと思います。」

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「僕が上京したのは、2008年。アルバム『GO TO THE FUTURE』『NIGHT FISHING』の2枚だけは札幌で作ったんですよ。3枚目の『シンシロ』を作るために東京に上京してきたんです。上京って言っても、当時は神奈川だったんですよ、僕ら。登戸っていうところで、小田急線ですね……小田急線って言っても分からないかもしれないけど(笑)。多摩川っていう川があるのよ、東京には。その多摩川を挟んで東京と神奈川が分かれているのね。登戸っていうのはその東京と神奈川の境目、ちょうど間。ギリギリ神奈川なのよ。橋を渡れば、向こう側は東京。そこにメンバー5人で引っ越してきました。みんな登戸に住んでいて、引っ越してすぐはすごく孤独でしたね。友達もいないから、メンバーしかいないんです。で、メンバーも同じ。誰も知り合いがいないから、家に集まって毎日制作。『シンシロ』のアルバムを朝から晩まで作ってましたね。夜は5人でご飯を作るの。江島(啓一)が餃子作ったり、(草刈)愛美ちゃんがパスタ作ったりとかして。スペースシャワーTVを見ながら、俺らの方が絶対にいい!とかギャーギャー言いながら、お酒も飲まず真面目にやっていましたね。この後どうなるか分からなかったから、売れなかったら帰らなきゃいけないし、メンバーには女の子が2人いるし……人生変えちゃったから、ここでなんとか成功しないといけないってすごく躍起になっていましたね。」

「登戸に多摩川の河川敷に自転車とかランナーが走るコースみたいなのがずっとあるの。そこを僕は自転車で釣竿を持って、多摩川にナマズがいないかっていうのを夜探索するのが日課だったの。夜、家にいて、ひとりでぼーっとすると不安になってくるし、寂しくなるから、釣りをすることでそれを紛らわしていましたね。そのときの風景の曲がこれです……「ネイティブダンサー」。」

■ サカナクション / ネイティブダンサー




「北海道の景色と東京の景色を重ねている歌ですね、これは。頭のピアノのフレーズをザッキー(岡崎英美)が弾くんだけど、中指違うとか、和音が多いとか、ガチで向き合って作っていたんですよ。アルバムの1曲ずつ、それぞれが担当していて、僕が「ネイティブダンサー」を担当していたんですけど、デモを作ってみんなに聴かせた時に、「このままでいいよね」ってメンバーが言ったんです。それはすごく覚えてる。愛美ちゃんが腕を組んで聴いていたのを覚えてるね。リビングに8万円くらいで買った制作用の5人全員座れるデスクがあったんですよ。僕は1番端っこに座って、5人全員でやっていましたよ。それを思い出すね。……でも、やっぱりみんな北海道に帰りたかったよね。帰りたいって言わなかったけど。今をなんとか乗り越えよう、絶対に結果を出すぞって。1stアルバムと2ndアルバムが売れなかったから、東京に出てきて(3rdの)『シンシロ』が売れなかったら絶対に終わると思ったし、その時のことをすごく思い出します。」

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「で、登戸に出てきた僕たちは、『シンシロ』でちょっとだけ売れたのよね(笑)。それで、ビクターからもこいつら終わったな……もうだめだって思われていた頃に、HIP LAND MUSICっていうマネージメントが僕らについて、ビクターもやらざるを得ない……みたいな(笑)。BUMP OF CHICKENを発掘したプロデューサーがサカナクションについたから、ビクター的にもお金かけなきゃだめだなってなったと思うんですよ(笑)。YouTubeでミュージックビデオが上がることもそんなにメジャーじゃなかったんですね。そこで、「ネイティブダンサー」がヒットして、武道館まで行ったのかな。で、武道館が終わってすぐに引っ越したんですよ。下北沢へ。下北沢は小田急線で……また(笑)。メンバーはそこから散り散りになったね。制作はまた下北沢の僕の家に集まるっていうスタイルで作り始めていきました。」

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「かつての僕の田舎は、そんなに夜遅くまでお店はやっていないんです。飲食はやっているけど、雑貨屋とかはすぐに閉まってしまうんですね。だけど下北に行くと、夜遅くまで、あの狭い道にぎっしりお店があるんです。原宿とかに行ったらもっとすごいけど……なんかあの感じがお祭りっぽくて、毎日、夜市みたいな。それにテンションが上がった思い出がありますね。友達もちょくちょくできてはいたけど、本当によく連絡をとりあったりメールをするような人は誰もいなかったから(笑)。釣りができなくなった分、自分の夜の乗りこなし方を考えるようになったりして……オーディオとかね。良いスピーカーを買えるようになったから、良いスピーカーを買って……って、そっちの方にシフトしていきました。どんどん潜る方に入っていった思い出がありますね。この頃彼女もできたのよ……一時期。東京で彼女出来たなーって感じでしたね(笑)。あれはすごい感覚だったなー……すぐに別れちゃったけどね。」

「下北沢に住んでいた時の思い出の曲は……「years」っていう曲の歌詞を書き終えて、3日くらい何も食べてなくて腹ペコで、やっと出来たーって、明け方2時〜3時くらいに王将に行ったんですよ、下北沢の(笑)。そこでディレクターとダラダラしゃべって。あそこは4時くらいまでやってるんだよね。で、その後はフラフラ散歩しながら帰ったんですよ。その時の景色なんだよね……「モノクロトウキョー」。」



「ゴミ収集車がくるのよ、朝に。そうするとめちゃくちゃ臭くて、東京の朝って臭いなーっていう印象だったり、下北沢は電線だらけで、あの景色とか、野良猫がひたすら人間を怖がっている街、東京……みたいな(笑)。田舎だと野良猫って、チチッって言ったら寄ってくるんだけど、東京って本当に寄ってこないなって。あと、渋谷の高架下はすごい景色だなって。ホームレスの人がバーッと寝ている横を高級車がバンバン走っている……みたいな。そういう光景って北海道にも登戸にもなかったから、東京ってこんな街なんだ……って。東京を知り始めてきた時の歌ですね。」

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「ちょっと長くなってしまったので、今週はここまで。『サカナクション上京物語』の続きは、また来週お送りしたいと思います。」

「春から上京するみんな、親元を離れる人、新しい一歩を踏み出す人へ、サカナクション的なメッセージはおこがましいのであんまり言いたくないんだけど……変わるっていうことを恐れないでほしいね。変化を恐れると何も自分は進んでいかないと思うし、失敗してもまたやり直せば良いと思うんだよね。遠回りする方が、僕は雪だるま方式にいろんな感情が付いてきて、大人になる気がする。だから、変化を恐れずに、どんどん今まで自分がしたことがなかったこと、新しいことに取り組んでいって、寂しさを紛らわすように自分を発見していってほしいと思います。」

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「そして、サカナクションからのお知らせです。サカナクションは今年で10周年になるわけですね。4月から始まるツアータイトルも決定しました!SAKANAQUARIUM 2017 10th ANNIVERSARY TOUR “20070509”……つまり、デビュー日です。これがツアータイトルになります。2017年の5月9日にサカナクションがデビュー10周年を迎えますので、それにちなんだタイトルになっています。ツアーも10周年仕様に変更していて、ライブハウスツアーをやってきたセットリストを更にブラッシュアップして、懐かしい曲のちょっとした余興みたいなのもやろうと思ってる。あと、ツアーとは関係なく10周年記念ライブというか、パーティというか……それに関しての発表があります。是非、サカナクションの[ オフィシャルサイト]をチェックしていてください!」

ということで『サカナクション上京物語』来週の後編に続きます!
来週から新年度、新学期。音を学ぶ “音学” の授業、サカナLOCKS!
引き続き、よろしくお願いします。


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