SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY

#6 「やさしさと歌」

「生徒諸君、教授のマンボウやしろだ。
この番組では先週、やさしさについて考えてみた。

それから僕は一週間、やさしさって何だろうということを考えた。

ゴールデンウィーク中、僕の住んでいる街はいつもと雰囲気が違っていた。

午前中散歩していると、外国人の年配のご夫婦が手を繋いで歩いていた。
その後ろに日本人の年配のご夫婦が歩いていたが、手は繋いでいなかった。
文化の違いかな。なんてことを僕は思っていた。

それからしばらく散歩していると、日本人の老夫婦が手を繋いで歩いていた。
それぞれの形があるなと思った。
ただ、2人があまりにも幸せそうな笑顔で、ゆっくりゆっくり歩いている姿を見て、

やさしさというのは、
相手が幸福でいられるかどうか。
相手が幸せの中、生活できているかどうか。
それを渡せていることが“やさしさ”なんじゃないかと、思った。

僕自身もいつか素敵なパートナーを見つけて、そのパートナーが何年経っても笑顔で過ごせるような振る舞いをしていきたいなと思った。

そして、やさしさとは積み重ねなのではないだろうか。
この行いは、はたしてやさしいのか、やさしくないのか。
そこもあるだろうけど、そのやさしさを日常のように何年続けることが出来るか。それが大きな意味での、本当のやさしさなのではないだろうか。

ということを、その夫婦から僕は教わった。

何か大きなものを頂いた気持ちになり、温かい気持ちでその老夫婦を見ていると、穏やかな表情で二人で信号無視をして横断歩道を渡っていった。」


M カラフル / 井上陽水奥田民生


「“偉人は特別な場所にいるわけではない”という話を聞いて、なるほどと思ったことがあります。
みんなも生活していて、歴史上の偉人とか、スポーツの偉人とか色々聞くとは思いますが、偉人は何も特別な存在ではなくて、好きな人を見つけたりとか、朝起きて学校行ったりとか、朝起きて仕事ちゃんとしたりとか、その中で素敵なパートナーを見つけて、好きな人の素敵な部分に気付ける。
もうそれだけでも偉人なんだと。すごい人なんだ。という話を聞いて、本当にそうだなと思ったわけです。
だからこうして今同じ時間を共有している、ラジオを聴いてくださっている皆さま。皆さまもですね、偉人だと思っていいですよ。みんな偉人。」


「今回の講義テーマは「やさしさ」です。前回、皆さんの書き込みから“やさしさについてやってください”“なるほど、やさしさってなんだろうか?”なんていう話をしながらですね、BUMP OF CHICKENの楽曲を聴いて喋ったりだとか色々させていただきましたが、先週までの結論はやさしさは難しいなでした。
だからこそもう一度、問いのない答えと向き合ってみようということで「やさしさ」が今日のテーマです。

冷たいように見えるけど、実はあの人はやさしい。
昔は気付けなかったけど、あの厳しさはやさしさだった。
やさしいようなことばっかり言ってるけど、実は自分のことしか考えていない。

こういう会話を聞いたことも、そういうことを思ったこともある人も多いんじゃないかと思っております。
やさしい人とはどんな人なのか。そもそもやさしさとは何なのか。」


「そして今回は、「やさしさと歌」をテーマにしたレポートも募集していました。
この曲で歌われていることはまさに、やさしさだと思います。
これを聴くとやさしい気持ちになれるんです。
君がやさしさを感じる曲、やさしさが歌われていると思う曲。
その曲について君がどう感じたか、聴きながらどんなことを考えたか、教えてほしい。」


「さあ、一つ目からいこう。17歳だ。高校2年生?3年生?高2はいいぞ!」


人のやさしさを感じるのは、人の温かさを感じれたときのような気がします。
心の温度が1あがったような感覚を人はやさしさと言い表したのではないでしょうか。
お互いの気持ちを尊重して相手のために行動することがやさしさで、それが出来る人間という生き物がとても愛おしいです。
でも、意図があるやさしさは騙しでしかないと思います。
受け手側がやさしいなと思ったとしても、やっぱりその行為そのものは偽りではないでしょうか。
 

ピーチティー
東京都 女性 17歳


「これね、僕も昔からずっと考えてるんですけど、やさしさをする側にとっては、それがピュアなのか打算なのかは関係ないという意見もあるわけですよ。僕も、それはどうなんだろうと思う。打算とか意図とか偽善のやさしさっていうのは本当にダメなのか?ダメなのかな?」



やさしさって難しいけど、ひとつ思うのは、たとえそのやさしさが偽善であっても、気まぐれであっても、自分をよく見せたいだけであっても、
やさしさを受けた側はタイミングや、その時の状況で本当に救われることがあるし、涙が出るほど感謝することがあるってこと。
だから出来る限り優しくありたい。
 

あおいろ


「うん。そういうことですよね。こっちがどう思ってるかということは関係がない。
ご飯を食べてる人が、もう本当にお腹いっぱい、もう食べれない。と、店に入れなかった人に肉を渡す。
受け取った人は、お腹が空いて死にそうでした、その肉があって助かることが出来ました…!と。
でも、渡した側はお腹がいっぱいだから渡してるっていう…そこにやさしさはないわけでしょう?

この偽善とやさしさみたいなものは世界中で色んな人が考えてきていて、
あおいろさんの言ってることもその中の一つの答えのような気もするけど、ここからさらに先に、何かをみんなで見つけていけたらなとは思ってるんです。」

「この道徳とか哲学みたいなところっていうのは価値観の話であって、正解不正解がないので…。だって、17歳のピーチティーさんは“意図がある優しさは騙しでしかない”と思いますと言っているわけですよ。
対してあおいろさんは“こっちのタイミングは関係ない。相手の状況で救われることもある。だから出来る限りやさしくありたい”と。
どちらも正解なんですよ。
どちらか上か下かということも、これはないんですよ。」


M たしかなこと feat. 菅野樹梨 / kobasolo


「良い歌だな。名曲ですよ。いま聴いて、皆さん色んなことを思いましたよね。

やさしさって何だろうとか、
自分があの時やったのは、やさしさなのか、
あのことをしてくれたあの人は、やさしい人だったのかとか。

それが全部答え!

よし!(笑)自分の中で、やさしさの概念みたいなものの結論が出たのよ(笑)。答えがないから、これ。“答えがない”っていう答えが出た。」


放送を聴いてやさしさについて考えてみました。
僕は自分をやさしくない人間だと思う。
自分のことで手一杯で、人助けなんか人任せだし、気にくわないこと一つだって許せない。
だからこそ、やさしくなりたい。やさしくしたい。そう思っています。
最近、これこそがやさしさだと僕が感じた歌があります。
それが正しいかわからないけど、聴いてみてほしいです。
 

薄い過酸化水素水
東京都 男性 27歳


「「やさしくないからこそ、やさしくなりたい。やさしくしたい」
僕ね、ここにすごく大きな何かが入ってると思います。自分がやさしくないからこそ、やさしいと感じる人を愛おしいと思えるし、何より一生を懸けてでも、やさしくなる練習を欠かしてはいけない気がする。ゴールがない。人の心の完成はない。みたいなね。」


M 中央線 / tacica


「やさしい歌だと思ってるけど、同時に強い歌だなと思います。
何を以ってやさしいと思っているか?
まだ言語化が追いついていない。それは歌詞だったりメロディーだったりするんだけど、これはどういうやさしさなんだろうな。
こういう覚悟を決めて生きて歌にしている人がいてくれているという、僕たちに安心感をくれているやさしさなのかな。
この歌自体がやさしさを歌っているわけではないんだよな、多分。
これを聴いてやさしい歌と思う人と、思わない人がいるような気がしてきたな。」


「僕を含め、かなりの人数の助教授がこの番組にはいますけれども、皆さんがリクエストをくれた曲なんかも聴いてみたり、話したりとかしたわけですが。
例えばBUMP OF CHICKENの曲みたいに、やさしさをテーマにした曲もあれば、そうじゃなくて“あの人の嫌な部分も嫌いな部分も好きになれる”みたいな、決してやさしさそのものを歌っているわけじゃないんだけど、自分がその歌を聴いたときに、これがやさしさなんだって思えるとか、やさしい気持ちになれるとか、そういうものが沢山あって。皆さん、たくさんリクエストありがとうございます。本当に。」


「いろんなことが分かってきました。
まずね、やさしさという定義づけは悪魔作業なんですよ多分。やさしさはどういうものだと明確にすることは、意外とやっちゃいけない作業で…。皆さんの書き込みとか、つぶやき。それから僕も考えてきて音楽があってとか色々総合して、ある程度見えました。」


「前回も含めて、約1.5回の放送でやってきましたが、ここで一つの僕なりの結論。教授としての結論を出します。今日は哲学とか、そういうことも含めて言うけど、全然違う角度の話をまず皆さんにします。ついてきてください。」

「アメリカで制作されていた番組で、日本のEテレが買い取って数年遅れでやっていたモーガン・フリーマンさんの『時空を超えて』。僕、大好きな番組です。
そこで、『宇宙人は神様を信じるか』というテーマで一時間。
皆さん、今、違和感ありましたか?
宇宙人は神様を信じるか。宇宙人がいるかいないかの話も関係ないんですよ。
宇宙人は神様を信じるか。これ、何故かと言ったら色々あるんですけど、星の中で生物が誕生する確率は何千億に一だ、みたいな数字があって、じゃあ宇宙には何千憶×何千憶の星があるから、宇宙人がいないほうがおかしい、とかね。
いろんなことを踏まえて科学的には生物はいる。で、長い時間を考えると、おそらく人間よりも文明が進んでいる生物はいるんじゃないかと言ってる学者もいる…。
ここを踏まえた上で、どんな宇宙生命体であっても、初めは単細胞生物のように知能が低いところから始まっていくんだと。急に高次元の思考をもった生き物が誕生することはない。
その星である単細胞の生き物ができて、どんどん増えて、どんどん進化していくわけです。その星なりの。
その過程において、ある一定数最低限以上の知能を持った生き物が誕生した時点で、殺しあわないようにまとめなきゃいけないという段階に入るの。
その時におそらく、神様のような存在を誰かが使うことで初めて統率がとれて、そこから科学が生まれてくると。
だから、宇宙に生命体がいたら、一度神様を信じた時期を経ていることは間違いないだろうと言ってる学者もいる。」

「それを考えるとね、僕たちっていうのはもしかしたら、やさしさというものが何かが分からないれども、
やさしさってこういうことかな
相手のことを思うことかな
何十年も与え続けることかな
自分が打算的でも、相手にとっていいものだったらそれでいいのかな
と、いうことを考え続けることが大事であって。
要はね、神様を信じることと同じように、やさしさを持つということは、人と人が生活する文明においては、抑止力になっているんだ。
だから、このやさしさという概念は、人が次のステージにいく途中で持たなくちゃいけなかった概念かもしれない。
ということは何か? やさしさは、人の途中なんですよ。だからね、すごいこと言うよ。

この先、いつの日か人類から、やさしさ…なくなります!」


M やさしさに包まれたなら / 松任谷由実


「やさしさはなくなると言いました。ただ、それは大分先の話かもしれない。
答えは、やさしさに関しては答えを出さないことだと思う。
やさしさに関しては答えを出さないことだと思う。

愛はもしかしたら、みんなで答えを出せるかもしれない。
お金との付き合い方、答えを出せるかもしれない。
人類の未来、答えを出せるかもしれない。

でも、やさしさは何かということは、おそらく答えを出して行うことじゃないということだから、考え続けるしかない。
宮沢賢治先生も言ってましたよ。“人はやさしくすることじゃない。もっと根源的には正しいって何だろう。やさしいって何だろうと考えることが一番大事だ”と。ようやく宮沢賢治先生が言ってたことが、僕の体にストンと落ちました。それはこの1.5回の授業をやったおかげだと思っています。皆さんと一緒に出せた。ようやく宮沢賢治先生の背中が見えた!!あの遠くの山の背中は、あれは宮沢賢治先生の背中かもしれないな…と!初めて思えた!!」


「来週の講義テーマだが、皆さんからこの1ヶ月、色んなテーマでやってくれと書き込みをもらっている中で、やはり“お金”が多かった。
“お金にまつわること”、それをうちの助教授たちが色々組み合わせながら、これはどうだろうというのを考えてくれました。いきましょう!」

「次の等式を成立させよ。『 お金 = 愛 』」

お金から何を引けば、お金に何を足せば、お金と何を掛ければ愛になる?
お金=愛の数式に何を足したり引いたりしたらこうなるのかと、皆さん書いてください。+、−がいくつあってもいいです。ガンガンガンガン、自分が思う数式を書き込んでください。
それではまた来週。もう一度、それぞれの答えを持ち寄ってみよう。
愛はお金では買えない。それも真実。ただ、お金で買える愛もある。…どうもありがとう。」


次回の講義は、下記式の解について考えます。

「次の等式を成立させよ。『 お金 = 愛 』」

回答例)「お金ー欲=愛」「お金÷大切な人=愛」

お金から何かを引けば、愛に近づくのだろうか。
お金に何かを加えれば、愛になるのだろうか。

お金とはなんだろう。愛とはなんだろう。

引いてもいい。足してもいい。かけても、割ってもいい。
『お金=愛』
この等式を成立させる、君なりの解を探し出してほしい。


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