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ON AIR BLOG / 2017.11.22 update

今日は、毎日新聞 政治部編集委員 平田崇浩さんに解説していただきます。

Q:今回は「安倍総理が久しぶりに国会で答弁した」というお話です。
A:本格的な国会論戦が行われるのは 6 月に通常国会が閉会してから 5 カ月ぶり。 日本の総理大臣は国民が選挙で選んだ国会議員の投票で指名される議院内閣制。 総理大臣は政権の方針や政策について国会を通じて国民に説明する責任がある。 しかし、安倍総理は国会審議に応じないまま、衆議院選挙をしました。憲法 53 条には、衆議院か参議院で議員の 4 分の 1 以上が要求すれば 内閣は臨時国会の召集を決定しなければならないとある。この規定に基づいて 6 月に野党が臨時国会の召集を要求したが、安倍総理は 3 カ月以上放置し、ようやく 9 月 28 日に臨時国会が召集されたら その冒頭に衆院を解散した。野党は森友学園、加計学園の疑惑隠しだと批判した。

Q:その衆議院選挙で自民党は勝ちました。
A:衆議院選挙の後には、新しい議員で総理大臣を指名する特別国会が開かれる。 衆議院選挙では自民、公明の与党が 3 分の 2 を超える議席を獲得して大勝した。 11 月 1 日に召集された特別国会で安倍さんが 4 回目の首相指名を受けた。 堂々と国会で質疑をすればいいはずだが、安倍総理は当初、 国会審議はしないで特別国会を閉じ、年内はもう国会を開かないつもりだった。

Q:安倍総理はなぜそんなに国会を嫌がるのですか?
A:やっぱり「森友・加計」問題を追及されたくないのではないかと考えざるを得ない。 選挙で勝ったのだから、もう国民の理解は得られた、 国会で野党に説明する必要はないと思っているのかもしれない。

Q:結局、国会を開くことになったのですよね。
A:さすがに来年 1 月まで半年以上もまともに国会審議に応じないことになれば 「国会軽視」と批判される。与党が野党の要求を受け入れて 12 月 9 日まで 国会が開かれることになった。ただし、それを受け入れる交換条件のように自民党は 野党の質問時間を減らすと言い始めた。

Q:そんなに野党の質問には答えたくないのでしょうか。
A:そう勘繰りたくもなる。これまで衆院の予算委員会などでは野党 8 対与党 2 の割合で質問時間を割り当てていた。 自民党はそれを議員数に応じて与党 7 対野党 3 にするか、半々の 5 対 5 にしようと主張している。

Q:これまでなぜ野党に多くの質問時間を割り当ててきたのですか。
A:国会の重要な役割の一つが政府のチェック。 議院内閣制のもとでは与党は政府と一体化するため、国会で厳しい質問はしない。 政府をチェックするため野党に手厚く質問時間を割り当てる慣行は 世界の民主主義国にある。そもそも民主党政権時代に野党だった自民党の主張で 現在の野党 8 対与党 2 という配分になった。 自分たちが与党になったから今度は与党の質問時間を増やせというのは ご都合主義が過ぎる。

Q:国会審議がそれだけ大事だという意識が社会全般にあるかどうか。
A:国会審議を充実させる責任はもちろん野党にもある。 反対ばかり、批判ばかりではなく、いかに建設的な議論をするか。 国会審議の内容を報じる我々メディアもその重要性を伝える努力を もっとする必要がある。総理大臣が国会を軽視するということは、野党だけでなく、 与党も含む国会全体が行政府から軽んじられるということであり、 ひいては選挙で投票した国民を軽んじることになる。

Q:少子高齢化で年金や介護、子育ての問題がどうなるのか。 北朝鮮の問題で戦争は起きないのか。 選挙が終わってからも私たちが安心できる説明はありません。
A:国会はもちろん、あらゆる機会に 政府・与党にしっかりとした説明を求めていかなければならない。


-–-–国会の中継って昼間だからみんな仕事しててなかなか見れないけれど ネットを観たり新聞読んだりしっかり国民の私たちもチェックしないといけません。

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