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毎日新聞 presents NEWS CONNECTION

ON AIR BLOG / 2018.03.07 update


今日のトピックは、昨日の夜に突然発表された 4月末に南北首脳会談開催というニュース。毎日新聞 外信部 堀山明子さんに解説していただきました。

Q:平昌冬季五輪で対話があって、 融和ムードが高まっていましたが、一気に進みましたね。 昨日のニュースを知ってびっくりしました!どういうことですか?
A:南北対話を米朝対話につなげて、 北朝鮮の核・ミサイル開発を中断する交渉を始めさせたい という韓国のシナリオが具体化した形です。 5、6日にピョンヤンを訪問していた韓国の特使団に対し、 金委員長は、朝鮮半島非核化の意思を明確にし、 軍事的脅威が解消され、金正恩体制が保証されれば、 核廃棄も検討する考えを示しました。

Q:五輪の勢いを逃したくないから、首脳会談の開催時期が4月 という早い時期に設定されたのですか。
A:それもありますが、4月から米国と韓国が毎年恒例の 大規模な合同軍事演習をやることになっていて、 その時期はいつも緊張が高まります。 米国はいまのところ演習をやめるつもりはないのでやる可能性はあるのですが、 首脳会談がセットされていれば、米国も北も過度に挑発はしないだろいうという、 韓国の期待がこめられた時期設定ではないかと思います。

Q:南北首脳会談は過去にもありましたよね。今回は何か特徴がありますか。
南北首脳会談は、金正恩体制になってからは初めてです。 過去には父親の金正日総書記が2000年に韓国の金大中大統領と、 2007年に盧武鉉と行いましたので、あわせると3回目です。 過去2回の首脳会談でも南北統一だけでなく、 核ミサイル廃棄を通じた平和体制の確立などが議題になりましたが、 今回は北朝鮮の核ミサイル放棄、非核化へのプロセスを実質的に話し合う 米朝協議にどうつなげるかが最重要トピックです。 韓国はジャンプ台の役割を果たすことに徹しているように見えます。

Q:堀山さんは元ソウル特派員ですよね。 南北首脳会談を過去に取材したことはありますか。
A:過去2回ともソウルで取材しました。 4月の首脳会談も取材する予定です。

-–そして、堀山さんのNEWS CONNECTIONご担当は本日が最後。 4月からソウル特派員として赴任することになりました。

A:行ってすぐの大仕事が南北首脳会談になります。 金委員長は、キューバなど社会主義国との首脳会談はやったことがありますが、 西側諸国といいますか、メディアの取材が入るような首脳会談は初めてで、 韓国では「実質的な外交デビュー」と報じています。宿首脳会談は、さまざまな本音トークも出てくるので、 金委員長がどんな指導者なのか、新たな発見が多いでしょう。

Q:南北首脳会談、米朝会談、非核化へと進むのでしょうか。
A:なかなかそううまくはいかないと思います。 でも軍事モードからしばらくは対話モードに入ったのは確かです。 試行錯誤しているうちに2020年の東京五輪が来て、 今の韓国が抱えている悩みを日本が抱えることになるかもしれません。 だから、今回の南北、米朝の動きはその後の日朝会談につながるかもしれないという視点で追いかけたいと思います。

もちろん北朝鮮のことですからどうなるか?は冷静に見極めなきゃいけないと思うんですが、 平和の祭典オリンピックをきっかけに 対話モードに入ってきたというのは、すごくいいことかと。そして堀山さん。2015 年の春から 3 年間にわたってのご登場、 ありがとうございました!北朝鮮問題が大きく動き出しそうな大事な時期でのソウル就任。 頑張ってください!!

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