スペイン政府が設立した文化施設「セルバンテス文化センター東京」の文化部長、テレサ・イニエスタさん(38)は「小さい街だと、昼休みの時間に家に戻ってランチを食べます。そして、食後にシエスタをします」と言います。
「セルバンテス文化センター東京」は、スペイン語とスペイン語圏文化の普及を目的につくられた団体で、テレサさんは、スペイン南地方のセビリア(Sevilla)育ちです。
「シエスタは大体20分ぐらいです。ベッドには行きませんね。ソファなどで居眠りをする感じです」
今でもシエスタしているのでしょうか?
「大都市などではシエスタがだいぶ減りましたが、小さい街だと、まだ、シエスタの習慣は残っていますよ」
「メリット?たくさんありますよ」
テレサさんの出身地は、特にシエスタの伝統が根強い地域で、シエスタが大好きだそうです。
「シエスタのメリット? たくさんありますよ。ランチの後に眠くなる経験は、みんなあるでしょう。それは体のリクエストです。シエスタはそのリクエストに応えているんです」
テレサさんは、シエスタした方が仕事もはかどると言います。
「20分ぐらいのシエスタは、午後や夜の生産性を上げます。そして、おじいちゃんからは、シエスタは健康にいいと言われて育ちました」
ちなみに来日6年のテレサさんは、仕事が忙しいため普段は、なかなかシエスタができないそうですが、週末はシエスタしているそうです。
日本にもシエスタが
一方、シエスタの効果に注目して、制度として導入した日本の会社もあります。福井県の「三谷コンピュータ」は社内に「シエスタ(昼寝)ルーム」を導入。いつでも利用できますがが、昼休みに利用する従業員が多いそうです。
「睡眠カフェ」や、女性のための「お昼寝カフェ」など新しいビジネスも生まれています。
2014年に厚生労働省が発表した『健康づくりのための睡眠指針』では、働いている世代に対して「30分以内の昼寝が作業能率の改善に効果的」と呼びかけています。
本家のスペインでは変化をしつつあるシエスタの伝統ですが、残業などが多い日本では、もっと普及してほしいところです。