SWITCH COMIC

BECK
著者 : ハロルド作石

selected by 大人の物理担当 やんも先生

SWITCH COMIC。そう言われて浮かんだマンガは、確かにBECKだった。
マンガは、これまでもそこそこ読んできた。
時には生活の全てがマンガだったこともあったし、
時には単なる暇つぶしでしかなかったこともある。
マンガは、これまでもそこそこ読んできた。
そして、頭に浮かんだSWITCH COMICは、BECKだった。

最初に読んだのは、もう、すっかりマンガ生活から足を洗った年頃。
大学を卒業して、上京したばかりの頃だったと思う。

中学生がギターを手に取った話。バンドの話。ロックの話。
その程度のイメージ。

僕はとっくの昔に…いつだったかな…中2か中3…『ロック』に興味を失っていた。
むしろ、嫌い、だったかもしれない。

バンド始める?ギター買った?センスゼロだな。
高校生の僕なら、きっとそう言ってたはず。
なのに、なぜBECKなんだろう。

そう思うと、どうしても、もう1度読んでおきたくなった。

田中幸雄、通称コユキ。14歳。中学2年。
ひょろい。小さい。モテない。明るくもない。スポーツできない。目立たない。イジメられる。カツアゲされる。取り柄がない。
どーでもいい毎日をどーでもいい感じで過ごしている。

俺なんて別にいてもいなくても世の中は動いていくんだもんなァ
ずーーーーっとずーーーーっとこのつまらない日常が続いていくのかな…
おれってホント退屈な奴

コユキは校庭をボーっと眺めてそう感じていた。

当たり前だろ。
お前は退屈な奴で、いなくても世の中は当たり前に動いて、
ずーっとつまらない日常が続くんだよ。
当たり前だろ。人生に何を期待してるのか知らないけど。
1人でそんなこと思ってる限り、100%そうだよ。
今日、改めて読んでみてそう思った。

そんな彼は、ある日、南竜介という男に出会い、ギターを始め、”BECK”という名のバンドを組み、人々の心を揺さぶる声を持つボーカリストとして、天性の才能を持つ作曲家として、周囲に、そして世界に認められ始める。

たいていの人は、コユキみたいに上手に歌えなくて、いい曲も作れなくて、
才能がない。
マネしたくてもマネができない。
なりたくたって、誰も、コユキになんか、なれない。

そう思いながらBECKを最新刊まで読み終えると同時に、
なぜBECKを選んだのか、ようやく分かった。

才能には、マネできるものと、マネできないものが、ある。
キミがマネできるもの。
僕がマネしようと、あの時思ったもの。
それは、コユキの『出会い』の才能。

コユキは本当に平凡でオクテで退屈な奴。
でも、彼は出会いを掴みにいく才能があった。
『あ、あの人』と思ったら、後先考えずに突撃して話しかけた。
コンプレックス丸出しだったり、時にはぶん殴られたりしながら、
自分の直感を信じて、出会いを掴みにいった。

出会いは運命なんかじゃない。
運命だとしたら、手を後ろに回してモジモジしている僕やキミの目の前を、
次々と通過していく、この『出会い』たちは一体なんだ。

コユキは運命の出会いを果たしたから成功したわけじゃない。
出会いの波に飛び込んでいったから、
次の波に乗るための『切符』を手にし続けてるんだ。

その切符の行き先は、人によって違う。次の出会いによって、
どんどん変わったりもする。
溺れて流されたって、スタート地点に帰るだけ。出会いの波は、
いつだって目の前を流れてる。
『何度だって来いよ』って言いながら。

僕だってキミだって、別にいてもいなくても世の中は動いていくし、
つまらない日常が永遠に続いていく。
1人ならね。
1人は1人。2人は、友達であり仲間であり先輩後輩であり恋人であり、
すでに『世の中』だ。
キミ無しでは動くことがない『世の中』だ。

たった1人で東京にやってきた僕の心の片隅に引っかかっていたのは、
BECKのそんなSWITCH。
…とか言って、やっぱギター買いたくなるな、このマンガ(笑)


オッス! ケータイ番長の桜田門だよ! 校長教頭、SOL講師陣、SOLの先生、そして生徒たちが熱い思いで紹介している作品にビビっと来ちゃったというキミ! アタイがその作品をゲット出来るようにリンク貼っといたよ!
どうだい? やるだろ? でもホメ言葉は苦手なんでお断りだよ! そこんとこヨロシク!

★ ゲットしたいキミは「コチラ」をチェック!


SCHOOL OF LOCK キモチスイッチ