となり。
はじめて会ったのはいつだろう？
そんな事を意識した事もなかった。
私のアルバムにはじめて登場するのは１歳。
私が知らない“赤ちゃん”の私と、彼が隣同士で寝転がっている。
手をつないで通った幼稚園。
よくけんかをして私が彼を泣かせていた、らしい。
ふてぶてしく笑う私の後ろに、彼が不安そうに立っている。
同じ登校班で通った小学校。
男子と女子に別れてケンカしたな。
リレーの選手に選ばれて、二人で練習。
優勝した時は誰よりも彼を探してハイタッチした。
別々に通う中学校。
彼に身長を抜かれた。
周りからからかわれて、なんとなく学校では話さなくなった。
それでも、何か相談したい事ができると彼にメールした。
隣にいる事があたりまえで、
ずっとこんな感じで大人になっていくんだと思ってた。
高校受験。私達は違う高校を受験する。
隣にいなくなる、そう思った時、大切さに気づいた。
そしてもうひとつ気づいた事。
「好き」。
そんなわけない。
ただの幼なじみ。
何度自分の気持ちを消しても、消せない気持ち。
私は決意した。
受験が終わったら、彼に気持ちを伝える。
彼の隣は、いつも私がいい。
私の隣は、いつも彼がいい。
この気持ちは、伝えるために生まれたはずだから。
