![]() LIVEが終われば、ちょうどその時刻。僕たちは、碩くんと創くんと一緒に、その『大浜海岸』へと向かった。 山道をクネクネと走り続けること、30分。右の山と左の山が重なり合ったV字の向こうに突然、澄んだ海が顔をのぞかせた。 雨が上がったばかりで、まだ太陽は顔を隠したままだったが、目の前に広がる海は、視界いっぱいに伸びる水平線まで、とにかく澄んでいて、美しかった。曇りの海がこんなに美しく思えたのは生まれて初めてかもしれない。 ![]() ![]() ![]() ![]() 「小さい頃、よく遠足で来たんです」と言いながら、2人は細い海沿いの歩道を進んだところにある、プライベートビーチのようなキャンプ場にまで案内してくれた。静か。誰もいない。海はグレーとエメラルドグリーンのグラデーションを見せながら、時々キラリと光を見せている。 ![]() ![]() 波の音を聞きながら、校長、教頭、碩くん、創くん。ポツリ、ポツリと話し始める。 碩くんが、大阪の専門学校の入学テストで、島唄を歌った話。創くんが、2万円のギターで世界を獲る!と豪語し、碩くんがそれを、ニコニコ見ている姿。 「俺らが憧れて見ていた先輩の背中と同じものを、島の高校生にも見せてやりたい。島には、無限の可能性があるって、分かってもらいたい」 無限の可能性…この海を見ていると、その言葉がスーッと胸の中に染み込んでくる。 いや、島だけじゃない。どこに住んでいようと、『大好き』という気持ちを大切にさえしていれば、その先に…光の果てに、夢はきっとある。そしてそこには、もっと素晴らしい『大好き』が待っているはず。 SOUTH BLOWの笑顔と歌は、これからそれを、海の向こうにある世界に向けて、伝えていってくれるだろう。 波音を聞きながら、僕の頭の中には、LIVEで碩くんが静かに語った一言が響き渡っていた。 「正解も不正解もない。間違ってりゃ戻ってきてまた始めればいい。どこに行ったって、進んでれば、それでいい」 |