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ON AIR BLOG / 2018.01.24 update

今日のトピックは「草津白根山の噴火について」。気になるニュースについて、このコーナーのサイエンスニュース担当、青野由利さんに解説していただきました。。

Q:群馬県と長野県の境にある草津白根山が噴火しましたね。
A:はい。びっくりしました。犠牲者やけが人も出てしまい、とても残念です。
草津白根山はひとつの山ではなくて、白根山、本白根山など、複数の山からできているんですが、今回噴火したのは、本白根山の鏡池の付近です。ここで噴火するとは専門家も思っていませんでしたし、噴火の前に火山性微動が増えるといった前兆もなかったそうです。

Q:静かな山だったんですか?
A:実は、草津白根山自体は2014年以降、火山活動が活発でした。それで、一時は噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられていたんですが、昨年6月、火山活動が低下したとみて、レベルを1(活火山であることに留意)に引き下げていました。その後、警戒レベルを再び上げるような現象は起きていなかった、ということです。ただ、いずれにしても、噴火の危険性があると思われていたのは、今回噴火した本白根山から2キロほど離れた白根山の湯釜周辺です。本白根はノーマークで、そういう意味でも、不意打ちだったわけです。

Q:監視体制は?
A:白根山の湯釜周囲には、カメラや地震計、傾斜計などが集中して設置されていましたが、本白根山の方は手薄でした。

Q:本白根山が前回噴火したのは?
A:3000年前と言われているので、人間の感覚だと大昔ですが、地球の時間に照らせば、何千年ぶりでも別におかしくありません。

Q:2014年の御岳山を思い出します。
A:あの時も、突然の噴火で、前兆はありませんでした。この時の被害をきっかけに、噴火発生を知られる「噴火速報」というシステムを気象庁が導入したんですが、今回は速報は出せませんでした。監視体制が手薄だったので、噴火が起きたかどうか、すぐに判断できなかったんですね。

Q:今後どうなる?
A:現在、噴火警戒レベルは3に引き上げられていて、鏡池を中心に2キロ程度の範囲で入山規制がされています。今後の噴火がどう推移するかはわかりませんが、火山性地震が続いているようですので、噴石が飛んだり、噴火で雪がとけて泥流になるといった現象に警戒する必要がありそうです。

Q:日本は火山国、いつ、どこで噴火してもおかしくない?
A:はい。全国に111の活火山がある国ですから。

日本は温泉が出る国だけどそれだけ活火山が多い国でもある。火山に近づく時は万一の可能性もあるということも考えないといけないのかもしれません。

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