2011年8/10(水)SCHOOL OF LOCK!が誇る、甘くて可愛い!スイーツ部のショコラ先生が、仙台の石巻で『特別スイーツ教室』を開催!


ショコラ先生レポート


スイーツ部のみなさん、こんにちは。
ショコラ先生です。

お菓子を誰かにあげると、お菓子をもらった人にはもちろん、実は、お菓子をあげた人にも、笑顔が生まれます。そして、喜んでくれる笑顔を想いながら作られたお菓子には、その両方の笑顔を、100倍輝かせる力があります。

そして、それは、特別なことではないのです。

小さいころ、お母さんがおやつを出してくれたら、嬉しかったでしょ?

あの頃の気持ちを思い出してみると、それが、「どこにでも、日常に存在するけれど、笑顔と幸せをわけえる、とても素敵な瞬間」と信じることができます。

2011年夏。
日常を大きくうばわれてしまった被災地のことを思う毎日。

まだまだこれからという被災地でも、小さくてもいいから、カケラでいいから、日常にあるはずの、お菓子による笑顔と幸せの連鎖を感じてほしい。

そう願い、同じ志を持ったボランティア団体“Sweet Treat 311”とそのメンバーである“アレグレス広尾の塩谷シェフ”と協力し、宮城県にある石巻北高校飯野川校・家庭科室にて、2011/8/3(水)と2011/8/10(水)の2日間、特別スイーツ教室を行いました。

全国のみんながオウチや学校でできるお菓子作りを、被災地・石巻で、そこにいるみんなと一緒にしてきました。
今回の特別教室では、被災地の環境(道具や設備に制限がある)でも作れることにこだわったレシピを用意しました。

カンタン、はゼッタイだけど作る人の想いがつめこまれるお菓子だから、インスタントな味ではなく、びっくりするくらい美味しいお菓子がいい。それを、ありふれた道具だけで作れるようにしたい・・・!

それを、超一流のパティシエ、アレグレス広尾の塩谷シェフに相談。
なんども打ち合わせや試作を重ねて完成させたのが今回の4種類のスイーツです。

Webサイトでこのレシピを見て、他の被災地の方々を始め、全国各地のオウチや学校で、まねして、挑戦してもらえたら、とても幸せです。

どんなに小さなお菓子でも、どんなに小さなカケラでも、それを、わけあう「幸せ」と「笑顔」が、この地球上に、ひとつでも多く生まれますように。


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SCHOOL OF LOCK! スイーツ部presents 
『笑顔をわけあうスイーツ教室』 in 石巻
Supported by Sweet Treat 311

あの日、雄勝(おがつ)中学校の校舎は屋上を越える高さの津波に襲われ、すべてのモノを失ってしまったそうです。でも、一番大切な、生徒だけは、奇跡的に、全員無事でした。

いまの雄勝中学校は、津波の被害の少なかった飯野川高校の一角にあります。
本来ならば学校は夏休みの8月、そこでは、ボランティア団体の協力で、サマースクールが開催されていました。先生たちも被災者なのに、生徒のために・・・。

その石巻・雄勝中のみんなと2011/8/3(水)と2011/8/10(水)の2日間、一緒にお菓子をつくってきました。

スイーツ教室に参加してくれたのは、1,2年生の合わせて30人。
遅れを取り戻すために絶賛勉強中の3年生と、その先生たちにあげるためのお菓子を、合計60個をつくりました。

この日のために、アレグレス広尾の塩谷シェフに開発してもらったレシピは、被災地の環境(道具や設備に制限がある)でも作れることにこだわった4種類のオリジナルスイーツ。

オーブンを使わずに、基本の道具があれば作ることのできる“やさしい”レシピ。

まず、塩谷シェフがみんなに手順を説明しながら一通り完成させ、その様子をじっと見て・・・はい、では各自、作りましょう! バレンタインチョコレートを作ったことのある女の子数人のほかは全員、お菓子づくり初体験。シェフの実演説明中は見とれてしまったのか・・・みんな、いざ自分でつくるとなると・・・あれ、まず何するんだっけ??という様子でした。


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でも、塩谷シェフやわたし(ショコラ先生)、SWEET TREAT311のメンバーのフォローをうけながら一生懸命つくり、なんとか全員完成させることができました。

塩谷シェフは、とても厳しいけれど、愛のある人。
震災から3週間後には自分の車で現地へお菓子を届け、それから毎週、広尾のお店が休みの日に、学校や避難所へ足を運んでいます。

子どものためになることなら何でもする、という信念で、この日も、どうしたら生徒のみんなが自分のつくったお菓子に感動できるか、忙しい仕事の時間の合間をぬって、準備を重ねていました。第一回目、8/3の教室の最後、なんとかカタチにできてホッとしているみんなに、塩谷シェフはこう言いました。

「俺は正直、不満です。」

リラックスモードだった調理室の空気がピーンと張り、表情がちょっと大人になったみんなに、シェフはこう続けました。

「この中で今日、真剣にやった、と自信を持って言えるヤツはいるか?」

「いいか、真剣にやらないと、ウマイものはゼッタイに作れないんだ。今日、みんなの出来は50点だと思う。ただ、俺も悪かった。準備が足りなかった。ごめんな。来週はもっと準備して、もっと本気で来るから、真剣にやって、俺に勝ってくれ!」

どんなことでも、真剣にやってみる。本気(マジ)でやらなきゃ、それが自分にとって大事なものなのか、いらないものなのかが分からない。

そういう信念を持つ、塩谷シェフだからこその、愛ある「喝」でした。

一週間後。
第二回目8/10の教室には、前回はシェフの実演を遠くから見ていた男子たちの、最前列で凝視している姿がありました。


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そしてやっぱり、一生懸命つくったお菓子は美味しい。
全4種のお菓子の中でどれが一番美味しかった?とアンケートをとったら、一番人気は、8/10に気合を入れなおしてつくった「クレーム・ブリュレ」でした。

スプーンでひとくち食べたときのみんなは、サイコーに不器用で、サイコーに素敵な笑顔でした!(笑)

今回作ったお菓子は、3年生や先生、みんなの家族のもとに届けられました。
そして、連鎖するように「笑顔」を運んで行ってくれる。

ささやかな事かもしれないけれど、私にとっては、かけがえのない「夢」の瞬間。
小さな小さなスイーツ教室でしたが、小さな絆から生まれる希望が、未来につながることを信じて、これからも、永く、できることを続けていきたいと思っています。

スイーツ部顧問 ショコラ先生


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