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ON AIR BLOG / 2017.01.25 update


今日は「「ひきこもり新聞」が創刊された」というニュースについて。
毎日新聞夕刊編集部、堀山明子さんに解説していただきました。

Q:学校や仕事に行けない人たちが増えていますが、この新聞はだれがつくっているのですか。
A:ひきこもり経験を持つ、世田谷区在住の木村直弘さんが
  同じような経験を持つ仲間と昨年11月に発足させました。
  まだ、ひきこもりを続けている人たちに向けて、
  自分たちの経験を発信することで「いつも味方だよ」というメッセージを
  伝えたいと始めたものです。
  テレビやメディアに登場するひきこもりは偏見に満ちていて、
  そうした報道が社会に出づらい環境をますますつくっている。
  だから、ひきこもり当事者の意思を尊重した支援とはどういうものなのか、
  苦しみを解決する方法は人それぞれ違うことを含めて伝えたいと、
  創刊号には書かれています。8ページで500円。2カ月に1度発行予定。

Q:どんな内容なのですか?
A:創刊号は、1ページ目に木村編集長の決意表明、
  それから、ひきこもり女子会を企画している経験者のインタビュー、
  ひきこもりの人たちのカウンセリングをしている精神科医のインタビューなどが
  載っています。ここに出てくる女子会企画というのは、
  女性だけのほうが安心して話せる人もいることに配慮して始めたそうです。
  話しやすい環境というのは人それぞれですが、 
  ハードルの下げ方も経験者だから分かるツボがあるのかなと思わせます。
  ひきこもりの子とうまく会話できない家族にも、
  心を開いた言葉や行動がどんなことなのか、参考になっているそうです。

Q:編集長はどんな人なんですか。
A:編集長の木村さんは32歳、
  弁護士を目指して司法浪人した時期を含めて10年ひきこもりが続いたそうです。
今週月曜日の毎日新聞夕刊にも「ひきこもり新聞」を紹介した記事が
掲載されているのですが、この記事で印象的だったのは、
家の外に出ることが「ひきこもりの解決」ではないと強調していた点です。
大事なのは自分を認めてくれる居場所。何かのきっかけで社会に出ても、
居場所がなくて家に戻るケースもよくあるそうです。
ひきこもり経験者は、戻るかもしれない不安を抱えながら社会で生きている。
だからこそ、経験者のネットワークとか、情報発信をしながら、
社会の中に居場所を広げたいと言っています。

Q:ひきこもりの人たちの居場所って、どうしたら広げられるのでしょうね。
A:ひきこもり新聞や記事を読んで思ったのは、イメージとしては、
  居場所と逃げ場が重なるとか、
  逃げたり戻ったりしても許容される社会なんじゃないかと。
  あるいは、ひきこもりのままでも、認められる空間を広げるとか。
  昨年、ひきこもりの男女を主人公にした「ヒッキーヒッキーシェイク」という小説が
  発行されたのですが、作家の津原泰水さんが描くカウンセラーは、
  彼らに外に出るよう強要しない。それでいて、ネットでつながったりしながら、
  コミュニケーションをしている。津原さんはひきこもりを「ヒッキー」と
  わざと軽い呼び方をして「だれにでもありうること」という発想を
  広げたいと言っています。
  ネット時代は、ひきこもりの人が社会とつながるバリエーションが
  拡大している時代なので、問題は外にいる人たちの硬い頭を
  柔らかくすることのほうではないでしょうか。
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