SCHOOL OF LOCK!

『甲子園』…それは全国の高校球児が目指す場所。

甲子園駅に着いた途端、球場の周りは人の多さで異様な雰囲気を放っていた。いざ中へ入るとぐわっと広がる360°のスタンド。入る前とは温度が違い、球場を熱気が包んでいるように思った。

僕達が見た試合は8月13日の第3、4試合。

第3試合。[岡山・創志学園]対[岩手・盛岡大付]は、打ち合いのゲームだった。両チームとも点を取られては取り返し、点差が開いても諦めない気持ちがこのようなゲーム展開になったのだと思う。
スタンドのブラスバンドも展開によって音が全然違った。チャンスの時の音は鳥肌が立った。この音が選手達を後押ししていると思うと、選手達だけではなく応援団も試合をしているのだと実感した。
第4試合。[徳島・鳴門]対[奈良・智弁学園]は真逆の投手戦だった。緊迫した展開が続き、チャンスになっても両チームの堅い守りでしのぎ、我慢比べのようだった。ベンチに帰ってくる選手達には笑顔も見え、勝負の一瞬一瞬を楽しんでいるように見えた。

試合が終わり、負けてしまったチームに1人、特に泣いていた選手がいた。試合中エラーをしてしまった選手だった。その選手は僕と同じ2年生で、先輩達との夏という特別な意味もあったと思う。泣いている彼を支えている3年生もいた。彼は必ずこれを糧にしてまた一回り成長するのだと感じた。最後の夏にかける3年生の気迫はもちろん、メンバー入りを勝ち取った1、2年生にも大きなプレッシャーがあると改めて思った。

自分と同じ年代の選手達の、1球にかける気迫を自分の目で見ることができて本当に良かった。テレビには映らない一人一人の戦いを見ることができたと思う。これを読んでくださった皆さんにもぜひ夏の甲子園を見て、僕達と同じ年代の選手達の本気のプレー、1球1打を自分の目で見て感じてほしいと思う。

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