CDにジャケ買いというジャンルがあるように漫画にもジャケット、つまり表紙に釣られて興味を持ち、最初の数ページをぱらぱらと見て購入を決める作品があります。この「惡の華」もその1つ。
1巻の表紙を飾っていたのはショートカットのかわいい女の子、そしてそれとほぼ同じ様な大きさの文字で書かれている「クソムシが」の文字。
偶然と衝動が重なり大好きな女の子の体操着を盗んでしまったところを別の女子(クソムシが!と言っている女の子)に目撃され、そこから主人公の男の子が彼女に命令されるがままに生きていかざるを得なくなり、いつしかその命令により自分の中に埋もれていた変態性の種が芽吹くという、およそSCHOOL OF LOCK!で推薦してはいけない作品のようなあらすじになってしまったのを書いていて気づきました。
人の表でも裏でもなくその隙間に埋もれていて本来ならば芽を出す事なく死んでしまう様な種、そこに命令という栄養を与える事で決して真っ当に生きていたら咲く事がないような花、それも惡の華が咲いてしまう。
この本は何歳で読むかがすごく重要で、大人になって別の花を咲かせている人が読んだら、ちゃんとフィクションとして物語を許容出来ると思うんだけど、今まさにその種が喉の辺りを行ったり来たりイガイガしている人が読んでしまうと、よくも悪くも君の栄養になってしまうのではないかと思います。
まあどんな花でも君から出て来た芽ですし茎ですから、
1度満開に咲かせてみるのもありかもしれません。